あちこちでは、田植えの話が聞こえてくるが、
俺んちの近所では、早くて代掻き、メインは田んぼ起しという季節である。

何だか、おどろおどろしい雲が空を覆う。


減反含め３町分以上ある田んぼを、トラクターで耕耘するのに２～３日はかかる。

あっちこっちにある田んぼであるから、足の遅いトラクターで移動するのに時間がかかり、途中、昼飯を食いに家まで戻るのが厳しい。

なので、お昼にはカミさんにお弁当を持って来てもらう。

そんで、トラクターの中でワンセグテレビを見ながら、あるいはＣＤとかラジオを聞きながらご飯を食べて、しばしの休憩をとる。

キャビンという屋根というかガラスというか、外部と仕切られた空間を持つトラクターなので、雨、風、埃、花粉などから隔離されているので快適ではあるが。
早朝から、暗くなるまで十数時間をこの中で過ごすのはなかなかしんどい。
花粉や埃に激しいアレルギーを起こすので、トラクターの中は土足禁止。
靴下で作業しているから、足元も快適である。

以前のトラクターなら、両手両足、首（後ろを常に確認しながらなので）を総動員し、寒さ、雨、風、埃、花粉などに晒され、合羽にジャンパー、マスクにホッカブリと、なかなか賑やかな姿で、へとへとになってやっていたものだが。

今の機械は（結構高価なものである）楽ちんである。

椅子に胡坐をかいて、ハンドルを回すだけでだいたい全部の動作が出来る。
レバーをガチガチも殆どない。
ボタンを押すだけである。
微調整などは、各種センサーが自動でやってくれる。
キャビンのおかげで音は静かで、ＣＤやラジオを聞きながら作業できる。


楽で、快適であるが、能率はよくなったが、その分面積が多く（増やす）なるので、作業時間は変わらないか、増えるのである。

そして、神経は同様に使う。

最大の困難は、その快適さゆえに襲い掛かる「睡魔」である。
失神しそうになる。
でかい田んぼでは、まっすぐ歩く距離が長く、途中で失神しそうである。

夕刻まで休みなしに稼ぐので、午後３時を過ぎたあたりからの睡魔は凄まじい。

目をあいて、ハンドルをさばき、それなりの作業はしているのだが、脳が寝ている。
携帯に着信があったりすると、飛び上がるほど魂消てしまうから、これはほぼ寝ているのに近いのであろう。




そして、昨夜は８時に床に入った。
今朝目が覚めたのは、８時１５分。

ビックリである。

カミさんが気をきかして、寝かせてくれたのだが、朝日が上がり、気温も増すというその間、ブドウ園の換気を行い、苗代の水やりをしてくれた。
だいたい、こんなにのんびり寝ていたのでは、作物を枯らしてしまうところである。危なかったが、カミさんの成長を喜ぼう。ありがとう。

さて、午後から残り１町分ほど、耕してこよう。
ご飯食べたら、昼寝しないで。

昨日の雨で、朝から耕耘できなかった分午前に少し余裕が出来た。

は～。それでも、まだ眠いなぁ～。