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臨機応変に

 とっても大事な選択をしたときは、そこだけを見て、前に進むのが精一杯でした。

 今振り返ると、見直しのタイミングが所々にあった事に気づきます。

 最善の選択をしたとの思いが強ければ強いほど、見直しという行為からは遠ざかりますが、状況は変わります。 
 
 最善の選択をより最善にしていくために、臨機応変に・・・心がけていきたい事です。

近くで・・・

 地元の病院では出来ない治療が必要だと知ったとき、地域医療について主人とたくさん話をしました。症例の少ない病気の為に設備(ハード、ソフト両面で)を整える事は無理だと分かっていても・・・近くの病院で望む治療を受ける事ができたらと。

 昨日、最初の治療をして下さった、K先生とお会いする事が出来ました。

 『全ての治療がここで出来れば良かったんですがねぇ・・・」と。

 私達が一番望んでいた事を・・・先生のお気持ちは、とても有難く思いました。
 先生が出来ない治療なのではなく、施設として出来ないのは本当に残念です。

 先生には、辛い病名告知の後メンタル的にもだいぶサポートして頂きました。この病気の事を全く知らなかった私達のたくさんの質問、疑問や不安に快く応対して頂いた事に感謝しています。

 先生には直接お会いしてどうしても伝えたい事がありました。お忙しい中時間をとって頂きありがとうございました。
 

 

一日でも長く

 主人がお世話になったT大病院の看護師Ⅰさんと話をすることができました。

 Ⅰさんから、主人の闘病中の胸中を教えていただき、涙がこぼれました。

 『ご主人は、子供達と一日でも長く一緒にいたいから頑張るんだって、いつも言っておられました。』と・・・。


 治癒を目標にはしていたけれど、現実をしっかり受け止めて、一日でも長くという思いでの闘病だった事を改めて知り・・・胸が痛みました。

 娘たちにも、お父さんが最後まで頑張れた理由をしっかり伝えてあげたいと思います。

 Ⅰさん、今日は貴重なお時間をありがとうこざいました。
 

明日へ・・・

 主人が亡くなって月日がたてばたつほど、思いは薄れるのではなく、様々な形で膨らんでくるように感じている。

 そこには、もし選択が違っていたら、結果も変わっていたかもしれないという思いも無いわけではない。

 しかし、これは所詮・・・結果論でしかない。

 明日へ踏み出すために・・・・。

 闘病中、その時々に応じたベストな選択をする為に一番大事にしたきたプロセスが後悔に変わっていかないように・・・今できる事。

 それは

 今を大切に生きて行くことなのかな・・・。

どこでも同じ?

主人が発病して治療を始める時、医師から告げられたこと

 『医療機関を選んでいる時間はありません。白血病は症例が少ないため、全国共通の治療プロトコールで行います。初期の治療はどこでやっても同じです。』

 突然の白血病告知で困惑している時に゛どこで治療をしても同じ゛と聞いたときは、とても勇気づけられました。

 造血肝細胞移殖が必要な病態だとわかり、この治療のための転院先を考えなければならなくなりました。ここで、医師に相談したときも、やっぱり・・・どこでやっても同じだと。この時は、相当悩みました。大事な治療を受ける病院を医療に全く度素人の私達が・選択しなければならなかった事はとても大きな負担でした。たくさんの関係者の方から様々な情報を頂きましたが・・・それでも決断にいたるまではかなり悩みました。

 どこで治療を受けても同じなら、自宅から近い病院がいい。辛い治療には家族のサポートも欠かせないなら尚更近いほうがいい。考えに考え抜いた末、自宅からなるべく近く症例数も比較的多い隣県の病院を選びました。ただ、選んだからといって、そこで治療が受けられる訳ではなく、その病院が受け入れてくれるのかというハードルモありました。

 しかし、この時、本当にどこでやっても同じなのだろうか?という漠然とした疑問が沸きました。

 二回の転院を経験し確信したこと・・・

 いくら、同じ治療プロトコールで治療するからといって、同じ医療を受けられるはずがありません。診療にあたる医師もその他の医療スタッフも人間なんですから・・・。