先日、お客様を自宅にご案内させていただいた折に、ソーラーサーキットの家の夏の住み心地についてご質問がありました。お客様には、その場である程度ご説明させていただいたのですが、現在弊社で家造りを検討していただいているお客様にも、是非ご理解いただきたい大事な事ですので、過去記事ではございますが、改めてご紹介させていただきます。
冬場に家造りを検討すると、どうしても寒さ対策にばかり目が行ってしまいがちですが、四季がある日本においては、夏の暑さ対策も重要で省エネの観点からもしっかり検討しなければなりません。
そして、これだけは知っておいて欲しいのですが、断熱性能を高めれば高めるほど、逆に夏は熱ごもりによって室温は高くなり、エアコンを常時稼働させなければ快適な暮らしは送れません。
ソーラーサーキットの家は人が季節によって衣替えするように、家も衣替えしましょうとのコンセプトから、誕生した建物ですので、年中オーバーを着込んだだけの高気密・高断熱の家とは違い、冬は断熱性・夏は通気性を重視した四季対応型の画期的な住まいです。
下記の記事は記録的な猛暑となった3年前の夏の記事ですが、是非一読下さい。
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連日30℃超の真夏日が続き、県内でも記録的な猛暑となっております。
ちなみに、宮城県の7月の最高・最低気温の平年値は 最低気温が21.5℃で最高気温が28.5℃だそうです。
平年並みの暑さであれば、ソーラーサーキットの家の場合、エアコンがなくとも扇風機で十分快適な夏を過ごせるのですが、この猛暑ではさすがに、エアコンや日射対策などいろいろ工夫が必要になってきます。
画像は昨日午後1時30分位の我が家のリビングの内外温度計。外が36.5℃・室内が28.9℃。
そしてリビングの温度計にも目をやると
29.2℃で湿度が63%でしたが、Tシャツに短パンという事もあり、暑さを感じる事もなく快適でした。(エアコンは料金の低い夜間だけ運転し朝8時にOFFにしております)
29℃で快適ってホント?と思われる方もいらっしゃると思いますが・・・。
そこで、なぜソーラーサーキットの家が夏に強いのか、おさらいという事でご説明したいと思います。
人が感じる体感温度は室温だけではなく、床・壁・天井の表面温度が大きく影響するのはお解りかと思います。(湿度も大きく影響します)
これは表面温度計です。表面温度計で床・壁・天井・窓の部分を測定してみました。
先ずは床面から
基礎外断熱の家はどんなに外が暑くなろうとも、床下の温度は地熱の効果で25℃~26℃で一定しているので、床の表面温度も25℃~26℃位となります。
そして壁と天井です。
どちらも28℃となっております。そして窓だけが外気温の影響を多少受けて30℃を超えています。
外気温が35℃を超えているにも関わらず、壁の表面温度が28℃というのが実は物凄い事で、おかげでエアコンがなくとも29℃の室温がキープ出来るのです。
そしてまた驚くべきは、29℃といえば、一般的に暑いと感じる室温ですが、ソーラーサーキットの家で暑さを感じないのは、この床や壁・天井の表面温度からくるものと言っても過言ではありません。
ところが、充填断熱や擬似外断熱の家ではこうはいきません。
輻射熱は冬は当然有効なのですが、夏は全く逆の作用を及ぼす事は誰でもわかる事です。
通常、夏場は外気温や日射・室内で発生する生活熱の影響を受け、室内はもちろん、壁や天井・床下にいたるまで構造躯体の中の温度は上昇します。
仮に日射も強く、35℃を超える外気温だったら壁や天井の温度は何℃になるでしょう?
ゆうに40℃を超える事は間違いありません。
そうすると例え室温が、28℃だったとすると
28+40÷2=34
(これは、体感温度=室温+壁表面温度÷2という体感温度の目安を表す式)
となり体感温度は34℃となりエアコンなしでは熱中症で倒れるほどの温度となります。
しかし、ソーラーサーキットの家は、室温も壁の表面温度もほぼ同じとなるので、室内温度=体感温度となりますので、エアコンを使用する場合でも27~28℃の温度設定で十分な涼しさとなり、逆にそれ以上下げると寒さを感じるほどなのです。
ソーラーサーキットの家の夏場の自然室温(エアコンなどを使用しない室温)は他の建物に比べて、最低でも3℃は低いというのは、東大のシュミレーションでも発表されておりますが、こうした紛れもない事実からも実証されている事なのです。
ソーラーサーキットの家は、外断熱と二重通気の技術を組み合わせる事で
① 外壁の裏側で熱せられた空気をまずアウターサーキット(外部通気層)によって排出する。
② 構造の外側で、断熱材を隙間なく連続して施工する事と高レベルな気密工事の実施で、暑さの元となる熱や湿気の侵入を遮断している。
③ 外気や生活熱によって、熱せられた断熱材の内側の空気は、インナーサーキット(内部通気層)の中を自然の原理である上昇気流(暖かい空気は上へと上がる)により、インナーサーキットを通り小屋裏へと上がり、小屋裏に設けた排気ファンによって外部へ排出する。
④ インナーサーキット内の空気が上昇し、ファンによって排出する事で、通気層の中で負圧が生じ、床下の涼しい空気がインナーサーキットを流れる。
⑤ ①から④の効果によって、壁体内の温度上昇を確実に防ぐ為に、壁内の温度が外気温以上に上昇する事はほとんどない。(外気温が急激に下がる朝晩は逆転現象となる場合もある)
つまり、ソーラーサーキットの家は、住まい方さえ間違わなければ、他のどの建物よりも、冷房負荷を軽減すると共に、快適で健康で省エネな暮らしを実現すると言える住まいなのです。
少々、説明が長くなりましたが、ご不明な点などございましたら、何なりとお問い合わせ下さいますようお願い申し上げます。
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2015.09.25 (中山の高梨欽司)火災保険の制度
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2015.08.25 (阿部貴日呼)毎週のように行っています
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2014.12.10 (高橋一夫)ありがとうございます。
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2014.12.08 (ちょーすけ)勉強になります
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2014.12.04 (T氏)ごちそうさまでした!
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