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不思議です。

  • 不思議です。
平成21年2月6日
 今日、妻が来てくれた。長い時間ではなかったけど、話ができて、少しホッとした。
 写真は、以前書いた、病院内の「ホスピタルモール」にある「焼きたてパン屋」さんの写真です。すごいでしょう!

 置賜病院の入院のときは、知人と会っても、様変わりした自分を見せたくないという気持ちからか、知らぬふりをしていた。でも、ここに来たら、何となく、人が恋しいというか、「山形の人はいないかな?」「誰か、知っている人と会わないかな?」と思ってしまう。不思議なものだ。
 患者や看護師にも山形出身がいないかどうか、聞いてみた。看護師には2人ほどいるらしい。今度、機会かあったら、話してみよう。

 自分はピンピンしているが、だいたいの患者さんは点滴をしながら、寝ている場合が多い。あらためて「人間って、よく寝るよね・・」と変なことを思った。もちろん、病んでいるから・・薬の効果だから・・しょうがないけど。

ほんの僅かな期間・・薬からの卒業

平成21年2月5日
 入院してまもなく3ヶ月になろうとしている。振り返ってみると、あっという間だったかな? でも、家族にとっては、長い時間だっただろう。

 今は静かな時間の毎日。体調はいい。夜も眠れる。毎日、ネット、本、新聞と少しのテレビ・・。新聞は山形新聞がないので、河北新報。少しではあるが、山形の話題が掲載されていて、うれしい。
 病院生活で自分で管理するものもある。朝昼晩の検温、血圧、体重はすべて自分で記帳管理する。もちろん、できる人だけだが・・。携帯のアラームを使って、忘れないようにしている。

 置賜病院から継続していた飲み薬から卒業した。「薬は決していいもんじゃない。身体が調子がいいときは飲まないほうがいい」という主治医の判断。それくらい、自分の身体が調子いいってことがうれしかった。

 ここは病室だけじゃなく、病棟が無菌病棟となつているため、1回の面会で最大2人までしか面会できない。記名、入退室時間の記帳など、管理されている。
 病棟に入るには、自動ドアがあるが、フットセンサーで開閉する。センサーに足をつけると開閉する。なんか、行儀が悪い気もするが・・。

 午後になると、風呂の時間が多いかな。無菌病棟のため、点滴をしていても、シャワーができるのもいい。
 また、午後には、移動販売車が病棟に来る。売店へいけない患者のためだ。弁当、菓子、飲料、新聞、雑誌、洗剤など・・何でも売っている。新幹線のワゴン販売の2倍以上の大きさである。

 病室は4人部屋。俺と同じ40代の人が1人と、70歳前後が2人。みんな、点滴や輸血をしている。熱で苦しんでいる人もいる。していないのは俺だけ。まぁ、来週から仲間入りだけど。
 先日、山形の話で盛り上がった。上杉の話、山菜やきのこの話・・井上ひさしの話でも盛り上がったなー。みんな、親切にしてくれる。山形には魅力がたくさんあると口々に言っていた。
 同室の40代の人にこんなことを言われた。
 「ここに入院できて、ラッキーだったね。主治医の先生は、移植経験も豊富で、絶対治るから!俺の知人なんか、移植してピンピン働いているよ」と・・。心強い!ありがたい言葉だった。一つ、確信が増えた。

だんだん慣れてくるかな

平成21年2月3日
 体調は普通。食事もきちんととっているし・・。ここの病院は食事を選択できる。主食について、ごはん、麺類、パンのいずれか・・。
 米の消費拡大もあるが、試しにパンを食べてみようと思い、昼、パンを食べてみた。袋に入ったあったかい食パンが2枚。保温器のおかげであったかいのか?食パンはふかふか。でも、トースターで焼くこともできるため、焼いて食べてみた。たまには、いいかも。
 ここの食事はまあまあかな。ほんと、器が熱いくらいにあったかい食事。でも、減塩のためか、しょうゆをあまり使わない。味噌汁も少しうすいかな・・。米はおいしいと思う。ササニシキかな?

 今日は午前が歯医者・・午後はネツト、新聞、本の繰り返し・・。後輩から借りた「男道 清原和博」も本日、読み終えた。いい男だ、清原は!ブロの世界の厳しさと本人の努力、心意気をよく知ることができた。
 
 ただ、テレビはつまらない。山形のローカルな話題がないから・・やっぱり、俺は山形人だな。窓から見える風景は、ビル、マンションなどの建物ばっかり。今、都会で治療している実感がわく。雪に埋もれた水田、散居集落、屋敷林の風景のほうが落ち着くね。

 ここの看護師さんはいろいろケアしてくれてありがたい。誰でもくつろげるソファールームで本を読んでいたら、担当看護師がきて、いろいろと話しかけてくれた。ありがたいねー。

 さぁーて、明日はどんな一日になるかな? 今週は点滴も始まらないし、風邪ひかないように静かにしているだけだから。

 でも、携帯とネットは便利だし、家族や知人との距離を縮めてくれるね。ありがたいよ。

転院。新しい生活。

平成21年2月2日
 結論から言おう。本日、東北大学病院へ転院した。
 先週末、採血データが急激に回復し、移植先となる東北大学病院へ連絡したところ、ベットの空きがあるので、体調がいいうちに転院したほうがいいとのことになり、今日に至った。
 先生もびっくりするほどの回復力と言われた。「普通はもう1週間以上はかかるんですよ!薬が効きすぎたかな?」

 先生の計らいにより、「血液データがいいから、週末は自宅で過ごし、直接へ行ったら・・」とのこととなり、週末は家族と過ごすことができた。1月のときは、「もう当分、帰れないなー」と思っていたけど・・。子供たちともしっかり遊ぶことができた。良かった。

 転院してみると、さすが、高度医療施設!部屋もすばらしい。設備も素人目から見ても、すごい。病室を紹介されると早速、検査ラッシュ。採血、身体測定、心電図、レントゲンと・・。先生からの説明も終わって、今は一安心。
 この病院で何がびっくりしたって、「ホスピタルモール」といういろんなお店があること・・。コンビニのような売店から始まり、コーヒーショップ、喫茶店。焼きたてパン&軽食喫茶、クリーニング&写真、花屋、果物屋、介護用品・・。すごい! 一つの産業だ! とにかく、焼きたてパン屋さんがびっくりした。おいしそー!!

 ちょっと話は、さかのぼる・・。
 退院する朝、置賜病院の5階から、町の風景を見た。雪に覆った水田と散居集落、屋敷林・・。風景をみているうちに、この町で知りあった人たちの笑顔が頭の中を駆け巡った。涙が出た。
「俺は、この町の人たちのために何かできたかな?」
「いや、俺は絶対、ここに帰ってきて、みんなの笑顔を見るぞ!笑顔のある仕事をしたい! 絶対するぞ!」と誓ったよ。自分の家族のために、妻や子供たちのために・・そして、俺を励ましてくれている人たちのために。

 今日の先生の説明を聞いて、あらためて、これからが最大の試練だと思った。
 俺は、強い意識をもって、目の前の壁を一つずつ乗り越えることだけに集中しよう。転院前の朝方、寂しさと不安がよぎり、涙も出た。でも、病室に入ってみると、みんな、病気とがんばっている・・
 俺も負けない、絶対に・・復活してやる!

暇なダルさ・・

平成21年1月30日 
 無菌室に入って12日目。白血球などの血液データも上がってきた。
 看護士さんから「だるいところないですか?」と毎日のように聞かれる。当たり前の話だ・・。点滴をされているものの、身体は普通に調子がいい。ご飯もしっかり食べているし・・。
 ダルさ?しいて言えば、あまりに暇で「暇なダルさかな?」と答えるときがある。熱も出ないし、本、テレビ、ネットの繰り返し・・面会制限だから、妻以外は誰も入ってこないし。
 病気を薬で治療すると言った場合に、時間と薬の投与量によって、次第に快方に向かうのが普通だ。
 しかし、白血病などの場合は、時間と薬の量により、だんだんよくなるものの、途中はアップダウンがある。つまり、副作用で苦しくなったり・・。
 これから、このアップダウンが「骨髄移植」という時期の前後にやってくる。それも最大の難関だ。がんばるしかない!