ぶっくぶくの部屋

ぶっくぶくの部屋
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梅雨空のうっとうしい日々が続いている。
カラダもココロも何だかパッとしない。
アタマがパッとしないのはもともとだけど…。

File No.348
『経営センスの論理』楠木 建(新潮新書 740円)
オススメ度★★★★☆

さぞやおカタイ経営学の本と思いきや、面白い。
それもそのはず、あのベストセラー『ストーリーとしての競争戦略』の
著者なのだからハズレはない。
とは言え、『ストーリーとしての…』はいち早く買ってもたものの、
まだ読んでいない。1年以上も本棚に突っ込みぱなし。
まさに「つんどく」の本領発揮。
でも、この本を読んだらガゼン読んでみる気になった。
それだけオモシロイ。
経営学の小難しい理論や言葉はあまり出てこない。
何だか気さくでオモロイ大学の先生の話を聴いているようなカンジ。

ここでも最後に出てきたゾ、ハーズバーグの「二要因理論」。
簡単に言うと、人間が仕事をするにあたって、「満足」に関わる要因と、
「不満足」に関わる要因とは別モノということ。
勤務条件や待遇などに根強い不満を持つ者は、仕事で満足を得ようとする
姿勢から最も遠いところにいる、ということ。
「ここでも…」というのは、先週、あの雇用のカリスマ・海老原嗣生さんの
講演でも同じことを言ってた。
いくら古典的でも基本は同じのようだ。

この本はきっと今年度の新書ベスト10に入るかもよ。
早目のご一読をおススメしたい。


File No.349
『何のために働くのか』寺島実郎(文春新書 750円)
オススメ度★★★★☆

商社調査部門のトップマネジメントにしてシンクタンクの代表、
そして大学の学長も兼ね、ニュース番組のコメンテーターとしても
大活躍中の寺島実郎サン。
実は、今ほど有名じゃなかった10数年前に直接お話しを伺う機会を得、
講演にも二度ほど来ていただいたことがある。
その重厚で論理的な話に聴き入ってしまったことを憶えている。

その寺島サンが何でこんなベタなタイトルの本を?
と思いつつも気になって手にとってしまった。
なぜなら、この間も書いたように、雇用関係の事業を展開中なので、
その参考になればという思いがあって。
そしてさっそく読んでみたら、これがビンゴ!ビンゴ!
働くということは、世の中や時代に働きかけ、歴史の進歩に加わること。
働く姿勢で大事なのは「素心」であること。
できるだけ若い人にこういう本を読んでもらいたいなあ。
オレはもうバックストレートに入っているようなもんだけど、
「仕事を通じて自分は世の中にどう関わっていくのか」
を改めて意識したいものだ。


File No.350
『「黄金のバンタム」を破った男』百田尚樹(PHP文芸文庫 667円)
オススメ度★★★★☆

「面白い」「オモシロイ」ばっか連発して恐縮だが、
この本もスゴク面白いゾ。
百田尚樹にハズレなし。

『海賊とよばれた男』が経済界で日本の戦後復興を象徴したのに対し、
この本はボクシングで戦後の日本人を勇気付けた物語、いやノンフィク
ションである。

主人公はファイティング原田。
オレから上の世代でこの名前を全く知らないという日本人は少ないのでは、
というほど一世を風靡した名プロボクサーである。
ファイティング原田ガ活躍した頃、オレは小学生。その記憶もおぼろげ
だったが、この本を読んで、そのスゴさがよくわかった。
取り上げるんだったら、なぜ日本人初の世界チャンピオン・白井義男じゃ
ないのか、なぜ日本人としてのチャンピオン防衛記録を持つ具志堅用高じゃ
ないのか?
この本を読めばよくわかる、ファイティング原田でなければならないことを。
そして彼が、日本人初のボクシング殿堂入りし、WBCの「偉大な26人の
ボクサー」に日本人としてただ一人彼が入っていることを。


File No.351
『かすてぃら』さだまさし(小学館文庫 552円)
オススメ度★★★☆☆

先週の日曜日の夜、何気にテレビを見ていたら、同名のドラマをやっていた。
つれづれに見ていると、これがなかなか面白そう。
ってなわけで、せっかちなオレはさっそく原作本を買って、その日のうちに
読んじまった。

これは、長崎出身のシンガーソングライターさだまさしの自伝的物語である。
さだまさしが、グレープという二人組でバイオリンを弾きながら「精霊流し」
という歌でデビューした、ということをリアルに知っている人も、もはや
50歳以上だけかも知れないなあ。

この本は、さだまさしの父親が亡くなる前の数カ月の間、その看病を通じて、
幼き頃の家族との思い出を回想していく趣向になっている。
さながら、ビートたけしの「たけしくん、はい」や、「ALWAYSー三丁目の夕日」
のような趣きであり、また時代もほぼ同じころだ。
これらの物語に共通しているのは、いずれも「貧しかった」ということ。
貧しかったからこそ、人間関係が濃厚で、温かく、そして将来への明るい希望
があった…、のだと思う。
たまにこういう本を読むとほのぼのしてくるなあ。






この冬は、毎日のような雪かき重労働と夜の断・炭水化物、
そして某有名サプリの摂取によって、体重が落ち、体脂肪・血中脂肪
ともに大幅改善、ついに「メタボ非該当」となり、小躍りして喜んだ。
のも束の間、雪かきから自転車への本格移行が大幅に遅れ、
あれよあれよと言う間にもとの黙阿弥。
ちょっと結果が出ると、自信過剰になり、有頂天になり、大油断してしまう…、
こんな性格死ぬまで直らへん!

File No.347
『脊梁山脈』乙川優三郎(新潮社 1700円)
オススメ度★★★★★

ここ1、2年で読んだ本の中での最高評価、もちろん久々の五つ★!
こんな物語を待っていた。
ケチなオレにしちゃめずらしく何のためらいもなく単行本を購入。
何か予感があったのかもしれない。
毎日大事に一章ずつ読んで、ちょうど一週間で読了。
ロードショーと同じぐらいの値段だが、凡百の映画より何倍も面白い。
面白い、というよりは、しみじみと人生に感じ入る、という言い方の方が
適切かも知れない。

主人公の矢田部信幸は、太平洋戦争で九死に一生を得て本土に復員。
国元のいわきに帰る復員列車の中での出会いがその後の人生を大きく変える。
伯父の莫大な遺産を受け継いだ信幸は、近江を発祥として全国に流浪して
いった木地師を追い求めることとなる。
木地師とは、山中深くに棲み、木を切り、その木を轆轤でひきながら質の良い
生活用品を作り、それを売ることで生計を立てていく、太古の昔から
いる特殊な移動職業集団、とも言うべきか。
鳴子など、東北各地に伝承されているこけしは、その木地師の流れを
汲むもの。
木地師たちは、永い歳月の間、山から山へと移動し、ついには奥羽の山まで
やってきた。そして、奥羽山脈の中ごろまで辿ると、その後の足跡は
なぜかぷっつりと途絶えてしまう。
信幸の踏査は幾山河にも及び、その調査は10年にも及ぶ。
戦争で失ってしまった自身のアイデンティティを必死で探し求めるような
鬼気迫る旅でもあった。
その推論は、古代史の大胆な仮説にも及び、興趣を一層深いものしている。

そして、その「旅」には、二人の対照的な女が絡んで行く。
その二人の女とも境界を越えられない。
脊梁山脈とはもちろん奥羽山脈のことを指しているのだが、心の境界
つまり脊梁を越えられない男の心の葛藤をも象徴しているような気がする。

みんながみんな面白いと感じるような現代のベストセラー型の物語では
ないが、オレ的にはかなり心の栄養になった本だ。
6月も半ばを過ぎたと言うのに、このカラ梅雨と暑さ。
オレは暑いのは大の苦手。
ただでさえ冷や汗・アブラ汗の毎日なのに、この上、生理的な
汗まで加わっちゃあ、もうグッタリ。
なのに痩せないのはナゼ?
そんなこと知らん。

前回に続き「労働」シリーズ。
ちょいと必要に迫られて何冊かタテ続けに読んでいる。
�狠里竜霓有疥�花隆は、あるテーマに取り組む時、その分野の
本や資料を1メートルぐらい読みこむそうだ。
1メートルというのは積んだ高さ。
1冊あたり2センチぐらいだとすると約50冊分!
オレはとても足元にさえ及ばないけど、せめて20センチぐらいは
読みこみたいものだ。
本ばかり読んだって仕事は進まない?
いいえ、何もないところからは、考え方も進む方向もアイディアも
ポイントも、さらにはその仕事の意味さえも見出せない…
とある方が言ってた。
ナルホド、ごもっとも。

File No.345
『決着版 雇用の常識』海老原嗣生(ちくま文庫 780円)
オススメ度★★★☆☆

この著者、「人事・雇用のカリスマ」とも言われ、マンガの
主人公にもなった有名な方。
この方が、来月米沢に講演に来ることになったので、いくつか
著書を読んでおこうと思って。
この本では、マスコミ等で報じられている雇用に関するショッキング
な数字の真偽を分析している。
その代表的なものが、「非正規社員1700万人!」。
だから若者が正社員になれなくてかわいそう、というのはウソだと。
非正規社員1700万人のうち、主婦・高齢者・学生で約8割を
占めると言うこの事実。
年収200万円に満たないワーキングプア1000万人(統計に
よっては500万人)という数字の構造もほぼ同様。
やっぱり物事は、その真偽をしっかりと見定めなくてはならない、
ということ。
でないと、方向性を誤ってしまうかもなあ。

File No.346
『仕事をしたつもり』海老原嗣生(星海社新書 820円)
オススメ度★★★☆☆

これは痛快にして痛烈。
オレもアナタもおぼえがあるでしょ「仕事をしたつもりーマン」、
ってカンジだよなあ。
例えば、
会議の時に何十枚も資料を作って、肝心のポイントがボケでしまうこと。
やってる人にはワルイけど、「裏紙利用」と「マイ箸」のエコやってる
つもり。(オレが言ってるワケじゃなく、海老原サンが書いてること。
ナゼだかは本を読んで)
さらにケースは、
「量の神話」
「ハコモノ志向」
「本末転倒」
「横並び意識」
「過剰サービス」
と続き、その指摘はナカナカ厳しい、けど、もっともだと思わせられる
ことも多い。
まあ、自分の仕事や職場の仕事のやり方を見直してみよう、という
ことかな。


...もっと詳しく
三浦雄一郎のエベレスト登頂には素直に感動した。
なんのかんのと言う奴は山ほどいるが、行動だけで生き様を
示せる男はそうはいない。
「オレだってまだまだこれからだ」と思わせてくれるような快挙でもあった。
で、オレは自転車でGO!と思いきや、連続出場していた桧原湖大会に
参戦できず、残念無念。当日の朝、隣組の側溝掃除。なんでこの日なのよお!

File No.342
『自閉症スペクトラム』本田秀夫(ソフトバンク新書 730円)
オススメ度★★★☆☆

自閉症であるかそうでないか、白か黒かしかない診断・判断・教育・就労は
少しおかしいのではないか、という疑問を兼ねてから抱いていた。
同じような思いを持っているのはオレばかりではないのでは。
そんな疑問にこの本は「自閉症スペクトラム」という概念で答えてくれる。
「自閉症スペクトラムは、治療すべき�猊袖き瓩任呂覆�、支援すべき
少数派の�狄夕鎰瓩任△襦廚箸い�考えはまさに卓見。
少数派とは言え、自閉症スペクトラムの範疇に入る人は10人に1人いる
そうだ。

File No.343
『「働く」ために必要なこと』品川裕香(ちくまプライマリー新書 820円)
オススメ度★★☆☆☆

若者の離職率の高さが指摘されて久しい。
大卒就職者の入社3年以内の離職率約30%という傾向はあまり変わって
いないようだ。
それはなぜなのか、そしてそうならないためにはどうすればいいのか、
というのが、この本の主題でもある。
人は誰でも「リスク要因」と「保護要因」を持っている。
リスク要因とは、問題行動や非行などの社会不適応を起こす可能性。
保護要因とは、社会不適応を起こす可能性を予防するもの。
自分のなかにあるこれらの要因をセルフモニタリング「自己理解」し、
そのリスク要因をセルフコントロールしていくことが大事、というのが
この本の本旨である。
はあ?と思うかも知れないが、読んでみれば何となくわかるかも。

File No.344
『就活って何だ』森 健(文春文庫 740円)
オススメ度★★★★☆

日本を代表するそうそうたる企業の人事部長が語る学卒者採用の要諦。
具体的だし、それぞれの企業の人材に対する考え方もよくわかり、
たいへん面白い。
へえ〜、こんな考えなのか、と思わせるところが随所に出てくる。
ン十年前に読んでおけば、少しは違ったかもなあ、ン?変わってないかナ。
15社の人事部長が出てくるのだが、オレが一番興味深かったのはバンダイ、
共感を持ったのは電通だなあ。
この本の結論、企業が求める理想像のキーワードは、
グローバル、多様性(ダイバーシティ)、ストレス耐性、ビジネス感覚、
自分と向き合う だそうだ。
これから就活の人はぜひ読んでおいた方がいい。
もうすでに老い固まったオレとしては、感心する一方で、何をエラそうに、
なんて不遜な感情もちょいとばかり…。
大企業にご縁のないヒガミかしらん。


このところ買物受難が続いている。
その1 サイクルトレーナー
冬期間のトレーニング用としてネット購入したのだが、うまくセッティング
できなくてほっぽっておいたら、もう実車の季節。
1回も使わずにお蔵入り。
その2 革靴
誕生日に買ってもらった革靴、履いて3日目ぐらいに市内某所で、おそらく
意図的に履き間違えられ履き去られた。
なぜなら、残ったひとつの靴がボロボロ。サイズほぼ同じ。
怒りがおさまらん!
その3 カバン
愚妻に金を渡し、某有名カバン店でカバンを買ってきてもらった。
つましいオレにとっちゃあ清水の舞台から飛び降りるような決断。
でも買ってきた代物がどうも気に食わない。で、わざわざ返品。
愚妻いわく「もう二度と頼まれないからっ!」
まあ、今ので充分かも…
その4 メガネ
スポーツ用のサングラスを買った。もちろん度付きのインナーグラスタイプ。
休日前に出来あがってきたが、焦点やら角度やらが全く合わず。
ダメかなあと思いつつも店に行ったら、スンナリ返品。
良かったのか、悪かったのか…?
その5
ああっ、もうやめ!自分の短慮、不注意、わがままをさらけ出しただけじゃん。

File No.339
『あの戦争から遠く離れて』城戸久枝(文春文庫 943円)
オススメ度★★★☆☆

大宅壮一ノンフィクション賞受賞の長編作品。
四国に住むある女性(著者)が、中国残留孤児だった父の足跡を追うもの。
中国残留孤児の話は断片的によく聞くが、日中の国交回復もなっていない
時代に、よくぞ日本に帰ってきたものだという、その意志の強さに感動を
おぼえる。
今、中国との関係はやや冷え込んでしまっているが、それは国家間のことで、
人と人との心の絆は、国がどこであろうと、あまり変わらない、という
少し暖かさを呼び起こしてもくれる。
また一方では、戦争は多くの人々の人生を大きく変えてしまったんだなあと
改めて実感する。

File No.340
『山本五十六の生涯』工藤美代子(幻冬舎文庫 876円)
オススメ度★★★★☆

山本五十六のことは多くの人が書いている。
中でも代表的なのは、阿川弘之の『山本五十六』と、半藤一利の『聯合艦隊
司令長官山本五十六』であろう。
いずれも読んだが、まあ名著の部類に入るものだと思う。
しかし、いずれも偏りというか著者の好みが色濃く出ている。
阿川は自身が元海軍だけあって、海軍礼賛的な感じだし、半藤は五十六と
同じ長岡出身なので身贔屓が少し感じられる。実際に著者もそんなことを
書いている。
このふたつの巨峰を眼の前にしながらもよくぞ書きおおせたと感心する。
しかも、阿川の説にはいくつも疑問を呈しているし、前二作にもあまり
ヒケをとらないような骨太の内容に仕上がっているとオレは評価する。

File No.341
『どう働く』坂本光司・青木仁志(あさ出版 1300円)
オススメ度★☆☆☆☆

あのベストセラー『日本でいちばん大切にしたい会社』の著者・坂本光司と
一代で人材開発コンサルティング会社を立ち上げた立志伝中の人・青木仁志
が、働くことの意味や意義について論じたもの。
いやはやもう箴言・格言のオンパレード。
「無形の価値であるサービスに愛想を尽かして顧客が離れていくケースが多い」
「人と同じような時間、勉強をしていても違いが生まれるわけがない」
「会社とは社会に役立つ仕事をするところ」
「地位があがり、経済力がつくと、人はまわりや小さなものが見えなくなる」
などなど、ナルホドと啓発される言葉が満載。
とくに坂本光司は、その講演内容と同じに「熱い」。
しかし…
すべての人が仕事で自己実現なんて出来るんだろうか?という疑問が残る。
そして…
これだけの値段で売っている本としてはめずらしいぐらいの大きな誤植がある。
あってはならないことである。
たいへん良いことを書き連ねていても、これでいっぺんに興ざめ。
洛陽の紙価は大暴落。





ふあ〜あ
なが〜い冬眠から今少し目覚めたよん。
半年もご無沙汰。
その間、オレも少し賢くなったぞ。
とっくりっていうかハイネックの前後を間違えなくなったんだ!
(前はしょっちゅう間違ってた)
この歳にして、だけど、オレにとっちゃあ一大進歩。
そのヒケツは…、洗濯ネームが常に左側にあるっていうこと…。
アホらしい?そんなこと誰だって知ってる?
ああ、そうですかいっ!
で、この休眠期間もほぼ毎日本読んでたけど、どこからか忘れたので、
最近読んだ本をいくつか。

File No.334
『医者に殺されない47の心得』近藤 誠(アスコム 1200円)
オススメ度★★★☆☆

この著者の書いたものは月刊誌で何回か読んでるし、オレはフツーはこのテの
本をあまり読まないんだけど…。
先日、二人の人が相次いでこの本を話題にしたので、そして「菊池寛賞」を
とったとかで、そんじゃあとばかり読んでみた。
ナルホド、ナルホド、なかなか面白い。
「メタボにさしかかる程度の小太りがいちばん長生き、コレステロールが
高いほど長生き」ってところなんぞ、オレにとっちゃあ天恵のようなお言葉。
しかし、読んでいてハタと気が付いた。
この著者は、何もエキセントリックなことを言ってるのではなくて、
人間としての死生観を問うているのだと。
生きるのも、死ぬのも「覚悟」がいるんだなあ。

File No.335
『モンスター』百田尚樹(幻冬舎文庫 724円)
オススメ度★★★★☆

久々の一気読み!
それぐらい面白いぞ。
最後はどうなるんだろうと思いつつ読んでたら夜が明けちまった。
そう言えば、この著者の『海賊と呼ばれた男』も四つ星級の
面白さだったぞ。

File No.336
『川崎尚之助と八重』あさくらゆう(知道出版 1500円)
オススメ度★★★★☆

大河ドラマ「八重の桜」は視聴率で苦戦しているみたいだなあ。
題材もストーリーもなかなか面白いとオレは思うんだけど。
川崎尚之助とはご存じ山本八重の最初の夫である。
西国出石藩の出身で、会津へ来て、そして最果ての地へと、
日本列島を北へ北へと流れ、最後は不遇な死を遂げてしまった。
しかし、彼も立派なサムライだったのだ、ということが、この本を
読むとよくわかる。

File No.337
『知の逆転』吉成真由美(NHK出版新書 860円)
オススメ度★★★★☆

現代の最高の知性と言われる6人に著者が直接インタビューして
まとめたもの。
オレなんかでは逆立ちしても会えないような知の巨人たちの話を
まるで聞いてるかのように読めるんだから売れるわけだ。
例えば、生物学者ジャレド・ダイアモンドの話―
「不倫は男にとって遺伝子を残すチャンス…女性の場合は、不幸な結婚が
背景にあって、新たな関係を求めてパートナーを物色したり関係を試したり
するための不倫がほとんど」
ふ〜む、例外もあるだろうけどなあ。
また、人間とチンパンジーの遺伝子の違いはわずか1.6%しかないけど、
人間が文明を創り得たのは「言語」を獲得したからだとも。
出来れば、こういう話をライブで聞きたいもんだなあ。

File No.338
『日本型リーダーはなぜ失敗するのか』半藤一利(文春文庫 780円)
オススメ度★★★★☆

これも面白い本だぞ。
タイトルだけ見るとなんだか安手の啓発本のようだが、さにあらず。
そこは半藤一利だから、太平洋戦争の将官たちを類型化して論を
展開している。
なぜミッドウェーで負けたのか?
暗号が解読されていたとか、いろいろ要因はあるだろうが、組織論的に
言えば、目標・戦略の不徹底にあると論じている。
つまり、山本五十六の真の狙いはミッドウェー島攻略ではなく、敵空母の
撃滅にあったのだが、それが現場指揮官に徹底されていなかった。
このことは、野中郁次郎らの『失敗の本質』でも同じように指摘されて
いる。
これを現代に転じても同じことが言えるんだろうなあ。
「目標の不徹底は組織の不幸を招く」と。




もうすぐ冬だねえ〜。
来週あたり初雪きそうだなあ〜。
まだ雪囲いもしてないし、タイヤ交換もしてないし…
あ〜あ、寒いし、めんどくさいし、イヤだなあ〜、と
ズグダレ者はコタツに首まで入ってブツブツ言うばかり
でアリマス。
さて、この頃マンスリーっぽくなっちゃったけど、止めて
はいないのよ。

File No.328
『山本八重』楠戸義昭(河出文庫 700円)
オススメ度★★☆☆☆

来年の大河ドラマはご存じ「八重の桜」。
つうことで、恒例の予習第一弾。
これは、山本八重だけではなく、会津落城史から明治初期までの
ヒューマンヒストリーという感じ。
最近わかった史実もちゃんと盛り込んでいるし、筆の走りすぎも
感じられない好著。
八重については、買った本や借りた本がまだまだありまして…。
ふう〜。

File No.329
『終の信託』朔 立木(光文社文庫 514円)
オススメ度★★★☆☆

今公開中の同名映画の原作本。
内容は切実、展開はスリリング。
とくに江木の最期のシーンはなかなか壮絶な感じがした。
しかし……
こんな終わり方ってアリ?

File No.330
『往復書簡』湊かなえ(幻冬舎文庫 600円)
オススメ度★☆☆☆☆

これも今公開中の映画「北のカナリアたち」の原案本。
原作ではなく「原案」。
つまり、ストーリーを変えてるということ。
本は四連作になっているが…、はっきり言って、オレには
あまりピンとこなかったなあ。
『告白』のインパクトが強すぎて。

File No.331
『プロ野球「衝撃の昭和史」』二宮清純(文春新書 750円)
オススメ度★★★★☆

わがジャイアンツ日本一・アジア一を記念して、気分良く
久々の野球本。
いや〜、プロ野球ファンとしては、この上なく面白い本デス。
「背面投げ」なんて知ってる?
ハナタレ小僧の草野球でよくマネして投げてたようなあ〜。
なつかしい話題いっぱい。

File No.332
『異形の将軍 上・下』津本 陽(幻冬舎 各1700円)
オススメ度★★★☆☆

昭和の平民宰相・今太閤こと田中角栄の一代記。
田中角栄が新潟の寒村で博労の子として生まれ、事業で
才覚を発揮し、位人臣を極め、金脈スキャンダルにまみれた
晩年までを事実に基づいて描いている言わばノンフィクションノベル。
人に優しい人情家の人間実像が浮かび上がってくる好著デス。
確かに金と女のスキャンダルにまみれてしまったが、人間的魅力は
あるようなあ〜。

File No.333
『昭 田中角栄と生きた女』佐藤あつ子(講談社 1600円)
オススメ度★★★☆☆

『異形の将軍』を読んだ後、どうしてもこの本が読みたくなって、
あちこち探してようやく入手した。
田中角栄を公私ともに支えた女性・越山会の女王・佐藤昭の実の娘が
書いた父・田中角栄と母・佐藤昭の実像。
あれ?田中角栄の娘ってあの田中真紀子サンじゃないの、と思うでしょ。
実は田中角栄には、このほかに息子たちもいる…。
詳しくは本を読んでみて下さい。
決して共感はできないけど、実の娘が事実を書いているだけに、リアルで
すごく興味深い。


このブログも輪行もサボッているうちに秋風は冷たく
なってきてしまった。
昨日は意を決して長距離輪行へ。
久々の50km超えはかなりキツかった、が秋晴れの
わが置賜盆地の疾走はなかなか爽快でもあった。
途中のオバコ焼き、豆腐、芋煮も美味!
ダイエットなんて気にしてらんね。
ガンガン自転車こいで、ガンガン食って、そしてガア〜っと
寝ればそれでシアワセ。これぞ単純中年男の真骨頂。
で、だいぶたまっちゃったんで、二言三言のコメントで
お茶濁すことに…、面目ない…。

File No.320
『ニュースキャスター』大越健介(文春新書 750円)
オススメ度★★★☆☆

ご存じ、NHK「ニュースウォッチ9」のキャスター。
TVをあまり観ないオレが唯一進んで観る番組のひとつ。
年齢や背格好も少々似ているせいか、前から親近感を持っている。
こんなことを考えながらキャスターを務めてるんだ、と感心
させられたり、納得させられたり…。

File No.321
『別海から来た女』佐野眞一(講談社 1500円)
オススメ度★★★★☆

「木嶋佳苗」という名前を憶えているだろうか?
そう、何人もの男たちを殺したり、騙したりして今年4月に
死刑判決を言い渡され、世間の耳目を集めたあの女である。
木嶋に、エクソシストのような悪魔性を感じた著者が、事件と
裁判を追い続けた秀逸のノンフィクション。

File No.322
『デパートへ行こう』真保裕一(講談社文庫 743円)
オススメ度★★★☆☆

創業祭を迎えた老舗デパートで真夜中に起きる奇想天外な出来事。
男に復讐しようとする女、生きる希望をなくした男、元刑事、高校生
カップルなどが巻き起こす活劇。
少々コミカルな展開ながらも、最後は泣かせる結末が待っている。

File No.323
『ツナグ』辻村深月(新潮文庫 630円)
オススメ度★★★☆☆

一生に一度だけ死者との逢瀬を叶えてくれる使者(ツナグ)。
4人の逢瀬と、終章にツナグ自身の物語、という構成。
1回だけのカード、自分だったら誰に会いたい?と考えながら
読んでいるとなかなか面白い。
オレは会いたい人いっぱいいるなあ〜。

File No.324
『ハーバード白熱日本史教室』北川智子(新潮新書 680円)
オススメ度★★☆☆☆

この女性、弱冠30歳そこそこにしてかのハーバードの教壇に立って
いるんだって。それだけでスッゲェ〜って思っちゃうなあ。
で、教えていることは「レディ・サムライ」?
趣旨は読んでわかるけど、いまいちピンとこない。
この「白熱…」というのもマイケル・サンデルにあやかっているようで
なんか感心しないなあ…。あくまでオレの個人的感想だけど。

File No.325
『【新訳】読書について』ショウペン・ハウエル著
渡部昇一編訳(PHP研究所 950円)
オススメ度★★☆☆☆

ショウペン・ハウエルとは、18世紀のヨーロッパの哲学者。
その著書のひとつを渡部昇一が箴言集的に編訳したのがこの本。
ご多聞に漏れず、若い時にはこういう本に最も興味を持った時も
あったが、現実社会にどっぷり浸かっている今となってはもはや…。
「誰しも自分の関心にあうもの、すなわち自分の思想体系や目的に
合致するものしかとどめておけない」
少し悲しい気もするが、けだし名言である。

File No.326
『あなたへ』森沢明夫(幻冬舎文庫 600円)
オススメ度★★★☆☆

映画を観たその帰りにこの原作本を買ってすぐ読んだ。
相変わらず「性急な凝り性」の自分に苦笑い。まあ、永く続かないから
持っているということもあるんだろう。
歳を経ると、こういうシミジミとした物語に感動をおぼえる。
高倉健、とても81歳とは思えないほどカッコイイねえ〜。
大滝秀治、遺作になっちゃったねえ〜。滋味深い役者がまた一人…。



このところアップ頻度が極端に少ない。
そのワケは?
オレの部屋がすごく暑くてたまらんのよ。
数年前に年代物のクーラーが壊れてから、家人がケチ
なもんで新調してもらってない。
使用頻度の少ない物置みたいな部屋にクーラーなんて
要らない!とバッサリ。
うむ〜、ごもっとも。
今日は送り盆。
秋はすぐそこ、もう少しの辛抱だわい。

File No.317
『ブルーノ・タウト』田中辰明(中公新書 760円)
オススメ度★★★☆☆

「泣きたくなるほど美しい」
この有名なフレーズ知ってる?
ブルーノ・タウトが京都の桂離宮を観たときに放った感嘆の言葉。
日本建築の究極の美とも言える桂離宮をタウトが絶賛した
ことによって、ブームが湧きおこったそうだ。

タウトは1880年生まれのドイツ人。
長じて建築家となり、集合住宅など多くの建築設計を手掛け、
その作品群は世界遺産にもなっている。
建物に色彩を取り入れた作風から「色彩の建築家」とも呼ばれている。

しかし時は第二次世界大戦前夜。
ナチス・ドイツの軍靴が高くなり、平和主義のタウトはその愛人
エリカとともに日本に亡命。
そこで日本美を再発見することとなる。
オレも今の今までタウトはユダヤ系だったからナチスから亡命したと
ばかり思っていたが、どうやらそれは違うらしい。

日本も戦争への道を歩み始めた頃で、タウトの日本滞在はわずか3年余。
その後、トルコのイスタンブールに渡り、そこで弱冠58歳で客死して
しまう。
こうしたタウトの数奇な運命と足跡、そしてその作品群を追っている
好著でもある。


File No.318
『無縁社会』NHKスペシャル取材班(文春文庫 629円)
オススメ度★★★★☆

少し前にNHKスペシャルで放映された「無縁社会」の取材詳細を
文庫化した本。
行き倒れ、孤独死、身元不明死など遺体の引き取り手のいないいわゆる
「行旅死亡人」とされる死は、わが国で一年間に3万2千人にも及ぶという。
1年間の自殺者数とほぼ同じぐらいいる。
その中からいくつかのケースを追跡し、人と人とのつながりが極端に
希薄になってしまった現代を「無縁社会」として描き出している
迫真のレポートでもある。
一言で言えば「身につまされる」思いがする。
オレたちだって、絶対そうならないとは限らないのだから。

この本は現代社会の暗面ばかりを追っているわけではない。
最後に、新たなつながりを支えていくNPOの取り組みも紹介している。
「人はつながりの中に自分の存在や役割を感じられて、はじめて
生きていける…大切なことは、必要としてくれる人がいること、
そして必要としてくれる場所があること…」
この言葉は重い。



File No.319
『米沢牛物語』尾崎 仁(エル書房 1200円)
オススメ度★★★★☆

こういう本が地域には必要だ、というのが率直なオレの読後感。
オレたちは普段何気に、そしてあやふやな知識で、なんとなく
「米沢牛」というものを誇りに思ってきた。
それはそれで悪いことではないのだが、米沢牛ブランドたるゆえんとか
確かな根拠とか、正確な知識とかで裏付けされれば、なおいいことは
当たり前。
そういう意味でこの本は格好である。
著者は全国各地の人たちに読んでもらいたいのだろうが、オレはまず
地元米沢の人たちこそ読むべき本だと思う。
文章も極めて平易に書いているので、小学生や中学生にもうってつけの
地域学教材となるのではないだろうか。

オレ自身、読んでいて「なるほど、そういうことなのか」と思わせられる
ところがたくさんあった。
例えば、牛肉の格付け。
よく「A5」とか耳にするが、
A・B・Cが表しているのは「歩留まり」で、
5・4・3…が表しているのが「肉質」なんだそうだ。
もうひとつ例えば、米沢牛を広めた二つの口コミルート。
ひとつが、旧米沢高等工業学校(現山形大学工学部」)の学生さんたち。
米沢での学生時代に食した絶品米沢牛の味を全国に広めたそうだ。
もうひとつが米織の旦那さんたち。
全国各地との商売関係で広めていったらしい。
いずれも、米沢の独自性と密接につながった話で、きわめて興味深い。

オレもただ読んでるだけでは飽き足らなくなってきたぞ。
よ〜し、今夜はひとつ大フンパツして…!



ほぼひと月ぶりのアップ。
「もうやめたんかい!」と何人かに言われたが、
やめてはいないけど、オレの部屋暑くて、PCに向かう
気があまりしなくって…。
で、今回は7月ひと月分をまとめてアップ!

File No.314
『影法師』百田尚樹(講談社文庫 648円)
オススメ度★★★★★

今夏のオススメ度ナンバーワン!
久々に面白い時代小説を読んだ。
藩の下級武士から筆頭家老まで上りつめた戸田勘一と、
竹馬の友磯貝彦四郎の物語。
勘一が幾度かの危機を脱し、出世階段を上って行った影には…?
この本の巻末には袋とじがある。
そこを読むと、感動はさらに深まっていく。
彦四郎の生き様は、前作『永遠の0』に連なるものがある。
家族や友や人のため、自らの身命を賭していく真の男の
生き様がそこにはある。
ところで、
田んぼの1反って人一人が1年に食べる米を収穫する広さだって
知ってた?今の1反は300坪だけど、昔は360坪だったんだって。
なんとなれば、1坪は人一人が一日食べる米を収穫する広さなんだなあ。
へえ〜、勉強になったわ。

File No.315
『海賊とよばれた男』上下 百田尚樹(講談社 各1600円)
オススメ度★★★★☆

余勢をかって百田尚樹ワンモア!
これは出たばっかの単行本で、しかも上下二分冊でチト高い。
しかし、『影法師』の面白さの余勢で買って、すぐ読み出した。
これもまた面白い物語だ。
しかも、史実をベースにしたノンフィクションノベルだから
迫力がある。
一代で国岡商店こと出光興産を築き上げた、国岡鐡造こと出光佐三
の熱きロマン溢れる物語である。
国の理不尽な規制、同業者の妨害・いやがらせ、「七人の魔女(セブン
シスターズ)」と呼ばれた石油メジャーとの闘い、などなど、
戦前戦後の混乱期に次々と襲いかかる難題難局に、正攻法で正面突破
する鐡造の姿に感動が湧きおこる。
物語に出てくる日田重太郎という男もスゴイ。
何のリターンも求めずに、鐡造という男に惚れ込んで、自らの全財産を
投げ打って支え続けるのである。
大事を成す男には、必ず強力で頼もしい味方が何人もいる、という
ことかも知れない。まあ、そういう援軍を惹きつける人間的魅力が
あるかどうかが将器の如何だとも言えるだろう。

File No.316
『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』
増田俊也(新潮社 2600円)
オススメ度★★★★☆

だいぶ以前から、買うか買うまいか、いつも本屋で迷ってたのが、
この本。迷ってたワケはその値段の高さ。
「面白い」という話を聞いたら、図書館にでもリクエストしようかな、
とも考えてたんだが…。
そしたら、この本が「大宅壮一ノンフィクション賞」を受賞した。
そんでもって、さっそく本屋に行って躊躇なく買ったオレ。
相変わらず主体性のない話でして…。

で、この本、700頁ぐらいあって、しかも二段組みという長編。
しかし、読み出したらオモロイ、オモロイ、と一気通巻で読んじゃった。
この本の主人公である木村政彦という男は、日本柔道界で空前絶後の
強さを誇った伝説の柔道家。
それが後年、プロレスの道に入り、人気絶頂だった力道山と闘い、
ある理由で敗れてしまう。
年配の方なら、木村政彦vs力道山の試合を覚えているかも知れない。
昭和20年代なのでオレは全く知らないが…。
巻けるハズのない試合に負けた真の理由は?、これほどの柔道家が
講道館正史にあまり出てこない(≒抹殺されている)そのワケは?
そうしたテーマを、木村政彦の人生を丹念に追いながら解き明かしていく
ストーリーのノンフィクション。
秀逸な作品だ。



先月のある夜のこと。
自室で寝っころばって本を読んでたら、頭の上にある
換気扇の中からガサゴソと不穏な音が響いてきた。
ん?、ネズミか?
いやっ!、もしかすると昨年巣を作りかけたツバメくんかも…。
翌朝、外から換気扇のところを見ていたら、雪で少し壊れた
壁の隙間から確かに鳥が飛び立って行った!
うむむ、素早くてどんな鳥かわからんかった。
ほどなくして親鳥らしき鳥が巣に戻ってきた。
そして、10秒ぐらいでまた外へ。
あれれ〜、ちょっと茶色くない?
何回か繰り返し見た結果、それはスズメくんだった。
ツバメくんじゃなかったのは少し残念だけど、まあ、
スズメくんでも吉兆のうち、と思うことにしよう。

File No.312
『さよなら!僕らのソニー』立石 泰則(文春新書 830円)
オススメ度★★★☆☆

今回は久々に新書2連発。

「SONY」というと、オレたちぐらいの世代には何だか
特別感みたいなものがあるよなあ。
まずはオーディオ製品の質の高さ。
そして、トリニトロンカラーテレビ。
そしてそして、一世を風靡したウォークマン。
まさに市場を創造していくような製品を世に出していく会社、
というイメージが、ごく一般の庶民であるオレにも植え付けられていた。

しかし、このところ何かヘンだ。
プレイステーションの大ヒットはあったものの、
有機ELテレビを作りかけたものの、
これぞSONY、という製品があまりなくなったような気がする。
そして、近頃は巨額の赤字が報じられていたりもする。
SONYはどう変容していったのか?
この本を読むとそれがよくわかる。

広く知られているように、ソニーは戦後間もない頃、井深大と盛田昭夫
という二人の志高い天才によって創業された。
この二人の創業者と、その精神を汲む後継者が社長のうちは、まだ
SONYのDNAは濃かった。
それが、第5代社長(CEO)の出井伸之から少し歯車が狂いだし、それが
第8代のハワード・ストリンガーになると決定的になる。
周囲に親派ばかりを置き、過酷なまでのリストラ策、エンジニアの流出、
見せかけの決算数字、バッテリー発火事件での巨額損失と責任のがれ…
などなど。
そして、生活基盤をニューヨークから移すことなく、月1回の来日で
最高級ホテルのスィートルームに滞在、それで年間報酬8億6千万円の
強欲さ!
これでは草葉の陰の井深・盛田両御大も浮かばれないであろう。

著者はこう締めくくる。
「いまのソニーは、私たちに夢を与えてくれたソニースピリットあふれる
会社ではない。さよなら!僕らのソニー」と。
もうこれは訣別の言葉である。

しかし、一筋の光がないわけでも…。
ストリンガー独裁のあとをうけた社長が、弱冠51歳の平井一夫。
この気鋭の若手に未曾有の危機局面が託された。
これからのソニーを注視していきたいものだ。


File No.313
『日本の自殺』グループ一九八四年(文春新書 700円)
オススメ度★★★☆☆

すごいインパクトのあるタイトルのこの本は、今から37年も前に
文芸春秋に掲載された一本の論文。
グループ一九八四年という匿名のような名前は、当時学習院大学教授の
香山健一を中心にした学者グループというのが定説になっているらしい。

この本の基本命題は、「あらゆる文明が外からの攻撃によってではなく、
内部からの社会的崩壊によって破滅する」というもので、日本もこの
破滅の危機にまさに瀕している(すでに37年も前に!)、という警告
でもある。

内部からの社会的崩壊のひとつは「豊かさの代償」。
それは資源の枯渇と環境破壊、そして大量生産・大量消費の生活様式が
人間精神に与えるマイナスの諸影響。
むむっ、これは!
そう、少し前に読んだ『ファイナル・クラッシュ』の論旨とほぼ同じ
ではないか。
37年も前に警世の書が出ていながら何ら変わってはおらず、クラッシュ
に向かう負のエネルギーは満タンに蓄積されつつあるのではないか。
賢者がいくら言葉で話したり書いたりしても、世の中のパラダイム
というのは、そう容易に変革していくものではないようだ。
一度崩れ落ちて、徹底的に痛められないと変われない、ということなのか?

自壊に向かうもうひとつの現象は「野蛮化」と「幼稚化」。
これは、昨今の犯罪傾向などに如実に現れてきている。

そして「情報汚染の拡大」。
この論文が発表された頃はまだインターネットなんてこの世の中に
普及してなかったハズ。
テレビに加えネットの普及は、まさに情報氾濫の様相。
受け手の情報処理能力や許容量、感性の耐性などおかまいなしに
情報汚染は拡大し続け、自主的な思考を妨げることを著しく
助長している。
人間が生身で行動し、実体験を重ね、世の中を生きて行くという
実体・実感の尊さが薄れてしまっているのではないか、とオレも
時々自らの言動を振り返って思うことがある。

著者の舌鋒は最後まで鋭く、イデオロギーまでに及んでいる。
「疑似民主主義は放埓とエゴ、画一化と抑圧とを通じて、日本社会を
内部から自壊させる強力なイデオロギーであった」と。

ん〜、読んでると何だかエラい学者のオジサンに理路整然と
叱られているような気分になってしまうが、その論理は明快かつ
ストレートで小気味良い。ウジウジしてない。
今の時代にこの警世の書が見直されている所以のひとつだろう。

ついに東北地方南部も「梅雨入り」。
当分は晴れ間をみながらの輪行かあ〜。
先日は桧原湖一周サイクリング大会に参戦。
3回目の参戦となる今回のオレの目標は、
「瞬間でもいいからトップに立ちたあ〜い」ということ。
千数百人の参加者のトップに立つということは、たとえ
瞬間であっても至難のわざ。
そこで一計。
スタート位置を絶好のポジションに。
スタートしてしばらくオレの前には十人ほどいたが、幸いなことに
ロードバイクはオレ一人。
そして、ほどなく、ついにオレはトップに立った。
先導車のすぐうしろ。
白バイに先導されて走るマラソンのトップランナーのような気分!?
でも、トーゼン至福の時は長く続くワケがなく…。
あとはただひたすら追い抜かれるだけ。
追い抜かれ続けるというのもあんまり気分が良くないなあ〜。
次回はもう少し考えなきゃ。

File No.311
『ファイナル・クラッシュ』石角完爾(朝日新聞出版 1600円)
オススメ度★★★★☆

昨年秋ごろから話題になっている本。
これは、この地球上で最も裕福な人たちの資産運用を託されている
ファンドマネージャーであるヒューゴ・ブーロー(本名トビー・バーチ)
が、2007年に著した『THE FINAL CRASH』というごく限られた人しか
入手できなかった本(というかリポート)を、著者が抄訳し、自身の
考えや解説を付加したものである。
この原作は、リーマン・ショックやアメリカ国債のデフォルト危機、
ユーロのクライシスもかなり的確に予言している。

原作者ヒューゴが言うファイナル・クラッシュとはー。
アメリカ国債の大量発行、民間の住宅ローンやクレジットカードの
大量使用、ヘッジファンドによるデリバティブなどの金融商品の
大量流通など、経済の実力以上の膨張を推進している「巨額の負債」が、
何かのきっかけで流動性を失い、次から次とデフォルトが起こり、
世界の債券市場と株式市場が崩壊する状態のことを言っている。
しかも、その日は近いと。
著者は解説で、フィナル・クラッシュを誘発するのは、日本国債の
暴落とデフォルトである可能性も大きいと指摘している。
アメリカ国債の発行額がほぼGDPと同じぐらいであるのに対し、
日本国債の発行額はGDPの2倍以上にものぼっている。
しかし、日本国債はその多くが国内で買い支えられているのに対し、
アメリカ国債は中国を筆頭に全世界にバラまかれている。
これがデフォルトを起こしたら…、やっぱ経済の崩壊につながるん
だろうと、少々背筋が寒くなる。

ヒューゴや著者は、負債で膨張した世界経済がクラッシュした後は、
大きなパラダイム転換が起こるだろうとも言っている。
つまり、これまでアメリカが主導し、日本などが追随してきた
消費型経済モデルから「身の丈にあった経済」に変わっていくだろうと。

お金やモノがあることだけが幸せではない、ということは、
先ごろ国王が来日して話題になったブータンをみてもよくわかる。
それよりも、われわれ日本人の旧き良き時代のことをみても
わかることである。
確かにお金は貧者を苦しめ、富者を奢らせてきたかも知れないが、
民衆一人ひとりの心の幸せは、もっと精神的なものの中にあったのでは
ないだろうか…。
今こそ「足るを知る」ことが必要なのかも知れない。

あまりにも天気が良かったので、市内を西から南、
そして東から北へと約30km、ほぼ一周を自転車で
まわってみた。
市内の高校や中学のグランドでは、練習試合か公式戦か
わからんが、少年たちが盛んに白球を追っている。
思わず自転車を降りてネット越しに観戦。
だんだん白熱してきて、思わず
「バッター、いったれ〜」とわけのわからん大声を
あげていた。そしたら、オレみたいな「立ち止りオヤジ観客」が
まわりに何人もいて、それぞれに声援をおくっているではないか!
なんか、みんな少年の頃に戻って、自分が野球してるみたいだなあ〜。
そう、みんな野球が好きなんよ。
最近はサッカー好きが多いみたいだけど、オレたちの世代から
上は、やっぱ野球なんだなあ〜。

File No.310
『民俗のふるさと』宮本常一(河出文庫 760円)
オススメ度★★★★☆

本の帯に
「宮本民俗学の最高傑作!」
「日本論の決定版」
とあっちゃあ、宮本常一を信奉しているオレとしては読まない
ワケにはいかない。
毎日毎日噛みしめながら読んで、そんなに厚い本じゃないのに
1週間もかけた。
その甲斐のあった名著。

村や町の成り立ち、その習俗や暮らし、古いものと新しいものが
混在しながら発達してきた日本の民衆史…、
まさに目からウロコの連続。

この本が書かれた昭和39年頃、あるいはそれ以前、
東京の浴場(銭湯)約2000軒のうちおよそ半分が
新潟県人の経営だったという。
それは、地方から東京へ働きに出てきた労働者の数が
千葉県に次いで新潟県が多かったことと、いろんな肉体労働の
中のひとつに風呂屋の三助(釜焚き)があって、それを
生業とするものが増えていったらしい。
やはり新潟県人というのは昔から才覚があったのだろう。

もうひとつ。
市民全体がひとつにとけあうような祭りを持っている町と、
そういう祭りをほとんど持っていない町がある。
そのワケは?
城下町では、かつて町人の上に武士がおり、市民意識はなく、
すべては主君の為にという意識が占めていて、民衆が
ひとつになって沸きたつような祭りなんて望むべくも
なかったのだと宮本はたくさんの事例を紹介しながら
分析している。

さらにもうひとつ。
なぜ「村ハチブ」というのか?
それは、村の付き合いを10と見て、火事の時と葬式の時
以外は付き合いを断つというところからきているそうだ。
絶交状態でも一番苦しくて大変な時は助ける、そして
よっぽどのことがないと「村ハチブ」にはしない、という
日本の憐憫の情が感じられる。

この本は、何も「ウンチク」を並べ立ててるワケではない。
自分が生きるコミュニティの成り立ちと変遷、そして古く
からあった美徳を生かしつつ、現代を生きて行くという
味わい深い知恵をオレたちに与えてくれる。

最後に宮本はこう書いている。
「古くからものと新しい文化のからみあい・融合によって、
日本の文化は日本の文化として発達していくであろう」
日本固有の文化をことさら美化も卑下もしない。
自分自身もその担い手の一人として、ただ肯定し受容し
ていくという宮本の姿勢がオレは好きだなあ。
なんと、1カ月以上もご無沙汰してしまった。
春は何かと忙しいというか、慌ただしいというか…。
あれだけの大雪も一挙に融けて、山野はいっせいに
芽吹き始めた。
となると!
山菜の季節、輪行の季節、旅の季節、畑の季節、家の
補修の季節…
今日も、こりゃ輪行と思いきや、風が強くてあえなく断念。
雨だから、風だからなどと言い訳ばっか言ってたら、
日が暮れる、ばかりでなく人生が暮れてしまう。
「近きより」始めろ!と自分を責めつつ、日が暮れちまったよっ。

File No.309
『ありがとう自衛隊』佐藤正久(ワニブックスPLUS新書 760円)
オススメ度★★★☆☆

少し前に佐藤正久さんの講演を聴く機会があって、その内容に
たいへん感心し、この本を買った。
佐藤正久さんと言ってもピンとこない人もいるかも知れないが、
2004年の自衛隊第一次イラク派兵の隊長、「ヒゲの隊長」で
一躍有名になり、その後退官し、現在は参議院議員になられている
方である。
この本でも講演でも、今次の大震災において自衛隊が如何に日本の
「フルバック」としての使命を果たしたかがよくわかる。
自衛隊は、平穏な時代にはその存在を疑問視され叩かれ、危機の
時代になると手のひらを返したように頼られる。
まさに時代に翻弄されながらも、隊員たちは黙々と任務を果たして
いる。今次の大震災の災害派遣は、任務というよりは、人間としての
使命、という感を強くした。
現在、自衛隊員は約24万人。今回の災害派遣では、そのうち10万人
に出動命令が下ったのである。派遣された隊員はもとより、留守番隊も
ぎりぎりのオペレーションだったという。

佐藤さんは、自身の自衛隊経験から、組織のあり方についても示唆して
いる。
例えば、「我慢を覚える」こと。個を重要視する現代社会では、なかなか
体験できなくなってしまったが、忘れてはならない美徳である。
また、集団の基準は一番能力が低い者に置く、ということ。
そうでないと、集団組織が維持できない。
能力の高い者が「自己犠牲」の精神で、能力の低い者を引き上げていか
なければならないのだ、と。
会社組織論とはちょいと意を異にするかも知れないが、心に留めて
おきたいことでもある。
恥をしのんで一席…
もう成人した親戚の子が小学校低学年の時分、ある席で、
「『てづかおさむし』ってどんなむし?」ときた。
みんな一拍おいて大爆笑。
ツボにはまって笑いが止まらないオレに老母が、
「この子のことそんなに笑えないんじゃない、アンタ」
「へっ?なんで?」
「『だいぶつじろう』って読んでお父さんにこっぴどく叱られ、
しょげかえってたのはどこのどなたさんだっけ?」
まわりの一同、またもや一拍おいて、今度はオレの方を見て
さっき以上の大爆笑。
穴があったら入りたいとはまさにこんな時。
あれから十数年経った平成24年4月(つまりつい最近)、よもやの
悪夢がまたもや襲った。
ある会議の後の懇親会で、オレの隣の方が、
「オマエ、さっき『せつめ』って言ったろ。ありゃ『ふしめ』って
読むんじゃないのかい」
ぐえ〜〜〜〜〜!!
いい歳してチョー恥ずかしい〜〜〜!!
これじゃあ、『みぞおゆう』とか『にちじょうちゃはんじ』を
笑えないじゃん。
二次会もそこそこに家に帰って、姿勢を正して机に向かい、
『国語辞典』を3時間も読みましたとさ。
教訓=「過ちを改むることに憚ることなかれ」

File No.308
『父・手塚治虫の素顔』手塚 眞(新潮文庫 630円)
オススメ度★★☆☆☆

その「手塚治虫」の長男が、天才と呼ばれた父の素顔を回想した本。
オレたち昭和30年代生まれの世代は、程度の差はあれ手塚作品の
影響を受けて育ったと言っても過言ではないだろう。
『鉄腕アトム』を筆頭に、『ジャングル大帝』『リボンの騎士』など
など、懐かしさいっぱいだ。
オレは中でもアニメ放映された『ジャングル大帝』の印象が強い。
動物たちが人間の言葉を喋ることも、ライオンが白いことにも、
なんら違和感を覚えなかった。
おそらくはアフリカであろう草原を、動物の群れが走り行くシーン
は子供の心をふるわせた。
そういう作品を手塚治虫はどのように生みだして行ったのか、
この本を読むとその膨大な仕事に苦闘する姿がよくわかる。
まさに超人的な仕事ぶりだったようだ。
それは命をも削ることとなり、60歳という若さで生涯を終えて
しまうのである。惜しまれる稀代の才能でもあった。

そう言えば、代表作『火の鳥』にもはまったなあ。
ある食堂に全巻置いてあって、それを読みたいばかりに
ほぼ毎日のように通い詰め、アジフライ定食かコロッケ定食を
食べながら読みふけった思い出がある。
『火の鳥』を読み終えたら今度は『ブラックジャック』にとりかかった。
お陰で、アジフライとコロッケを合計100食は食べたんじゃ
ないかと思う。

だけど、オレはあくまでも作品に対して興味関心があるわけで、
作家論は二の次。
どんな作品であるかがすべてで、どんな人かは、はっきり言って二の次。
(まるっきり興味がないワケではないけど)
この本は確かに面白い。
しかし、ひとつ難を言うと、父親を余りにも称揚し過ぎている。
父は父、息子は息子、と何回も書いてはいるものの、父への非難や
懐疑的、反抗的な内容は少しもない。
オレとしては、かえってそれが白けてしまう。
父と息子は、アンチテーゼというか、ベタベタしない距離感というか、
愛憎感というか、よくわからないが、母娘の間柄とはまた違った
緊張感があるような気がするのだが…。
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