HOME > 記事一覧

グレードダウン

 入院当初は、早く退院して職場復帰

 簡単に退院するのは難しいと分かってからは、じっくり治して、職場復帰

 治癒が難しいと分かってからは、退院して自宅で家族と過ごす

 とても強い病気だと知れば知るほど、目標はグレートダウンしていった。

 昨年の今頃は、秋には退院できると考えていたため、新年度を迎えた職場を見てみたいと。

 大事な治療を控えていたため、それが成功すれば治ると信じていたため、職場に行くことを強く反対してしまった。


 白血病の治療中は、感染症がとても怖いから、人と会うのは避けたいことだった。

 グレードダウンしていっても、一つも叶えることは出来なかった

 最後に会話が出来たなら

 どんな言葉を残したのだろうか・・・・

 

 
 
 

東北にいい医者はいない?

地元の病院から、造血幹細胞移殖の出来る病院への転院先を決めるとき、

 ゛東北に、ご主人の病態の治療が出来る良い医師はいません゛

 という情報をもらった。

 東北で生まれ育った私達にとっては、なんとも衝撃的なことだった。

 東北人をバカにされているようで、受け入れがたい情報だった。

 
 後に・・・

 症例の多い中央の病院に経験豊富な医師が集まっている。
 東北人がダメなのではない事が分かった。

 
゛良い医師゛とはいったいどんな医師を指すのだろうか

 ゛良い医師゛とは、同じ病態の患者でも共通ではないのではなかろうか


 最終的に最良の治療法を判断するのは、患者本人。
 
 主人の担当医はみんな


 『一緒に頑張りましょう!』と


 参加型の医療を提供してくれた


 私達にとって ゛いい医師゛だった。

 
  
  
 

倶 會 一 處 《 く え いっ しょ 》

先週、四十九日法要と納骨を終えました

 月日がたつのは早いですね

 納骨をした後、ホントにお別れだなぁ・・・と呟くと

 娘が

 『火葬の時も同じこと言ったよね』と。

 さらに

『お父さんは、年に三回もお家に帰ってこれるんだから、いいべした!』と。

 年に三回?

お盆と二回のお彼岸のことでした

 
 法要の後の住職の説法

 ゛倶 會 一 處 (く え いっ しょ)゛

 極楽でまた一緒になれるのだとか

 退院したら

 退職したら

 老後は

 そんな未来設計をたくさんしてきたけれど

 つづきは、娯楽で・・・

 
 

明日はない?

生きている限り、誰もが死と隣り合わせ・・・

 病気の主人だけでなく、命あるかぎり誰もが同じ条件なのだと主人と何度も確認しあってきた。

 自分自身にも何度も言い聞かせてきた

 子どもたちにも、何度も何度も

 『生きている限り、必ず死ぬ。生きている今が大事。』

 と伝えてきた。

 死という恐怖に、必要以上に脅えないために・・・。

 
 
  先日、娘達からおねだりをされた。

 『じゃあ、今度ね』
 
 と私が言うと、

 『お母さん、明日はないかもしれないのに、今度でいいの?』

 と娘達が口を揃えてにんまり。

 
 この二人は転んでもただでは起きません(苦笑)

 

お母さんをお願いね

 入院中の主人が、長女に

 『お母さんをお願いね』

 とよく言っていた。

 入院が長引くにつれ、何度も長女にかけられるこの言葉。

 私達と同じように辛い思いをしながら、前向きに生きている彼女に言い続けるのは、酷な気がして


 『もう、子供達に、お母さんのことお願いって言わないで・・・』

 と主人と話した事があった。

 主人が亡くなった後は、私の母が子供達に

 『お母さんをお願いね』

 と言ったとか・・・。

 
 『逆だよねぇ・・・』

 って、娘は笑っていたけれど

 娘達には、ほんとうに支えられる毎日です。

 二人の娘達は


 主人が残してくれた最強で最高の宝物です。