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真っ先に会いたい人は?

極楽に行ったら、一番会いたい人は誰?と娘達に尋ねると

『お父さんと、お母さん!』と元気に答えてくれた

 気持ちは嬉しいけれど・・・・

 お母さんはまだ生きてるんですけど・・・(汗)


私が真っ先に会いたいのは、主人とおじんちゃ(曽祖父)

おじんちゃは私が幼い時に亡くなっているので、覚えてはいないはずなのだけれど、不思議と一緒に散歩した事が鮮明に思い浮かぶ

 それは、とっても可愛がってもらった事を母や父から何度も何度も聞かされてきたからだろう・・・

 
 私も娘達にお父さんの事を繰り返し繰り返し語ってあげたいと思う

 

 

 

 

 

話すことで・・・

 とっても真面目で口下手な医師が主治医になった事があった。

 彼がとても厳しい話しをした時、

 『薬飲んだだけで、一発で治る方法ないの?』

 と主人が軽い気持ちで言うと、彼の目に涙が浮かんだ。

 そんな薬などないことは十分に分かっていた。彼の涙を見て、私達は医師はもう諦めていると思い込んだ。諦めた医師の下で治療を続けるのは嫌だと思った。

 そう思い込んだまま転院し、その後も彼の涙が頭から離れることはなかった。


 この医師の想いを知る事ができたのは、主人が亡くなった後だった。

 最後まで治癒にこだわった主人と
 現実の中でいい時間を少しでも長くと願った私との間に立ち
 医師として出来ることを考え続けてくれていたことを少ない言葉の中にもしっかりと感じた。

 今となってからでも、彼と話しができて良かったと思う。

 天国の主人にも彼の想いが伝わっていますように・・・。

チーム医療

 ガンは一つの特効薬や一回の手術で治ってしまうような単純な病気でない場合が多い。

 一人の症例について様々な専門家が集まってどの治療をどの順番でどのくらいの割合で行うのが良いかを話し合い合意して行われる医療を"チーム医療"と呼ぶという。

 そこでは、医師も看護師も薬剤師もみんな平等でそれぞれが専門家として意見を述べ合う。

 このチーム医療が確立されたところに、患者として、患者家族として身をおくのは、とても心地よい事だと感じた。


 身近な生活でも、仕事でも、互いにパートナーとして認め合い、信頼し合うには、異なる意見を臆する事無く戦わせることが出来るかどうかが、大きな鍵になるように思う。

 

そのままが好き

 主人に私はいつも辛口だった

 なんらかの症状を訴えてきても、

 『生きてる証拠だから・・・』の一言で済ますことが多かった


 治療や症状に対しての不安を訴えたときは、主治医にあえて尋ねた

 
 『こんなことを、気にしていますが、何か問題はありますか?』と

 ゛大丈夫"という答えを医師から直接伝えてもらうために・・・

 決まってDrは問題ないと答えてくれた。


 でも・・・

 こんなに早くお別れするなら、もっと優しい言葉をかけておけばよかったかなぁ・・・

こんな想いを話したら娘は

 
 『お母さんが、お父さんに優しくしたら、お父さん気持ち悪いっていうべした。おとうさんは、そのままのお母さんが好きだったんだべ!』と


 そのままのお母さんが好き


 娘から言われるとは・・・・


 娘達にも


"そのままの貴女が好き"


いつもそう言える母でありたいと思う


 

大きくなったら何になる?

 『お母さんは大きくなったら何になりたい?』

 ときどき娘が無邪気に聞いてくる

 (もう、大人なんですけど・・・・・)


 『んー・・・大きくなったら、医者になりたい!』

 と答えた事があった

 すると

 娘達は医者は嫌だと言った。何故?と尋ねると

 『お母さんがお医者さんになったら、私達はほったらかしにされる。お医者さんになったら、家に帰ってこれないべ』と


 主人が入院中、四六時中病院で働く医師の姿を子供達は目の当たりにしてきた。患者にとっては本当にありがたい事なのだけれど

 確かに、いつ休んでいるのだろう?家族との時間は作れているのか?とこちらが心配になるほどだった


子どもは常に大人の言動を敏感にキャッチし、厳しくチェックしている
 
 大きくなるまでに、たくさんの希望に出会えますように