墨付けは大工技量の集大成!棟梁たるゆえんです。
墨付けとは、曲尺(さしがね)と墨糸(すみいと)または墨刺(すみさし)を用いて、梁や柱などの木材面に線や印を付けることです。
棟梁の頭の中では、家の構造が立体的に理解されていなければなりません。
立体としての家を頭に描きながら、仕口(柱・梁などの部材の接合部)をどのように納めるのか、想像しながら刻みの基準となる線を付けていきます。
また、曲尺(さしがね)を使いこなすのも棟梁の技量です。
曲尺は墨付けに用いるL字型の物差しで、線を引くだけでなく、加減剰余の図解計算や平方根・立方根の解法、長さ・面積・体積を求めることができる優れモノです。
「誰の曲尺(さしがね)だ?」
建て方(たてかた)前に刻んでおいた部材を組み上げていって合わない場合「これは誰の曲尺だ。どういう寸法か?」から発展して、「どういう魂胆か」という意味で使われています。
写真は、棟梁が加工場で墨付けをしているところです。
近年はプレカット工法と呼ばれる、コンピュータ制御による自動機械加工の波に押されています。
熟練技の伝承が途絶えてしまうことは、非常に寂しい限りです。
ちなみに写真の木材は、山形県を代表する銘木金山杉(かねやますぎ)です。
誰の曲尺(さしがね)だ?
地縄張りは、原寸大の配置図です
建物を建てる前に、敷地に縄を張って位置を示します。
まるで原寸大の配置図です。
縄を張るための杭を「地杭(じぐい)」と呼び、縄やビニール紐を張って位置を示すことを「地縄張り(じなわばり)」と呼びます。
俗に「領分を示す」意味に使われる『縄張り』というのはこれに由来するものです。
よほど大きな建物でなければ、地縄張りを見て「意外と狭いなあ」という印象を持ちます。高さ方向のボリュームを感じていないためだと思います。
設計者は、地縄が設計通りの位置であるか、それが敷地・周辺の状況に対して妥当であるかを再確認します。
また、建築主にも確認してもらい、敷地に対する建物のイメージを膨らませてもらうことが望ましいでしょう。
地鎮祭は、身の引き締まる思いです
地鎮祭とは、着工前にその土地の守護神に、無事完成を祈願する祭りです。
一般的には「ぢちんさい」といわれていますが、神道的には「とこしずめのまつり」と読むようです。
その起源は古く、持統天皇の御代(西暦690年)にはすでにこの祭の記録があり、古代より土木・建築等に伴う重要な祭りとして行われてきました。
その方法は、その土地の風習や宗派によって多少異なります。大半は、神式で、建物の中心に位置する場所に竹やしめ縄で囲いを設け、ご神体に酒、米、塩、果物、昆布、鯛、スルメなどの海と山の幸をお供えします。
神主さんが祝詞奏上などの地鎮行事をとり行い、参列者の家族や工事関係者が玉串(榊)を捧げてお参りします。
神主さんからお祓いしていただくと、いい家を造らなければと、身の引き締まる思いがします。
建築確認申請ってなに?
建築確認申請って聞いたことがありますか?
私たちが住んでいる街には、行政上のしばりを持たせるために、「都市計画区域」なるものを、お役所が定めています。
自然豊かな山奥や農村地帯などでは、都市計画区域外だったりしますが、街中の住宅地などは都市計画区域内です。
建築確認申請とは、都市計画区域内に建築物を建てる場合、その計画が建築基準法等の法令に適合しているかどうかの確認を受けることです。その確認がなければ、建築物は建築できません。
つまり、役所(建築主事)から建築許可(確認済証)をもらうための手続きです。
確認を受けるには、申請書のほかに、建築士が設計した設計図が必要です。
申請は、申請者(建て主)本人が行うこともできますが、専門知識を要するため、一般的には設計事務所や工務店、ハウスメーカーなどが代理で行います。
金融公庫で融資を受ける場合は、この段階で設計図書の審査を同時に行います。
また、金融機関から融資を受ける場合は、建築確認申請を行った証(確認済証など)が必要になるようです。
少し面倒な話でしたが、着工前に必要となるのが建築確認申請です。
新築に限らず、増築・改築などでも必要になる場合がありますので、詳しいことは建築士に確認するのが良いでしょう。
取りこわしは、どこか切ない・・・
既存建物の取りこわし工事の風景です。
古い建物ですが、当時の造り手の魂が宿っていますから、どことなく切なく感じます。
さて、現代の取りこわしは、写真のような重機をつかって簡単にこわしてしまいます。
しかし、平成14年より建設リサイクル法が施行され、分別して解体することが法的に義務付けられました。そのため、重機で一気に解体する前に、手作業で丹念に分別します。
当然ですが、施行前に比べ、解体コストが割高になりました。
更地に家を造る場合は、このような取りこわしはありませんが、建て替えの場合はしかたありません。
こわされてしまうことはとても寂しいですが、新しい創造へのスタートです。
さあ、どんな家が出来上がるか、その過程をリアルタイムで見ていきましょう。