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一番ではない。

平成21年1月7日
 かなりの気合を入れて、転院を目的としてT病院に行ってきた。しかし、入院許可の結論は持ち越し。拍子抜け?じれったい?これが病院のシステム?

 このT病院で移植するという決断に至るまでは時間がかかった。優柔不断のせいかも。
 今の病院からは眺めがいい。町が一望できると言っていい。
 決断した後、町を眺めた。病院の駐車場を見た。そのときに感じたことは「自分が一番辛いんじゃない」ということ。

 一番とは、良くも悪くも使う言葉。ナンバー1というチャンピオンもあれば、ワースト1というビリもある。
 ナンバー1には「上には上がいる」という言葉があるように、一番と決め付けるには相当な根拠が必要。数的な根拠か・・。
 
 自分の家族、そして、自分を心配してくれる人・・苦しんでいる人、辛い人はいる。
 そして、病院から見えた車の数。この車の中には、自分よりも大変な病気をもって闘っている人がいる。そして、自分の病室の周りにもいる。全国には、同じ白血病で闘っている人がいる。「自分が一番辛いんじゃない」「一番苦しんでいるわけではない」と思った。一番なんか、ありえないと・・。

 そんな中、世の中では、殺人だ、自殺だ、心中だと命を粗末している人がいる。 俺が一番頭に来るのは、命を粗末している人間だ。この病気になって、そう思った。
 

昨日から一転

平成21年1月6日
 今日は朝からいい天気。まぶしいくらいの太陽だった。
 昨日は、決断の日と書いたが・・夜はぐっすり眠れたし、体調もいい。
 昨晩は、たけしのTVタックルを見て、笑ったりしている自分がいた。
俺って、考えなしかな? 優柔不断なくせに、無頓着で鈍感?
 今日は、意外とさっぱりしている。気持ちが落ち着き、次のステップが見えてきただろうか?
 朝は、派遣切りのテレビ報道に、仲良くなった同じ病室の人と「あーだ、こうだ」としゃべっていた。
 明日、移植する病院へ出向き、受診。今は、医師へ聞くこと、質問を考えている。明日は朝早く起きなくちゃ!

決断のとき。長い一日。

 平成21年1月5日
 病室から駐車場が見える。車でいっぱい。年末年始明け、連休あけだから、しょうがない。
 今日から第2クールと思いきや、何もない。拍子抜け・・。
 回診時、移植する病院について、医師と話をした。
 ネット、主治医の話、家族のこと、いろんな方からの情報をもとに、結論めいたものを・・それは、隣県のT病院で移植するということ。
 しかし、これで本当にいいのか?との不安がある。
 これから、午後の回診時にまた、医師と話をしよう。当初、T病院はセカンドオンピニオンとして予定していた。しかし、時間的な理由、今の病院では移植できないなどの理由から、担当医から「決めているならば、これからの治療もそちらでしたほうが落ち着くのでは・・」ごもっともな話であるが、あらためて言われて、ビックリ。ここで、第2クールの治療を受けるつもりできたから・・。

 今日は決断の日か・・何もない日程の中で、ちょっと一日が長すぎるかな・・

 この病気になり、自分の決意を表す言葉「がんばるよ」と、相手への感謝の言葉「ありがとう」という2つの言葉。何回、使ったことか・・でも、この2つの言葉を使い続ける先に、「完治した」「復活した」というゴールがあるように思う。

 仕事で愛用していたスケジュール手帳。これには「今日もがんばるぞ!」という言葉が汚い字で毎日のように書かれている。これも続けるよ。ゴールを目指して・・。
 

病院へ戻る。第2クールへ。

平成21年1月4日
 本日、病院へ戻りました。
 家から出るとき、ちょっと、ウルっと・・今度はいつ来れるかな?
 強い自分と弱い自分の交錯・・どうしても、弱い自分が出てくる。現実逃避の気持ち、絶対、治してやるぞ!という気持ち! さすがに、昨晩は涙があふれた。でも、子供の顔を見ると、がんばらなくちゃ!と思う。家族だけじゃない、いろんな人に心配、応援されている・・。絶対、がんばらなくては・・!
 明日ぐらいから、第2クールの治療が始まる。点滴も・・薬の量も増えるから、副作用がちょっと心配。あわせて、移植する病院探しも最終段階としなければならない。時間もない。自分の中では、8割方、隣県のT病院にしようかと思っているが・・。まだまだ、最終判断ではない。やっぱ、俺って、優柔不断?決断力がない!?
 いろいろ考えた。情報がない部分と、ありすぎている部分があり、なんとも決めにくい。そんなに、世の中、甘くはないだろう。自分で決めた道をしっかり進もうと思う。まず、向かってくる試練、難敵を倒していかなきゃ!

一時帰宅。健康の錯覚。

 今年も今日で終わりか・・。今年もいろいろあった。いや、ありすぎた。
 運良く、年末年始を自宅で過ごすことができた。今、自宅でブログを書いている。
 自宅での生活・・食事ではおいしいものが食べられ、子供と遊んだり・・時には、悪いことをすれば怒る。薬を飲むことぐらいが病人としての役割であり、以前の健康時の生活に近い。差し詰め、何もしないグータラ夫(父親)の生活のようなもの。ほんと、健康じゃないか?という錯覚さえ感じるほど、心地よい生活だ。
 やはり、自宅はいい。家族に囲まれて生活していることに「幸せ」を感じる。もう少し、この幸せ感を持続させてくれー! 病院に帰れば、治療の第二ステージが待っている。今は、充電期間。もちろん、悩むこともあるが・・。