ヒンヤリした空気の中を、チビ助が学校へ向かう。
朝から爆発してしまった。
レディー・カカァの仕事にである。
結構高価な電気釜をぶん投げ、ご飯をぶちまけた。
ここまでしないと、レディー・カカァの心に俺の意志が残ってくれないからである。
経験的に分かっているので、非常に懐と心に痛い行動なのだが、意識して行う事にしている。
決して、プッツンして訳分からなくなり、暴れまくる危険な変態オヤジではないのであり、行動における効果を期待して、冷静な判断のもとに暴れる?のである。
そこのところはしっかりお知らせしておくのである。
以前は、42インチのハイビジョンテレビを窓からぶん投げたが、
今朝は電気釜である。
事の発端をご説明致そう。
先日、新米を味見した訳であるが、それはそれは美味しいのかどうなのか分からなかったのである。
何故か・・・・・。
いきなりの炊き込みご飯であったので、まあ、不味いはずもなく、炊き込みご飯であった。
新米を味見すると言うのに、いきなり炊き込みご飯と言うのも、まあ、レディー・カカァならあり得るが、その時は優しくこう述べる訳である。
「あのさぁ、新米の味見だから、白米で喰いたいね~。」
次の朝はさすがに「白米」であった。
うんうん、今年も良くできた。
つやヒカリになっちゃったけど、つや姫とコシヒカリの特徴を併せ持つお米だ。
これなら、買ってくれた皆さんにも喜んでもらえるだろう。
米つくり農家としては大失敗だったが、次からはこのような失敗は許されないからな、と、まあ夫婦で確認し合う訳である。
昨年のお米がまだ結構残っているので、新米の味見はホンの味見なのである。
主食として食べるには、昨年のお米を食べてからである。
お客さんや、セレモニーがあれば新米で良かろうが、コメ農家であるからして、お米を無駄には出来ない。
昨晩の事。
新米を目の前に昨年の米では首が長くなるだろうと思い、今まで分づきで食べていたお米であるが、
「明日から、新米食べるまで昨年のお米は白米で食べよう。その方が美味しいだろうから。」
そう言った矢先である。
今朝のご飯。
真っ白でピカピカ。
見ただけで新米と分かる。
先ず、ご飯茶碗を空に飛ばした。
一口、二口小言を飛ばし、次に窯をぶん投げた。
レディー・カカァは人の話を聞いていない。
聴いていても、右耳から入った言葉はそのまま左の耳から出てしまうのであろう。
大きな出来事がないと、言葉や想いは脳に留まってくれないのである。
家の保有米を売ってしまえ。
新米を喰い始めたら、古米を喰うのが嫌になるほど新米は旨いのだ。
昨年のお米を無駄にする気か。
米をつくる苦労を分からんのか、ただでさえ今年は間違ってコメを植えてしまい、多くの方々にご迷惑をかけて、それでも救ってもらっていると言うのに・・・。
この前新米喰ったのは、食べてくれる人達に、不味い米売ってられないから、そのための試食だぞ!
全部米売って、うちではスーパーから米買って喰った方が良いようだ。
そうしなきゃあなたはお米の大切さを分からんのではないのか・・・。
人の話、聞いてるか!!??
と、やった訳である。
モノを大切にしてほしいのである。
お米農家だから、コメなど捨てる程ある、などと思ってほしくないのである。
混米を作ってしまい、当初は本当に立木からロープでぶる下がらなきゃならないかと思った。
胃と腸が捻れてしまうのではないかと言うほどの危機感があった。
励ましの言葉や、そのお米を快く買って頂き、皆様に助けて頂いて、ありがたいと思った。
それを忘れずに生きていきたいのである。
レディー・カカァにもそうあって欲しいのである。
なかなか大物である。
ウッフッフ・・・・大物だ・・・・・レディー・カカァ・・・
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