山形高畠・上和田にて

今、一人きり、家族を信州に残し、上和田に帰ってきた。
途中、スーパーやガソリンスタンドは相当な込み合いであり、水や生活用品、燃料など求める人々でごった返していた。

残していた猫は、俺から離れない。
肩に乗って離れない。

子供たちを探して大きな声で鳴いている。

娘の学校からは、家族の意向であるから、とやかくは言わないし、思いも理解する。卒業式に出れなくても、校長から証書を渡したい、帰ったら是非学校に来てください。との事であった。
まあ、大げさな親だなぁ、なんて思っているとは思うけど・・・・。


娘は卒業なのである。
6年間の思い出の最後がこれでは可愛そうである。

友達には避難したりした人はいないと思う。
多分、俺んちだけである。

涙が止まらんなぁ~。
kuma仙人は、涙が止まらなくなっちまった。

何も言わずに別れた娘の顔が・・・・。
さぞ辛かろう。


娘よ、
ここには津波もこなかった。
地震被害も少なかった。

なぜって思うだろう?

父も苦しい。
父の暴走かもしれない。
しかし、俺は、許された環境で最善の選択をしたいのである。
君たちを守るためには、最善を尽くし、危険を排除し、危険を遠ざけるのである。
それは、誰の判断でもなく、君たちの親としてそれを行うのだよ。

ものすごくひどく悲しい想いをして、今も生きるか死ぬかの境にいる人々がたくさんいる。寒さに震える人がたくさんいる。
でも、何もできない。俺には、祈る事しかできない。
肉親を亡くしたり、行方が分からなかったりしている人がたくさんいて。
それは、俺が君たちを信州において来たり、卒業式に出られなかったり、そんな苦しみではないのだよ。
もっともっと苦しいのだよ。

どうか何事もなく、
私のオヤジ大げさだから、って友達と笑って言えるといいね。

そんな親父を笑ってくれよ。

君たち家族、母さん、妹、弟、一時だって離れたくないよ。


自分の、鬼のような判断に、苦しむときもある。


どうか、メルトダウンなんておこらないで欲しいよな。
大げさな親父だって、笑って言えるといいよな。
あそこの親父は、自分の家族だけ安全なところへ連れてって、ひでー親父だ、なんて言われるのは平気さ、甘んじて受け入れよう。

俺は、君たちをもっとも大切に思ってるんだよ。
君たちが無事な事が、kuma仙人親父の最大の願いなんだ。


ちくしょう、涙がとまらね~や。



追記:君たちを愛しているよ、一刻も早く迎えに行ける事を願ってるよ。
2011.03.14:kuma仙人:[ぼやき・つぶやき]

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