郷土料理あげつま

寺町の四季紙
寺町を流れている山形五堰のひとつ御殿堰(ごてんぜき)。
ホテルオーヌマの横を流れ、当店に心地よいせせらぎを聞かせてくれます。
その後専称寺さん・浄善寺さんの境内へと続き、最後に正面の浄現寺さんにぶつかります。

ほとんど一直線で流れてきた堰は、ここで直角に曲がりさらにもう一度曲がります。
クランクの形をしているのです。
寺町は傾斜があるため、堰の勢いは見た目よりも強いと思います。
そのため堰の正面にあたる石はとても大きく、崩れを防いでいるのです。


紅梅・白梅・サンシュユなど、
寺町に春を告げる花を山門越しに見ることができます。

本堂の裏にまわると竹やぶの中に茶室があり、
近くにある草木塔を拝むことができます。

専称寺は山形城主最上義光公の二女・駒姫の菩提寺。
梵鐘は慶長11年(1606年)6月吉日と銘があります。

鐘楼も桃山時代のものとされており、当時の様式を今に伝える建造物となっております。
どちらも県指定の有形文化財です。

大晦日には除夜の鐘をつくことができます。
年越しに寺町界隈で鳴り響く鐘の音を聞くと、心が洗われるようです。
専称寺本堂の四体の力士像。
この見事な彫刻は、江戸時代の名彫刻師・左甚五郎作と言われています。

力士たちは大きな屋根を支えているため、耐えきれずに夜な夜な「重い重い」と泣いていました。
その泣き声に悩まされたのは住職。
仕方がないので猟師に頼んで
力士像を撃ってもらったところ
ピタリと泣きやんだという伝説が残されています。


境内にある大イチョウは山形市指定の天然記念物です。
当店では四季折々の寺町の風景を敷紙でお届けしております。


揚妻志保

東北芸術工科大学、美術科日本画コース卒業。
岩絵具の美しさにひかれ日本画を専攻する。
尊敬する画家は東山魁夷、横山大観。
そのすばらしい構図や色使いに心を打たれる。
最近では水墨画と水彩画を勉強中。