白 ワイン

ワインの値段が高かろうと、安かろうと気にせず購入し、
幅広く舌に試すのであるが。

それでも、そうそうこれは頂けないというのには当たらない気でいた。
四囲に流通するのであるから、それなりのテイスティングはあるはずである。

ちょっと頂けないワインがある。

白・シャルドネ品種である。
会社などは記さないが(主観的好みによりそれを判断しつるしあげる気はない)
13度のアルコールをもち、カリフォルニア産である。
甘辛度4 酸味3 と表示があり、引き締まった酸がワインのフレッシュさ、フルーティーさを際立たせるとある。
魚介類やクリームパスタにあう云々。


添加物など何が入っていようがかまわないが。
13度のアルコールにするには糖度26度以上のブドウが必要である。
完熟が必要である。
青系のシャルドネブドウが黄色みを帯びなければいいワインが出来ない。

このワイン、格安であるが、
青ブドウ(未熟)の香り、味がする。
13度のアルコールを醸す仕事ができないぶどうの味、香がするのである。

ブドウ農家としては最も嫌う所の、青さゆえの渋み、苦みである。
完熟と種から抽出されるそれとは明らかに違う。


若さというか、未熟と言うか、青いぶどうの青臭さがこの中にある。
まだ、太陽を十分に感じさせない。
或いは、天候不順に熟度をそがれ、房の切り口から青臭い露が流れ出る樹から収穫したのかもしれない。

580円。
ヨセミテの道などと洒落た名前がついてはいるが、
この青臭さは、イワガキを台無しにする。

清冽がない。
青さの渾沌である。



青いぶどうの蔓をかじった味が口に残る。

大会社の作品である。

等などと、甘美の雫を吟味するのは楽しいのである。
2010.08.06:kuma仙人:[喰いモノ]

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