BTSは、6月13日にデビュー8周年になり、13日と14日にオンラインライブ(ファンミーティング)を行いました。
14日はワールドツアーバージョンとして、日本語曲2曲も披露して、2日間で195か国・地域のファン約133万人が
視聴しました。(2日とも視聴させていただきました!)
新型コロナウィルスのパンデミックで対面での公演は開けなかったが、フェスティバルを思わせる大型野外ステージでライブを
行い、臨場感あるステージでした。所属事務所は「ライブ公演の基本に忠実な音響とカメラ演出により、オンラインコンサート
とは差別化された解放感とエネルギーを加えた」と説明しました。
さて、先日フリー編集者・ライターの安藤由美さんの面白い記事を見つけましたので紹介します。
60歳目前の兄が、BTSに遭遇し沼堕ち。なぜ私たちはBTSにハマるのか?より(一部省略)
2020年4月、兄からLINEにこんなメッセージが入った。(兄は現在50代後半で、某大学で国文学を教えている。)
「この動画を見てください。若者に向けてのメッセージですが、どの世代にも響く、大切なことを話しています。」
2018年9月に、BTSが国連総会でスピーチした『世界の若者たちへ』の動画だった。
「スピーチをしているのは、今世界的に活躍しているBTSという韓国のボーイズグループのリーダーRMという人です。
彼らはLove Myselfという『自分自身を愛しなさい』というメッセージを伝えています。彼らは今、成功者と言われる
けれど、そこに至るまでたくさんの挫折や苦悩を繰り返し経験している普通の20代の若者たちです。でも、だからこそ、
スピーチで語られる言葉には嘘がなく考えさせられます。
兄とBTSとの遭遇は、教える大学のゼミの学生きっかけだったという。
学生たちがマレイ・スタインの著書『ユング 心の地図(JUNG’S MAP OF THE SOUL:AN INTRODUCTION)』について議論をしていた。
その理由を聞いてみると、「BTSのアルバムのコンセプトになっているんですよ。私、ARMYなんで」と言われ、そのとき兄は初めて
“BTS”と“ARMY”という単語を知った。ユングはよく知っていてもそれ以外、なんのことかもわからない。2019年の年末のことだった。
「最初は、ユングと韓国の流行りの音楽との関係が知りたくて、ネットで検索しはじめた。“BTS”と入力すると、記事の多さに面食らった。
何から手を付けていいかわからず、動画サイトに上がっている再生回数が多いMVから見始めることにした。といっても、最初は目が動きの
速さについていけない(笑)。誰が誰かもわからない。エレガントに舞う人(あとでJIMINと判明)を最初女性かと思っていた。激しい曲だったけど、
一糸乱れぬダンスに目を奪われてしまった。でも、それ以外は何ひとつもわからない。それなのに、不思議とPCを閉じる気にならず、深夜3時まで
動画を見続けてしまった」という。
翌日、大学の研究室で学生たちにそのことを話すと、「それを世では、ハマるというのですよ」と言われ、過去の作品の流れや気になっていたユング
との関係性についても学生たちがレクチャーをしてくれたという。それを手掛かりにまた動画や音源を探り、歌詞を読んだ。そんなふうにBTSは兄の
生活に入り込み、当たり前の存在になっていったというのだ。
韓国の社会学者であるイ・ジヘン氏は、2月18日に発売になった『BTSとARMY わたしたちは連帯する』(イーストプレス刊)の中で、
ミドル世代や男性にファンダムが拡大していること、さらに“知識階層のハートもしっかりつかむ”と解説している。「大学の教授がBTSの
話ばかりする。ARMY(BTSのファンの呼び名)の90%は、大学教授なのかもしれない」といった大学生のツイートを紹介し、大学教授や
研究者にファンが多いことを解説している。
他にも、先端科学分野の言葉の『Singularity』(特異性)、『Euphoria』(究極の幸せを意味する)など、専門性が高い言葉や俗語が曲タイトルに多い点も
学者たちの関心を呼んでいる。
「これは彼らからの副産物だけれど、BTSを通して、学生たちとのつながりが深まった。それまで学生とはゼミの話以外、雑談があまり盛り上がらなかった。
でも、BTSのおかげで会話が広がり、コミュニケーションのスイッチを押してくれる。」
BTSにハマってから、自分自身何かが良い方向に変わったという人はたくさんいると思います。
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