先日、紹介させていただいた「生きてやろうじゃないか」の著者である武澤順子さんの手記が送られてきたので転載させていただきます。
「震災から4年・・に寄せて」
生き残りの杏(あんず)の花が満開となり、冷たい風に負けじと揺れております。
凍土を割って早くからつぼみを立ち上げている水仙が、一斉に花を開けば、もう四度目の春が来たと言えるでしょう。
3.11・・・あの時、この花たちは津波の泥の中に埋もれ、次の年に芽が出ることはありません
でした。
思いもかけない天変地異に、人はいつ巻き込まれるか解らないのです。
大自然の恵みと畏敬の中で、万物は生命あるのです。
亡くなった方を悼み、失った生業や故郷の土地から復旧・復興するにはどうしても格差が出てきます。
一口に被災地を語ることはできません。
それでも命ある限り、人は生きていかなければなりません。
たくましく四季に呼応する植物や虫や鳥たちに自然再生力がある様に、・・・人間も気力と生命力をふりしぼって立ち上がらなければ、前に進むことは出来ないのです。
独りではなく大勢の人々が支え合い、励まし合って、国や自治体の力も借りて・・・。
あの3.11から、今日の3.11まで・・・
私は皆さんに生かされて居りますことを、感謝しています。
平成27年3月11日 福島在住82歳 武澤順子
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