『ダリアの勉強会』
7月3日、川西町立玉庭小中学校(渋谷健一校長)で全校朝会の時間に、学校の花壇でも栽培している、町の花「ダリア」について学ぼうと、「ダリアについての勉強会」が行われ、15分ほどの短時間でしたがお話しをしてきました。 玉庭小中学校は全校生徒60名ほどの小規模校ですが、地域と根ざした活発な活動をしている学校です。 「町の花ダリアのおはなし」と題し、ダリアを通したまちづくりやダリアが誕生した歴史、ダリアが食べられる事などをお話しし、またお願いとして、ダリアの観察と生長記録をとってほしいこと、ダリアが咲いたら花びらの枚数を数えてほしいことをお願いしてきました。 |
『山形のダリア事情(昭和30年ごろ)』
明治時代から大正期にかけて全国に広まったダリア栽培。しかも、その中心は小輪やポンポン種などの可愛らしいダリア達でした。 本格的な広がりを見せるのは昭和初期にはいってからとなります。ダリア愛好家(研究家)は、ある条件を備えた場所に生まれ、各地でピンポイントに拡大(普及)して行ったのです。 当時、大輪系の品種は輸入に頼るか、一部の改良家によって生み出される品種に限られ、その球根は極めて高価であり貴重なものでした。一例を上げると、30年代初めに生まれた赤い超巨大輪「宇宙」は、発売価格が4000円を付ける程でした。(30年代の4000円の価値を想像して見て下さい) そう限られた場所とは、高価なダリア球根を購入できる人々がいる城下町などの古くから栄えた大きな都市部か、地主や商人が集まる裕福な農村都市と言うわけです。 昭和35年発行「ダリア全書(著者・松尾真平)」では、日本国内におけるダリア関係団体一覧の中に、県内から「鶴岡ダーリア研究会」「花いっぱい会(山形市)」「川西町ダリヤ会」などを紹介しています。他にも、米沢市や酒田市でダリア栽培が盛んに行われていたと言われています。 上の写真は、昭和32年9月に「山形市の丸久デパート内」行われた「ダリア展示会」の様子。山形市役所内に事務局を持つ「花いっぱい会」が主催し、県内各地から千点を超える名花が集まったと記録されている。 |
『山形のダリア事情(昭和30年頃)②』
山形県内におけるダリア事情はVol.130で紹介しましたが、県内各愛好会の中でも鶴岡市・鶴岡ダリア研究会の活動がとても盛んに行われていたと記録されています。同研究会会長・松木正利氏はダリア栽培の傍ら自ら品種改良に取り組み、東北ダリア作出家協会の代表を務め、また、同本部を鶴岡に置くなど、東北・全国にその名を馳せられました。現在も庄内各地でダリア栽培が盛んに行われていますが、先人の努力の賜物でしょう。 写真は、昭和31年の川西町ダリア会主催による品評会時もの。 審査員に、米沢市の中津川政次氏、鶴岡市の松木正利会長、同水野重昭副会長をお呼びして開催しました。 |
『ダリアの芽摘み作業』
5月中旬に植付けたダリアも順調な生育を見せ、生長の早い株には蕾が付いてきました。1週間ほどで開花期を迎えることでしょう。(蕾を持ったのは摘心をしなかった株。摘心したダリアの蕾を見るには2週間程必要でしょう) 中心の花を大きくより美しく咲かせるため、蕾の下にある葉の付け根から生まれた新芽(脇芽)を3段(6芽ほど)摘み取ります(写真参照)。 なお、梅雨の長雨で花壇(畑)全内がじめじめしています。そして、葉にはたくさんの穴(食害のあと)が開いているのを見つけることが出来ます。食害と言えばアオムシやヨトウムシを想像しますが、葉を返し裏側を見てもムシの姿が見られません。(今年はまだ少ないです) 葉に多数にあいた穴、実はナメクジがなめた被害の痕です。夜になると土中や板、鉢植えなどの陰から姿を現し、茎をよじ上り葉に辿りつきます。被害の見える株を夜中に懐中電灯などで、照らし確認するとナメクジを見つけることが出来ます。ビール(匂いがナメクジの好物だそうです)を皿に入れて株の近くに置いて捕まえる方法もありますが、その効果もまちまちのようです。 湿り気の好きな虫だけに、風の通りを良くし株元を乾燥させることが最大の予防(防除)方法と言えます。 |
『台風が過ぎ去り・・・』
7月の上陸台風として過去最大となった台風4号が、各地に大きな被害を残して太平洋上に過ぎ去った。この台風は梅雨前線との相乗効果で西日本を中心に記録的な大雨を降らせた。『強風と大雨』ダリアの大嫌いなこの気象現象に「ダリアが風で倒れていないか、園地ごと流されていないか」など、各地のダリア園、フラワーランド、切り花栽培園地がとても心配です。 さて、山形(川西)では、雨はやや多かったものの強い風とはならずに済み、ダリアへの影響は少なく一安心しているところです。 「雨後のタケノコ」では無いですが、台風が過ぎ去り花壇のダリアが蕾を開き始めました。花は「雨の後に開く」とよく言われます。真っ赤なダリアの花びらが長雨にじっと堪えた心をホットとさせてくれます。(写真は7月16日の朝に撮影) 生育の早いもので草丈60cm程になりましたが、毎日1.5cmくらい伸びている計算になります。特に入梅期の伸びが著しく、ダリアはつくづく生長の早い(旺盛な)花と驚かせられます。 |
『ウイルス病の発生!』
昨年7月13日のVol.41でも紹介しました。ダリアの難病で天敵でもある「ウイルス病」が梅雨空の柔らかな光りの中で、見つけることが出来ます。 球根内に潜入していた「ウイルス菌」が、若草色の生育著しいこの時期にはっきりと病痕を表し、発病を判断することが出来るのです。 さて、ウイルス病は治療方法(特効薬)が無いため、その対策には抜き去り廃棄するしかありません。そして、梅雨のこの時期にやらなければならない重要な作業でもあるのです。 梅雨が明けると、日差しが強くなりそれに反応して、徐々にダリアは葉色が色濃くなってきます。その強い日差しが、濃い緑が判断を鈍らせ、また、その後訪れる冷涼な秋には、ウイルスがダリアの盛んな生育に潜んでしまい、病株の判断が出来なくなります。そして放置すると、翌年のウイルス病の蔓延を引く起こすのです。 ウイルス病をきちんと見極め、廃棄することがこの時期のとても重要な作業です。 写真は、黄化えそウイルス病の葉の様子。葉脈にそって黄色に染まります。 |
『兵庫へ』
今日26日から3日間の予定で兵庫県に行ってきます。 本日は川西市を訪れ、黒川ダリア園や市内の公園花壇等で栽培されている「ダリア」を見学します。平成11年に同市を訪れて以来の久しぶりの訪問となりますので、どのようにダリア栽培の輪が広がっているか楽しみにしています。 また明日は、日本ダリア会の見学会が「ダリア球根生産日本一」の、宝塚市佐曽利地区「佐曽利園芸組合」を会場に行われ参加してきます。全国各地から会員30名ほどが集まり、また、地元園芸組合の方々を交えた交流会もありますので、とてもわくわくしています。 ...続きを見る |
『ダリア見学会!』
7月27日~28日の日程で日本ダリア会が主催する「ダリア見学会」が、兵庫県宝塚市上佐曽利、佐曽利園芸組合(組合長、田中康夫氏)の圃場を中心として開催され、北は北海道から南は鳥取までの会員30名と、地元組合の方々15名が参加しました。 はじめに、雲ひとつ無い快晴の下、赤、白、黄、オレンジ、ピンクと満開に咲き誇る球根生産園を見学し、組合の方々から品種選定や栽培方法についてお話をお聞きしました。 開会セレモニーでは、田中組合長より佐曽利園芸組合のこれまで歴史と現在の球根生産状況について報告され、続いて、ダリアのフラワーアレンジメントの実演、そして、「ダリア球根生産の現状と展望について」と題した講演と続き、貴重な体験とお話をお聞きしました。 写真は、佐曽利園芸組合の田中組合長 ...続きを見る |
ダリアの害虫「ズイムシ」
ダリアも開花期を向かえ、鮮やかな色彩に染まる季節となりました。 しかし、折角伸びた枝が元気を失い(枝の途中からしおれる)、折れかかっていることがあります。観察すると何やら枝には穴が開き糞らしきものと見つけることが出来ます。そう、この時期「ズイムシ(フキノメイガ)」の被害が多発します。 通称「ズイムシ」と呼ばれる「フキノメイガ」は、梅雨明けの7月頃に発生し、幼虫が茎の内部に入り込み食害します。発生を確認したら浸透性の殺虫剤で防除しますが、茎内にいるために薬剤が効きにくく、発生前にオルトランやベストガード等の粒剤を株元に散布して予防と防除を行います。 なお、フキノメイガも数種類に分類され、ダリア(キク科)に寄生するのはゴボウノメイガとも言われます。 写真は食害の跡(川西市の圃場で)、幼虫は意外に素早しく、速攻で捕殺しました! |
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