命の音

主人が急変し、子供達を病院に呼んだとき

人口呼吸器を装着した父親の姿を子ども達は

ありのまま受け入れてくれた

口では説明していたけれど

あまりにも変わり果てた姿に

どんな反応をするのかとても心配だった

主人の体にいつものように触れながら

静かに父親の姿をみつめてくれた


主人は会話をすることも目を開けることも出来ない状態

それでも

゛生きている゛って事を子供達に感じて欲しいと思って

看護師さんに聴診器を貸して欲しいと頼んだ

子供達に心音を聞かせてあげたかった

(いや、私が一番聞きたかったのかもしれない)


父親の心臓の鼓動が子供達にはよく聞こえたらしい

でも、私には聞こえなかった

私『えっ?お母さんには聞こえないよー』

娘『聞こえるよ、ほらぁ・・・でも、直接胸に耳をあてた方がよく聞こえるよー』


この時、主人の心臓は限界に近かった

主人は最後の力を振り絞って

子供達に

命の音を聞かせてくれたのだろう

2010.05.30:主人:[白血病から考えたこと]

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