ぶっくぶくの部屋
ぶっくぶくの部屋
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ツバメもどってきたけど…
今回は前振り話題をふたつ。
ひとつは、我が家を見捨てたか、と思ったツバメが戻ってきたこと。
先週のとある日の深夜、家に帰還して何気に部屋の窓の上をみたら、
なんと、ツバメが二羽仲良く並んで寝てるではないか!
酔眼の見誤りかと思い、もう一度眼をこすってよく見てみると、
確かにいる!
よくぞ戻ってきてくれたツバメくん、もうどこにも行くなよ。
少しウキウキした気分で数日過ごしているうちに、
ちょっと待てよ、なんで営巣しないんだ?
なんで、なんでと思っているうちに、ある日突然一羽になっちまった。
どうしたんだよお、連れ合いは?別れっちまったのかい?
なんて思ってると、今朝なんか二羽一緒に軒先から飛び立って行ったりして、
まったくどうなってんだか…。
でも、吉兆には違いない!
もうひとつの話題は「夕日」。
今日は、山奥の秘湯で宴会だった。
西陽を背に受けて飲んでたせいか、何だか暑くて汗が止まらない。
やがて暮れなずんできて、ふと後ろを振り返ってみたら、
おおっ!
紅色の夕日がまさに山間に沈みゆく絶景だった。
しばし宴会そっちのけで見とれてしまった。
こんな時に一杯気分で露天風呂に浸かりながらぼうっと夕日見てたら
最高だろうなあ、なんて不謹慎なことを考えつつ…
File No.237
『悲しみの歌』遠藤周作(新潮文庫 590円)
オススメ度★★★★☆
人間の心に貼り付いているような深い悲しみを正視し続けるような
小説である。
悔やみきれない過去を持つ開業医勝呂が、正義感を振りかざす
若き新聞記者折戸が追いつめる。
タテマエとホンネが全く違うエセ文化人の大学教授。
今わの際の独居老人とその孫娘。
ぐうたらで無知な学生。
そんな、いろんな人間模様が新宿で繰り広げられる。
その底流にあるのは、人間の深い悲しみと救い。
勝呂は言う。
「…人間なんて不幸せになるために、この世に生れてきたもんだ…
人間が他人を助けるって、そう簡単にできるもんじゃない」
というような調子で、救い難いような悲しみが深まっていくのだが、
そこに得体の知れないヘンな外人ガストンが絡んでくる。
無垢なまでの純粋さ、無類のお人好し、そして人を愛することしか
知らない…、そう、彼は、現代の新宿に降臨してきたイエス・キリスト
なんだろう、きっと。
そして、深い悲しみから救うのは、人への関心・思いやりと無条件の
愛であることを示唆しているのである。
人が人を裁けるハズがない。「赦す」ということが大事なんだなあ。
最近は、人を赦せない人が多くなっているような気がする。
オレだって、「これは赦せん!」というような激情にかられてしまう
ことがままある。
でも、ぐっと溜めて「赦す」という境地に立たないと、人の「生」を
認めることにならない、ということなのだろう。
確か遠藤周作の他の著作に同じようなことが書いてあったなあと
思い出しつつ探してみたら、あった、あった。
彼のエッセイの中で、大学時代の友人やお世話になった先輩の自殺に
遭遇する場面があって、遠藤青年は、
「人間についていい気になるなよ」と自戒し始めることによって、
文学への関心が深まって行った、というもの。
友人や先輩といった身近な人の悩みや悲しみさえ悟れなかった奴が
人生を語る資格なんてない、という猛烈な自戒でもある。
暗くて陰鬱なストーリーではあるが、人の心に思いを致すことの
大切さをシミジミと教えてくれる作品でもある。
2011.06.08:
ycci
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お腹が空かない
盛りの多さで定評ある市内の某そば屋さん。
のぞいてみたらたまたま空席があったので、連れと2人で入った。
久しぶりだなあ。
もしかして今年初めてかもしれない。
店まで来たことは何回かあるんだけど、いずれも満席で断念した。
よお〜し、久々に「かき揚げ天もり!」。
ここのもうひとつの特長は、頼んでから来るまでが長いこと。
でもね、盛りがいいソバを食べるには、少し長めのアプローチ
が必要なのよ。
しばらくして、隣の人の「ザル蕎麦」が来た。
げっ!こ、こんなに多かったっけ?
普通の店の3倍ぐらいある。
隣の人も、初めてだったらしく、しばし絶句。
こういう光景を見て、ひそかにほくそ笑むのも、この店の楽しみの
ひとつなのよねえ。
で、オレは、っていうと、そりゃあ食べたよ、必死に。
お陰で、夕食の時間をとっく過ぎても一向に腹が減らない。
安いし、2食分一気に食えるんだから、チョー経済的。
…でも、今度は「少なめ」か、朝めし抜きで行こうっと。
ちょっとキツイわ。
File No.236
『サービスの達人たち 日本一の秘書』野地秩嘉(新潮新書 700円)
オススメ度★★★☆☆
以前、この著者の同じような本を読んでなかなか面白かったので、
続編らしきこの本をまた読んでみることにした。
今回は、ホテルのドアマン、秘書、似顔絵刑事、キャラショー、
クリーニング屋、焼き鳥屋、富山の売薬の7人が紹介されている。
著者自身が、それぞれのサービスをごく自然体で体験した上で
書いているので、なかなかリアルである。
まず、のっけからオドロキ。
横浜の老舗ホテルであるニューグランドのドアマンは、4万人も
顧客の顔と名前が一致するそうだ。
4万人というと、米沢市の人口の半分近く。
すっげえ特技というか、職人技だねえ。
オレなんか100人も怪しい。
顔と素性はわかるんだが、名前が出てこない、ということが、ここ
近年とみに多くて…。
そのうち家人に「オタクどなた?」っていう日も近いんじゃないかと
戦々恐々とした日々を送っている。
キャラショーのローカルヒーロー「超神ネイガー」の話には
思わずホロリとさせられる。
彼らは秋田を活動のベースとしている。
だから「ネイガー」なのだ…???
ナマハゲの「泣く子はいねがあ」の語尾と言われればナルホド。
なぜ秋田なのか?
「…秋田がピンチだからです。景気は悪いし、自殺率はナンバーワン
の県です。がん死亡率も高い、日照時間も短い、出生率も低い。
明るい話題はありません。…秋田がピンチだからヒーローがうける
んだと思う…」と。
うむ〜、確かにそういうことかも知れないなあ。
でも、この章の本当に良いところは、ネイガーをみる子供の眼だ。
子供たちはヒーローになりたくてみているというより、窮地に
陥るヒーローを応援して救ってやりたいという思いが強い、と
著者は喝破している。
こういう子供たちが、その心を忘れずに大人になって、きっと
ピンチの秋田を救ってくれるだろう、という著者の言外の
願いが手に取るように伝わってくる。
福岡・中洲の焼き鳥屋の話も面白い。
オレも以前不思議に思ったことがあって…。
主に西日本の飲み屋さんというか居酒屋に行くと、お通しに生の
キャベツが出てくる。味噌やつけダレでパリパリやりながらビール
を飲むと格別らしいが、初めての時はかなり戸惑った。
葉っぱごとの生キャベツ食べんの?ってなカンジで。
その習慣というかサービスのルーツになったのが、本書で取り上げられた
「天下の焼き鳥 信秀本店」らしい。
ところ変われば品変わる、とはまさにこのこと。
「ヒミツの県民ショー」ヒットの真髄ここにあり。
話が脱線したところでおひらき。
2011.05.29:
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今年もダメだったかあ…
すっごく楽しみにしていたことがあって。
数週間前にツバメがオレの部屋の窓の上でピーピーやってて、
これは巣作りか!と思い、そっと見守り続けていた。
家人も老母も何回か目撃しているというではないか。
これは春から縁起がいいかも…。
実は、今の家を建てて初めての春に、我が家の軒にツバメが
巣くった。
よくぞ我が家に来てくれた、と家人とともに無邪気に喜んだものだ。
しかし…
生まれたばかりのヒナが落下して死んじまったのよ。
可哀そうで、哀しいのなんのって、親鳥と一緒に泣きたい気分だった。
しかし、しかし…
その年に我が家に大きな吉事がもたらされた。
きっとツバメが運んできてくれたんだ。
で、今回はその時以来ちょうど20年ぶりの巣作りの気配。
しかし、しかし、しかし…
今朝、家人に
「ツバメどうなった?」って聞いたら、
「お隣サンの車庫の中に巣くったみたい」
が〜ん!ショック。
今年もダメだったかあああ〜
来年はきっと我が家に来てね、台でも作って待ってるからねえ〜
オレ、生き物飼わせてもらえないから、ツバメさんだけを楽しみに
してんだから。スズメさんでもいいよ。
カラスさんはダメ!山に行って寝なさい!
File No.235
『アフリカ 資本主義最後のフロンティア』
「NHKスペシャル」取材班(新潮新書 740円)
オススメ度★★★☆☆
以前、別な本でアフリカの現況レポートのようなものを読んだ
ことがある。
そこには、政治・行政の腐敗・未熟さ、貧困、犯罪の多発など
アフリカがかかえる問題の多様さ、奥深さがレポートされており、
考えさせられるものがあった。
今回のこの本は、昨年放映された「NHKスペシャル」の取材
チームスタッフが、主に東アフリカの国々を中心に数カ月に
わたる取材をもとにまとめたもの。
ネガティヴなことばかりでなく、副題にもあるように、大いなる
フロンティアを秘めた「アフリカン・ドリーム」も描かれていて
たいへん明るい気持ちで読めた。
アフリカの原住民のひとつとして有名になったマサイ族に携帯
電話が爆発的に普及し、その生活を一変させているらしい。
あのマサイ族が携帯電話!?
中国の大手携帯電話会社ZTEがエチオピア政府と独占契約を
結び、2010年にエチオピア全土の90%をカバーしたという
話も凄まじい。
弱冠40歳の副社長の陣頭指揮で燎原の火のごとく国土を席巻
する様は、中国のパワーをまざまざと見せつけられる思いだ。
ノキアでさえ失敗したことを、なぜZTEが出来たのか?
それは、企業力もあるだろうが、何と言っても、中国ならではの
豊富な人材と国家の手厚い支援ということに尽きるだろう。
タンザニアの「金」とボツワナの「ダイヤモンド」も凄いなあ。
ボツワナの首都ハボロネには、世界最大のダイヤモンド販売
センターがあって、世界中から買い付け商人が集まり、多くの
雇用を生み、起業化精神を育み、後進国から中進国へと押し上げて
いる原動力となっている。
「明」の部分が多く紹介されてはいるが、「暗」に触れていない
わけではない。
血で血を洗うような民族間抗争や、為政者の失政によるとてつもない
インフレに喘ぐ国民、働く場所を求めて移動する大量移民たち、
その移民から略奪したり、迫害したりする国民たち、などなど、
まだまだ「野性」や「未成熟」から脱し切れていないところも
多く見受けられる。
でも、そういう負の部分を残しながらも、アフリカはやっぱり
地球最後のフロンティアなんだなあ、とつくづく思った。
2011.05.27:
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“池井戸潤”三連発・その3
山歩きは30代からのオレのちょっとした趣味のひとつだ。
いや、正確には「だった」というべきか。
そりゃ、30代の頃は、春・秋の休日には自然と4時ごろ
目が覚め、いそいそと出掛け、山と山の恵みをそれなりに
楽しんだ。
しかし…
ここ数年実感しつつあるのは「体力の減退」。
昨年まで行けたところまで行けない、ということが重なり、
この度はついに「本命」のフィールドの手前で断念。
仕方のないことだけど、少し寂しい。
「体力さえありゃ、一年中山菜に困らないよなあ、ガハハ」
というジョークもこれまた寂しく山間に響く…。
File No.234
『果つる底なき』池井戸 潤(講談社文庫 648円)
オススメ度★★★☆☆
“池井戸潤”三連発の最終回。
この作品は、今から十数年前、著者が30代中ごろの気鋭の
時に上梓されたもので、第44回江戸川乱歩賞を受賞した、
いわば出世作である。
ジャンルとしては、経済ミステリーとでも言うべきか。
前二作は、殺人などのバイオレンスは一切ないが、これは
ある経済事件に関連して多くの人間が葬られていく。
主人公の伊木は、都市銀行である二都銀行渋谷支店の
融資課課長代理。
生来の正義感のせいか、本店企画部と言うエリートコース
から少し脇道にそれている状況。
ことは、同期入行の坂本の不審死からはじまる。
ある会社の倒産から関連会社の和議申請、そして同業種の
ベンチャー企業の立ち上げ、経営者たちの不審死、融通手形の
行方などなど、銀行と言う特殊な世界をベースに事件が展開し、
その全貌解決への糸が少しずつ手繰り寄せられていくストーリー
はなかなか面白い。
企業・銀行・商社それぞれの思惑や意図が、「金」を媒体として
複雑に絡み合う構図が、この作品の基本でもある。
その「金」が引き起こす醜い思念やきっかけすらつかめない狂気、
言わば「果つる底なき暗澹たるもの」に敢然と挑む主人公の
生き方に読者の共感が吸い寄せられていく秀作である。
確かに秀作には違いないが、オレは銀行員でもないし、まあ
しばらくは銀行小説はいいかなってカンジで★3つ。
2011.05.22:
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“池井戸潤”三連発・その2
悪い夢をみて目が覚めた。
連日の飲酒がたたってか、このところ早朝に一度目が覚めてしまう。
今朝も4時頃一度起きて、パラパラと本を読んでいたら、いつの間にか
二度寝に突入…。
場所は何かの試験会場。
試験問題が配られる。
なんと、数十頁もの新聞全部が膨大な試験問題になっている。
うえっ!
とにかくやらねばと、とりかかるオレ。
すると、隣にいた顔見知りのKさんがオレにカンペを差し出してきた。
これホントに正解なのか?と疑いつつ確認するオレ。
時間をかけて計算問題の検算をしたら正解。
よお〜し、とカンペから書き写し始めたら試験終了のブザー。
ええっ!
「ちょっと待ってよお」
ブザーは鳴りやまない……
「待ってじゃない。早く起きて!朝から大汗かいてどうすんのっ」
ん?家人の声?夢か?ブザーは目覚まし時計?…
「うっせーよ、オレいま試験問題解いてんだっ」
「ふへっ?アンタだいじょうぶ?」
見事な五月晴れの中を、ノーテンキ・スッテンコロリンで今日も
出社したオレでした。
(注:あくまで夢の話)
File No.233
『かばん屋の相続』池井戸 潤(文春文庫 581円)
オススメ度★★★★☆
“池井戸潤”3連発の2回目。
先日とは別の本屋さんに行ったら、新聞書評で取り上げられた
最新刊の文庫が1冊だけあったので、さっそく買ってきた。
これは、6つの短編を収録している。
すべての作品の主人公は例外なく銀行員。
そして、登場するのが中小企業、というのが特徴。
オレにとって大企業の話は面白くても、いまいち現実味が薄い感じが
するが、これだったらかなりリアルである。
そして、作品ごとの出来不出来は多少あるものの、一編一編がなかなか
味わい深い。
表題作の『かばん屋の相続』は、技術と品質に定評のあるかばん屋の
社長が亡くなって、事業後継を巡る話。
社長だった父と折り合いが悪く、家を出てエリート銀行員になった
長男が舞い戻り、事業を継いでいた次男を追い出し、自ら事業経営を
行なう。それは、父の遺言でもあったのだが、なぜ?
その結末と亡父の遺志が読みどころになっている秀作だ。
『十年目のクリスマス』や『芥のごとく』も少し切なくていい話だ。
読み手に共感を与えるのは、わが身をはって、命を賭して事業経営
している中小企業の経営者に著者の熱い眼差しが注がれているから。
そういう経営者に銀行が、そして銀行員がどのように手を差し伸べ
ともに歩んで行こうとするのか。銀行と言うシステムの限界と
熱い心の銀行員の葛藤とジレンマ、喜び、切なさなどが、
全作品の基調となっている。
これは、著者自身が銀行員時代に常に抱いていた自分自身のテーマ
でもあったのだろう。
「オレに何ができるのだろう」と常に自問し続けていたのではない
だろうか。
基本的には冷静でいながらも、ほとばしるような熱い感情移入や
他者の痛みや悲しみ切なさなどをわが身のごとく思える優しさが
ないと、仕事に感動なんて生まれようハズがない、という
著者のメッセージがジンジン伝わってくるようだ。
そして、この著者はなかなかストーリー構成がうまい。
さながら浅田次郎の経済小説版といったところか。
最初は三つ★ぐらいかなあと思っていたのだが、なんのなんの、
この味わい深さに四つ★太鼓判、ポン!
2011.05.18:
ycci
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“池井戸潤”三連発・その1
この間の日曜日、天気が良かったので、近くの里山を
小1時間ほど歩いてみた。
春の野山は気持ちいいなあ。
新緑が目にも眩しいばかりで、小川のせせらぎも清々しい。
でも、オレの目的はもうひとつあって。
そうそう、春山の恵み「山菜」なのよ。
本格的な山行きは来週に譲るとして、まずは小手調べに。
ワラビ・タラノメ・コシアブラ・ウドを少しずついただいてきた。
オレなりのモットーは「必要以上に採らない」こと。
欲を出し過ぎるとロクなことはない(経験上)。
File No.232
『オレたち花のバブル組』池井戸 潤(文春文庫 657円)
オススメ度★★★★☆
ある新聞の書評欄を読んでいたら、池井戸潤の最新刊の紹介があって
少々興味を引かれた。
さっそく本屋で探してみたが、該当の本が品切れで、仕方なく同じ著者の
別な本を買ってきた。
タイトルが少しベタなので、余り期待をしないで読み始めたら、
なんのなんの、これが結構面白くて止められなくなった。
久々に面白かったので、今回から、「池井戸潤」シリーズを3連発
でアップする。
この物語の主人公は、東京中央銀行営業第二部次長の半沢直樹。
バブル華やかなりしころの大量入行組で行内で生き残っている一人。
この半沢という男は、情に篤く義を曲げず、勇気凛々と難問に
立ち向かって行く。
貸付先の巨額運用損失や粉飾決算、浮き貸し、背任行為、金融庁検査
などに正々堂々と切り込んでいく姿は、清々しささえ覚える。
半沢は言い切る。
「オレは基本は性善説。しかしやられたら倍返し」と。
男はやっぱそうでなきゃなあ。
少なくとも真摯に生きてる人間は、それなりの意地とそれぞれの
人生や生活をかけて仕事してるワケだから、悪意をもって陥れられたり、
嘲られたりすれば、倍返しはトーゼン。
理不尽に1発殴られたら、思いっきり2発3発殴り返す。
陰にこもらず、正々堂々と。
マトモな男なら多少なりとも持っているこんな思いを、痛快に果たして
くれる物語だから面白いのだ。
半沢と同期入行で「心の病」を患い、出向となり、脱落しかけた
近藤という人間も、あることを境に立ち直りをみせていく。
「一日の半分以上も時間を費やしている仕事に見切りをつける
ということは、人生の半分を諦めるに等しい。…いい加減に流す
仕事ほどつまらないものはない。そのつまらない仕事に人生を
費やすだけの意味があるのか?」
という言葉は、オレたち多くのサラリーマンの琴線に触れてくる。
著者自身、都銀勤務の経験があり、ひとつひとつの描写やディテール
もすごくリアルで、いかにも現実にありそうなことばかり。
そして、ストーリー展開も余り作為的に見えないところが気に入った。
さらに、半沢の最後の処遇も、わざとらしくなくていい。
これが、二階級特進なんて、サラリーマンの出世物語を絵に描いた
ような某マンガみたいな流れだったら、興味も半減だったろう。
仕事に対する自分の基軸をしっかり確立させながら、それぞれの
問題にどう対処し、それぞれが如何なる結末を迎えるのかは、
読んでのお楽しみ。
まあ、東京往復の車中でちょうど読めるぐらいだろうか。
たぶん移動時間の長さを忘れるぐらい没頭できると思う…。
2011.05.17:
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まちぽくて
先日視野検査なるものをした。
視野欠損がないかどうかを調べるものらしいが、
結果は見事に?両眼とも見えない部分がくっきり現れた。
が〜ん!だ、だめか?
と思いきや、お医者さんはそんなに重篤なものではなく、
経年劣化(≒老化現象?)の範疇かも、とのお達し。
ついでに、近年ひどくなってきた飛蚊症も見てもらったら、
これも同じようなことらしい。
安心したような、そうでないような変な気分で外に出て
歩き出したら、ううっ、まちぽい!(=まぶしい)
瞳孔を開く薬を差されたんだった。
目を開けていられない。
うつむいて、手で目を覆ってヨタヨタと歩いていたら、
「おい、大丈夫か?かなり具合悪いんが?」
と知人に呼び止められた。
それはそうだ。病院の前で絶望に打ちひしがれたような格好で
歩いてんだから、そう思われるわなあ。
大丈夫。昨晩も元気に三次会まで行って夜の地域経済に貢献して
まいりましたっ!
(お陰で小遣いスッカラカン)
File No.231
『津波災害―減災社会を築く』河田恵昭(岩波新書 720円)
オススメ度★★☆☆☆
津波というと、あの3.11の悪夢が生々しくよみがえってきて
しまう。
少しずつ復旧の動きが出てきたとは言え、余りにも多くの命が奪われ、
街が壊滅し、その傷は永く癒えることはないだろう。
この大災害に遭遇してしまった我々は、自助・互助・共助・公助の
精神や仕組みをもう一度立て直しながら、これからの復旧・復興の
道のりをしっかり見守り続けていかなければならない、とオレは
思う。
自粛を解禁して元気に前向きに生きようというのは大賛成だが、
それは災害の悲惨さや悲しみを忘れるということではない。
そんなことを思いつつ、この本を手にとってみた。
この本の発行日は昨年の12月だから、大震災のおよそ3カ月前
ということになる。なんというタイミング。
大震災の前にこの本を読まれた方も多くいるのではないだろうか。
まさか、この本に書かれている以上のことが起こるとは、著者自身を
はじめ、誰も思ってもみなかっただろう。
近代において三陸地方を大きな津波が襲ったのは3回。
1896年の明治三陸大津波。
1933年の昭和三陸大津波。
そして2011年。
因みに、およそ2万2千人もの犠牲者を出した明治三陸大津波より、
今回の犠牲・被害ははるかに多大。
過去の被災社会で大きな問題となったのは、
1.家系の断絶
2.高地移転
3.漁業の復活
の3点に集約されるという。
今次もまさにこれらの問題が切実である。
「日本の津波常襲地帯」という章の「三陸沿岸」の項では、
「三陸沿岸は宿命的な津波常襲地帯であるといえる。…
沖合で津波が増幅し、沿岸でも増幅するという津波の
『二重レンズ効果』が三陸沿岸では起こる」と指摘している。
まさに、それが起こってしまった。
この本では、津波の歴史やメカニズム、そして防災・減災のことまでを
ひと通り網羅して書いてあるが、では、実際に津波が襲来したら
どうするのがベストなのか。
それは、一にも二にも「高いところに逃げる」ということ。
三陸地方では、「津波てんでんこ」という教訓が言い伝えられている
そうだ。
津波が来たら、一人ひとりがそれぞれに(てんでこに)逃げろ、
という意味。
また、この本では、東海・東南海・南海地震の際の津波とその被害
予測にも触れていて、少し背筋が寒くなるようでもある。
「水は昔を覚えている」という話もナルホドと思う。
(詳細は記さない)
著者は最後に、災害の体験・経験は起こった瞬間から風化が始まる
から、語り継ぐことが大切である、と述べている。
そうか、見守り続けるだけでなく、それを語り継ぐことが大事なんだ
なあ。
たとえ、テレビで観ただけだったり、被災地の一部をちょっと見た
だけだとしても、語り継ぐということは、それぞれがそれなりに
できることではないだろうか。
現に、米沢でも今もって昭和39年の新潟地震や42年の羽越水害
の時の体験や経験が話題になる。
60歳以上の体験者の方々の話は、オレにとって最も関心の高い
もののひとつにさえなっている。
若い方々もウザイなんて言わずに、ぜひ素直に耳を傾けてごらん。
災害時の状況や心理がリアルに伝わってくるよ。
2011.05.14:
ycci
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爽快感ふたたび
およそ半年ぶりにVB�兇望茲辰椴惺圓暴个拭�
五月の爽やかな風を切って郊外の田園地帯を走るのは
何とも言えず気持が良い。
VB�機淵�ロスバイク)やVB�掘奮江茲蝪唯圍臓砲發いい韻鼻�
時速20〜40kmで走れるロードバイクのスピード感は
格別なものがある。
今日はシーズン初ということもあって、20kmちょっとの
軽いウォーミングアップにとどめたが、来週か再来週には、
40〜50kmにチャレンジしてみようと思う。
そして今年こそ、100kmの走破を!
まあ、その前に減量と減煙が先かな…。
File No.230
『語られなかった皇族たちの真実』竹田恒泰(小学館文庫 619円)
オススメ度★★★☆☆
この間、竹田恒泰氏の『日本はなぜ世界でいちばん人気があるのか』
がすごく良かったので(確か久々の五つ★)、同氏の代表的著作
である同書をさっそく買ってきて読んでみた。
ある人の著作が面白いと、立て続けに同じ人が書いたものを読む
クセがある。
そしてひと通り読んでしまうと飽きて、再び同じ人の著作を手にする
ことが殆どなくなる。
いま大ウケの作家・東野圭吾もしかり。
10冊近く立て続けに読んだが、パタっと読まなくなった。
でも、最近気まぐれで買ってみた本があるので、近く読んでみる
ことにするが…。
浅田次郎もしかりだが、同氏のシリーズ著作で楽しみにしてるもの
があって。それは『天切り松闇がたり』。
これは面白い。
夜、テレビドラマやバラエティなどを観る時間があったら、ぜひこの
本を読むことをオススメする。
稀代のストーリーテラーの真骨頂というカンジ。
で、今回の本。
これもなかなか面白い。
著者自身が旧宮家である竹田家の出身だから、内情にも通じていて
すこぶる興味深い。
題名を曲解すると、皇室や宮家の暴露本のようなイメージを与えるが、
まったくさにあらず。
主題は、男系のみによって継承されてきた万世一系の「すめらぎ」の
重さと尊さ、というところにある。
男系のみ?女性天皇も歴史上に何人もいるではないか。と思う人々も
多いだろう。かく言うオレも、この本を読む前まではそうだった。
しかし、女性天皇はあくまで男系の子であり、その後に続く男系男子
への繋ぎ役だったようだ。
つまり、男から男にしか受け継がれないY遺伝子を皇統の基本原則
としているということ。
だから、小泉政権の時に、現在の皇太子と秋篠宮に男児がいなくて、
皇統の危機とばかりに皇室典範改定の検討に入った。
ほどなくして、秋篠宮に男の子が生まれたため、沙汰止みとなった
経緯がある。
なぜ男系でなければならないのか。
それは、2000年以上もの長きにわたり、万世一系を男系のみで
継承してきた重み、という以外にない。
同じ皇統が2000年以上も続いているというのは、世界でも
まったく例がないこと。
日本のすめらぎは世界一なのだ。
こう書くと、なんだか右翼のように思われるかも知れないが、オレ
は余り思想的な偏りはないと思っている。
ただ、この連綿と続く皇統の歴史に畏敬の念をいだき、誇りに
思うということだけ。
皇統に連なる宮家もかつては14家もあった。
それは、天皇を輔弼することと「血のスペア」としての大事な役目
があった。天皇に男児がいないと、宮家の男系男子から皇位に就いた。
そういう歴史的な役目を担ってきた宮家も、戦後GHQの施策により、
直宮三家(昭和天皇の弟宮)を除き、すべて臣籍降下、つまり一般の
人となってしまった。
臣籍降下の後の宮家の悲喜こもごもも書かれており、興味深い。
因みに、品川駅前の旧ホテルパシフィック、高輪プリンスホテル、
新高輪プリンスホテルなどはすべて旧宮家の邸宅跡地である。
高輪プリンスホテルや旧赤坂プリンスホテルにある洋館は、
もともと宮家の邸宅だったのだ。
このへんの事情は、猪瀬直樹の『ミカドの肖像』に詳しく書かれている。
同書も興趣尽きない内容だ。
この頃の猪瀬氏の書くものは好きだったのだが、近年、口角泡を飛ばす
ような話し方をしている氏をみると、いささかゲンナリ…。
2011.05.08:
ycci
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昔懐かしい古本屋さん
天気が良かったので、しばしの街乗りを楽しんだ。
車だと気が付かないような街角の様子を眺めながらの
輪行もなかなか楽しいもんだ。
たまたま某古本屋さんの前を通りかかったので、ものは
ついでとばかり、店に入ってみることにした。
ある、ある、古書が。
小難しそうな題名のハードカバーや昔の雑誌、105円均一の
文庫本、コミック、画集などなど、幾万もの古書が所狭しと
並んでいる。本棚に収めきれず、通路にまで積んである。
そして、古書特有のこの少しカビ臭さ。
うむ〜、これが何ともいいんだなあ。
古本屋の主になることがある時期の夢でもあったオレにとって、
こういう空間はたまらんのよ。
もっと読書欲旺盛な頃だったら、きっと2日と開けずに通う
だろうな。
ってなことで、またまた古本数冊を「成り行き買い」。
古本屋さんもいいけど、どうすんのよオレの部屋の散乱。
散乱ぶりは本のせいもあるけど、それよりオレの整理下手、
というより整理嫌い(=無精)によるところが大きいかも。
File No.229
『日本復興計画』大前研一(文芸春秋 1143円)
オススメ度★★★☆☆
これは古本じゃなく、レッキとした新刊本。
それも4月30日に上梓されたばかりのホヤホヤ。
オレがハードカバーの新刊本を買うのはそんなに多くない。
じゃあなぜ?
それは、オレの誕生日が4月だから。
誕生月に某ネットで本を買うと500円引きになるので。
だけど条件は3000円以上の購入。
1冊は買いたかったビジネス書があって、それが2800円。
ん〜、200円足りない。
文庫本でも1冊買おうかと物色していたら、たまたまこの本の
広告に目が行ってしまって…。
そのキャッチは、
「あなたも参加できる あなたが力になれる」
どういうこと?と思い紹介文を読んでみると、
どうやら、著者はこの本の印税を放棄し、震災復興のために
役立てるとのこと。
それなら、買うっきゃない!
因みに、オレが本を買うのはほとんどが街の本屋さん。
本屋さんにない時は、ネット購入したり、図書館を活用したり、
古本屋さんで探したりする。
やっぱ、現物を手にとって、前書きや目次ぐらい目を通さないと
買う気にならなくて…。
で、大前研一氏。
比較的若い方は、ああ、都知事選に立候補した人?ぐらいだろうが、
オレは、有名コンサルタント会社であるマッキンゼーの日本支社長
として、アメリカナイズされた論客というイメージが強い。
その頃は、オレもいっぱしのビジネスマンにならなきゃと気負って
いたので、氏の著書も何冊か読んだ記憶がある。
読んだ記憶がある、というだけで、どんな内容かはとんと忘れた。
まあ、オレのオツムは昔からこんなもんだ。
でも、氏はその後、というか、都知事選後というか、わりと人間
くさいことを書くようになってきて、少しばかり親近感も湧いてきた。
この本も明快でなかなかいい。
われわれ日本人は、震災後にどう生きて行くのかという指針の
ひとつになるかも知れない。
読んでいて、やたら原発に詳しいと思ったら、氏はマサチューセッツ
工科大学(アメリカの名門大学)で原子力工学の博士号を取得し、
日立製作所で原子炉プラントの設計をしていたという経歴を
持っていた。
なるほど、詳しいハズ。
その専門家が言うには、「日本の原子力産業は終わった」と。
この後、既存原発の稼働もままならないだろうから(現に浜岡も
止まった)、われわれは従来の3分の2の生活にダウンサイジング
すべきだと提言している。
日本の原子力発電の割合が35%だからというのがその根拠のひとつ。
また、東北の復興には、期間限定の消費税アップで対処すべきだとも。
消費税を1%アップすると約2兆円の増収だから、1〜2%を1〜2
年限定でアップし、街や産業のインフラ、被災者の生活再建に充てる
というもの。
オレも賛成だ。
食べて飲んで買って、いわゆる消費行動を活発にすることで復興に
寄与できる。
(だから「あなたが力になれる」なのか?)
赤字国債発行は、復興の呼び水的な使途ならともかく、基本的には
発行すべきではないとも述べている。これ以上赤字国債が増えると
国際的な信用が著しく低下し、市場からの資金調達が難しくなると。
個人生活面では、車や住宅に余り多額な投資をすべきではないと書いて
いる。
クルマ屋さんや建築屋さんが聞いたらマッサオ。
両方とも日本では担保価値というか市場価値が低いからというのが
氏の理由のようだが、オレみたいな俗人にとっては、快適なクルマと
居住空間への憧れは断ち切れそうにもないなあ…。
2011.05.07:
ycci
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桜満開、春爛漫
松岬公園の桜もほぼ満開となった。
上杉まつりが秋に延期になって、大きな祭りイベントは
ないものの、あちらこちらから人がやってきて、公園周辺は
まずまずの賑わいを見せている。
世の中は騒然としているけど、いつもと変わらず春は来て、
桜が咲く。
何となく気持ちがたおやかになってくる。
File No.228
『津山三十人殺し』筑波 昭(新潮文庫 590円)
オススメ度★★☆☆☆
「八つ墓村」をご存じだろうか。
横溝正史の名作ミステリーで、何回も映画化・ドラマ化された。
若い人はトヨエツ主演・市川昆監督の映画を思い浮かべるらしいが、
オレは何と言っても、野村芳太郎監督・渥美清主演の映画が一番
面白かった。
岡山の僻村の旧家・多治見家の主・要蔵がある夜突然発狂したかの
ように村人32人を次々と惨殺していく。
懐中電灯を角のように頭にくくりつけて、猟銃と日本刀を振りかざして
狂奔する姿を思い出すだけでも身の毛がよだつ。
物語は、複雑な家系や、鍾乳洞などのおどろおどろしい設定効果も
あって、すごくミステリアスに展開していく。
物語の最後には、その昔、この地に落ちのびてきた戦国大名尼子一族
の残党が、村人たちに謀殺された因縁(呪い)ではなかったかとの、
これまた怖いオチがつく。
実は、このミステリーにはモデルになった事件がある。
それが、昭和13年5月21日に起きた「津山事件」である。
岡山県の僻村に住む22歳の青年・都井睦雄が、斧や日本刀、
匕首、猟銃などで村人30人を惨殺し、幾通かの遺書を残し、
自殺した大事件。
ほんとにあったんだ、こんな凶悪な事件が、と驚くばかり。
一人で一晩30人を殺めるというのは、当時も今に至るまでも、
日本はおろか、世界でも他に類を見ない大量殺人だそうだ。
その「津山事件」のノンフィクションがこの本。
なんでこんなものを読むのか?
だいぶ以前にこの話を聞いたことがあって、かなりの衝撃を受けた。
ずっと忘れていたのだが、先日週刊誌をパラパラめくっていたら、
「夜這いの歴史」みたいな特集があって…。
(決してエッチな週刊誌ではない)
その中にこの本が少し紹介されていて、たちまち記憶が甦ってきて
しまったワケ。
そうなると読まずにはいられない。
おそるおそる読み進めて行ったが、惨たらしい箇所が多くあり、
女性や怖がりの人には余りおススメ出来ない。
なんで都井睦雄は凶行に及んだのか?
それを書いてしまったら、これから読む人の興趣を奪ってしまう。
いくつかの動機が絡み合い、増長していくのだが、そのうちの
ひとつのヒントは前掲の「夜這い」にある。
オレなりの感想を言うと、何だか釈然としない。
事件から70年以上も経ってるから風化しつつあるのかも知れない。
その時、その場を知る人も、もはやこの世にはいないだろう。
そんな状況では無理もないことなのだが、何だかいま一歩、核心に
迫っていないような気がして…。
横溝正史の尼子残党の呪いというのはフィクションだが、そんな
目に見えない何かがあるのでは、と考えさせられる。
うっ、コワ〜い。
2011.05.01:
ycci
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あの坂本サンがやってくる
一昨年、��41で紹介した『日本でいちばん大切にしたい会社』。
著者は法政大学教授の坂本光司サン。
その後、シリーズ続編も上梓され、50万部突破のセールスと
いうからスゴイ。
その坂本サンが明日米沢に来て講演される。
どんな話が聞けるのか、今から楽しみだ。
File No.227
『ちっちゃいけど、世界一誇りにしたい会社』
坂本光司(ダイヤモンド社 1429円)
オススメ度★★★★☆
『日本でいちばん…』シリーズとはまた別の本だが、趣旨はほぼ同じ。
とくに小さい企業(事業所)を取り上げているのが特徴か。
この本を主体にして、坂本サンの観点・論点をオレなりに3つにまとめて
みると次のようになる。
1.単なる理論ではなく、数多くの現場を踏んだものであること。
坂本サンはこれまで6300社以上もの企業を訪問されてきたと
いう。お歳がいくつか知らないが、仮に40年活動を続けてきた
としたら、1年におよそ160社。2日に1社訪問というペース。
こうした経験を積み重ねることによって、企業を見る眼が培われ
てきたのだろう。そして、企業やその経営者を見つめる眼差しは
熱く、且つ優しい。
2.他のせいにせず、利にばかり走ることなく、世のため人のために
身命を賭している企業・経営者に熱いエールを注いでいる。
うまく行かないと、「規模が小さいから」とか「景気が悪いから」
とか「人材がいないから」とか、とかく他のせいにしがちだ。
何事につけ、程度の差はあれ、多くの人が身に覚えのあること。
オレだって例外ではない。
坂本サンが紹介する企業は、なべて人のせいにしない。
そして利ばかりを追求しない。
それどころか、利益を度外視して人の幸せを追求する。
いわば、「愛」と「幸せ」の事業経営とでも言うべきか。
そういうエピソードや苦労話を聞きながら、一緒に涙する坂本サン
がいて、読者の方も思わずジーンとしてしまう。
3.「愛」と「幸せ」の事業経営に誠心誠意取り組んでいれば、
必ず支援の手が差し伸べられ、それがネットワークとしての
財産になる。
各紹介ケースに共通するのは、外部とのいいネットワークを持っている
という点。利他の心・愛の心がわかれば、必ずや支援・賛同の輪が
できるということ。
「天網恢恢、疎にして漏らさず」
簡単に言うと「お天道様が見てるよ」ということか。
この本で紹介されている8社は、規模が小さいせいか、『日本でいちば
ん…』にも増して味わいがある。
「そんなにうまくいくか」とか「成功譚ばっかりじゃないか」
などと言うことなかれ。
そんな斜に構えすぎたら成長が止まった証拠。
現に、こういう企業があるんだから、訪問できないまでも、素直に
吸収してみたいものだ。
2011.04.26:
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今シーズン初の輪行
昨日来の雨も未明には止み、いざ、今シーズンの
初乗りへ!
VB�靴砲浪寝鵑�乗っていたが、とても輪行と呼べるものでは…。
午前11時に集まったメンバーはなんと10人。
みんな、待ちわびてたんだなあ。
いざ走ったら、転倒者は出るわ、自転車は調子悪いわ、息は上がるわ
で、いやはや、何でも初というのは難産なんだなあ。
かく言うオレもVB�兇猟柑劼�いまいちなんで、VB�気濃臆叩�
スピードはロードに及ぶべくもなく、周回遅れもいいとこ。
悔しいからつけ麺大盛り食って、そのあとまたピザ食って、
締めにつの巻2コ食って…。
むうっ〜、ムネヤケしたみたい。
File No.226
『日本はなぜ世界でいちばん人気があるのか』
竹田恒泰(PHP新書 720円)
オススメ度★★★★★
日本が悲しみに打ちひしがれ、沈んでいるこんな時だからこそ、
この本には5つ★を付けた。
一言で言うと、日本の底力を改めて見直し、日本の素晴らしさ、
日本人であることの誇りを再認識させてくれる好著である。
著者はいろんな事例をひいて日本の素晴らしさを例証している。
そのひとつがミシュランガイド。
ご存知のとおり、「ミシュランガイド」とは、ヨーロッパで
最も信頼の高いレストラン格付け。
2007年にはじめて東京版が出され、2009年には、
最高位の3つ星件数・星付き総件数・総星数とも、本家本元の
パリを上回り、世界をあっと言わせたのだ。
星付き総件数は、パリ77軒に対し、東京はなんと197軒。
東京は一躍世界の美食都市となった。
というより、ようやく世界が日本の食レベルの高さを知り
始めたと言うべきか。
もうひとつは日本語。
現代日本語のルーツとなったのは漢語ではあるが、日本の
言語文化の豊かさが、逆輸出、つまり多くの和製漢語を生んで
いる事実。現代中国語の社会科学・人文科学分野の用語の
約7割は和製漢語だとか。
だから、中国語は話せないけど、漢字筆談だと大体意味が
通じるのか。
そのほかにも、無益な戦争を排除し続けてきた和の精神や、
トルコや台湾との友好の歴史などなど、日本人として
元気になる話がたくさん出てくる。
最後に、日本はどんな国難に遭遇しようとも、天皇(すめらぎ)
が存在し続ける限り大丈夫だということ。
なぜなら、天皇は2600年以上ものながきに亘り、その御身を
賭して日本と言う国体を守り続けてきたのだから。
国難に遭遇すると、天皇は神に自らの不徳を詫び続けるという。
だから、この度の陛下のお言葉も、われわれ国民の胸に深く
響いたのだ。
日本は大丈夫!
蛇足ながら…。
今朝の新聞に、ドナルド・キーン氏が日本への永住を決めたと
載っていた。自分に残された時間を、この震災後の日本にあって
立ち上がろうとする日本人とともに生きたい、と。
涙が出るほどいい話だ。
ぜひ、キーン氏と握手しハグしたい。
もっとも、氏にしてみれば、
「おまえはだれよ?」
ってな感じだろうが…。
2011.04.24:
ycci
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ちょっと後悔のVB��
今から1カ月ほど前、震災の数日後…。
これからは車に頼らず、自転車や徒歩で通勤するっきゃない!
と決意を固め、とあるラーメン屋さんに行った???
その帰り、何気に自転車屋さんに入り、目に止まった
自転車を究極の衝動買いをしてしまった。
時間にすると、わずか2、3分間の出来事。
その後、寒い日や雪の日があって、ようやく自転車を
もらい受けに行ったのは3週間後。
少し冷静になって見ると…???
げっ!、クロじゃん。
オレの愛車たちはブルーばっか。だからVBなのに…。
む?まてよ、クロはブラックだから、Bでいいのか!?
釈然としないままに乗ってるけど、なんか気分が中途半端
というか物足りない。
ちょっと後悔の眼差しを向けると、VB�祁�は、
「だったらオレを買うんじゃないよっ!」と怒りの言葉。
オレは思わず「ゴメン、ゴメン、それなりに大事にすっから」と
平謝りしながら、お身体を丁寧に拭いてあげた。
なんのこっちゃ!
File No.225
『兵器・武器 知らなかった凄い話』
博学・こだわり倶楽部編(KAWADE夢文庫 543円)
オススメ度★★☆☆☆
災害救援に携わられている自衛隊の方々には、ほんとうに
頭が下がる思いだ。
過酷な現場の最前線にいる彼ら・彼女らには、感謝と労いの
言葉しかない。
そんな気持ちがあるせいか、普段はまず手に取らないような
本を買ってみた。
自衛隊の何たるかを論じているのではなく、書名通り、兵器や
武器について平易に解説してある。
オレは戦記を読むのがわりと好きなんだけど、専門的な言葉が
良くわからないところがあって…。
そのうちのいくつかが、この本を読んで氷解した。
そのひとつが、艦船の名前。
「大和」とか「武蔵」とか。
何となく、旧国名かなあぐらいには思っていたのだが、こういう
ことだそうだ。
戦艦には旧国名が付けられていた→「大和」「武蔵」「長門」…
高速戦艦と重巡洋艦には山の名前→「比叡」「霧島」「高雄」…
軽巡洋艦には川の名前→「川内」「神通」「矢矧」…
駆逐艦には風物や植物→「陽炎」「不知火」「雪風」「朝霧」…
空母には空を飛ぶ動物→「大鳳」「翔鶴」「雲龍」…
ってな具合。
一方、欧米になると、人の名前が多いらしい。
アメリカの空母「ニミッツ」「フランクリン」「ロナルド・
レーガン」などなど。
艦船もいいけど、戦闘機もカッコいいねえ。
だいぶ以前に自衛隊総合火力演習でF15を初めて見たときは
気絶しそうになった。
このF15は日本の主力戦闘機で、202機配備。
配備戦闘機の総数は約350機。
多いのか少ないのか、よくわからないけど。
F15の1機あたり調達価格は約120億円だから、202を
かけると、2兆4240億円!
燃費も1分あたり約2万円!
カッコいいけど、かかるお金もスゴイ。
古来、国防や軍備には相当のコストとリスクがかかることに
なっているらしい。
2011.04.17:
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便利な道具
今回の大震災で、非常時に持ち出すものをリュックにまとめてみた。
その中のひとつに「十徳ナイフ」がある。
ナイフというと少々物騒に聞こえるかもしれないが、これは、
小ナイフや缶切り、栓抜き、ワインオープナーなどがコンパクトに
一体となった伝統的小道具である。
別名「アーミーナイフ」とか「スイスアーミー」とか言われるだけ
あって、もともとはスイスの軍用品だったようだが、
今はアウトドアの必需品として広く世界中で使われている。
オレもアウトドアに入れ込んでいた頃、2つ3つ買ったのだが、
今手元に残っているのはひとつだけ。
久しぶりに使ってみると、コレなかなか便利な道具。
道具で人が生かされるのではなく、人が道具を使うのだという
当たり前のことをシミジミ感じさせられた。
File No.224
『民宿雪国』樋口毅宏(祥伝社 1400円)
オススメ度★★★☆☆
少し心が荒んでいるので、たまに面白いストーリーに浸りたい
と思って本屋を物色していたら、この本に目が止まった。
必要に迫られた時しか単行本は買わなくなっているのだが、
なぜか、この本のタイトルやカバーデザインが気になって
買ってしまった。
タイトルからして、ほんわかした内容と思いきや、第1章
「吉良が来た後」を読んで、いきなりブットビ!
ええっ!こういう本なの!?
こんな構成、こんなストーリー展開、ちょっとほかには思い
当たらない。
新潟県T町で「民宿雪国」を営む丹生雄武郎という老人の
数奇な人生と猟奇的な行為を、矢島博美という編集記者が
解き明かしていくストーリーになっている。
こう書くと平凡な内容に思えるが、さにあらず。
かなり強烈なストーリーの連続だ。
面白い、というより、オドロキ。
雄武郎が心から愛したある女性への想い、というのが通底に
あるのだが、ひとつひとつの物語設定の過激さが、それを
はるかに凌いでしまっている。
著者にもそういう懸念があったのか、申し訳のように
「あとがき」を書いている。
ストーリーテラーたる者が「あとがき」なんぞ書くことを
オレは余り好まないが、この本の場合はあって良かった
のかも知れない。
でなけりゃ、何が本題なのかを見失ってしまうかも。
これは決してけなしているワケではなく、想像力や筆力が
ありすぎるため、「書き過ぎ」のような印象を受けた、
ということ。
まあ、とにかく一度読んでみてよ。
余震の恐怖も吹っ飛ぶかもよ。
2011.04.09:
ycci
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わからないことだらけ
世の中わからないことだらけだなって、つくづく思う。
人間一人のことだってよくわからないのに、今回の
大震災なんて把握のしようがない。
そりゃ、テレビや新聞の解説などでそれなりの理屈は
ある程度理解できるし、被災地の惨状を見聞きしてきた
人の話も身につまされるし、犠牲者のことに思い及ぶと
底なし沼に沈んでいくようだ。
でも、あんな巨大津波が来るなんて!、原発があんな
壊れるなんて!…
「想定外」という言葉が繰り返されるが、それはとどのつまり、
「よくわからない」ということなのではないだろうか。
よくわからない、ということを自覚し、謙虚に生きなければ
ならない、と自戒を繰り返すこのごろ…。
File No.223
『深夜特急6 南ヨーロッパ・ロンドン』沢木耕太郎(新潮文庫 438円)
オススメ度★★★☆☆
深夜特急の旅もいよいよ最終章。
大震災の空白をはさんで、だいぶ長いことこの旅に付き合って
きたが、なんだか自分自身が旅してるような不思議な感覚を
与えてくれた。
旅はヨーロッパに入ってからわりと淡々と進むのだが、
ポルトガルの果ての岬、つまりユーラシアの西の果てにたどり
着いたとき、「そろそろ長い旅も終りにしようか」という思いに
至った沢木の旅の終止符は少し感動的だ。
そして、そのポルトガルの章で、奇しくも、
「わかっていることは、わからないということだけ…」
というフレーズが出てきて、思わず深く頷くこととなった。
「どんなにその国に永くいても、自分にはよくわからないと思って
いる人の方が、結局は誤らない」
これはあらゆる事柄・事象にも言えることなのではないだろうか。
見聞きしたり体験したりできるのは、物事のほんの一面だけ。
でも、たとえ一面であっても、見聞きしたり体験したりしないよりは、
できるだけ多くそういう機会を持った方が断然良いに決まっている。
寺山修司も言った。
「書を捨て、街に出よう!」と。
本編でも笑えるお茶目が随所に。
イタリアの釣銭のルーズさは、「ホントかよ?」と思うぐらい。
細かいお金がある分だけしか釣銭をくれないとか。
つまり、店で買い物して35リラの釣銭が出るとしたら、キャッシャー
に30リラしかなかったら、それしかくれないということ。
もう5リラ!と催促すると、
「オマエ正気か?」
というような反応がかえってくるとか???
ありえねえ〜。
まあ、もっとも今は違うかも知れないが。
あと、最後の最後に沢木もズッコケた。
旅の最後は、ロンドンの中央郵便局から日本に電報を打つとハナから
決めていて、いざかの場所に行ったら、電報が打てない?
そう、電報は郵便局じゃなく電話局!
日本だってそうでしょっ。
そんなドジ話もなかなか面白い。
じゃあ、なぜ感動の最終章なのに★3つ?
オレとしては、途中までは、久々の5つ★を付けようと思っていた。
が、最後の終わり方が少々いけなかった。
いけない、というよりは、オレ好みではなかったという方が適切か。
「深夜特急は終着駅に静かに入り、そしてオレの永い旅は終わった…」
みたいな感動的なエンディングを期待してたのに…。
まあ、こういう終わり方の方がいいじゃないか、と思う人も
いるだろうけど。
全編をとおして…
この本は、旅に出てみようか!というパワーを引き出してくれる。
「永遠の旅のバイブル」
というコピーもあながち誇張ではない。
2011.03.30:
ycci
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