一つだけ、稲作農家に聞きたいことがある。
それは「あなたのお米は世の中で一番おいしいですか?」と・・
食べ物のおいしさの一番の要因は「食べ慣れ」つまり、食習慣である。ほかの人がおいしくないと感じても、食べ慣れているものは、その人にとっておいしいものである。
でも、農家の中には「俺の米が一番おいしい」と豪語する人は少なくない。そこであえて言いたいのは「本当においしいのか?」と・・。前段の食習慣はともかく、おいしいという基準は第三者が判断しなければならない。例えば全国食味コンテスト。食味コンテストの話を聞くと、農家は「あのコンテストはあてにならない」など、否定的な言い方をする人もいる。でも、「おいしい」と基準は、作った農家の舌では信用性が足りないような気がする。
ぜひ、豪語する農家のみなさんに言いたい!どんな食味コンテストでもいいから、出品して入賞してほしいと・・。第三者的にも、山形の米はおいしいと言われている。私の理想は、新潟のコシヒカリに負けることなく、食味のコンテストで上位入賞を独占してほしいことだ。
ただ、全国食味コンテストで上位入賞した米でも、必ず売れるという保障はない。みんな、売ることに苦労しているようだ。でも、第三者が判断した「おいしさ」は、基本の関門。それ以上に「売る作戦」が必要になってくる。
今は、食味が基本中の基本で、さらに必要なのは「物語」だ。農産物の現物と農村環境をセットにして売る・・これも大切な「売る作戦」だ。
一つ苦言をあえて書こう。米づくりは、土地改良が進んだ現代においては、もっとも手のかからない農産物だ。それをあえて、手のかかる無農薬米、有機米を作って、高く売っている農家もいる。だからこそ、手のかからない農産物「米」を売るには、手のかからない分、何かをしなきゃ、売れないと思う。国が悪い、国が安くしている、そんなことではない。農家のポジティブなアクションが必要だ。
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