田植え終える・・・

  • 田植え終える・・・
さなぶり  早苗饗 である。

今年は、いつもの年よりせわしく、そして、草臥れた。
時間もかかったかもしれない。

暑い日に  寒い日に  

気候が穏やかでなく、身体も精神も参ったのである。


さなえ 早苗・・良い言葉である。

こんな、言葉を生みだした日本と言う国も、また素晴らしかったのだろう。

さなえ が好きである。
早苗 はいい。
抱きしめたいくらいである。

初々しく、まるで処女の様だ。
細く華奢ではあるが、しっかりした根を持つ。

実りに向かい、こんな小さな身体から、稲穂を垂れる母となる。


農家が気づいていない農家たる心  とは。

信じる心。信じる力なのである。

農業を、学問として科学としてとらえ、
作物を育てているのは人間である・・・という人がほとんどであるが。

本当は違うのである。

あの、小さな一粒の種から、スイカやトマト、樹木でさえ・・・
そして、米も。
日常として、当然としてとらえてはいるが、超不思議な事奇跡なのである。

一粒の種を蒔き、それが実る などと、
その種を信じなければ、できない事なのである。
農家の仕事とは、植物を信じ、力を貸す事であると、
私は信じている。



だから、成苗ポット育苗なんて言うのしてるんだけど・・・
田に植える時も、普通の田植えの倍の植え幅で植えるのである。

植えた時は、まばらに ポツポツってな感じで、
廻りの人が「おい、大丈夫か??」と心配する程だけど、
信じてるから、少なく遠く植えられる。


信じる事が出来ないから、近く密に植えこみになる。
すると、化成肥料や農薬のお世話にならなければ心配でいられなくなるのだ。



大八洲 豊葦原 瑞穂の国 の人だから・・・

小雨にけむる水田が美しいと思うのだよ。
2010.05.26:kuma仙人:[野良仕事]

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