ついでに“長井”の由来も調べてみました。
「井戸が多くて細長い土地だから長井かなー」と、お気楽に考えていましたが、
思った以上に強敵でした・・・。
以前どこかで、「長井氏が現在の長井近辺を治めていた」と聞いた覚えがあったので、まずは『長井市史』を見てみることに。
●Ⅰ-p700
『「県誌提要」では、「文治年間に奥州の藤原泰衡が朝廷の命令に従わなかったので源頼朝がこれを討った。その戦で泰衡の残党の良元が逃れて小坂村御館山(中津川)にたてこもった。頼朝は大江時広に命令して之を討ち滅ぼした。時広がこの戦の勝利を報告したので長井郷を賞として賜った。」
~中略~
大江時広が長井氏を称するようになったのは、置賜郡の地頭となってからであり、置賜郡は屋代荘、北条荘、成島荘の三郡とのこりの地域(郡)となっていたが、置賜郡が長井庄と呼ばれたのもこのころからであり、長井氏の呼び名も地名からきたものであろう。』
と、どうやらもともと“長井”という呼び名があったようです。
ということで、今度は地名の欄を見てみました。
●Ⅰ-p567
『長井は「奈加井」と注をつけているので「ながいのごう」と呼ぶのが普通である。長井の「井」は水の集まる所という意味で、野川・白河の作った扇状地に集落が発達し、そのあたり一帯を「長井」とよんだ。
~中略~
小出は小井出の転音であり、井出は堰と同じ意味につかわれた用語である。ここでは野川の堰の水を長井と称えたので長井の地名の生まれる要因ともなった。』
※堰…せき止めによって水位を上げ、利水・治水などの役割を持っている。
つまりは、昔から水が豊富な土地であり、
川に長距離に渡って堰止めが行われたから“長井”なんですかね。
また、「奈加」について調べてみたところ、面白いサイトがあったので紹介します。
http://www5b.biglobe.ne.jp/~yokoyama/frm68.html
『川﨑真治氏は中村の「ナカ」が「蛇族」を表わすと述べております。
中国の江南語で「ナ」は蛇であり、インド語・マレー語で「ナガ」といえば「竜蛇」だそうでございます。』
奇遇にも、長井は山岳信仰の面が強く山の神として竜神を祀るところもあり、卯の花姫伝承では三淵で大蛇が祀られ、また長井の獅子舞は、全国的にメジャーな1~2人の獅子舞ではなく、大人数が幕に入って舞う「むかで獅子」というタイプであり、獅子頭の別名も「蛇頭」であったり、舞い方も一部の神社を除き上下運動が少なく水平に舞うなど、水面を泳ぐ蛇のように見えます。
そう考えると、蛇(ナガ)と水(井)で長井な感じもしますね。
久々の東京で言って伝わらなかった方言シリーズ③
「しなこい」
どういう場面で使ったかは覚えてませんが、飲み会で焼肉を食べた時かもしれません。
「これ、しなこくて食べにくい・・・」
「え、“しなこく”?」
「あー、やっぱり伝わらないかー。“しなこい”は、なんというか柔らかくて噛み切りにくい感じなんだけど。」
「そういえば、“あまっこい”とかも前言ってたねー。“っこい”って方言?」
「あー、そうなんかも知れない。」
今思うと、「脂っこい」は共通語だし、「っこい」ってなんなんでしょうね?
あと、意外と「しなこい」が伝わらないと結構不便です(笑)
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