昭和35年9月 川西町に町のシンボル「川西ダリヤ園」が誕生する。
時を同じくして、ダリアをイメージして作られた一つの菓子パンが誕生することになる。 コッペパンの時代、まだまだ一般の人々が菓子パンなど容易に買えない時代、3種類の味が楽しめる夢の様なパンであったと今でも伝わる。 中心にジャムを配置し、その周囲にバターそぼろ、中にはアンコを配した「ダリアパン」が産声を上げた。ジャムの赤はダリアの花心(頭状花)をあらわし、黄色のそぼろと整形したパン生地で花びら(舌状花)を表わした。 川西町上小松の「パリドール・サノ」で販売する人気のパンである。 ...続きを見る |
冷涼な地方を好むダリア。
現在、日本国内での主産地は東北地方から北海道にかけて。 ダリアの原産地中央アメリカ、特にメキシコ合衆国は日本より緯度が低く、赤道に近い。 そのため、ダリアは熱帯の花というイメージが強くなっています。現に、真夏に真っ赤に咲く大輪のダリアを見ると、夏花としか思えないことでしょう。 しかし、秋が深まるにつれてダリアはその色彩を増して行きます。冷え込んだ晩秋の早朝には、その魅力に吸い込まれそうになります。 メキシコ合衆国は国土のほとんどが山岳地帯でとても急峻。夏は涼しく過ごし易いと言われます。 「天竺牡丹=ダリア」は、そんな高地冷涼な地帯に自生していた花だったのです。 |
ダリアの和名は、このタイトルのとおり『天竺牡丹』です。
ダリアが日本にやってきたのは江戸時代後期の1841年(天保12年)となっています。 長崎の出島を経由して江戸に届いた八重咲きの赤い花、名もなきこの花はいつしか「天竺牡丹」と呼ばれるようになりました。 さて、天竺とはご存知のとおりインドのこと。 現在もTV(月曜日)で放送していますが、孫悟空一行が旅する「西遊記」で有名ですね。 当時、海外から国内に入ってきたものには「南蛮・・・」とか、「天竺・・・」とかと名前を付け、呼んだようです。 ダリアについても「海を渡り外国から届いた牡丹のような美しい花」と言うことで、「天竺牡丹」という呼び名になったのです。 写真は「ネリー ブルム ヘッド」藤色のポンポン咲き。 大正時代に発行されたダリア専門書にも紹介されている、生まれて100年の時を過ごしている品種である。 |
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ダリアと言えば、庭で楽しむ花といったイメージがとても強い。
確かに7月から11月まで花が咲き続き、花壇や庭を彩る花として欠かすことの出来ない花のひとつであり、何よりもその存在感は見事!
しかし、その存在感の大きな花も、切花にしてしまうと水揚げの悪さ、日持ちの悪さからダリアは切り花に向いていないと敬遠されてきた。
近年、ダリアがフラワーアレンジのメインフラワーに使われている。
フラワーアレンジ、生け花関係の雑誌で取り上げられることが増え、またTVでの露出度も急激にアップしている。
ダリアの魅力がますます高まっている。