11日(現地10日)のアストロズ戦、大谷の100マイルに迫る “ツーシーム” で2017
ア・リーグMVPホセ・アルトゥーベから空振りを奪ったと思ったら、アルトゥーベは
驚きを通り越して苦笑いしていた。
場面はエンゼルス4点リードの3回裏、1死走者なし。カウント1-1の3球目に大谷は
98.5マイル(約159キロ)の新球・ツーシームを投げ込むと、これをアルトゥーベは
空振り。アルトゥーベは直後、後ずさりしながらマウンドへ視線をやると「これは打て
ないだろ」といった様子で苦笑いを浮かべていました。
その後、大谷はツーシームとスライダーのコンビネーションでアルトゥーベを翻弄。
フルカウントまでもつれたが、最後は大谷の88マイル(約141㎞)のスライダーで
見逃し三振。右打者インコースのボールゾーンから変化しストライクゾーンに入る
“フロントドア” で、アルトゥーベは腰が引けてしまい全く手が出なかった。
アルトゥーベの脳裏には、懐に食い込んでくるツーシームが残像としてあったため
身体に当たるか、見逃せばボールと思いバットが出なかったのだと思います。
説明しよう。
このツーシームという球種は、高速シンカーというボールで、右打者の身体に向かって
曲がりながら沈むように変化します。ボールの握りは、ストレートとあまり変わらない
ので、投球にあまり負担になりません。球速は、ふつうの投手ならストレートより明ら
かに落ちるのに対し、大谷の場合は球速があまり落ちない。右打者から見て、打つ瞬間
変化するので、当たったら内野ゴロになりやすい。
大谷にとって、いま最大の目標は規定投球回数をクリアすることです。
ここで、新球・ツーシームを効果的に投げられるようになったのは非常に大きい。
右打者に対し外に逃げるスライダーと投げ分け、打たせて取るピッチングも出来る
ので、打者一人に対する球数が減り長いイニングを投げられるようになりました。
問題は、左打者かと心配しそうになりますが、左打者にはこれまで通りの力で押す
投球で勝負出来るのが、大谷の凄いところ。この試合では、左の強打者に対し、
メジャー自己最速の101.4マイル(約163.2㎞)で空振り三振を奪った。
大谷は打者として、すでに規定打席に達しているので、投手としてもこの記録をクリアすれば、
史上初の快挙となり、2年連続MVPも間違いないでしょう。
予定では、あと4回先発投手としてマウンドに上がるそうです。
あと21イニング、どうか投げ切ってほしいですね。
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