失われた「いのち」

  • 失われた「いのち」
確か去年の今日も雪が降って、ブドウ園のハウスが心配で一晩中寝ずの番をした。
今年も雪だが、まだブドウ園のハウスは張ってないので安心だ。

だいたい、雪が多すぎて、田んぼの雪が消えてまだ一週間も立っていない。
地震と原発の心疲れで、のんびり仕事を進める事にしたのだ。


地震、津波、原発と、多くの人々が大変な目に遭い、俺自身は、日本がリセットしたと思っていた。

今までの生活、暮らし、そして命を失ったものと考えて、新たな出発の時を迎えたのかもしれないと思っていた。
もしかしたら失った命である。

だから、あれから、新たな命を授かったと思い、新たな世界に再び生まれたと感じていた。日本中が「いのち」の尊さを考える、地球から授かった勉強をしたのだと思っていた。


でも、昨日、通学途中の小学生6人の命を奪う事故が起きた。
26歳の青年の運転するクレーン車が、居眠り運転らしい事故で、可愛くて、未来ある子供たちの命を奪った。
前の晩、運転者は何をしていたのだろうか。遅くまで酒を飲んだのか?
彼女と夜を明かしたのか?それとも友達と未来を語っていたのだろうか?

原発も、のんびり考えていると、ジワジワと未来の命をポツリポツリと散発的に奪う事になる。方々で細々と起きる事件となるだろうから、今回の事故のような衝撃はなかろうが、忘れてはならないのである。

そして、事故を起こした彼は、何も学んではいない。


原子力発電に関する世論調査では、
増やせ・・・・5%
現状維持・・・51%
減らせ・・・・30%
やめろ・・・・11%

俺は、出来るなら止めるべきものであると思う。
恐らく、到底人類には制御できない素材なのだろうと思う。
現在までに、日本の原発に関わる安全対策など、一般家庭の緊急時の備え程か、それ以下だった。
この事故を受けて、福島原発は、外部電気系統導入を2系統にし、津波対策のために、ディーゼル発電機を高台に備えたそうだ。
これは一体何なんだ??地震や津波が来る前にすべき対策ではないのか??
だいたい、原発は震度5位の地震しか想定しておらず、津波は5メートル強。
事故により被害があった場合は、近隣の住民の被ばくは想定の中。死んでも仕方がないが、原子炉だけは、何とか守る。建屋やその他施設は、知らん。・・・と言う事だったのである。
最初から、人間の命など考えていないのである。

昨日は、3号機・・。ヒューマンエラーで3時間に渡り冷却機能が停止。
ブレーカーを間違って下したんだそうだ。
おい、大丈夫か?3時間も気付かなかったのか?

お粗末すぎる。

現在も放射性の物質は大気中に出続けている。
笑うしかない。奴らには何もできていないし、何も得ていないのだ。
そして、原発を持つ国の国民は、原発により失うものの方が重大で、得るものなどとるに足らないものであると言う事に気付かない。いや、56%の人々は命より経済を優先すると言っているように聞こえる。

だいたい、世の中の自動販売機を全部やめたらどれくらい電気が浮くとか、誘蛾灯のように煌々と明るいコンビニの電気やスーパー、デパートの電気を抑えたらどうなるとかの検証もあろうが、日の目を見ないのはなぜだ。
核燃料の製造と、原子炉維持のために原発の電気が必要である、と言う事を何人の人間が知っているのだろうか?

日本の原発は、危険である。

「いのち」を大切に考えられない国に、原発、原爆は持てないのである。
バカに刃物のそれと同じである。

この国は、何も学んでいないのか?


津波で被害を受けた地域を、各職種ごとに効率よく分けて、都市つくりを行うという計画だそうだ。それぞれの業種別に町をつくれば、確かに経済効率は上がる。
しかし、そういった集中型の街つくりは、天災などに弱い。
小さな天災でも、一極集中の農園、工場、漁港、商業地では大きなダメージを負う。経済のみ優先の考えからは、人間が豊かに暮らせる生活空間の創造は出来ないのである。

災害に強い地域を見れば、中越地震の時でも、今回の津波でもそうだが、孤立化しても、尚強いところと言うのは、農村部。小さな万屋があり、小さな鍛冶屋がいて、大工さんがいて、農家があって・・・。コミュニュティーにより多くの職種の人間が混在することで、助け合い一つの自立した地域となりうる。

専門分野ごとに分けてしまったのでは、本来の地域の強さは失われる。
経済的に強くなるというだけで、そこに住む人間の生活は、その人間らしい強さと生き抜く力を削がれることになる。
東京直下に大地震が来たなら、と、想像すれば簡単に想像できる。
食を失い、暖を失い、明かりを失い、・・・そもそも、その前に生き抜く力を失っているのである。田舎は、その点強い。


そして、この国の震災新興の面々は何も学んではいないようだ。


増税ありき、だそうだ。
復興に向けての増税。
ガソリン高騰時の減税も、ガソリンが安くなると使いすぎ、復興の妨げになるという理由でなくなりそうだ。
子供手当、農家所得補償なども、どうもなくなりそうかもしれない。

ちょっとおかしくね~か?
八十何兆円の国家予算と、120兆超える特別会計があって、全ての省庁や天下り団体がちょっとづつ資金を出し合えば、計り知れない金額になろうものを。
蓮舫が大した成果を出せなかったあれ・・・・なんだっけか?仕訳?・・忘れちまった。
本当に出す気があれば出せるはずだけどなぁ。増税する前に、国民の多くは寄付したり、お手伝いしたりしてると思うよ。
やってないのは、地方、国会議員連中ばかりじゃねえの?寄付行為は禁じられていると言ってさ。買収に使う寄付じゃなきゃ、国民が認めるよ。だいたい、法律を作るのは自分たちなんだから、やる気があれば何とでもなるだろう。

まったく、何も学んじゃいない。



稲の種を蒔いて、ハウスに並べた。
ハウスの中は暑くて、汗が土に、にじみをつくった。
今、窓の外は雪景色。

チビ助の誕生日であるが、質素に祝おう。
取りあえず、おやつに、とうちゃんのお好み焼き(そば粉入り)と、かあちゃんのクッキーが小腹に入った。

子供たちよ、とうちゃんは君たちを愛している。

俺は、正直ガキは嫌いだが、小さな未来であるすべての子供たちを、心から愛している。
君たちの命を守るのが、俺たちの役目だからね。
がんばるよ。

がんばろうな、東日本!!



追記
昨日、原子力安全・保安院は今頃になってやっと、原子炉の燃料が溶融したかもしれん。と、溶融を認めたようだ。
あれ、あの組織って何??  あれ、ちゃんと何か機能してるの?有能な人たちなの?誰か教えてくれ~~!!

あんまり政府の批判なんかすると、KGBとかCIAみたいな組織につかまってしまうかな?
車のブレーキが効かなくなってどこかへ突っ込んだりして・・・・。
まあ、俺みたいなやつやってもしょうがないだろうけど。
自由な国のはずなのであるが、表現の自由がある国なのだが、なんだか北朝鮮みたいなところもあって、やだな。
2011.04.19:kuma仙人:[ぼやき・つぶやき]

「いのち」の重さ

IAEAが来て数値が翻り
安全委員会が来て事実を公開

東電と保安院は所詮、保身の塊の国家機関
経済産業省の出先機関です

経済産業省管轄ではない安全委員会ですら
事故発生から一ヶ月も過ぎてからの現状介入と言う体たらく

もはや彼等の発する言葉に真実は有りません
国益や経済と言う隠れ蓑に隠れた
一部特権階級の保身の為の都合の良い希望的内容でしかないのです

そして、報道規制と言う名の御上の都合に合わせた情報操作された番組を
何の疑問も持たず鵜呑みにし
己で学び、考え、行動する事をしない
一般視聴者もまた
保身に走る国家上層部と同じくらい罪深いのです

経済を優先させ
己を一番に考える競争社会を作り出し
地位や名誉、貧富といったカテゴリで
個々の「いのち」の重さに差を付けた結果なのです

だからこそ
福島原発事故の様な事象を目の当たりにしても
自己の利便性を優先しているのを隠し
復興の為に経済活動を…と言った言い訳を建て前にし
僅かばかりの節約に満足しながら営利を優先させるのです

現代人の行なっているエコは
あくまで己を優先させた、多少の我慢の上で繰り広げられるエゴでしかないのです


さて…小難しい話はここら辺にして…

お誕生日おめでとう!なのです

質素で良いではないですか

産まれて来てくれてありがとう!
産んでくれてありがとう!

と互いに感謝する日なのです

きっといつか
熊家の子供で良かった!
と思えるはずです

さて…麦家はどうかなぁ(笑)


進むよ!東日本!
2011.04.19:麦チョコ:[編集/削除]

おはようございま

  • おはようございま
お陰様で元気に頑張っています。
ネット環境が復活いたしました。
ご心配有り難うございました。
田んぼは津波の残骸で今年からは…休耕です。
こんな時こそ稲作したいのですなぁ~。
2011.04.20:マロ7:[編集/削除]

麦チョコさま

善良なる仔羊たちよ、君たちは真実を見なくとも良い。
考えるべからず。
さすれば、我らオオカミが、安全な方向へ導いてやる。

否定しようがしまいが、そういう事ですな。

考える材料を与えない。
責任を負うのを恐れ、情報を出さなければ、結果としてそういう事。そして、自分で考え行動する能力を削がれた。
「安心」と言えば「安心」と言う。あのコマーシャルそっくりですな。茨城のカミさんの友人も、結構な放射線レベルの地に住んでいるのですが、「安心で問題ない」というから大丈夫じゃないの~、と、呑気な事を言ってた。
原発反対の15000人規模のデモの報道はなかった。
あ~、ここは中国??北朝鮮??
まいったまいった。

祝福頂きありがとうございます。
チビ助は7歳になりました。
ずっと元気に、人を思いやれる立派な公務員と学者以外の仕事に夢を持って向かってもらいたいと思うkuma父であります。
2011.04.20:kuma仙人:[編集/削除]

マロ7 さま

まずは、ネットが使えるようになりよかったですね。
こうして情報を頂き、みんなで考える事を許して頂ける。
写真は、田んぼなのでしょうか。
津波被害に遭われた土地を訪れた友人たちは、口々に、現場はテレビや写真とは全然違う。想像を超える光景である。と言っていました。
また、マロ7さんの身内の方の命からがらのご生還。御知り合いの被災、死。
俺たちは生きています。
与えられた命を再認識し、共にありましょう。
まだお会いしたこともありませんが、俺たちは繋がっています。
親戚です。お困りがありましたらいつでも相談してください。
出来る事は惜しみなくご協力、お手伝いしたいと思っています。

そして、いつか近未来に、お顔を拝見し、語り、そして尚共にありたいと願っています。

      kuma仙人  高野尾
2011.04.20:kuma仙人:[編集/削除]

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