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国交省との懇談会

  • 国交省との懇談会
先日、(一社)全国住宅産業協会と国交省との懇談会があり、協会として、平成30年度の住宅・土地税制改正に関連する15の要望案並びに住宅金融支援機構に関する14の提言をさせていただきました。



国交省の住宅政策についても、様々ご説明いただきましたが、冒頭、伊藤住宅局長より、住んでよし!残してよし!売ってよし!貸してよし!の価値ある住宅の建設と流通を促進し、この国の住宅ストックの充実に向け、共に取り組んでいきましょうとのご挨拶がありました。



改めて、この国の住宅を欧米並みに長寿命にして、良質な住宅ストックの形成に貢献することこそが、責任ある地元業者の役割であり使命であると認識しました。


これからも「いつまでも強く・いつまでも快適に」

住む人と建物の健康をいつまでも守り、50年後も価値ある家づくりに邁進して参ります。



シロアリの薬剤散布で賠償命令

昨年暮れの話ですが、重要なことですので紹介させていただきます。

隣の家で、散布したシロアリ駆除の薬剤が原因で化学物質過敏症(CS)による体調不良を起こしたなどとして、男性の患者が建築・リフォーム会社に損害賠償を求めた訴訟の判決で、佐賀地裁は、訴えの一部を認めて会社に治療費など約30万円の支払いを命じたそうです。

訴訟では会社側が薬剤の散布時に男性へ事前通告する義務があったかが争点になったようですが、判決理由の中で、シロアリ駆除の数日前の外壁塗装工事でも体調不良になった男性が、会社側に化学物質の利用前の連絡を求めていたことを示し、「通告義務違反の過失がある」と認定したとのこと。

家に住めなくなった賠償として男性側は約2300万円も求めていたそうですが、家の中で薬剤の主成分が検出されなかったことなどを理由にこの訴えは退けられました。

化学物質過敏症の患者は、予備群も含め1000万人以上とされており、最近では、香害110番が設置されるなど、大きな社会問題になりつつあります。

こうした判例が出たことは、化学物質過敏症の方々にとっては、画期的で朗報ではありますが、化学物質の屋内外での使用については、十分注意が必要で、周辺住民にも配慮した対応が必要です。

こうした話は、あまり関係ないと思われる方も多いかもしれませんが、近年は、庭先でのたばこ、柔軟剤や消臭剤・除草剤や農薬などに反応するCS患者の方も多く、現代に生きる全ての人が、考えなければならない問題で、自分がいつ発症するかもしれないので、関連業者のみならず一般の方々にとっても決して他人事ではないのです。

出来るだけ使わないに越したことはありませんが、やむなく使用する場合は、周りやご近所に十分配慮しなければいけないということをご理解いただければと思います。

熱中症について考える

  • 熱中症について考える
ヒートショックといえば、冬をイメージしますが、熱中症もまた夏型のヒートショックと言えるでしょう。

連日のように、熱中症による悲しい事故が報道されておりますが、昨年、国内では実に44,000件余りの方が、熱中症によって救急搬送され、残念ながら850人もの方がお亡くなりになられたそうです。

熱中症は、関東から西のイメージが強かったのですが、意外やここ仙台でも、多くの方々が熱中症になられ、その比率は東京と比較してもほとんど変わらないのには驚きました。

発症するのは、やはり新陳代謝が悪くなり、体温調節がスムーズに出来ない高齢者の方が多く、しかも自宅で事故にあわれるケースが多いというのが、住宅に携わる人間として何ともやるせない気持ちになります。



よくニュースでは、室温を28℃以下にするようにと、案内していますが、壁の輻射熱が高かったり、28℃でも湿度が70%を超えると注意が必要で80%を超えると相当危険なレベルとなります。

これから、夏本番を迎えますが、日射や温度・湿度に十分気を付け、水分の補給やエアコンを上手に使い、くれぐれも熱中症にならないように、お過ごしください。

そして、これから家づくりを検討する方は、冬の寒さ対策に加え、夏の暑さ対策も十分考慮した家づくりが必要です。

ハウスメーカーの営業マンは、「高気密・高断熱は、魔法瓶のように夏も涼しいですよ」と、よく言うと思いますが、魔法瓶であれ保冷パックであれ、冷たさを維持するのは、中に氷や保冷剤を入れているからで、何もなければ冷たい訳はなく、涼しさを得るためにはエアコンが大前提ということを理解しなければなりません。





30℃を超える日に、エアコンもつけずに日中留守にした高断熱の家は、性能が高ければ高いほど、室温は上昇し、35℃を超え時には40℃近くまで上昇してしまう場合があるのです。

温暖化やヒートアイランドによって、住まいの夏対策が、益々重要になっており、ソーラーサーキットの家は、断熱性と通気性という本来相反する性能を合わせ持ち、外断熱と二重通気+地熱の力によって、遮熱と排熱を同時に実現し、換気と除湿によって、室温や湿度の上昇を防ぐことで、エアコンに頼らず、夏も省エネで健康な爽やかな暮らしが送れるのです。

ここが、冬の寒さ対策を重点においた高気密・高断熱住宅との大きな違いであり、ソーラーサーキットの家は、夏バテや熱中症とは無縁の暮らしが実現できる住まいで、暖かいだけの家は多々ありますが、夏の爽やかさを両立している建物は、ソーラーサーキットの家がNO1という事をご理解いただきたいと思います。














進まない断熱がもたらす様々な問題

  • 進まない断熱がもたらす様々な問題
今日、この日本には、物が溢れているとよく言われますが、残念ながら住宅の断熱性能に限っていえば、先進国と比べても、大分遅れているのが実状であり、3年後にようやく義務化となる1999年基準、いわゆる次世代省エネ基準という最低限のレベルを満たす住宅でさえ、5700万戸あるこの国の住宅ストックの中、わずか5%しかありません。

原因は、様々で、この場では触れませんが、多くの方々が、大なり小なり、寒さや暑さ・湿気や臭いに不満を感じながら、生活しているのが現状なのです。

結果、こうした住宅性能によって、耐震性や耐久性が低下し空き家が増加したり、室内の急激な温度差や換気の悪さによって不良によって、医療費・家庭内事故の急増など、様々な社会問題が生じ、その大きな要因になっているということを行政や業界のみならず、国民全体が理解しなければなりません。












特に、抵抗力や免疫力の低下する高齢者の方ほど、住まいの温熱環境と空気環境が、健康に及ぼす影響は大きく、日々、我慢を強いられる家に暮らすということは、時には命の危険と隣り合わせということをリアルに考えなければなりません。

医療の発達もあり、平均寿命も平均余命も世界一の日本ですが、何才まで生きられるかという以上に大切なことが、介護を受けたり病気で寝たきりになったりせず、健康な状態で自立して生活できる健康寿命です。

現在、健康寿命の平均は、男性は70.42歳で女性が73.62歳だそうです。

一方、平均寿命は男性が80.21歳、女性が86.61歳ということで、私達の寿命は延びてはいるものの、平均で男性で約10年、女性で13年ものあいだ、介護や様々な生活の制限を受けながら、暮らしていかねばならないのが現実なのです。

人生85年とも90年ともいわれる今日、健康寿命を延ばす事は、高齢者の方のみならず国民全体の問題として考えねばならない時代となりました。

若い世代の方にとっては、あまりピンとくる話ではありませんが、今は、元気でも人間誰しもが確実に年を重ねていきます。

そして、このまま医療費や介護費が増え続けていけば、将来どうなるでしょう。治療を受けたくても受けられない時代が来るということも想定が必要で、自分や自分の家族を守る意味でも真剣に考えなくてはならない問題なのです。

不快な寒さや暑さを感じることなく、常に綺麗な空気に満たされた住み心地のいい家に住むことこそが、健康長寿の源であり、様々な社会問題を解消し、耐久性向上による社会資本の充実や地球環境への貢献にもつながるということをご理解いただければ幸いです。

W断熱(付加断熱)の逆転結露

  • W断熱(付加断熱)の逆転結露
日経ホームビルダーに、非常に気になる記事を見つけたので、紹介させていただきます。

昨今、国の施策でもあるZEH(ネット・ゼロ・エネルギーハウス)推進の流れもあって、ハウスメーカーや工務店各社が、見た目のUA値(外皮平均熱貫流率)を向上させるために、W断熱(内断熱+外断熱)と称した断熱手法を取り入れるケースが見られるようになりました。

昨年、出版した書籍「外断熱が家族を守る」の中でも、W断熱の注意点について、説明していますので、ここでは割愛させていただきますが、今回、宮城でもよく見られる間違った付加断熱の新たな危険性が紹介されていました。

この時期の、施工中の問題といえば、外部がまだ囲われない状態、つまり建て方中に降る雨ということになります。

事前に、予報で分かっていれば、スムーズな対応が可能ですが、突然スコールのように降り出す雨については、対処が困難で、材料が濡れてしまうケースがままあります。

もちろん、木材や合板などの資材は、雨にあたっても、濡れるのは表面だけで、乾燥すれば問題はないのですが、今回のケースでは、木材や床板に加え、基礎内部にも水が溜まり、重大な問題が発生しました。

乾かした後であれば、問題は生じなかったと思いますが、工期の問題なのか、もしくは水蒸気や透湿・結露に対しての認識が不足していたのかは不明ですが、基礎や材料が乾かないうちに、断熱材を充填し、外部の構造用合板と外断熱材を張り、室内側に防湿フイルムを施工してしまったのです。

おそらくは、手抜きとかという認識は、なかったと思うのですが、基礎や材料から、蒸発した水蒸気は、断熱材に吸収されてしまい、7月という時期的なこともあり、外気温とともに壁の中の温度も上昇し、蒸し返しの状態となり、断熱材に含まれた湿気の逃げ場はなく、夜間に建物内が冷やされて、気密フイルムの内側に逆転結露が、発生したというわけです。

調査の結果、壁内部の温度が29℃で湿度が84%だったようでが、その場合の露点温度は26.5℃となるので、夜間から早朝にかけて温度が下がれば必然的に結露が発生するのです。



※ 冬の結露は、ガラス面などの室内側に表れことが多いので、表面結露と言いますが、夏の結露は、逆に裏側に起きる為に逆転結露といいます。

こうした現象は、高気密・高断熱の経験豊富な造り手にとっては、十分予測できることなのですが、理解している業者や職人さんは、まだまだ少なく、実際の現場では、的確な判断が出来ないのも、ある意味仕方ないかと思い読んでいたのですが・・・。

しかし、この現場では、書籍でも指摘している重大な問題があったのです。

それは、水蒸気圧について、正しく理解していない造り手が、間違った断熱材の使い方をしているために、必然的に発生した現象なのです。

通常、内断熱の場合、室内側からの湿気の侵入を防ぐために、防湿フイルムを施工しますが、水蒸気の粒子は10万分の2ミリという微粒子のため、大なり小なり壁体内に侵入し、場合によっては、内部結露を引き起こす要因ともなります。

その為に、侵入した水蒸気を速やかに外部へ逃がす必要があり、構造の外側に防水透湿シートを張るのがこれまでの一般的な施工法です。

しかし、今回の現場は、透湿性の高い木質繊維系の断熱材を充填し、その外側に、逆に透湿性の低いポリスチレンボードを施工したため、断熱材が吸収した水蒸気は、壁の中で逃げ場を無くし、温度の低くなった夜間から早朝にかけ、室温が露点以下となり、防湿フイルムの内側に結露が発生したのです。

宮城県の事例ということもあり、これ以上の説明は控えさせていただきますが、いずれにしても、W断熱(付加断熱)の基本は、充填する断熱材よりも透湿性が高い断熱材を外側に施工することが、最も重要で、こうした間違ったW断熱は、理論的にも、水蒸気が、壁の中でせき止められ、冬場も結露が発生する危険性が高まります。



今回の結露が、どうした経緯で発見されたのかはわかりませんが、内装材を仕上げる前に発見されたのが、不幸中の幸いで、フイルム等をはがし、1か月ほどかけ乾燥してから、工事を再開したようです。

外断熱の場合は、こうした問題はほぼ起こりえないので、まずは安心ですが、もしこのまま内装を施工していたら、近い将来大変なことになっていたかと思うと本当に怖い話です。

そもそも、W断熱は、内外の温度差が30℃も40℃もある北海道の寒冷地から、普及してきた断熱方法で、温度差が20℃~25℃しかない宮城県では必要がないのです。



ソーラーサーキットの家は、3年後に義務化となる省エネ基準はもとより、ZEH基準も大幅に上回る性能値に加え、確かな断熱施工と気密性によって、計算値以上の性能を発揮する為、これ以上性能をアップさせても、冬の暖かさは変わらず、年間にして、5,000円から10,000程の暖房費が減少するだけで、建築コストを考えればメリットはないのです。



それどころか、逆に、断熱材を内側に付加したのでは、外断熱の最大の利点でもある、通気性を損ない、かえって夏場の熱ごもりにより、エアコンの負荷が高まり、逆に光熱費が上昇し、住み心地や内部結露・耐久性・健康面を考慮しても、意味がないというのが、弊社の考え方です。



大事なのは、見た目の計算値ではなく、計算値どうりの性能が、発揮される確かな断熱施工と気密施工です。



そして、その性能が経年劣化することなく、将来も保持される家なのかどうかという事を考えていただきたいのです。

以上、簡単に説明させていただきましたが、何かご不明な点などございましたら、何なりとお申し付け下さい。

W断熱の注意点については、↓↓↓でも、紹介しておりますので、よろしければお読みください。

http://daitojyutaku.co.jp/log/?l=404674