野宿の朝、のんびりもしておられず、近所の御用達をして、
部落公民館3名と地区青年部(報徳講・何やら二宮金次郎だっけか?薪を背負って本を読むにあやかって、昔この地区で立ち上げた会らしい)の会長(俺)副会長で、おさいと焼という行事の為のカヤを刈り集め、干す作業を行った。
閉めに、えっちゃんラーメンの中華大盛りである。
おさいと焼というのは、ドンドン焼き、どんど焼き、とか各地でいろんな呼び方があるらしいのだが、とにかく1月の15日あたりに、正月飾りや古いお札等を焼く行事である。
我が故郷の長野県川上村では、道祖神祭りに併せドンドン焼きを行う。
参加は地区の小学生全員であるが、時折、幅を効かせたい中学生などが非公式に秘密裏に陰に参加するのである。
段取りなど準備は、子供たちとその父兄である。
大がかりな祭りで、細木で小屋をかけ、松葉などで屋根を葺き、中に藁を敷きつめ、プロレスないしその他の格闘技の真似ごとができるようなリング?ができる。
両翼には観戦の為?のベンチというか、酒を飲むためのベンチができる。
リング前には、ドンドン焼きと言う通り、でっかいキャンプファイヤーみたいなのができ、3日3晩火を焚き続け、脇には太鼓が用意され、ドンドコドンドコ打ちならすのである。
子供たちは、地区を回り、書き初めを集め「おんべ」というお払いの器具をつくり、地区全家庭をまわりお払いの儀を行い、お布施を頂くのである。
お布施は子供たちに分配され、お年玉となる。
学年により、配分もしっかりと決められており、早く高学年になりたかったものである。
そして地区内にも、上・下の小屋ができ、子供たちはお互いに抗争を行うのである。
下の誰それを上の小屋に拉致し、痛めつける(普段いじめられた仕返しに)のである。その報復に、上の小屋から俺なんかが拉致されて、鼻水涙よだれで顔がぐちゃぐちゃになるまで藁のなかでもみくちゃにされるのである。無礼講なのである。
まあ、俺の場合はそのあと、下組の親戚の上級生などから「そのくらいにしておけよ」との声に救われ、お菓子をもらったり、餅を喰ったり、ジュースを飲んでたらふく満腹を楽しみ笑いながら帰るのだが、ついでに下小屋の小生意気なガキを2~3人ひっぱたいて、1~2人拉致してくるのである。
それぞれ、上、下相手方に親戚などおらず、普段から小生意気な小僧は相当にひどい目に逢うのである。
しかし、俺が家出を決め込み、故郷を離れ20年、今はどうなっているのか分らん。
楽しい思い出であるが、当地に来てからは、特に居を構えてからは、極端な宗教嫌いであるため、宗教儀式には参加していない。
俺には神も仏もイエスも何もないのである。
信ずるものを信ずるだけなのである。
それでいいのである。
まあ、カヤ刈りは公民館事業という事で目くじらも立てないし、
第一、カヤを田んぼで焼くだけで、ささやかな儀式である。
あちこちの神様に顔をつなぐと、信心が浅いので恨まれるのが怖いしね・・・。
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