最上義光歴史館

最上義光歴史館
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 暑い日が続いております。山形も連日猛暑続きで、最高気温と体温とどちらが高いかを競うような日々なっています。雨も降らず、山形市の30日間雨量平年比は4%ということでした。全国的に水不足で、報道では米の生育を心配していましたが、付近では夏野菜への影響が、ナスやトマトなどが育たず、ゴーヤも枝豆も不作で、つまりは酒飲みにも厳しい夏になっています。皆様にはまずもって暑中お見舞い申し上げます。
 さて、この暑さにもかかわらず、夏休みは何処かへお出かけになられる方も少なくないかと。不肖私も早めの夏休みということで、配偶者に連れられ某万博に行ってまいりました。万博についてはこの館長日誌で、なにかとネタにさせていただいたわけですが、行ってみたらもう暑いのなんの。朝の8時前にゲートに並ぶも、入場できたのは9時30分過ぎ。日傘をさして、日焼け止めも塗ってはいるのですが、体力が奪われることおびただしく、周りを見渡せば、携帯ファンや折り畳み椅子を持参されている方も多く、なんかこの時点で負けてしまった気がしました。
 さて当館では、この暑さにもかかわらず、多くのご来館をいただき、特に7月は目標人数の2倍以上の来館者となっております。せっかくですので、さらに山形を満喫したいという方に挑戦いただきたいのが、山形「三都物語」というツアーです。この「三都物語」というのはそもそも関西三都市への観光客誘致を目的としたJR西日本のキャンペーンでありますが、それを山形市、天童市、上山市を巡るとしたもので、実はこの山形「三都物語」というのはどこかで主催しているものではなく、当館での与太話から勝手に出てきた企画ではあります。
 この山形、天童、上山の間を行き来するだけでしたら、JRの東京〜品川〜新宿ぐらいの所用時間で(ただし運行間隔は1時間に1本程度ですが) 、しかも京都、大阪、神戸と同じく、山形、天童、上山にも、それぞれ新幹線も停車します。なので、その行き来だけなら「挑戦」などという大げさな物言いはしないわけで、各所には温泉があって、なおかつ地酒もありまして、この温泉と地酒を続けざまに楽しもうとすると、それはやはりなかなかに困難なものとなりで、少なくても地元に住む人はやらないであろうというツアーではあります。
 その内容といたしましては、まずは天童温泉から。ここには世界的に評価の高い日本酒の酒蔵がありまして、一方では専門誌や地元の人から愛される酒蔵もあります(某芭蕉記念館のA学芸員はこれしか飲みません)。翌朝は、山形駅経由で蔵王温泉にむかい、大露天風呂に入った後、蔵王の地ビールを楽しみ、山形駅に戻ってかみのやま温泉へ。そこの共同浴場で一日の汗を流して地ワインを片手に帰路につく、という行程です。
 地元の人がなぜトライしないのかと言うと、飲んでしまうと自家用車では移動できなくなるからでして、かといってバスや電車での移動は不慣れで、しかも近場の温泉に泊まるのは忘年会のときぐらいだからです。さらに、温泉と酒という組み合わせは、順番を間違えると命にかかわるわけでして、飲んだら入るな、入るなら飲むな、という関係にあることは皆様ご承知のとおりです。
 さらに地元の状況といたしましては、天童温泉には飲み処やスナックは異常なほどあるのですが共同浴場はなく、逆に上山温泉にはお湯がきれいでコスパもいい共同浴場といくつもの良質なワイナリーはあるものの駅近辺にワインバーはなく、かみのやま温泉駅には試飲コーナーがあるのですが16時30分までなので、入浴後に立ち寄るのは時間的に厳しい。なので、ご当地ワインは帰路の電車に持ち込むことになるのですが、そのときは、コークスクリューとコップは忘れずに。まあ、買ったその場でコルクを抜いてもらい、あとはラッパ飲みという手もあり、これはこれで旅の風情かと。
 ちなみに「山形」と「かみのやま温泉」の間に「蔵王」という名の駅がありますが、ここから蔵王温泉まではバスもなく、もちろん歩いてもいけません。どこでどういう情報を得たのか、冬にスキー板を担いでこの駅に降り立つ人が稀にいるらしいのですが、ここはタクシーをつかまえるのすらままならない駅です。
 実のところ、山形市と天童市と上山市は観光客を取り合うような関係でもあり、がっちり手を結んでキャンペーンをしたという記憶はなく、せいぜい花笠まつりのときに、天童温泉と上山温泉の各旅館が場所取りしているのを見かけるぐらいです。そうです。8月5、6、7日は「山形花笠まつり」です。有料観覧席もありますが、実は観覧できる穴場はそこここにありまして、というか、特に平日の開始時は穴場だらけです。おどりのお供に、地酒でも地ビールでも地ワインでも。そうそう、ノンアルコールならパインサイダーという地サイダーもありますよ。


(→ 裏館長日誌に続く)