本日２月１５日をもって今シーズンの狩猟期間が終了である。
今日までマタギ、明日からカタギである。

昨日、Ｙ地区の猟友から誘いがあった「いのしし」獲りに参加する。
今日集まった仲間の中では一番若手のkuma仙人である。

先日「いのしし」を見かけたと言う辺りを、２組に分かれて詮索するのである。
他地区であり、山の様子など詳しくないのでしっかりレクチャーを受けるが、全く初めての山なのでどうなっているのか分からんので、ガシガシ歩くのみである。
また、歩くイノシシを未だ見た事がないので、どんな勢いで突っ走るんだか、ぶっ飛ぶんだか分からんので、若干のビビりはあるかと思ったが、全然大丈夫なのであった。

生憎、朝まで雪。
最新のソクセキ・足跡を見極めるのからして難しいが、沢山ある足跡から最新のものを辿る。
田んぼ（１メートルの雪の下）から山裾へ、そこから沢に入り、峰を登る。
南斜面の急傾斜なので腰までズボズボとぬかり、かなり歩きにくいが、ガンガンと登る。
岩つきの尾根に出ると、今しがた歩いたばかりの足跡を見つけ、ヒーヒーハーハーと大汗をかき登る。

大きな岩の下。
足跡が一瞬横に向かい、その先を見切っていると、すぐ後ろの猟友Ｋ氏が、
「いた、いたいたいたいたぁ～！！！」と、
何・・・・俺の脇の岩の下からノコノコと出てきたのだ。
俺はさっぱりそれに気づかずいたのだが、視線の先を見ると、いたぁ～。

銃は胸に抱き、装填済みであるが、Ｋ氏が撃つのを待った。
なんたってＫ兄貴が見つけたんだからね。

ドカァ～ン・・・・・・
コロコロピクピクと転がって行く。

やったのだ。
山から授かったのである。

息の根がないのを確認して、直ちに内臓を抜き放血し、雪を詰めて冷却する。
で、ひっぱり下ろすのである。

わりと里に近かったし２５キロくらいの個体で、脂肪もなかったので楽ちんである。

本来なら一番若手のおいらが引っ張る役なんだろうけれど、足跡探索、先頭を切る場合が多いし、サバキや放血などの処理を行う役を受け待つので、先輩Ｅ氏が引っ張ってくれる。

ノンビリした、満足げな猟師の後ろ姿である。

午前中に車に回収が終了したので、ご飯後にもう一ラウンド。
足跡探索、追跡となる。
これはしんどかった。ぬかるし、雪も深い。
５名が遠巻きに猟場を囲い、俺ともう一人の大先輩で追跡となった。
深雪、ぬかり雪を歩き山の峰に出ると、遠巻きと逆の方向に向かっている。
無線で連絡し、そのまま追跡をする。
途中から、我々に気付いたのか走り足に変わり、かなり追いつめている感があったが、急で遠い林の中を歩く気配がするが見えず、そこから一尾根追って時間切れであった。
大先輩にラッセルは任せられず、この間１０００メートル高度２００メートルの登攀を一人ラッセルで通した。
丈夫な足に自信はあるが、さすがに効くね～。


夕刻、Ｋ氏の作用場で解体。
プロ並みの解体作法で、各部位をきれいにはがし、分け前の肉は立派なものとなったが、なんたって小さなブツだったから肉は少ないが、本当にいい最終日だったなぁ。

（ちょっとグロテスクな写真だが、これが真実であり、無駄をしない美しい姿である。そこら辺のエコとか言われる行為より、根本的に自然に即したエコであり人間の姿なのだろう。）

Ｙ地区Ｉ君は脳みそをとり出し、オイラは脳硬膜で事故で頭打つとこの辺に血がたまって死んだりするのだなぁ～、などと解剖談義をしながら、「脳みそゲット～！」とやっていたが、生で喰うんだろうか・・・茹でて喰うんだろうか。オイラはちょっと箸が進みそうもない。
Ｉ君はなかなか豪のゲテモノ喰いなのである。

早速の牡丹鍋で本年度の狩猟が終了した。
うんまかったなぁ～。

オイラは、分け前の肉でハムでもこさえてみようと思うのであった。


山の神様、今年もありがとうございました。
感謝します。