3月16日(日)、置賜生涯学習プラザで「締切堤防調査報告会」を開催しました。
はじめに、基調講演として「世界遺産 平泉文化について」入間田宣夫先生よりご講演いただきました。
入間田先生は、東北大名誉教授、一関市博物館館長を務めており、NHK大河ドラマ「炎立つ」を監修されました。
世界文化遺産登録への経緯や評価に触れながら、歴史的背景やまち全体が文化遺産であることの魅力について解説いただきました。
次に調査報告として、米沢市教育委員会の手塚孝様に「直江石堤について」石積み技法や構築技法など図解を交えながら、大変わかりやすくご報告いただきました。
堤防は、石の積み方によって時代を特定することができ、直江石堤のように江戸時代から続くものとしては、福島市荒川の霞堤、甲府市釜無川の信玄堤、長井市の締切堤防、にかほ市の由利海岸波除石垣の5例しかないそうです。
続いて、最上川リバーツーリズムネットワーク代表理事の佐藤五郎氏より「平山の大締切堤防について」ご報告いただきました。
平山の締切堤防を測量したところ、現在も江戸時代の石積部分と明治時代の石張部分が建設当時の規模が同じであることがわかりました。また、江戸、明治、昭和の各法面が露出し各時代が重層して現役堤防として機能しており、さらに数百年にわたる治水事業が一目でわかるのは全国的に貴重な例だそうです。
今回の締切堤防調査報告会では、それぞれの角度から文化財が持つ可能性や保護の必要性についてお話いただき、とても有意義な時間となりました。
3名の講師の方々をはじめ、ご参加下さった皆様大変ありがとうございました。
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