完全に水が身体を覆うという状況。
覆い尽くそうという状況。
羊水に似た、母なる海に似た水が身体を覆う。
まだ下半身だが、
その羊水は安楽でもあり苦痛でもある。
人間なら2日を約束されたというものだ。
意識がしっかりした中で、自分の中の水で溺れ死ぬ。
その宣告を受け、死を待つと言う事が、第二次大戦下では相当にあったろう。
ネコ・・・は1週間か・・・。
10日か・・・・。
それとも帰還するのか・・・・・・。
俺の鼻から水が滴れた。
その覚悟を決めねばならんのだと。
元気に、快方に向かいつつあるが、
俺の知識の中で、彼は・・・
ニコは・・・・・
鼻の中を熱いものが流れ落ちるなぁ~。
暑い蒸しタオルできれいに拭いてあげる。
嬉しそうな気持ちよさそうな顔をしてるけれど、
けして楽ではなさそうだもんな。
トイレに立つ度に足は想像にかなわぬ方向を向く。
その度、猫らしい方向の足向きにかい添えするのだが、
それも感じなくなってしまった。
元気らしく装う顔は疲労の色。
面倒見るよ、最後まで・・・。
あまりに重症すぎるな。
甘えろよ。ニコ。
涙が止まらんなぁ~。
君の命を知るという、俺を許せ。
誰が何と言おうと、俺の知識の中で君は生き抜ける。
その時まで、君は幸せだろうか・・・・・・・・・・。
幸せの中で、おさらばならば、賢治に勝る幸せのなかにあれ。
・・・・「豊穣の秋に死すればそれも幸せ」・・・・・・・
ニコ、死ぬな・・・
死ぬなら幸せに去れよ。
ん~~~~~~~~~~~~~~
人との別離はまあ、何とか・・・・・
去年の愛犬・・・
ネコ・・・・
これがまたたまらん・・・・・・
おいおい・・・・
苦しんで、甘えて、求めろよ、
ならば少しは俺も・・・・
ん~~~~~
シロ・・・頑張ってなぁ
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