HOME > 白血病から考えたこと

まぁ、快適だな。期日前投票もした。

平成21年1月23日
 今年は暖冬かな? と思わせるような天気じゃないですか? 気温を体感していないけど、窓から見る風景だと・・。

 無菌室に入って今日で5日目。血液データが下がってきたため、今日からクリーン食となる。
 「無菌室」「データが下がる」「クリーン食」という言葉から連想するのは、本人はグッタリしているのでは・・そんな言葉とは裏腹で、元気、ゲンキ! 飯もおいしいし、特に問題はない。副作用は手足のしびれくらいかな? 脱毛もしなくなった。逆に毛が少し伸びてきたくらいだ。手のひらのしびれは以前よりも、少しエスカレートしたかな? まぁ、あまり支障がないから・・
 無菌室は個室である。夜のトイレなど、周囲に迷惑をかけることはないので、気が楽だ。
 部屋から出ることはないので、毎日の日課はテレビ、本、イーモバイルの繰り返しかな・・ でも、テレビは、ほんとグルメ的ネタが多いねー。食い気の強い自分にとっては「食べてみたいなー!」という欲求が沸いてくる・・。

 本日、県知事選挙の期日前投票もした。病室で投票するなんて、いい経験をさせてもらった。

大寒じゃないみたい

平成21年1月21日
 暦ては「大寒」。病室にいると気温がわからないが、外を見ても「大寒」らしくはないような気がする。
 治療の第2クール「地固め療法」での点滴による抗がん剤投与も終わり、今は体調はいい。ただ、点滴は24時間。今日は、薬による白血球等のデータ値が下がってきた。(別に容態悪化ではないから・・)
 ということで、一昨日から「無菌室」へ移動した。よって、面会制限がある。でも、当の本人は至って元気である。
 先日、T病院から入院許可の連絡が主治医に入った。少し安心・・。骨髄バンクの登録も手続き中。移植に向けた準備が本格化してきた。ドナーがいつ見つかるか?
当分、ここの病院にはいるだろう。自分の体調とドナー、そして病院との調整がつき次第、転院となる。
 こうやって、ブログを更新できるのだから、良しとしよう。ご飯も食べてるし・・。体重は少し減ったかな?

きれいごとじゃない

 治療の第2クールが始まり、いろいろ考えた。
 このブログのあり方についても・・。情報を発信することによって、得られる情報と励まし・・そして自己満足。
 妻のおかげで、情報はかなり集めることができた。
 ほかの闘病記を見れば、克明に書いてあるが、俺にはそれができるかと・・
 闘病の辛さをそのまま書くのではなく、病室にいて、感じたことを書こう。
「自分の辛さを人に教えてどうなる?」と思った。場合によっては、家族にさえ、強がりを見せて、隠したいこともあるのではないか。これからがそうだろう。
 家族に心配をかけたくないという自分のなりの隠し事をブログで公開して、どうなるの?と・・。
 妻とも話して「きれいごとでは済まされない」と思い、今までブログに書いてくれた妻のコメントも消した。もっと、間接的に書こう。
 むしろ、このブログが更新されていれば、それくらいの元気があることをわかってほしいくらいに・・。

私の仕事は「自己治療業」・・市川團十郎のこと

平成21年1月15日

 今日はすごい吹雪だー。夜中から除雪車がフル稼働。病室にも聞こえてくる。

 昨日から本格的な治療が始まり、私の仕事・・しなければならないことがかなり増加! 1日を追ってみよう。
 朝起きると、目薬。抗がん剤の副作用防止、結膜炎防止のために・・。後でふれるが、昨日の市川團十郎のテレビで言っていたが、涙からも抗がん剤が出てくるので、その防止のためにする。朝起きてからと食後や寝る前など1日4回。

 おしっこの計量。点滴のせいか、昨日は1時間おき、夜中は2時間おきに行かなければならない。点滴の電気コードをはずしていくのが結構面倒くさい。昨日は最大で4つの点滴をしていた。(でも、うち3つは生理食塩水や吐き気止め、利尿剤などで薬は1つ程度なので心配しないで)2台のポンプが、キャスター付点滴ハンガーについている。これは点滴投与の精度を高めるためのものだと思う。

 朝起きたら、うがい薬でうがい。ご存知、イソジンのほか、昨日から新しくうがい薬をもらった。そして、仕上げに抗菌剤を口に含ませ、飲み込む。抗菌剤の後は、飲食は30分はダメ。
 歯磨きは、3食後。2種類の歯間ブラシで清掃。
 だから、食後は時間がかかる。歯磨きをして、歯間ブラシで清掃し、2種類のうがい薬でうがいし、最後は抗菌剤でとどめ。結構、時間がかかる。一つの洗面台なので、暗黙の了解で私が一番最初に使うようになっている。

 病室は4人部屋なので、検査や回診、来客が重なると部屋の中がゴヤゴヤする。このときは、必ずうがいをするように心がけている。

 水分を多くとることも大切。副作用を軽くするなどの効果があるとのこと。やはり、水やお茶が一番とか。点滴や食事で必要な栄養はとっているので。水道水でも悪くはないらしいが、塩素の関係から、蛇口をあけたら、5秒ほど経ってから、コップに汲めとのこと。だから、今はミネラルウォーターのみを飲んでいる。

 散歩をすること・・私は便秘をしない人間だった。しかし、無菌室にいたころ、寝たきりの生活だったので、便秘で苦労した。だから、散歩は大切。身体を動かすことは腸を活性化するらしく、今は便秘はない。今朝も散歩はしてきた。点滴がいっぱいだとなかなか大変なので、合間を見て・・。今までは、午前と午後に階段の上り下りもしてたし、朝は新聞を買うため、5階から1階まで階段を下りていった。おかげで、ももの筋肉も少しはもどった。尻の筋肉は戻らないけど。

 これ以外は、ブログを書くこと、チェックすること、新聞や本を読むこと。YBCのラジオ918を聞きながら、情報を入れ、本を読んだりする。もちろん、ネットで知り合った同じ病気の方とのやりとり、白血病の情報をとったり・・。本は、みなさんからいただいた本や買った本など。今は、東京農大の小泉武夫教授の本、スポーツライターの本、地域活性化の本など・・。小泉先生の本は、読みやすい。好きなのもあるけど、深い知識と身近な情報知識が適度に織り交ざっており、おもしろい。

 病室の方とも仲良くしてもらっている。私よりも一回り弱のおじさんと常にしゃべっている。病気のこと、テレビを見ての感想、世の中のこと、野球のこと・・。私の方が抗がん剤や点滴の先輩なので、副作用などについても話したりしている。気の合う方がいるのは心強い。

 かなり長く書いたが、昨日のTUYで放送された「市川團十郎の白血病闘病日記」の感想を書く。

 まず、彼の心意気、執念、舞台に立ち、演じるという「生きる目的」の明確化、家族愛など、すばらしいものがある。かなり、勇気づけられた。

 しかし・・番組内容が現代の医学と違う点があると思うので、少し弁解したい。
 闘病の始まりは2004年であり、今は医学が進んでいることを言っておきたい。

 まず、発病直後のシーン・・みんながマスクと白衣を着て、殺菌してから、ビニールに囲まれたベットで接する・・あれは今はない。入室するものは、手洗い、マスク、うがい程度で、今は、無菌室というところで人と接したり、治療をするので、あのシーンはありえない。かなり、大げさに見えたが・・。昔は医師も宇宙服などのようなものを着て、治療にあたっていたらしいが、今は臨床テータや空気清浄機の発達で今はないから・・。

 あと、薬やけや腕の血管が黒く死んでいるようなシーンもあったが、あれもないね。今は、鎖骨部分の静脈から点滴を入れるので、点滴のために、腕に針の後や黒ずむほどのものはないと考える。

 もう一つ、結論から言うと、彼は再発により、3回ほどの入院治療をしているが、おそらく、最後にした「ミニ移植」を最初の時点でしていれば、もっと楽に済んだような気がする。あくまでも推測・・
 これは、当時の医療がそこまで進んでいなかったのか、病院がわかっていなかったか・・。最後に治療したのは、東京のT病院(タイガー・ゲート?)。ここは移植の症例が全国でも屈指で、谷口先生は白血病の先生の中では有名な先生だ。
 ただ、移植の前後の苦しみは、放送のような場面は絶対あるはず。これは肝に命じなければならない。

 私は、現代医学の進歩は1年すぎれば、かなり進んでいることを言いたいし、私も体感した。薬、点滴のおかげで、苦しい時間はまったくなかった。3月からは新薬も出る予定である。まさに、医療は日進月歩であると考える。
 痛みや苦しみは個人差もあるのでなんともいえないが、あれが白血病闘病のすべてではないことを言いたいし、自分でもそう信じたい。
 以上、白血病アマチュアコメンテーターの感想でした。

さびしさを与えて

平成21年1月14日
 今日はいい天気だ。朝から太陽の光がまぶしいくらい。こんな日に子供たちと一緒にスキーにでかけたらと楽しいだろうなぁー・・。昨年、10年以上ぶりでスキーをした。七ヶ宿スキー場だ。ここはいい。小学校低学年には向いている。あまり、上手でない自分にとっても、ちょうどいい。いつか、子供たちと一緒にスキーがしたいなー。子供たちが上手にならないうちに・・。

 俺には二人の娘がいる。2年生と年長さん。
 昨日、妻からメールが来た。妹のほうが夕食のとき、グズっていたらしい。結構、あることだけど、妻からは「さびしさ」を感じているのでは・・とのこと。
 妹のほうは、俺の前では口だけは強がりを見せる。さびしさは口に出さないタイプ。でも、一時帰宅したときは、必ず、だっこをせがむ。こたつに入っていると、スルっと入ってくる。
 年長さんの妹には、お姉ちゃんと比べると、不平等を与えてしまった。小学入学までの時間、お姉ちゃんには、健康な自分が毎日のようにいたのに、妹には、闘病の親父の姿、時間を与えてしまった。ごめんね・・
 もちろん、妹だけではない、お姉ちゃんにも妻にも家族全体に言えることだが・・。娘たちのことを考えるとせつない。涙が出てくる。
 早く、毎日、家族全員で食卓を囲む日が来てほしい。いや、そうなる日を自分でつかむぞ! 
 今日もがんばろう!