汚れない、美しいブナの新緑
先ほどは、山火事の話しを書いたのであるが、出来事と言えば、公私ともに出来事が多すぎて、いったいワタクシはどういう身分なのでしょうか・・・
何なのでしょう・・・・
あはははは~~~~~
となりそうなのであるが、今回は猟友会のお話である。
山形県には「山形県ツキノワグマ保護管理計画」山形県ホームページ(クマ関係)というのがある。
この計画は24年3月31日までとあるが、たぶん、良く分からないのだが、今後も続けるのだと思う。
そういう事もあって、ここ数年、毎年クマの生息調査、と言うものが行われている。
今回も、「山形県ツキノワグマ保護計画に基づく固体数調整捕獲」(春季捕獲)
という目的で、オイラの住む地区に1頭の捕獲許可が出された。
各種の条件があり、それに従い捕獲に従事するのであるが、あわせて生息の状況などを確認してきなさい、そんでもって、写真やら何やらをまとめ上げ提出しなさい。と言う事なのである。
そのために、捕獲するクマの目星、その他のクマの状況などを判断するために、オイラなどが、あちこち山を歩き回り、下見をしていた訳なのである。
そして今回、猟友会数名で本調査、捕獲に向かった訳である。
数頭のクマを確認、足跡も、生息場所も確認、推察しているので、今回は捕獲に向かう訳だ。
要は、広大な面積の中から、犬の親分ほどのクマを見つけだし、それを獲る。撮る。
そう言う訳で、簡単なようで簡単ではないのである。
普通の人では、クマが向こうから歩いてきたり、大暴れでもしていない限り、なかなか発見できるものでもなさそうである。
が、ワタクシ的に言えば、簡単?と言えば、そう言えなくもないような・・・・
目途は付いているし、歩くコースも、いる場所も分かっている。
さて、忙しい季節なので今回は、5名の調査捕獲隊である。
せわしい朝を過ごし、せわしく準備をして、みんなを待たせながらも、隊に加わる。
で、先導して山を歩くのである。
入山、歩き出して10分ほどでクマを見つけたワタクシなのである。
そして、そのクマがいる下の渓流には釣り人がいたりして・・・
危険な状況である。
釣り人を呼び止め、クマが居る事を伝え、安全な場所(俺たちがいる場所)に避難してもらった。
さて、どうするか。
捕獲の条件に適うクマではあるが・・・・
デカい?小さい?
撃てる? 撃てない?
小柴が絡んでいる・・・・距離350m、打上げ角16度
ブナの木に登り、花芽を食べているのだ。
24倍のスコープで、耳や歯まで確認できる。
撃てるな・・・・
「撃つ?どうする?」
と、各員に聴くと、あれを捕獲するべ。
放射能検査や、捕獲数確保するには、チャンスを有効に使うべ・・・と言う事であった。
ならば・・・・・
「撃て・・・」って、俺が??
だって、俺、まだ山でライフル撃った事ないし・・・
今まで散弾銃だったからぁ~~~
いやいや・・・・「撃て・・」って、いいのかなぁ、俺が撃って~
「お前が外したら、俺たちが撃つから・・・・」
ならば・・・・・
ゆっくりと、3100フィート毎秒の弾丸の弾道計算表を取出し、スコープのクロスの調整を行う。
風は無風。
距離はレーザーで先ほど測った通り。
クマの2m手前のシバは気にしない。
状態が良くなったら撃つからね~~~~
耳おさえてね~
ドン・・・・・・・
高倍率のスコープなので、反動のためクマを再びスコープにとらえるのは困難である。
が、観的手、2の矢3の矢が控えている。
オイラは、そのクマの次の瞬間が分からないでいた。
「あたったぁ!!!!」
「木から転がり落ちた!!!!」
「決まったぁ!!!」
各員顛末を一部始終目撃していた訳である。
クマの確認に、クマの下側からはまわれない。
必ず、クマの上側から入り込まなければ、生きていた場合覆いかぶさられ、こちらの身が危険になる訳で、
遠回りをしてでも、必ず上前から確認に行くのである。
観測する人を残し、今度は4名で確認に向かう。
観測員には、もし彼が生きていて、逃げる場合は「どこ・どこ」を「どういう風に通過」するはずなので、その辺を注視していて下さいと伝える。
登山道を大汗流しながら登る。
もちろん鉄砲から弾は抜き取り歩く訳である。
オイラは、1発をいつでも指に挟んで歩く。
スコープは最低倍率にしておく、万一突然クマが出てきても対応できるようにである。
クマが落っこちた高さと同じ辺まで登った。
ここから直線で150mくらい。
ここから、50メートル程上がり、そこから下ろう。
もう少し・・・・
みんなは、おれより少し足が遅いので、みんなを待ちながら先頭を歩くのである。
最後尾まで50メートル程離れている。
急な斜面をあと少しで登り切ると言うところ・・・・
10メートルも離れていない小灌木の中から、突然そいつが現れた。
一瞬、ゲッ・・・とも、アッ・・・とも声にならない。
スコープの蓋を開けながら、指に挟んだ弾を装填する・・・・までは1~2秒以内だった。
が・・・・・・、慌てたため、ボタンを押せば開けられる接眼側のレンズキャップの蓋を開けられなかったのである。
次の瞬間「撃て~~~~」と叫んだ
その時点で、まだ誰も装填できていなかった訳なのだが・・・・
冷汗がダラダラ・・・・・・
そこまで3秒と立っていない。
クマは、向きを変え、こちらに尻を向け数メートルダッシュ。
何故か足を止めた・・・・・
その時点で、キャップを何とか開け、20メートル程のクマを6倍のスコープに捉え、引き金を引いた・・・・・・
吹っ飛んだ・・・が・・・・止まらない・・・・
あ~、神様・・・・
弾さしから2発目を引き抜き装填・・・・
発射・・・・・飛沫が飛ぶのだが・・・・・・止まらない・・・・・
仲間がここで発射・・・・・藪が飛び散り、土煙が上がる・・・・・ハズレ・・
が、やがて、動きが鈍くなってくる・・・
一番最後尾の隊員の真上にそいつが転がった、が、生きている。
人員の配置関係で、俺は撃つことが出来ない・・・・・
「早く~~~、○■さん撃って~~、楽にしてやってくれ~~」そう叫んだ。
涙が出そうだった・・・・・・
ドン・・・・
恐らくは、先ほど撃ったクマなのだろう。
まさかここまで来るとは、読みが甘かった・・・・・
いや、それより先程の狙撃で、相当のダメージであったろうに、ここまで来るとは・・・
いやいや、自分自身が、高倍率での狙撃で、クマの状況を確認できていなかった事が最大の失策である。
何より彼に余計な苦しみを与えてしまった・・・・・
万が一、このクマが先程のクマでなかったのなら、更に不幸や危険が続く訳であるので、このクマを○■さんにまかせ、3人で現場に向かう。
1人を見通しの良い場所に配置。
向かいの、最初の場所の隊員に無線で、顛末を連絡、今後の行動を指示し、最初の現場に向かう。
登っていた木には、彼の爪痕がある。
落っこちて、移動したあとが残っている。
先程、俺に向かい、そして仕留められたクマは、彼に間違いない。
・・・・・・彼を引っ張って下山。
彼を検証すると、最初のマグナム弾1発が腰の脇を貫き、後ろ足を引きづっていたようだ。
至近弾は、マグナム弾貫通穴2個、止め矢の06弾が脳髄。
彼が俺に飛び掛かれず、ひるがえって逃げたにも関わらず、足を止めたのは、後ろ足が・・・動かなかったから・・・・。
苦しませてしまったなぁ~。
勘弁してくれなぁ~
彼の骸に、そう言葉を掛けた。
昼食にする。
さて、捕獲は完了したが、一日を予定してみんな集まっている訳だ。
午後からどうするか相談する。
山でのご飯は本当においしい。
ほんとうにたまらなく美味しいのである。
じゃぁ~、今度は調査と言う事で、クマでも見に行くかぁ~
相談は決まり、ご飯を食べ終わり、再度山登りを始める。
次の現場も、先ごろ足跡を確認した場所で、今日あたりはあの辺だろうなぁ~
という、予測行動である。
広大な面積と、森林などに覆われ、早々都合よくクマなど見れるはずもないが・・・・・
そこはkuma仙人自慢の勘と視力なのである。
あそこまで登ったらそこでじっくり待とう。
死にそうに喘ぎながら登ってくる隊員に伝える。
ある尾根にたどり着き、息を切らす面々に、「ここでのんびり夕方までいるべ。」
30分程眺めると、500m先のブナの生い茂る尾根。
最も木立や梢が邪魔をして見えにくい部分なのだが、そこを歩くクマを発見。
いやいや、そこを歩くと確信しているから見える訳で、そんなもん見つけられる訳がない・・・
20分ほど、みんなシンとして、真剣に向かい側を眺めている。
隊員はそれを見たくてうずうずしているけれど、見える所に出てこない。
1個残して、ポッケに入れてきたおにぎりを取り出してかぶりつく。
こういう時は、何か食って、のんびりしてりゃ、あっちから姿見せるさぁ~~
あそことか、あっちとか、あの辺見ててみ~、出てくるからぁ
おにぎりを喰ってると、やっぱり出てきた。
やっぱり、俺が発見する訳で・・・・しばらく動きを観察。
親1子連れ。
そのまま眺めて、最後に現場に行って見るべ。
クマが見えなくなってから、何を食べていたのか、どういう動きをしているのか、どういうところを歩いているのか・・・・
俺は分かってるけど、それを経験したことがない隊員に見せに案内した。
万が一クマが襲ってくると悪いので、最初に発見した場所に2人残し、3人で現場に向かった。
対面から見れば何ともなく見えるのだが、這ってあるくほど急峻な場所。
鉄砲を構えたりできる場所じゃない。ましてクマが近くにいたからと言って、装填など持っての他なのである。
ほれ、ほじくってる。
あそこで休んでいて、こう来て、こう行った訳だね~
前の年のブナの実やイワウチワの花食べてるね~
下りは泣き泣きの崖である。
滑ったり転んだり泥だらけである。
俺は・・・何ともないよ(*^_^*)
最後は北アルプスみたいな雪渓
夜にはもちろん、命を奪ったクマのお葬式「荼毘出し」を行った。
上山市や米沢市で捕獲されたツキノワグマからは、東電起因のセシウムが検出された。
県では、食べないように、との指示が出ているのだが・・・
無駄に殺さない。命をどう思っているか知らんが、奪った命を粗末にできない。
喰うな、と言うなら獲らない方が良いのである。
東電の、原発の罪は計り知れない程深いのである。
そんなものを人間がいじくってはならんのである。
絶対にいかんのである!!
わたしたちは、滋味深い自然からの賜りモノに、心より感謝し、ありがたくそのマナを胃の腑に流しこみ、自然の生き物と共に、セシウムを抱き生きるのである。
原発には反対である。
放射能を撒き散らしたのは大罪である。
また、始末も出来ぬものをいじくり、さらに撒き散らし、それをどうしようもできないなど・・・・・言葉にもならない。
何も知らず生き、存在する健気な自然に感謝し、生きるのである。
生息調査、お疲れ様!
300mag+高倍率スコープは、
やはりワンショット・ワンキルが原則ですね。
20mで6倍では、やはりちょっと危険過ぎますなぁ。
もしかして、腰だめで撃ったのでは?などと想像したり、
ハラハラ・ドキドキ。。。
でも、よくぞ皆さんで切り抜けましたね。 お疲れ様&ご苦労様でした!
この度の原発事故がもたらした自然環境の放射能汚染問題は、
経済的損失のみならず、「自然と共に生きる」という日本人の、
深層自我の崩壊にも通じる出来ごとなのですが、
「(それでも)存在する健気な自然に感謝し、生きる。」という言葉に、
ポスト311というか、崩壊→再構築への普遍的意思・・・みたいな事を
改めて感じますね。
(↑↑↑ふふふっ、ちと大袈裟でしたか?)
ちなみにshidareo2も、そーんな意味でけっこう同感です。
やはりワンショット・ワンキルが原則ですね。
20mで6倍では、やはりちょっと危険過ぎますなぁ。
もしかして、腰だめで撃ったのでは?などと想像したり、
ハラハラ・ドキドキ。。。
でも、よくぞ皆さんで切り抜けましたね。 お疲れ様&ご苦労様でした!
この度の原発事故がもたらした自然環境の放射能汚染問題は、
経済的損失のみならず、「自然と共に生きる」という日本人の、
深層自我の崩壊にも通じる出来ごとなのですが、
「(それでも)存在する健気な自然に感謝し、生きる。」という言葉に、
ポスト311というか、崩壊→再構築への普遍的意思・・・みたいな事を
改めて感じますね。
(↑↑↑ふふふっ、ちと大袈裟でしたか?)
ちなみにshidareo2も、そーんな意味でけっこう同感です。
shidareo2あにきへ
自分のブログを読み直して、兄貴のコメントを読んで・・・
似合わないし、想像も出来かねるとは思うのですが、涙がこぼれてしまった。
まずは、クマに・・・・痛い思いをさせてしまった事。
クマが好きなんだなぁ~と、改めて思ってしまいました。
300magワンショットキルは、必要条件ですね。
精進して、それが出来る事。出なければ撃たない方がいい。
俺が襲われるとかより、彼等に苦しい思いをさせたくない、なんていう、人間主体の思いなのですが。
その後の半矢の事故にも責任を持たなければなりませんね。
ちなみに、6倍至近距離は、クロスヘアに動体を何の苦も無く納められたので(当たり所は微妙でしたが)、国際ルール、スキート射撃の賜物であったと思います。
肩付けの時点で、クロスヘア中心にクマが入っていたし、引き金を引く躊躇がなければヘッドショットもあったと思います。
いずれ、スコープからクマが外れない状態を維持できたので、今後の参考にはなりました。
その後、最初の確認に向かうにしても、接眼側のキャップは開けたまま行きました(^_^;)
崩壊⇒再構築
ぼくらは、未来に向け生きている。
明日を生きる覚悟と、作る覚悟が必要ですね。
東西の冷戦は、明日を崩壊するという妄想に、自己だけは生き残ると言う、ノアの方舟譚の、下手な解釈によってなされたものか、或いは自殺的自虐的ブラックなユーモアと解釈する以外にありません。
ユーモアで済んだから今があると言うだけで、
アウシュビッツも、38度線も、ベトナムも、中東も、状況こそ複雑であれアフリカもフォークランドも、
僕たちは、戦争など望まないし、人類の崩壊も望んでいないですね。
銃を、何某かに向ける私たちですが、その当事者であるからこそ、その不幸を伝える事もできるかもしれませんね。
明日という、貴重を、僕は僕が殺した生き物たちに教わっているのかもしれません。
殺しながら・・・・
感謝して、涙もして、
語らなければいけないのだと、そう思います。
似合わないし、想像も出来かねるとは思うのですが、涙がこぼれてしまった。
まずは、クマに・・・・痛い思いをさせてしまった事。
クマが好きなんだなぁ~と、改めて思ってしまいました。
300magワンショットキルは、必要条件ですね。
精進して、それが出来る事。出なければ撃たない方がいい。
俺が襲われるとかより、彼等に苦しい思いをさせたくない、なんていう、人間主体の思いなのですが。
その後の半矢の事故にも責任を持たなければなりませんね。
ちなみに、6倍至近距離は、クロスヘアに動体を何の苦も無く納められたので(当たり所は微妙でしたが)、国際ルール、スキート射撃の賜物であったと思います。
肩付けの時点で、クロスヘア中心にクマが入っていたし、引き金を引く躊躇がなければヘッドショットもあったと思います。
いずれ、スコープからクマが外れない状態を維持できたので、今後の参考にはなりました。
その後、最初の確認に向かうにしても、接眼側のキャップは開けたまま行きました(^_^;)
崩壊⇒再構築
ぼくらは、未来に向け生きている。
明日を生きる覚悟と、作る覚悟が必要ですね。
東西の冷戦は、明日を崩壊するという妄想に、自己だけは生き残ると言う、ノアの方舟譚の、下手な解釈によってなされたものか、或いは自殺的自虐的ブラックなユーモアと解釈する以外にありません。
ユーモアで済んだから今があると言うだけで、
アウシュビッツも、38度線も、ベトナムも、中東も、状況こそ複雑であれアフリカもフォークランドも、
僕たちは、戦争など望まないし、人類の崩壊も望んでいないですね。
銃を、何某かに向ける私たちですが、その当事者であるからこそ、その不幸を伝える事もできるかもしれませんね。
明日という、貴重を、僕は僕が殺した生き物たちに教わっているのかもしれません。
殺しながら・・・・
感謝して、涙もして、
語らなければいけないのだと、そう思います。
そうそう、その辺の実感みたいなモノ。
「理解 < 納得 = 腑に落ちる」みたいな感じというか、
「動かし難い実感みたいなモノ=真実(・・・に近付ける感覚?)」・・・ですよね。
「狩った」分だけ、同時に同量の「狩られる・・・かも?」という感覚も
味わい得るというか、感じ取れ得るし・・・、
もしかすると、これが自然との関わりという事の本質かも???
「明日という、<貴重>を・・・」 => 「貴重」を「Precious」の方じゃーなく、
<priceless(お値段付けられない;(笑)>の方でパッと直感的に捉えてる、
そーんなKuma仙人さんに、乾杯です!
ちなみにスコープの接眼キャップは、バトラーでしたっけか???(笑)
それではまた!
「動かし難い実感みたいなモノ=真実(・・・に近付ける感覚?)」・・・ですよね。
「狩った」分だけ、同時に同量の「狩られる・・・かも?」という感覚も
味わい得るというか、感じ取れ得るし・・・、
もしかすると、これが自然との関わりという事の本質かも???
「明日という、<貴重>を・・・」 => 「貴重」を「Precious」の方じゃーなく、
<priceless(お値段付けられない;(笑)>の方でパッと直感的に捉えてる、
そーんなKuma仙人さんに、乾杯です!
ちなみにスコープの接眼キャップは、バトラーでしたっけか???(笑)
それではまた!
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