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除草剤「ラウンドアップ」に320億の賠償命令

昨日、衝撃的なニュースを知り合いから教えられました。

WHOでも、発ガン性が指摘され、海外では使用禁止が相次いでいたモンサント社のラウンドアップ除草剤に320億の賠償命令の判決が出されたようです。

ラウンドアップは、日本では安全とされ、ホームセンターやドラッグストアはじめ、JAでも百均でも販売されており、農家の方々も個人にも一番売れている除草剤です。

耳を疑うような衝撃的なニュースですが、何故か?日本ではほとんど報道されずに、20日以上たって初めて知りました。

http://www.afpbb.com/articles/-/3185756?pid=20421498

メディアの皆さん、どうでもいいことをいつまでもだらだら報道せずに、命や健康に関する大事な事を、スルーせずにしっかり国民に伝えてほしいと切に願う次第です。

ラウンドアップの主成分が、グリホサートという化学物質ですが、あのベトナム戦争に使用された枯葉材と似た成分です。

そして、殺虫剤や防蟻材にも使用されているネオニコチノイド系の農薬も、9月より欧米各国では、全面使用禁止になっていますが、グリホもネオニコも日本では、ほとんど規制されていないのが現状です。

ご自宅でも、使用している方も大分いらっしゃると思いますので、くれぐれもご注意ください。

グリホサートの危険性について詳しく知りたい方はこちらをどうぞ

石けんについて、角田先生からのコメント

先日、石けんを使いましょうという記事を、ブログ同様、FBにもアップさせていただいたのですが、アレルギー治療の第一人者としても有名な多賀城の「かくたこども&アレルギークリニック」の角田先生からコメントを頂戴したので紹介させていただきますので、参考にしていただければと思います。
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<元記事>

石けんは、5000年の歴史がある天然の界面活性剤で、使って人に優しく使ったあとも、環境に優しくお魚の餌にもなります。

環境省によると家庭から排出される化学物質で、一番多いのが、合成洗剤に含まれる合成の界面活性剤で、処理場でも分解しきれずに海を汚しています。

洗剤に限らず、便利さや安さのつけは、私たちに確実に跳ね返ってくるということを理解しなければなりません。

石けんの生産量3万トンに対し、合成洗剤は、多額の宣伝効果によって何と100万トン!

画像は、我が家で使用している太陽油脂の商品ですが、日本にはシャボン玉・宮城にも坊っちゃんなどの石鹸メーカーはたくさんあります。

石けんには、液状タイプもあり食器や洗濯・シャンプーもあります。

泡立ちや香り・安さに惑わされずに、出来るだけ石けんを使いましょう(^^)

<角田先生>

特に危ない界面活性剤は陽イオン系界面活性剤で、これは細胞膜を破壊しますので、皮膚や粘膜の防御層を壊し、異物の体内への侵入を阻止できなくなります。それによって体は最終防御機序としてアレルギー反応を起こします。柔軟仕上げ剤、リンス、空中除菌剤に要注意です。石鹸も使用時間が長いと細胞は壊れますので、短時間での使用が大切です。

そして、空中除菌剤(消臭剤)と同じような界面活性剤はおしりふきやウエットティッシュにも含まれていますが、赤ちゃんのおしりの荒れが治らなくなります。

最近では点滴に混入されて殺人にまで使われました。

また、建築関係では塩化ベンザルコニウムなどの陽イオン系界面活性剤が白アリの防蟻剤として木材にしみこませて使われ始めましたが、これは揮発がないし、人への接触がないので有効利用でしょうか?高橋さんは意見ありますか?

<高橋 > 角田先生、貴重なご意見ありがとうございます。消費者が知らないまま・知らされないままに、使わせられている側面もあり、悩ましい問題ではありますが、結局は自己責任となるので、正しい知識を持って選択しなければいけない時代です。

建築の世界では、木材の防蟻のみならず、断熱材にもネオニコ系の薬剤を注入しております。加水分解もせずに揮発しにくいという資材もありますが、高温多湿の壁体内で、実際どうなのか?危惧しています。

最近では、有害性の高いイソシアネートを原料にしたウレタン系の断熱材も普及していますが、ホルムアルデヒドが含まれない安心な資材として、販売されており、イソシアネートの規制のないこの日本の行政と、知らずにお客様に勧める業界の姿勢にも憤りを感じています。

<角田先生>

イソシアネートは香料の徐放効果としてのマイクロカプセルの原料です。たたくと香りが出る、または、効果が長時間持続する香料は同時に毒性があるイソシアネートのモノマーも放出されます。なめると苦みがありますので(ウレタン塗料をなめると同じ苦みを感じます)、香料を吸い込むとのどの奥で苦みを感じる香料はイソシアネートが出ていると思われます。イソシアネートの酸素(O)基がイオウ(S)に置き換わったイソチオシアネート(苦みの元)はキャベツなどアブラナ科に含まれ、取ることで全死亡リスクが減るなどのいい効果が報告されていますので毒と薬は紙一重の差ということでしょうか。苦みは同じようです。

とにかく、石鹸だけでできた石鹸の使用をお薦めします。

<高橋 >

詳しいご説明ありがとうございます。今後ともご指導のほどお願い申し上げます。

そして、最後に、角田先生からお褒めの言葉を頂戴しました。

<角田先生>

こちらこそよろしくお願いします。高橋さんの情報発信はとてもいいです。頑張ってください。



発泡ウレタン断熱のイソシアネートの危険性を知る

  • 発泡ウレタン断熱のイソシアネートの危険性を知る
先日、名取文化センターで、講師に東京大学名誉教授でもあり、開成中学・高校の校長でもある柳沢幸雄先生を講師にお迎えした「化学物質過敏症」についての講演会が開催されました。

柳沢先生は、環境や教育の分野において、世界的な権威でもあり、シックハウスや化学物質過敏症の研究においても、第一人者として知られており、私も大変尊敬している先生です。

講演内容もとても分かりやすい説明で、皆さんが熱心に耳を傾けていらっしゃいました。

今回のセミナーは、みやぎ化学物質過敏症の会~ぴゅあい~さんの主催でしたが、協賛団体を代表して、ご挨拶をさせていただきました。





香害=香りによる健康被害は、先月もNHKで特集番組が4回も放映されるなど、大きな社会問題になりつつありますが、消臭剤や芳香剤・柔軟剤などによる化学物質による、健康被害が急増しており、公共機関や学校・病院などにも香料自粛のポスターを随分と見かける様になりました。



化学物質過敏症に苦しむCS患者は、現在国内で100万人いるとされていますが、潜在患者は700万とも1000万人とも言われています。

現在、花粉症は国民の3人に1人が、発症しているように国民病となっていますが、この化学物質過敏症も、近い将来、多くの国民が発症するのではと、問題視されておりますが、花粉症よりも、症状が重く、原因の特定も困難で、本当に深刻な問題になるという認識を持つ必要があるのです。

人の持つ、化学物質の許容量は、それぞれですが、ひとたび許容量をオーバーすると、原因不明の咳や頭痛、目眩やしびれ・倦怠感など様々な健康障害に襲われ、日常の生活が困難に成る程、重症化する怖い病気で、有効な治療法も確立されておらず、誰しもが、ある日突然、発症する可能性があるのが化学物質過敏症という病気です。

消臭や除菌の為に、室内や家具やカーテン・洋服にシュッシュしたり、部屋干しの嫌な臭いを軽減するために、柔軟剤や香料の強い洗剤を、知らず知らずのうちに使用することで、空気が汚染され、ご自身やご家族の体を、蝕んでいるということ認識も必要なのです。

現代に生きる私達は、飲料や食料・日用品や家具・建材にいたるまで、日々、2000物質もの化学物質に囲まれて生活しており、全てを取り除いた生活は到底不可能ですが、出来るだけ取り入れない生活と家の中の空気を綺麗に保つための換気が必要です。

特に、妊婦の方や、小さなお子さんのいる家庭では、十分に注意が必要で、アトピーや喘息・鼻炎・花粉症などのアレルギーはもとより、心身の健全な成長や将来の生殖機能にも関わってくるそうです。

いずれにしても、基本は出来るだけ使わない、やむなく使う場合でも、容量や使用法を守り、室内に化学物質が充満しないような、換気を心がけるしかありません。

そして、消臭剤や柔軟剤・制汗剤や整髪料・香水など、私達が無意識に発する臭いによっても、辛い思いをしているCS患者の皆さんがたくさんいらっしゃるということも、理解しなければなりません。

こうした製品は、趣向品とされ、洗剤などにも義務づけられている、家庭用品品質表示法にも該当しないため、原材料の表示義務はなく、業界の自主基準により一部表記されているだけに過ぎず、身体に有害な物質がどれほど含有されているか消費者には、明示されていないのが現状です。

特に、臭いを閉じ込めるマイクロカプセル製品に、海外では非常に規制の厳しいイソシアネートという物質が含まれているのです。

消臭剤には、空気中のイヤな臭い成分を包み込み、柔軟剤には、人口香料を包み込み香りを持続させるという、マイクロカプセルですが、この物質の主成分がイソシアネートで、危険性が各方面で指摘されていますが、日本では、環境省の規制物質にも該当せず、ありとあらゆるウレタン製品に含まれ、実質、何の規制もなく使用されているのです。

詳しくは、イソシアネート危険性とでも検索していただければ、色々でてきますので関心のある方は調べていただればと思います。

ということで、前置きが長くなってしまいましたが、私がお伝えしたいのは、住宅の断熱材としても、最近よく利用されているウレタン系の吹付断熱材の健康に与える影響です。

建築業界では、ホルムアルデヒドなどの規制物質が含まれていないということで、無制限に使える安心な断熱材となっているのです。

成形品の断熱材は、危険性は少ないようですが問題は現場で発泡する断熱材です。

湿気にも強く、隙間なく施工できるということで、気密工事もせずに、床下や壁・小屋裏にウレタンを発泡させる断熱方法が多く見受けられるようになってきました。

しかし、おそらくは、業界でも、ウレタンの主成分がイソシアネートということも、イソシアネートがどれだけ危険な物質かもわからずに使っているのが、現実ではないでしょうか。

私も、これまでは、火災時には、有毒ガスが発生する位の認識しかなく、グラスウールなどの繊維系断熱材と比較すれば、隙間なく断熱できるので、施工法を間違えなければ充填断熱には適した断熱材と思っていました。

しかし、ウレタン工業会の、ウレタン工業会 安全の手引き の中の、施工や使用に関しての注意書を読み、これまでの考え方が一変しました。

詳しいコメントは、何かと差し障りがあるので、控えさせていただきますが、成型品ならいざ知らず、家中がイソシアネートに囲まれた住宅で、果たして健康な暮らしが確保できるだろうかというのが、率直な思いです。

断熱材の中に含有するイソシアネートが、高温多湿の壁体内での、加水分解や熱分解がどれほどなのかは、知る由はありませんが、空気中に揮発するのは間違いありません。

使用するか否かについては、ユーザーの皆さんの個々の判断におまかせしたいと思いますが、化学物質過敏症の患者の方や、消費者団体の皆さんが、非常に危険な物質と指摘しているにもかかわらず、建築の世界では安心・安全となっている、この国の矛盾に憤りを感じる今日この頃です。

イソシアネートは、住宅の塗料などに含まれているVOCとして、建築材料の規制物質として、指針値の定められている塗料に多く含まれるトルエンの1万倍の毒性とも言われております。



個人的には、乳幼児や小さなお子さんのいる家庭では、避けることをお薦めします。

この世には、消費者や一般の国民が、知らない・知らされない不都合な真実が数多くあり、それで国や経済が成り立っているというのも現実です。

発泡ウレタン断熱の採用を検討なされている方は、くれぐれもご注意下さい。

通気と漏気の違いを知る

私達の暮らしは、冷暖房があたり前になって、生活スタイルも一変しました。

いつしか換気も忘れられがちで、加湿や家干し・局所暖房によって、益々結露が発生しやすくなり、一年の大半が、高湿度の状態に置かれているのです。

昔の様に寒ければ寒いなりの、暑ければ暑いなりの生活をおくり、換気さえ励行すれば、結露などの問題は起きませんが、現実的には到底無理な話です。

今、求められているのは、現代の暮らしに合わせた家のつくりであり、ユーザー自身も、これまでの暮らし方を見直し、それぞれの工夫や改善も必要なのです。

工夫や改善というと難しそうですが、家の中の空気を綺麗な状態に保つための換気を励行し、家の中の湿度と温度のバリアをなくすようにすればいいだけです。

そして、大事なのがこうした室内環境にするためのエネルギーを最小限に抑える断熱性能の高い家にしなければならないのです。

光熱費の負担が大きいと、人間誰もが節約意識がはたらき負担を抑えるために、戸を閉め切り使う時だけ、いる部屋だけ暖める局所暖房や間欠暖房になってしまい、不快な温度差ばかりか湿気や結露は解消しないのです。

多くの人が、勘違いしているのが、通気と家の隙間がもたらす漏気で、似て非なるものですが、皆さんが混同しているのです。

今でも、通気という概念は、建築関係の方にも一般のユーザーにも、根強く残っており、気密はそこそこでいいとか中気密で十分といった話を真顔でいう方も多く、高気密という言葉に拒否反応を持たれている方は少なくありません。

気密が良すぎると、息苦しく感じるとか、結露しやすくなるとか、シックハウスになりますよというようなことを言う営業マンのいるハウスメーカーは、嘘でも何でもなくやめた方がいいのは、間違いありません。

弊社が、床下に換気口を設けたり、小屋裏に排気ファンを設けるのは、木材が腐らないように構造内の空気を循環させるためで、こうした働きを「通気」と言います。

※ もちろん、冬は、寒くなるので通気機能をオフにして、通気させるのは春から秋の間で、梅雨から夏の湿度の高い時期は、湿気の侵入を避けるために閉鎖が基本です。

そして、窓開けや機械換気によって、室内に空気の流れをつくるのが通風であり、新鮮な空気を取り入れ、湿気や汚れた空気を外へ排出することが換気なのです。

一方で、家の隙間によって、足元をスースーさせるのが、隙間風ですが、これは、暖められた空気が煙突現象によって、建物上部へ上昇し、隙間から漏れた分の空気を、建物の床下や壁から、引っ張り込んでしまう現象です。

つまり、隙間風は隙間からの漏気によってもたらされるのです。

そして、家の隙間は、冬ばかりでなく、暑い夏も壁の中や小屋裏・床下から、熱気や湿気の侵入の原因になるので厄介な存在でもあるのです。

家を高気密にするということは、隙間によって生じる、壁の中での空気や湿気の移動をなくすことにあります。

そして、適切な換気を機能させるためにも、外の空気を取り入れる給気と汚れた空気を排出する、排気という、空気の入り口と出口を明確にした計画換気が必要で、隙間があると計画どうりに換気の機能を果たさないのです。

※ 昨日も話しましたが、ストローにつまようじで穴を開けると、ジュースなどが上手く吸い込めなくなるのと同じ理屈です。

漏気による隙間換気は、隙間の大きさと室内外の温度差や風の大小によって、大きく変わります。

隙間が大きければ大きいほど、家を暖かくすればするほど、外が寒ければ寒いほど、その量は増加し、風が強ければさらにその量は倍化します。

そして、厄介なのが、外と室内や部屋間の温度差が大きくなることで、隙間換気が生まれるのであって、温度差のない時期は、いくら隙間があっても漏気による空気の動きは、風が強くなければほとんど働かなくなるのです。

隙間による漏気は、冬には隙間風がどんどん入り込み、せっかく暖房で温めた空気を外に逃してしまい、省エネ性や快適性に悪影響を及ぼし、春から秋には空気が動かずいくら隙間があっても、空気は換気されずに汚れてしまい、湿度も高くなっていくのです。

「高気密は息苦しい」というイメージを持ち、気密を疎かにしている住宅が多い中、冬は隙間による漏気によって、足元が冷える住宅が多く、梅雨や夏場は、逆に換気不足と思われる住宅が非常に多いのです。

要するに、いくら断熱材を厚くしても、気密が悪ければ、計算値通りの性能を発揮することはなく、省エネで温度差のない暮らしを実現するのは難しいのです。

そして、このような家で、家全体を冷暖房しようとすると、多額の光熱費がかかるために、結局はいるところだけ・使う部屋だけ暖める局所的な冷暖房を強いられてしまい、家の中や壁の中では、結露が発生し、カビやダニも繁殖し、木材も腐り、建物の耐久性が損なわれ、空気の汚れと温度差によって、人の健康まで脅かしてしまうのです。

つまり、これまでの家と暮らしのミスマッチによる負の連鎖は、いつまでも解消されないのです。

それどころか、中途半端に断熱化が進んだ現代の住宅の中で、湿気や結露による住宅の劣化のスピードは、速まる危険性すらあり、住宅ローンの払い終える前に、その価値を失ってしまう可能性も十分あり得るということをリアルに考えた家づくりを進めていただきたいのです。

快適で健康な暮らしを送るためには、温度差のない・きれいな空気の中で暮らすことが何より重要ですが、こうした暮らしを少ないエネルギーで叶えるためには、気密と断熱が両輪であり、家を長持ちさせるには、構造体何部の通気性も重要なのです。

これらの、ある意味相反する性能を合わせ持っているのが、外断熱と二重通気の技術を組み合わせて誕生したソーラーサーキットの家なのです。


すき間が多い(気密が悪い)高断熱住宅は、ブレーキの効きが悪い新車と同じ?

耐震性や断熱性にしても、示される数値は、あくまで設計時の計算値で、実際の性能は、施工の精度が大きく影響するので、住んでみなければわかりません。

そんな中にあって、家の良し悪しを左右するC値(家の隙間相当面積)だけは、検査によって、簡単に数値で表すことのできる唯一の指標となります。

そして、気密性能は、耐震性や耐久性・省エネ性を含め、家のあらゆる性能のベースとなり、住み心地はもちろん、家族が健康に暮らすためにも最も大事なポイントで、気密検査は必須ともいえます。

気密が悪い高断熱もどきの住宅は、絵に描いた餅であり、ブレーキが効きが悪い新車と同じだといっても過言ではありません。

それでは、気密が悪いとどうなるのでしょうか?

気密が悪いということは、隙間が大きい家と言うことです。

つまり、断熱性能を表すQ値やUa値が、いくら優秀に見える住宅であっても、それはあくまで、計算上の数値であって、しっかりと気密がとれていない家では、ほとんど意味がないのです。

そればかりか、気密の悪さによって、様々な悪影響を及ぼしてしまうのです。

冬は、隙間から、家の中の熱がどんどん逃げていくのと同時に、冷たい外気が侵入し、暖房の効きが悪いばかりか、エネルギー消費が増加し、光熱費の負担が大きくなるのです。

結果、寒さや光熱費を抑えるために、換気を消したり、部屋を閉め切ったり、リビング階段にカーテンをつけたり、ドアの隙間にテープを張ったりする家が多いのです。

そして、早く暖め、光熱費を節約するために、従来の暮らしのように、いる所だけ・使う時だけの局所暖房や間欠暖房になってしまい、部屋間の温度差が生じ、結露も発生しやすくなってしまうのです。

一方、夏は日射熱とともに、外の水蒸気が室内に侵入し、 冷房の効きが悪くなり、室内はいつも湿気が溜まり、カビやダニの繁殖にもつながり、空気まで汚してしまうのです。

当然ながら、冷房費や除湿にかかる光熱費の負担も大きくなってしまうというわけです。

その他にも、すき間から花粉や砂ぼこりや外気の有害物質も、知らず知らずに侵入することで、掃除は大変になり、花粉症やアレルギーの発症や悪化の要因にもなってしまうのです。

また、床下や壁の中や小屋裏に、冬は室内から屋外へ、夏は屋外から室内へと、水蒸気が出入りを繰り返すことで、断熱材が湿気を吸収し、断熱性能が低下し、冬・夏ともに内部結露の危険性が高まり、構造の腐朽や蟻害まで誘発してしまうのです。

さらに、気密が悪いと換気が正常に働かないということも理解しなければなりません。

穴の開いたストローで、ジュースを飲んでみてください。

1.2ヶ所、楊枝で穴を開けただけで、吸い口の近くの空気が入って来るだけで、ジュースは飲みにくくなるのが分かります。

ホースに亀裂の入った掃除機で、吸い込めなくなるのも、折れたタバコが吸えなくなるのも同じ理屈で、すき間があると、吸っても吸っても吸えない現象が起きるのです。

これと同じ現象が、気密が悪い建物では起こり、換気を運転しても、排気口周辺の隙間から空気を取り込み、その空気だけ排出することになってしまい、本来、換気の必要なリビングや居室など、排気口から離れた場所の空気は、汚れたまま淀んだしまい滞留してしまうのです。

こうした現象を、換気のショートサーキット現象と言いますが、換気が機能しないと、湿気や有害物質も排出できないので、空気は汚れ、湿気も溜まり、結露も発生しやすくなり、カビやダニ・害虫が繁殖し、消臭剤やカビ取り剤・防虫剤や殺虫剤なども多用するようになり、健康にまで、悪影響を及ぼしてしまうのです。

下記のグラフは気密と換気の関係性を表したものです。



気密性を表すC値が、例え1.0㎝/㎡と、一般的には優秀とも言えるC値でも、給気口から取り込める空気量は50%しかないことがわかります。

私達が、C値は0.5以下というのを基準にしているのが、こうした理由からです。

しかし、次世代省エネ基準には明記されていたC値の基準すら、2020年に義務化となる改正省エネ基準では、何故かスッポリと削除されてしまい、気密性能を重視する住宅会社は、ごく僅かとなっているのが住宅業界の現実です。

結果的に、ほとんどのユーザーは、C値の重要性を知らないまま・知らされないままに家を求めているのが現状なのです。

2020年までに新築の50%・2030年には、新築の大半がZEH住宅、すなわち太陽光の搭載した住宅にするのが、国の大方針となっており、ハウスメーカーの多くがZEH住宅(ゼロエネルギーハウス)を躍起になって推進しています。

以前、小屋裏の結露について紹介しましたが、結露によって耐久性が低下する屋根の上に、何十年も太陽光を載せることは、将来、漏水の危険性も考えられ、構造が腐朽し、耐久性が著しく低下し、台風や地震時の太陽光パネルの落下や破損・漏電や通電火災などの危険性もあり、非常に危惧しており、関係省庁の方々にも、機会のある度に伝えている次第です。

建築業者のテキストとも言える「住宅の改正省エネルギー基準の建築主の判断基準と設計・施工の解説書には、住宅の気密性能を確保しなければならない理由が明記されています。

1. 漏気負荷を減らし省エネルギー化と室内温度環境の快適性向上を図る
2. 壁内通気を抑制し断熱性能の低下を防止する
3. 壁内結露を防止する。
4. 計画換気の性能を保持する。

つまり、気密性能が悪いと暖房や冷房が効かず不快な上に、冷暖房費がかさみ、換気も効かず、内部結露が発生し、家が腐れ、壁の中はカビだらけとなり、空気が汚れ、建物も住む人も病気になりますよ。ということです。

しかし、基準がなくなりほとんどのハウスメーカーでは、UA値のみの表示となり、出来るだけ気密には触れずに、肝心かなめの高気密そのものの言葉や文字すら、死語になりつつあるのです。

現在、どこのメーカーも、省エネ住宅・ZEH住宅・高性能住宅と名を変えて、営業展開し、やろうと思えば簡単に出来る気密検査すら実施しない、名ばかりの高気密・高断熱住宅が、次々と建てられているのです。

ブログでいつも取り上げておりますが、気密が悪いと、将来、ユーザー自身が、後悔するのは必至で、何をさておいても、気密検査を実施し、最低でもC値1.0以下の建物にすることが何より重要であり、依頼する会社に対し、いの一番に、確認・依頼すべきポイントでもあり、ご自身が費用を負担しても実施しなければならない検査でもあります。

弊社では、ユーザーはもとより、業界の内外にも、今一度、気密の重要性を認識していただくために、5月より月2回程度、利府モデルハウスにて、気密性能の公開検査を実施しています。

おそらくは、モデルハウスとして活用している建物でのこうした取り組みは、業界初ではないかと思いますが、県内の住宅市場で、気密検査が必須となれば宮城の家づくりは劇的に向上するのは間違いありません。

そして、こうした動きが、宮城から全国に広まることで、オイルショック以降続く、悪しき家づくりが見直され、国が抱える様々な問題の改善や解消にもつながるものと確信する次第です。

是非、多くの皆様に、気密の重要性をご理解いただき、気密検査の周知にご協力を賜ります様お願い申し上げます。