型枠(かたわく)は、コンクリートを流し込んで、意図した基礎形状を造るための金型です。
打設したコンクリートを設計どおりの位置・寸法・形状に保ち、コンクリートが必要な強度に達するまで支持する仮設の枠組で、木製型枠と鋼製型枠があります。
写真は、木製型枠です。通常「コンパネ」と呼ばれる合板パネルですが、これはコンクリート型枠用パネルの略称です。
鋳物は金型のとおりに出来上がりますが、コンクリート基礎も型枠のとおりに出来上がります。
鋳物は気に入らなければ型をつくり直し、炉で溶かすこともできますが、基礎はそういうわけにはいきません。
職人さんの腕が問われます。
型枠(かたわく)は、基礎を造るための金型です
鉄筋とコンクリートは、おしどり夫婦
続いては、基礎工事です。
写真は、基礎に必要な鉄筋を配筋しているところです。
基礎には、鉄筋コンクリートを使います。
その名の通り、コンクリートの中に鉄筋を入れた構造です。
鉄筋とコンクリートは、とても相性がよく、まるでおしどり夫婦。
コンクリートは、圧縮力にはとても優れていますが、引張り力にはとても弱い。
そこで引張り力に優れた鉄筋が、その弱点を補います。
しかし、鉄筋は酸化すると錆びてもろいため、アルカリ性のコンクリートが優しく包み込みます。
しかし、それだけではありません。
非常にきびしい四季の温度変化にも、ひび割れずに一体でいられるのは、熱変化による膨張の度合いを示す線膨張係数がほぼ同じためです。
(鉄筋とコンクリートの線膨張係数は 1×10-5/℃。アルミはその2倍。ステンレスはその1/10。)
神が与えた、奇跡とでも言うべき偶然です。
現代建築を大きく飛躍させた鉄筋コンクリート造は、この奇跡なくしてはあり得ませんでした。
コンクリートを「捨てる」のは、もったいない?
前回登場した地業工事が完了した後、その上面に厚さ5cm程度のコンクリートを打ちます。
(コンクリートを流し込むことを、「打つ」または「打設する」と言います。)
このコンクリートを、捨てコンクリート(略して捨てコン)と呼びます。
どうして、コンクリートを「捨てる」のでしょうか?
構造耐力上、必ずしも必要ではありませんが、良好な現場では捨ててしまいます。
それは、型枠の正確な位置出し(墨出し)と、鉄筋を配筋するときに、設計で決められた所定の位置を確保するためです。
作業性と精度を向上させるために、捨てるのです。
決してもったいないと、ケチってはいけません。
まずは、地業(じぎょう)工事で地盤固め
着工後しばらくは、建物の良し悪しを左右する重要な工事が続きます。
地業(じぎょう)工事もその一つ。
ある活動が成り立つための足場や勢力を固めるときに、よく「地盤固め」という表現を使いますが、地業工事は、まさに「地盤固め」です。
地業とは、建物の基礎を支え、かつその荷重を確実に支持地盤に伝えるため、地盤の支持力を増強する工事を目指すもので、基礎の下部に施す地盤増強工事の総称です。
住宅では、砂利地業(じゃりじぎょう)や割栗地業(わりぐりじぎょう)がよく使われます。
写真は、砂利事業が完了したところです。比較的良好な地盤の場合、根切り(ねぎり)面に砂利あるいは砕石を10~15cm程度敷き込み、突き固めます。
土の上なのに、どうして水(みず)?
前々回紹介した「地縄張り」を元に、縄より1m程度離して水杭(みずぐい)と呼ばれる木杭を打ち、縄を取り囲む形で巡らします。
この水杭に打たれる木を水貫(みずぬき)と呼んでいますが、計測器で高さを正確に測定して一定の高さで水貫を取り付けます。
水貫が取付けられると、そこに芯墨(柱・壁の中心)や基礎の高さなど、数々の重要な情報を書き込みます。
対面する水貫の間を、芯墨に合わせて糸を張り渡し、この後に行われる地業工事・基礎工事の基準にします。この糸を水糸(みずいと)と呼びます。
これら一連の仮設物が、遣り方(やりかた)です。
土の上なのに、どうして水(みず)?
ある時、はたと気付きました。そう、水面のように平らであるという「水平」ですね。
建物は、水平が命です。遣り方次第で、建物の命が左右されます。
すごく単純な方法ですが、合理的で、施工精度と作業性を上げる先人の知恵です。