ぶっくぶくの部屋
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秘湯の情緒
今年の夏、米沢の「秘湯」をいくつか訪ねてみた。
常々「米沢八湯」なんて言ってるくせに、自分で行ってみて
体験したことがなけりゃ話にならん、という自己反省もあって。
いやあ〜、改めて行ってみるといいなあ〜。
まさに「山懐に抱かれた」という形容がピッタリ。
清流も清々しいし、露天風呂も野趣満点。
あまり良くて、ついに泊まってみた。
夕食時には、東京から来たという見ず知らずのお客さんと
大いに飲み、大いに盛り上がった。
ロケーションも気分も大解放!
かなり痛飲したのだが、川音を子守唄にしながら爆睡。
水と空気がいいせいか、翌朝はスッキリ。
朝風呂もまた爽快。
朝ゴハンおかわりっ!
やっぱ、行って楽しんでみるもんよ。
せっかく近くにこんな「お宝」があるんだから。
File No.253 No.254
『沖縄 だれにも書かれたくなかった戦後史』上・下
佐野 眞一(集英社文庫 各743円)
オススメ度★★★☆☆
佐野眞一は前から好きで、ほとんどの著作を読んでいるが、
唯一、この本だけはまだ読んでいなかった。
それは、約三年前に単行本として出版されたのだが、まだ
文庫になっていなかったから。
単行本も時々買うんだけど、いろんなところに持ち運びして
読むのには少々不便だし、せっかく買ったのに数年後に廉価な
文庫版になると、なんだか損したような気分になって…。
オレだけかなあ〜、こんなケチくさいことを考えるのは。
そんな折、仲間内から「会長」と呼ばれている某氏が数冊貸して
くれた本の中にコレがあった。
文庫になったんだ。
前にも書いたように、読みたかった本をたまさか偶然に人から
借りたり、もらったりすることほどウレシいことはない。
で、この「会長」氏、バリバリの体育会系で、およそ読書とは
縁遠いような感じだが、それがどっこい、なかなかの読書家だ。
それも、わりと男っぽく硬派なものを好まれるようだ。
人の読書傾向をアレコレ言うつもりはないが、ワリとオレとも
重なる部分があるようだ。
オレと決定的に違うのは、読み終わった本は即古本屋行きという点。
潔いというか、何というか…。
オレは一冊たりとも売らん。
飲み代欲しさのあまり、買った(買ってもらった)ばかりの
『折口信夫全集』を古本屋に売って後々かなり後悔したことが
トラウマのようになっていて…。
それは今もって買い戻せていないし、読むべき時期を永久に
逸してしまったような気もする。
で、この本―。
上下2分冊で、総頁数約1000頁にも及ぶ長編。
読み終えるのに1週間もかかってしまった。
でも中味は読み応え十分。
著者も書いているように、沖縄の戦後史を大文字ではなく、
小文字であらわしている。
つまり、大義名分や理屈、教科書的歴史ではなく、沖縄の
近現代における怪人物・怪事件・怪事象を丹念に追いながら
日常史・民衆史を綴る、さながらパッチワークのような趣きがある。
まずは沖縄のヤクザの世界にはドギモを抜かれる。
空手をベースにしたストリートファイターが超武闘派のヤクザ集団を
形成し、血で血を洗うような凄惨な抗争を何次にもわたって繰り広げて
いく様は、さながら日本版「ゴッドファーザー」のような観がある。
そう言えば、イタリア・マフィアの発祥もシチリア島という島じゃ
なかったっけ。
そして、沖縄に今も残る相互扶助的庶民金融システム「模合」(もあい)。
この「模合」があるため、沖縄にはあまり都市銀行が進出しなかった
とも言われている。
共同体の相互助け合いの「ユイマール精神」の名残でもある。
はたまた、80ものインディーズレーベルがあるという沖縄音楽の
盛んさにも目を見張る。
そしてその土壌は沖縄アクターズスクールにつながり、安室奈美恵や
SPEED、MAX、黒木メイサなどを次々に生んできた。
さらに、琉球処分で首里城を退去する尚氏の悲劇は、さながら
「ラストエンペラー」のようでもある。
沖縄戦の時に、王家尚氏の財宝を米兵が略奪していった話も憤り
を感じる。それらが未だ散逸していることや、残ってる財宝の扱われ
方も哀しい。
最後の驚きは、今回増補なった分で触れられている「尖閣列島」。
中台との国境問題のホットポイントである。
この尖閣列島はなんと個人所有の島なのだ。
それを国が借りているらしい。
唯一の国土決戦の地となり、「鉄の暴風」とも呼ばれる激しい戦闘で
筆舌に尽くしがたい悲惨・凄惨が繰り広げられたオキナワ。
今もって県土の20%が「軍事基地」で占められているという異様な
状況にあり、住民は米兵の横暴や戦闘機離発着の恐怖におびえ、
基地移転問題に揺れている。
一見平和な本土に住むわれわれは、この沖縄の来し方と現状を
上目線ではなく、謙虚に直視しなければならない、ということを
この本は教えてくれる。
2011.08.28:
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夏の情緒
昨晩ふと、
「今日が掘立川の灯籠流しじゃなかったけ?」と思い出し、
とるものもとりあえず、件の場所に駆けつけてみた。
正解、確かに今日だった、が、あらかた終わりかけている。
急ぎ下流にまわり、水面にその姿を映しながら流れてくる
無数の灯籠が何とも言えずきれいだ。
ふと、遠くから盆踊りのお囃子も流れてきた。
そうだ、今日は御廟の熊野さんの盆踊りだ。
今度は急ぎ西にとって返した。
ほう、みんな楽しそうにやってるなあ。
周りに知ってる人もいなそうだし、オレもいっちょうやって
みるかと輪におそるおそる入ろうとした途端、
「あれ〜、ぶっくぶく?」
(うぐぐっ、見つかったか)
「まさが踊んなでねえべな?、やめどげよ」
(うっせーよ、悪いかよ。何でもやってみるんだよ!)
そそくさとその場を後にして、コンビニで買ったチューハイ
飲んで寝ちまったよっ!
まあ、いろいろあるけど、米沢の夏もそれなりに情緒が
あっていいもんだなあ〜。
File No.252
『女は男の指を見る』竹内久美子(新潮新書 680円)
オススメ度★★★★☆
この本はだいぶ前に「ついで買い」したもので、長いこと
部屋の片隅に放っておいてた。
たまたま見つけて手にとって読み始めたら、
これは、これは面白い!
オンナにモテるためのくだらない指南書かと思いきや、
まったくさにあらず。
動物行動学や進化論を展開しながら、この世の男と女が
より良く生きる術をいろいろと示唆してくれる好著である。
内容が内容だけに、ちょっとおすましの女性には抵抗ある
部分も無きにしはあらず。
でも、誰にも知られず一人で読むぶんには、少しニヤっと
したり、ナルホドと感心させられたりで、かなり面白いと思う。
それと、かなりいい線の飲み屋ネタにもなる。
なんだ、その程度かと思わずに。
大人の男たるもの、気のきいた話のネタとオハコの歌ひとつ
ふたつぐらいはないとねえ。
いつも同じ話や仕事のグチ、他人の中傷話に盛り上がったり、
カラオケボックスでもないのに最初から最後まで歌をがなり
まくったりするのは、どうもいただけない。
というか、オレ的にはすごく「つまらん!」。
まあ、そんなことはいいけど、この本の面白いところを
いくつか紹介してみる。
ひとつは「指比」。
「指比」というのは、薬指の長さに対する人指し指の長さの比。
この数値が高いと薬指が短い(人指し指が長い)、数値が低いと
薬指が長い(人差し指が短い)ということ。
右手の手のひらで測るらしい。
指の付け根のシワから先端までを。
結論を言うと、この「指比」が低いのが、運動能力や頭脳、生殖
能力が総じて高い傾向にあるそうだ。
だから、「女は男の指を見る」のだ。
日本の男の指比平均は0.95。
どれどれオレは…、なんと0.93!
平均より低いぞ。
でも、現実はそんなにハッピーじゃないけどねえ。
低いとどんなことが良いのか、具体的には本書を読んでのお楽しみ。
もうひとつは血液型。
血液型と性質は「科学的根拠がない」とされてきたが、それは
あくまでも心理学的なことで、最近は医学の分野で血液型と性格に
ついての研究もなされてきたらしい。
例えば、O型は梅毒に滅法強いから、どんどん異性と交わって
社交的で明るい性質になり易い、とか…。
へえ〜、そうなんだ。
かく言うオレもO型。と、言うことは…!?
このエロジジイが何考えてる!と眉をひそめなさんな。
しょうがない、実際にそういうことが書いてるんだから。
そしてその著者は大学院の博士課程までいって、動物行動学や
進化論を研究してきた、言わば専門の研究者(科学ライター)でも
あるんだから。
ウソだと思うんなら、ぜひ読んでみてよ。
これは、以前好評価した『できそこないの男たち』に匹敵する
面白さだぞ。
2011.08.18:
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10数年ぶりに
もう二度とお世話になることはないだろうと、永久決別した
パチンコを10数年ぶりにやった(いや、やってしまった!)
最後にしたのを覚えていないくらいだから、相当前に完全に
足を洗ったのだが…。
事の発端は、今年二十歳になった甥が、酒とパチンコの初体験
をしたいと言い出したこと。
酒は何回か一緒に飲んだが、パチンコは今日が生まれて初めて。
二人でおそるおそる入っていくと、その大音響にまずビックリ。
そそくさと空いている台に座って、いざ勝負!
甥が汗水流して働いたお金1000円はたちまち海の藻屑。
甥は青い顔をしてしょげかえる。
「人生なんてそんなもんだよ。濡れ手に粟なんてないんだぞ!
どれどれ、おいちゃんがカタキをとってやるから」
ものの数分もすると眠ってたハズの昔の血が騒ぎ出した。
みるみるお金が…。
そ、そして、ついにきたっ〜!
「どうだ、おいちゃんスゴイだろっ」
伯父の面目をようやく保って、意気揚々と帰路に。
ん?オレなんぼ遣ったんだ?
ぐえっ、大赤字じゃん!
やっぱパチンコは性に合わん!
また明日から凍結!
そう言えばオレ、4年も止めてたタバコをちょっとしたハズミで
また再開してしまったんだっけ。
そして前よりはるかに吸ってるし。
やばい、やばい、やばい。
明日からパチンコ店見ないようにしよっと!
File No.251
『太平洋戦争、七つの謎』保阪 正康(角川oneテーマ21 705円)
オススメ度★★★★☆
昨日、8月15日は66回目の終戦記念日。
先の太平洋戦争で亡くなられた300万余の御霊に、しばし、
謹んで黙祷を捧げたい。
オレ自身はまったく戦争を体験してないのだが、毎年何回かは
この国家的・世界的悲劇のことを考えてみたいと思っている。
ということで、今回はこの本を選んでみた。
ノンフィクション作家の保阪正康は前からよく読んでいる。
彼の物事の捉え方や考え方に共鳴するところが多いからだ。
今回も、タイトルはいささかベタではあるが、中味はなかなか
だった。
七つの謎のひとつめ。
誰が開戦を決めたのか?
一般的には昭和天皇のご聖断ということになっているが、あくまで
天皇は上申されたものに苦渋のYESを出しただけ。
と言うより、YESしかなかった状況。
もし断固NOであったら日本はどうなっていたかも著者は書いている。
おそらくは、国体を維持できなかっただろうと。
開戦を上申した人たちが、言わば事実上の開戦決定者ということ。
それは国会で決定されたものではなく、閣議ですらない。
今で言えば、関係閣僚会議のような場で決定されたものだ。
しかも、そのメンバーは全員が官僚。
政治家(国民の信任を得た者たち)ではなかったのだ。
改めてこういう内容を読むと、慄然としてしまう。
保阪の考え方に共鳴出来るのは、例えばこんなところ。
「人は時代の制約の中にある。つまり、生きる時代を選べないわけ
だから、その時代の価値規範に対して忠実に生きたいと思っている。
…それを今の時代の価値基準だけで批判したり、断罪したりするのは、
やはりちょっと間違っているような気がする」
まったくオレも同感。
現代に生きるオレたちは、どうしても現代の価値観で、いとも簡単に
歴史をあれやこれや身勝手に論じてしまいがちだ。
オレだって、あの時代に生きていたら、趨勢に抗うことなど毛頭出来ず、
どこか変だな、ちょっとコワイな、哀しいな、と心の中で思いながらも、
表面はバリバリの軍国少年(青年)になっていただろう。
そして、おそらくは戦場の露と消えていたかも知れない。
その時代のことを良く思い致しながら、オレたちの国の過去の悲劇を
ちゃんと振りかえらなければならない、ということをつくづく
教えられる。
『流星の絆』を読んで以来、ずっと「ハヤシライス」が食べたくて…、
あちらこちらと探していた。
そしたら、あった、あったよ。
いわゆるファミレスのようなチェーンではなく、個人営業の街の
小さなレストラン。
うんまかったよ〜、ここのハヤシライス。
このぐらいのレベルのものを出してるなんて、まだまだわが街は
捨てたもんじゃないぞ!
(その日は食べ物の件で家人と冷戦状態だったんで、ことさら
うんまかったでア〜ル)
2011.08.16:
ycci
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“池井戸潤”さらにもう一丁
日本人は花火好きなんだねえ。
オレの知人にも、毎年のように大曲に行ったり、
長岡行ったり、土浦行ったりしている人がいる。
オレも大曲行ったことがあるけど、「スゴイ!」の一語。
まあ、人の混雑もスゴくて、いやはや…。
長岡にも行こうとしたことがあったんだけど、早いうちから
インター出口からすでに混んでて…、Uターンして帰ってきた。
全国級の花火もいいけど、オレはやっぱローカルなのがいいね。
で、今夏、某ローカルの海上花火を観る機会があった。
海面に映る花火、海面から半円形に広がる花火、そして海の解放感、
すべて良かったなあ。
ちょうど25年前観た松島の花火、15年前に観た鹿児島・指宿あたりの
花火、10年前にキャンプしながら観た白川ダムの花火…、いずれも
良かったなあ。
花火は「刹那」がいいんだね。
良い想い出も消えそうになっていくから愛おしいのかも知れないなあ。
File No.250
『下町ロケット』池井戸 潤(小学館 1700円)
オススメ度★★★★★
ぶっくぶく250回記念と、池井戸潤の直木賞受賞のお祝いを兼ねて、
久々の五つ★!
前からずっと読みたかったんだけど、本屋にはないし、図書館では
貸し出し中だし、文庫本はないしで、かなわなかった。
それが、なんと同僚の某君が貸してくれたのよ。
あたかもオレが読みたがってるのを知ってたかのように。
やっぱ、持つべきものは良き同僚だねえ。
読みたいなあと思ってる本を貸していただけることは、オレにとって
メシおごってもらうよりウレシ〜。
で、さっそく読み出した。
ビアガーデンやら暑気払いが続く毎日だったにもかかわらず、
酔いも醒めるほど面白くて、二晩で読み終えてしまった。
もっとゆっくり読むんだったなあ。
これは、下町にある小型エンジンメーカーが、自社の特許技術を
生かしてロケット開発の中枢部分を担っていく物語。
その小型エンジンメーカー・佃製作所は、典型的な中小企業ではあるが、
技術開発や熟練技術は世界でも通用するレベルにあった。
しかし、中小企業の哀しさ、資金繰りが行き詰まったり、大企業から
不当な損害賠償訴訟を起こされて翻弄される。
そうした中、同社のバルブシステムに関する特許が、ロケット開発の
キーデバイスであることから、俄然脚光を浴び始める。
中小企業ゆえ、バカにされ、ナメられながらも、バラバラだった社員の
心がひとつになって、「佃品質・佃プライド」を自ら掲げ、世紀の
プロジェクトに「確かな技術」で参画していく。
その過程は、なかなかの感動である。
人は時々、自分が所属している組織の力=自分の力と勘違いする。
そういう勘違いをすると、傲岸不遜(≒エラそう)になる。
気をつけても、多少そういうそぶりが出てしまう。
組織の大きさ=組織の力=自分の力、ということには必ずしもならない。
ガタイは小さくても、熱き心意気と行動、そして連帯感が大事。
そういうことをこの物語は教えてくれる。
「しょせんキレイごと」と片付けることなかれ。
それぞれの夢に向かうようなキレイごとがなけりゃ、この世は闇。
この物語のもうひとつの良さは、悪を懲らしめないこと。
反対したり妨害したりした奴らは、確かに憎らしいが、物語の中では
左遷したりクビにしたりする場面は一切描かれていない。
例えば、若い社員が上司を上司とも思わぬような言葉遣いで勝手な
理屈・文句をズケズケ言い、そのくせ自分だけに快い距離を置くような
場面が出てくる。
オレだったらそんな奴はどんな仕事をしても認めないし、自分も貴重な
時間を使っている仕事の相手には選ばないだろう。
しかし、佃社長はそんな狭量ではない。反抗したりする奴らにも
人間としての慈愛を注ぐ。
それこそ、そんな人間いるんかい!とは思うけど。
本田宗一郎が部下をよくぶん殴ったという話は有名だけど、
熱い人間は喜怒哀楽も激しいということ。
あえて「キレイごと」があるとすれば、そんなとこかなあ。
池井戸潤の今後の伸び代でもあるような気がする。
(少々エラそうだけど…)
いずれにしても今夏イチおし!
2011.08.13:
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暑さでペースダウン!?
言いたかないけどアツイ。
ヤセがまんも限界に近い。
今日もサウナにいるような幻覚を感じた。
実際のサウナは水風呂というクールダウンの楽しみが
あるが、現実はただアセあるのみ。
自転車乗る気もしないし、読書もはかどらない。
必然的にブログのアップも大幅ペースダウン。
そんな時に知人某氏からのメール。
「1か月に4冊は新刊本を読むことにしました。貴君にも
読んで欲しい本があります」
くわっ〜!手厳しいムチ!
File No.249
『流星の絆』東野圭吾(講談社文庫 838円)
オススメ度★★★☆☆
東野圭吾と言いや、今やチョー売れっ子作家だねえ。
本屋に行くとそれがよくわかる。
とにかく彼の本がやたら目につく。
以前はよく読んでいたが、こうなると稀代のソンピン者としては
熱が冷めてしまうようなところがあって…。
この『流星の絆』も少し前まで単行本が平積みしてて、
気にはなっていたが、あえて買ってなかった。
それが、文庫本になったとたん、躊躇なく購入。
オレもケチくさいというか、ゲンキンというか…。
でもね、多分一度きりしか読まないような本に2000円近くも
払うのは、どうしても躊躇っちゃうワケよ。
それだったら、涼しいところで映画でも観てた方がいい。
それでなくとも、年間の本代がバカにならなくて。
文庫本・新書、そして図書館、そしてそして人からの借用などを
フル活用しなきゃ。
で、この本、さすがに当代一流のエンターテイナーだねえ。
なかなかの長編だけど、面白さバツグン。
何者かに両親を惨殺された兄妹3人は流れ星に仇討を誓う。
14年後に、ようやく敵の姿が見え始めた時、なんと、妹が
その敵の息子に恋してしまう。
キーワードになるのは「ハヤシライス」。
そう言えばずいぶん食べてないなあハヤシライス。
どんな味かも忘れてしまったぐらい。
それとも、ひょっとすると食べたことがないのかも、って
思うぐらい記憶が遠い。
(近々食べてみよっと。でもどこで食べれるんだろう?)
そして、物語は思いもよらぬ結末を迎える。
え〜、そういうことだったの!?ってなカンジ。
オレは、そりゃないだろっ、とも少し思ったなあ。
オレだったら、そういう結末にはしないなあ。
そんなことをアレコレ考えるもの、推理小説のひとつの楽しみ。
多分読んでる人が多いと思うけど、まだの人は盆休みにでも
楽しみながら読んでみては。
暑さしのぎにはもってこい、だよ。
2011.08.09:
ycci
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生来のマヌケ
この頃、物忘れやボケかましが多くなったなあ、年かなあ、
って言ったら、わが老母は、
「オマエは昔からだョ」
ぶふぇ〜
生まれる前からオレを知っている母上様の言うことは、疑いの
余地もない。身に覚えも山ほどある。
つい昨日も…。
長井に行った帰り、ここまで来たら伊佐沢のスイカ買ってかない
テはないとばかりに直売所に寄った。
ある、ある、小さいのからドでかいのまで。
ふと見ると、「オレンジ」って書いてあるスイカがあるではないか!
スイカなのにオレンジ?
食物博学王のかちょ〜が、「果肉がオレンジ色なんです」と。
へえ〜、そうなんだ。
でも、スイカはやっぱ「赤」に限るよなあ、ってことで、小ぶりな
ひと玉を買った。
冷やして、冷やして、ギンギンに冷やして、いざ実食!とばかりに
割ったら………
な、なんと、中味はマリンブルーのような青い果肉だった!?
…………
なあ〜んて、ウソよ。
ミエミエの筋書きなんで、ちょっと恥ずかし紛れのアレンジ。
本当は、「オレンジ」だったのよ。
マジかよ、とかなり気落ちしてしまったオレ…。
心と行動はウラハラに「いける、いける」と自らを鼓舞しながら
ブシャブシャと食って寝たわ!
ああ、やっぱオレは生来のマヌケだわ。
File No.248
『ニッポンの風景をつくりなおせ』梅原 真(羽鳥書店 2600円)
オススメ度★★★★☆
へえ〜、こんな高い本よく買ったなあ、と思われそうだが、実は
知人某氏が貸してくれたもの。
この某氏、地域を元気にしようという志に燃えていて、その発想や
行動力には一目も二目も置いている。
何せオレに本を貸してくれんだから、そりゃいい人よ。
そういう氏が、自らあえて貸してくれる本だから、こりゃ期待が
持てそう、とトキメキながら読み始めたら、これは期待以上だった。
梅原真は高知在住のデザイナー。
地元はもとより、全国各地で、主に一次産品のデザインを通じて
ローカルに力を与えている。
この本は、そのデザインワークを写真と軽妙な解説でまとめている。
彼の持論は、
「一次産業×デザイン=風景」
ローカルに埋もれている宝のような一次産品にデザインで新たな
命を宿らせることは、風景をつくっているようなものだと。
目のつけどころがいい。
センスがいい。
小手先でないデザインがいい。
モノよりヒトに惚れ込むところが土佐っぽらしくていい。
そして、ローカルデザイナーと思いきや、われわれが良く知って
いるような全国級のものも数多く手がけている。
例えば、
小布施の木桶。
青い目をした小布施の仕掛け人の一人、セーラ・マリ・カミングス
の依頼により、木桶による発酵文化復活のデザインワークを手掛けて
いる。
あの有名な「天空の森」(天空しか見えない露天風呂)や、秋田・
乳頭温泉「鶴の湯」も彼の仕事。
そして、そして、おどろくべきことに、彼の仕事やこの本には、
かの原研哉が絡んでいる。
原は『デザインのデザイン』でサントリー学芸賞を受賞した
わが国を代表するデザイナーの一人である。
同書にはオレも感動し、文句なく五つ★。
いずれ紹介したい。
その原があとがきで著者の人となりやその仕事について語っている。
それが簡明にして絶妙。
梅原のデザインワークをみごとに言い表している。
やっぱ、デザインも人なんだなあ。
そして、われわれが住むローカルには、原石のような「お宝」が
確かにあるんだなあ、とシミジミ思わせられる。
それをどう探して、どうデザインして、いかなる「風景」をつくって
いくかだ。
ぜひ一読をおすすめしたい。
高い本だから借りて、ね。
2011.07.31:
ycci
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今年もキツかったあ
走ってきたよお桧原湖一周。
毎年5月の開催なんだけど、今年は大震災の影響で
7月に延期。なんと、ちょうど30回目の開催なんだなあ。
距離は30kmだからほどほどなんだけど、後半の上り坂がちとキツい。
前半はラクラクだったけど、この上り坂に入ったらハアハア、ゼイゼイ。
こ、こんなにキツかったっけ。
まあ、ファミリーサイクリング大会だから楽しめばいいんだけど、
一応ロードバイクに乗ってる意地もあって…、なんとか降りずに
上り切れた。
が!?、どこからかやってきたタウンサイクル(≒ママチャリ)のあんちゃん
が猛然と追い越して行った。ゼッケンつけてないから、どこかで観戦でも
してたんだろう。
それが突如として!
クッソー、いくら疲れているとは言え、ママチャリに負けるワケには
いかんと思い、猛然と抜き返しにかかった…、その時!!
両足ふくらはぎがビクビクとケイレンし始めた。
ヤバッと思ったけど、ゴール間近かで人が観てる中、無様に降りるわけにも…。
痛みを必死にこらえてゴールしたオレの目の端に、かのママチャリのあんちゃん
のニヤリ顔があった。
チクチョー
みてやがれ、次回は平然と「カクサ」を見せつけてやっからなっ!
ん〜、でもあとで冷静に考えたら、ママチャリごときに対抗心燃やしてる
ようでは、アスリートへの道はまだまだ遥か先だなあ〜。
File No.247
『夢をかなえるゾウ』(飛鳥新社 648円)
オススメ度★★★☆☆
4年ほど前に出てだいぶ売れた本らしいから、すでに読んだ人も
多いだろう。オレは、文庫本になったから一応買っておこうみたいな
感じで、ずっと部屋にほっぽってた。
そしたらよお、日曜日にサイクリング大会終わって帰ってきたら、
チョー乱雑な部屋がキレイさっぱり片付いててよ、机の上にこの本が
ぽんと置いてあった。
人の本読んだな!?
まっいいかと気を取り直しつつ、パラパラ読み始めたら、意外と
面白い。
ウダツのあがらない主人公の「僕」のところに、ある日、ゾウの
姿をした神様「ガネーシャ」が現れる。
この神様、どういうわけか関西弁を話し、白玉あんみつが大好きで、
しかもヘビースモーカー。
そして、今はダメだけど成功したいと願っている「僕」に関西弁で
教えを次々に施して行く。
それはそれは、まったくの喜劇仕立て。
だけど、その教え(毎日の宿題)には数々の真理が含まれていて、
笑いながらも「なるほど、そうかもしれないなあ」と思わせられる。
ガネーシャのセリフは面白いけど、なかなか重い。
巻末には、名言集として収録されているくらいだ。
いくつか紹介する。
「自分の仕事が価値を生んでいるかを決めるのはお客さん、つまり
自分以外の誰かなんやで」
「自分が本当に成功したかったら、その一番の近道は、人の成功を
助けること、つまり…愛やん?」
「何でもやってみんねん。少しでも可能性のあることなら何でも
実行してみんねん。『バカバカしい』とか『意味がない』とか言うて
やらずじまいなやつらは…成功したくない自分を表現してんねん」
そう、その通り。
自転車でも何でも、まずはやってみんねん。
やらずにアレコレ言わんと、まずは乗ってみんねん。
そしたら、何かが開けてくるちゅうことや。
もっとも、「成功」したくて自転車のっとるわけやないけど。
(いつの間にか関西弁の自己正当化になっちまった)
そう言やあ、オレんちにもあったな、ゾウの置物。
その前でグチったり、お願いしたりしてみようかなあ。
そうすると、オレの前にもガネーシャが現れるかもしれん。
そしたら、宝クジの当たり方でも習おうっと。
「まずは人に当てて喜ばせろ。自分が当たったら寄付して
喜ばせろ」なんて言われるだろうなあ、きっと。
2011.07.28:
ycci
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暑さ寒さもヤセがまん
今日はみんな口々に「寒い」って言ってたなあ。
確かに、ずっと30度以上の真夏日が続いていて、急に
10度ぐらい下がったんだから無理もない。
でも、実のところ、オレにはちょうどいいのよ。
みんなが「肌寒い」と感じるぐらいがオレにはちょうどいい。
だから、平均的な人が「暑い」と感じる時、オレは「チョー暑い!」。
平均的な人が「チョー暑い」と感じる時、オレは……「サウナ」状態。
だからと言って、みんなが「すげぇさぶっ」と感じる時は、
オレも「すげぇさぶい」のよ。
要するに、高温にはすごく弱く、低温には人並みに弱いという
「ずぐだれ体質」ってこと。
しかしながら―
男たるもの、寒さ暑さをいちいち口にすべきでない、という信条、
いや願望があって…。
暑さ⇔寒さ、うまい⇔まずい、すき⇔きらい、理不尽なこと、
不条理なこと、着るもの、住む家、カミさん、財布の中身、等々
すべからく男はヤセがまんが大事!
File No.246
『心に灯がつく人生の話』(文藝春秋2011年8月特別号 820円)
オススメ度★★★★☆
作家や各界文化人10人の講演録で、「今こそ聞くべき名講演10」
というサブタイトルがついている。
さすがに選りすぐりだけあって、どれも含蓄あり、ユーモアありで
面白い。こんな講演だったら、ぜひ聞きに行きたいもんだ。
最近は講演を生業とする人が多いが、「なるほどなあ〜」とか
「面白いなあ〜」と思うことはあっても、、「心に灯がつく」ような
話を聞けることって、はっきり言ってあまりないよなあ。
トップバッターの城山三郎は、『男子の本懐』のモデルになった
浜口雄幸をとりあげ、政治に死を賭した男を語っている。
松本清張は菊池寛をとりあげ、「小説家は人に好かれるべからず」
と語っている。菊池寛が人に好かれるような風貌でなかったことを
自分自身にも喩えているユーモアがなかなかいい。
山崎朋子の『サンダカン八番娼館』のモデル取材の話にはジーン
ときてしまった。山崎は実在のモデルと三週間も寝食をともにし、
心を通わせながら話を引き出している。
「…その生きる人生の過程において、いつでもかまわないから、人
それぞれのやり方において、自分よりも悲しみを抱いてる人々に対して、
人としてのそれなりの責任を果たせよ…」
こんなメッセージを浴びたら、やっぱ、「心に灯がつく」想いがする。
自身の波乱万丈な人生の吐露という点で圧巻なのは笹沢左保。
実の父親を殺そうとした後ろ暗い過去や、人妻と心中をはかったこと
など、ア然としてしまう。こういう男が、あの『木枯らし紋次郎』を
生んだのかと。
トリはやっぱ司馬遼太郎。
彼の講演録はおそらく20本以上読んでると思うが、どれをとっても
いい。出来うるならば、生前にその肉声を直に聞きたかった。
彼はリアリズムが大事だと一貫して言っている。
事実を捻じ曲げない、脚色しない、誇大化しない、過小化しない、
現実をしっかりと冷静に認識し、未来につなげていくこと、とくに
国家においてはそういうリアリズムがすごく大事だと。
仕事も同じだろう。
でも、個々の人生は、思い入れや勘違い、誇大妄想などがあった方が
悲喜こもごもとして面白くなるのだろうが…。
蛇足ながら―
本誌に収録されている石井妙子の『現代の家系第4回 堤一族を呪縛
する五人の女』もなかなか面白い。前に紹介したオノ・ヨーコの
シリーズ続編。
仕込み(取材)もいい、構成もいい、文章もいい。
きっと彼女の仕事は今後も注目されていくだろう。
2011.07.21:
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いろんなことが
暑い日が続くけど、いろんなことが去来するこのごろ。
まずは「なでしこジャパン」。
多くの日本人が朝から狂喜乱舞している。
オレも郊外の紅花畑で朗報を聞いた。
よくやった!あっぱれ!
池井戸潤が直木賞。
これもあっぱれ!
やっぱ見る眼があるねえ〜オレも。ナンチャッテ!
「残り1%に人生の意味がある」
先日、めったに観ないテレビをたまたま観ていたら、祇園祭りの
特集をやっていた。ちょうど山鉾巡行の前夜。
永らく町衆として親方を務めていた人が言った言葉に感動。
「人生の99%は日常生活や社会人としての生活。だけど、
残り1%は、祇園祭りで神と戯れ美意識を高めていく。
ここに人生の本当の意味があるのではないか」
京の町衆にもあっぱれ!
かたやオレ…
早くも夏バテ気味で先週末から夜の戦線も一時離脱中。
自転車も20kmでひいひい。
力強いなでしこに比べこの弱き男の情けなさ。
カ〜ツ!
File No.245
『「悲しき熱帯」の記憶』レヴィ=ストロースから50年
川田順造(中公文庫 800円)
オススメ度★★★☆☆
レヴィ=ストロースっていう名前を聞いたことがある人は多いだろう。
だけど、どんな人?
有名なフランスの社会人類学者さんなのよ。
オレも学生時代に目いっぱい背伸びして代表的著書を読んだ記憶が
あるが、中味は殆ど忘れかけていた。
確か『悲しき南回帰線』という書名だったと思うが。
この本の著者は、生前のレヴィ=ストロースに師事した学者で、
師が約50年前にサンパウロ大学に招聘されて、ブラジルの
先住民の調査を行った足跡をたどっていく。
著者も先住民ナンビクワラについて多くの紙面を割いている。
その習俗観察はなかなか面白い。
例えば、「きまり」のなさ。
ナンビクワラには決まった挨拶がない。食事や洗面、着替えなどの
決まりがない。
人間関係における儀礼性の欠如というのは、人と人とが原初的に
結ばれていて、そこには何ら緊張関係がないということだと
洞察している。
なるほど。
われわれは他人との関係性を良好にしようという気遣いから
挨拶という儀礼を踏むのかも知れない。
かく言うオレもアイサツがないヤツにムッとくることが
しばしばある。逆もある、かも知れない。
また、月や年の観念もないと言う。
だから人の年齢なんて殆どわからない。
あくまで「推定」らしい。
このことをつきつめていくと、「歴史」というものを必要としない
民族とも言えるかもしれない。
ポルトガルによる支配、近代まで続いた奴隷制、無尽蔵の資源と
乱開発、先住民の原初的習俗、政府の近代化政策のジレンマなどなど
をつぶさに観察しながら、著者は
「熱帯は今も悲しい」と言っている。
レヴィ=ストロースの歴史的名著『悲しき熱帯』の足跡を
約半世紀後にその弟子が辿った好著である。
好著ではあるが、内容はあまり一般的ではないので少々低評価。
でも、旅が好きな人や、民族学や人類学に興味のある人に
とっては、この上ない「ごちそう」のような本でもある。
2011.07.18:
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�狠唹羝予甅瓩發Π戝�
津軽三味線聞いていたらなんだか泣けてきた。
「ねぶた祭り」の映像を見ていたらまた泣けてきた。
なんでなんだ?
祭りで我を忘れてしまう「血」が今頃になって…?
年とって涙腺弱くなった…?
いやいや、そればかりじゃない。
今回の大震災のことで知らず知らずオレもグッときてたのだろう。
それが、津軽三味線の情念のような音色を聞き、ねぶた祭りの
熱に浮かされたような躍動を見て、
「人間の営みってそんなにヤワなもんじゃないぞ」
という想いが沸々とわき上がってきたのかも知れない。
そう、人間の魂の営みって素晴らしく、力強いもんなんだ!
File No.244
『鉄の骨』池井戸 潤(講談社 1800円)
オススメ度★★★★☆
ついこの間「池井戸潤三連発」をやったばかりだけど、
もうひとつの代表作である『鉄の骨』を読まないと片手落ち
のような感じがして、先日図書館から借りてきた。
一言で内容を言うなら「官製談合」の話。
「官製談合」ってよく新聞やテレビで耳にするけど、どういうこと?
という向きには格好の小説でもある。
主人公の富島平太は中堅ゼネコン一松組に入社して3年の若手社員。
建設現場の監督見習いをしていたのだが、ある日人事異動で本社
業務課へ。
この業務課というのが、別名「談合課」と言われる部署だった。
2000億円近い地下鉄工事の落札・受注を巡って、いろんな
人間の暗躍や駆け引きが始まる。
現実もこれとそうは遠くないだろうなあと思わせるほどリアル。
出てくる人間がちょっぴりキレイすぎるきらいはあるが、
まあ許容範囲。
平太の大学時代からの彼女である萌は、都市銀行である白水銀行の
為替係に勤めている。
お互いが違う世界でそれぞれ一人前になろうと必死になっている頃、
二人は微妙にすれ違ってくる。
自分の仕事のために顧客情報を教えてくれと迫る平太に、萌は
頑なに断るばかりか建設業界の旧弊をこっぴどく非難し、それに
染まっていく平太をも侮蔑する。
萌の心はだんだん同僚のエリート銀行員の方へ…。
酸いも辛いもわからず自分のことしか考えていない若い女性が、
意に沿わないながらも泥にまみれて必死に生きて行こうとする
男に何を言うか!と憤りを感じてしまう。
まあ、読者にそんな感情を抱かせるのも作者のワザなのだが。
でも萌は、最終的には賢くていい女だった。
それは読んでのお楽しみ。
さて、話の本筋である地下鉄工事にかかわる官製談合はどうなるか。
最後の最後に大ドンデン返しが待っている。
「えっ、そういうことだったの」
という感じと、
「本当の主人公は平太じゃなく、○○じゃないの」
ってな感じだったなあ。
談合はいけないこと。
でも、「必要悪」と言う人もいる。
悪いことだけど一人の力では変えられない、とも。
そういう言い訳をすることがすでにおかしい、とも。
そういう社会問題を、平太と萌というまだピュアな精神を持った
若手社員の目と行動を通じて考えさせてくれる好著である。
2011.07.06:
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晴輪雨読
前も書いたような気がするが、オレの場合、「晴耕雨読」ならぬ
「晴輪雨読」、とくにここ数年は。
「耕」の方も10年ぐらい前にはやった。
300坪もの畑を借りて、機械は何も持たず、ただひたすら
鍬とスコップを大地に穿ち続けた。
休日はもちろんのこと、平日でも早朝に畑に出掛けた。
今から考えると、まさに無謀の極み。
つまづき・その1
頃はちょうど今時分、雑草に悩まされていたオレは、嫌がる家族を
ひっぱって日がな1日草取りをした。きれいさっぱりに。
されど安堵は束の間。2週間後の畑はものの見事に雑草に浸食
されていた。脱力感…。
つまづき・その2
その惨状を見ていた地主が、
「地代はいいけど、荒らさないでだけくれよな」と。
グサッ!
そして決定打となった某氏の一言
「オマエ、そんな仕事してて300坪の畑やるなんてムリなんだよ。
やめて楽になれ。野菜は八百屋から買うもんだ。その方が安いぞ」
そんな仕事ってどんなんだよ、とか、買うより生産する喜びっつうもんが
あんじゃねえか、とか反論はいろいろあったが、まあ、ここらが
潮時かなと。
かくして夢の「ぶっくぶく農園」はわずか2年で閉園、以降、猫の額の
ような我が家の畑でさえ指一本たりとも触れていない。
我ながら潔い土との決別!?
File No.243
『おそめ』石井妙子(洋泉社 1800円)
オススメ度★★★★☆
今日こそ晴輪と思いきや朝から雨。止みそうにもない。
そんじゃあと雨読に切り替え、先日図書館から借りてきた
『おそめ』を読み始めた。
なんでこの本かというと、先日とりあげたオノ・ヨーコを書いたのが
この石井妙子という人で、構成・文章・展開ともに少し気に入った
ので、代表作も読んでみようと思ったワケ。
単行本で350頁もあるので、まあ2、3日かけてと思いつつ
読み進めていくと、面白くて止められず、結局最後まで一気に
読んじゃった。
若い頃は興が乗ると10時間以上もぶっ続けで本を読めたが、今と
なってはとてもとてもと気弱になっていたが、まだ多少はイケんじゃ
ないかと少しばかり自信を取り戻した。
「おそめ」こと上羽秀は京都の裕福な炭問屋に生まれた。
祖父に溺愛されて育つが、嫁である母親が過酷なまでの苛めと冷遇
に耐えかねて娘二人を連れて婚家から出奔する。
貧しいながらも母の寵愛を一身に受けて育った秀は、小学校を
卒業するとすぐ上京し、新橋で芸者修業をする。
やがて京都・祇園に戻り芸妓として花柳界にデビューし、ほどなく
当代一の売れっ子となる。
やがて、実業界の大物に落籍される。
何不自由ない暮らしだったが、秀は旦那に愛情を注げない。
そんな時、ダンスホールで生涯の伴侶となる俊藤浩滋と運命的な
出会いをする。
秀は木屋町にバー「おそめ」を開き、東京・銀座にも店を持ち、
京都と東京を飛行機で往復する「空飛ぶマダム」と言われ、
川口松太郎の『夜の蝶』のモデルともなった。
銀座ナンバー1になってからほどなく凋落が始まる…。
ざっとこんなストーリーなのだが、一貫して読者を惹きつけて
止まないのは、秀の容姿・容貌・性格・雰囲気の不思議なまでの
魅力である。
著者は片時もそこを外さない。
もちろん秀という女を見たことも会ったこともないが、本を読んで
写真を見てると、オレだってなんとかこういう店に行けるよう
がんばらなくちゃ、と思ってしまうだろう。
秀は溺愛されたり庇護されたりして育ったせいか、金銭感覚には
まるで疎かったようだ。何を買うにも釣銭はもらわない、人には
気前よくチップをはずむ、金はあるだけ使う…、いわば「宵越しの
金は持たない」キップの良さがあった。
「お金いうもんは手元に置いといたらあかんのや。すぐに流して
やらんと。流してあげたら、また流れてくるのやから」
そういうこと!
預金通帳を見て密かにほくそ笑んでいるようでは、なんも面白い
ドラマは始まらない。
ってなことをぬかして、小遣いの大幅増額を迫ってみたら、
愚妻の顔がみるみる鬼のような形相になり、10発以上もケリを
入れられた。
「ニンマリするようなお金どこにあんのよっ!まずタバコ止めなさいよ、
タバコっ!」
またまた犬も食わない愚妻ネタになってしまったが、オレは
彼女を通して、世間の女性の常識というものを学習しようとしている
ワケで…、まあ生涯わからんかもしれないが…。
さてこの本、男性でも充分面白い。女性ならもっと面白い。
エライ人の伝記や立志伝もいいが、こういう市井の人々にも
波乱万丈・数奇な人生があるんだ、ということをこの本は教えて
くれる。
蛇足ながら、秀の情人・俊藤浩滋の前妻との次女・純子は、ひょっと
してあの大女優の?と思ったら案の定。
ストーリーは少しばらしたが、この本の魅力がいささかも殺がれる
ことはない。
バー「おそめ」のカウンターで、はんなりしたマダムから、訥々と
半生の来し方を聴いているような趣だ。
2011.06.26:
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恨めしい雨空
今週は雨・雨・雨だったなあ。
雨の日も嫌いじゃないけど、こう続くと欲求不満気味。
今日も「合同練習日」だったんだけど、ポツポツと
煮え切らないような小雨が降り続いていて、ついに断念。
VB�靴韮横娃襭軈�るのはちょいとツラい。
さらにカッパ着てまではナァ…。
てなワケで仕方なくミーティングと相成ったけど、
やっぱり、いまいち盛り上がらんなあ〜。
File No.242
『大人の流儀』伊集院 静(講談社 933円)
オススメ度★★☆☆☆
オレ、エッセイみたいなのは余り好んでは読まない。
週刊誌や月刊誌に連載されたものを編んだ「グリコ本」も余り
好きではない。
伊集院静という作家の作品もまともに読んだことがない。
この三つに全部当てはまるこの本をなんで買ったんだろう。
それは、カバーの著者の面構えが良かったのと、こういう男の
硬派な考えをちょっとばかり知りたくなったから。
その「ねらい」は、あながち外れではなかった。
「町内、同じ地域、知り合いの店で買い物することは損得だけで
選択してはいけないのではないか。共生ということは大切なものだと
私は考える」
「人間一人が、この世を生き抜いていこうとすると、他人には
話せぬ事情をかかえるものだ。他人のかかえる事情は、当人以外の
人には想像がつかぬものがあると私は考えている」
「�狄��瓩亡悗靴討蓮△い�なる名文家が書いても、そこには卑しさが
つきまとう。�猊�装�瓩泙燭廊爐�洒落�瓩砲弔い峠颪�と、軽薄さが
漂う」
などなど、共感・同感するところが多い。
また、「人生というものは総じて割には合わないものだ。そういう
ことを平然と受け入れて生きるのが大人の男というものだ」
その通り!
最近つくづくそう感じる。
話したりしていると、そういうことは大体わかるもんだ。
オレ?
自分では「大人の男」だと思ってんだけど、まだまだかなあ。
著者も書いてるけど、
「目を覚ましたら常夏の島で若い美女たちに囲まれていて、
長い眠りでしたね、なんて言われて…」
みたいな妄想をいっぱ〜い描いてるもんなあ〜。
以前ほどではないにしろ、まだ食い物にちょっと執着あるしなあ〜。
割に合わないことがあると顔に出たりするからなあ〜。
「大人の男」への道はもう少しあるのかも知れない。
で、この本、巻末に思いがけない文が載っている。
それは、彼の妻だった夏目雅子との出会いから死別までを初めて
明かしたもの。
淡々と綴っているだけに涙が滲んでくるようだ。
ここを読むだけでも、この本の価値はありそうだ。
内容としては四つ★クラスなんだが、やっぱ作家は「作品」だけで
勝負するものという意固地な考えがあって…。
2011.06.25:
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ほぼ1年ぶりに!
昨年5月30日の「桧原湖サイクリング大会」以来、自転車の
大会に出ていない。
秋に参戦予定だった「ツールドラフランス」は結婚式のため出られず、
5月の「桧原湖―」は震災で延期、思い切って行こうと思っていた
富良野大会も意欲が萎んでしまい…。
大会に出ることが目的ではないのだが、何だか張り合いがない。
そしたら、先日、北塩原村の方がやってきて、
「クライムヒルやりますからよろしく」とのこと。
オレはすかさず、「桧原湖はやるんですか?」と聞いたら、
「7月にやりますよお」だって。
これは絶対出るしかない。
山ひとつ隔てただけの隣町だもん、一緒に元気になってもらわなきゃ、
なんてもっともらしい理由をつけてチーム全員での参加となる見込み。
オレにとっちゃ、ほぼ一年ぶり。
こりゃ楽しみだなあ。
練習もしなきゃなあ、と思いつつ天気予報を見ると、雨マークの連続…。
まあ、いつかは晴れるでしょ!
File No.240
『日本人の誇り』藤原正彦(文春新書 780円)
オススメ度★★★★☆
少し間が空いたので、今回は2つ連発といきたい。
この本の著者・藤原正彦は、言わずと知れたあの大ベストセラー
『国家の品格』の著者でもある。
この本は4月20日に出されたばかりだが、すでにあちこちで
ランクインしており、またまたベストセラーへの道を歩み始めて
いるようだ。
今回の著書は、前作以上にアツい。
中味は「日本論」というより、日本の近現代史といった趣が強い。
もともと多くの美徳を持つ日本が、欧米の帝国主義の脅威にさらされ、
如何に誤った道を進んでしまい、美徳を失ってしまったかを検証
するとともに、その美徳を取り戻すことが日本再生の道であると
アツく説く。
その美徳あふれる日本文明とは、
「個より公、金より徳、競争より和、主張するより察する、惻隠や
もののあわれなどを美しいと感ずる我が文明は、貧しくともみな
幸せそうという、古今未曾有の社会をつくった文明なのです」と。
その「誇り」を回復するためには、
1.戦勝国の復讐劇にすぎない東京裁判の断固たる否定
2.日本人による日本人のための憲法を作り上げること
3.自らの国を自らで守ることを決意し実行すること
の三つだと言っている。
この東京裁判の断固たる否定のために歴史的記述が少し長く
なったようだが、「100年戦争」という括りの中で、日本が
翻弄されてきたことや、外交上の失策、大敗北、しかし大殊勲も
もたらしたことなどが述べられており、なかなか興味深い。
これを読むと、オレたちも論理性・合理性・市場主義など、
本来の日本人には余りなかった価値観に必要以上に浸食されて
しまっていることに気付かされる。
しかし、知識人と自称する人や、分別が付かない(≒恥を知らない)
若者などがとうとうとのたまう薄っぺらな合理・効率至上主義のような
理屈にウンザリさせられ、あつき情と行動力を持った人間に共感を
覚えるというのは、ひょっとして日本人として正常な感覚なのかも
知れないなあ。
論ずるより察する惻隠の情。
オレもかくありたいものだ。
いずれにしても、こういう本が100万部ぐらいのベストセラーに
なれば、日本もオレたちも、まだまだ捨てたもんじゃない、という
ことかな。
File No.241
『98歳伝説の灘校教師 奇跡の授業』」
(週刊ポスト2011年6月24日号 380円)
オススメ度★★★☆☆
おいおい、今度は週刊誌かよ、と思われるかも知れないが、
どっこい、バカにしたもんじゃない。
週刊誌はラーメン屋でパラパラ眺めるものとオレ自身も思っていて、
自ら買うのは年に数冊程度。
今回も、まったくのハズミでコンビニで買ってしまったもの。
グラビアの井上和香が目当てだったわけでは決してない。
なんだか、あえて否定するとかえって不自然ではあるが。
否定するというと、家庭や職場でいろんな疑惑の眼にさらされていて…。
いちいち真顔で否定するのもバカらしく、憮然としているのも
癪にさわり、怒鳴り返すのも大人げなく、ブン殴ると取り返しが
つかなくなるし…、ストレスが溜まる。
つい先ごろも家人に
「5000円ちょろまがしたべ」と言われ、
「それでクールビズシャツ買ったんだ」と言っても、
「うそ!ないじゃん」
(あれ?どこやったんだっけ…)
「ほ〜ら。返してよっ!」
(むぐっ〜、クソお〜)
天にまします神に誓ってオレの信条は「李下に冠を正さず」。
誤解されやすい風貌・風体なのかも知れないが、心はいたって直なのよ、
と自分で言ってどーすんの!
で、何の話だっけ?
まあ、とにかく読んでみてよ。
公立高校のスベリ止めぐらいの程度だった灘校を東大合格日本一の
名門にしたのは、こういう伝説のような教師がいたからなのかも
知れない。
ひとつの短編小説をテキストにして1年間ずっとそれを読みながら
いろんなことを検証・実験・追体験・派生させていく授業は、
多分生徒もすごく面白かっただろう。
誌上にその一部が再現されているが、
「ナルホド、これは面白くて深みにハマるわ」と感じた。
こういう授業を受ければオレも…、なんて夢にも思わないが、
今よりもう少し思考が深くなり、世の中のことがもっと面白く
感じられたのではないかとは、ちょっぴり思う。
2011.06.22:
ycci
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中年よ、もっと大志をいだけ
昨日、密かな願いがかなってひとりニンマリ。
というのは、手作りの皮・行者ニンニク・石垣島ラー油で
餃子を食べてみたかったのよ。
中でも石垣島ラー油は入手困難らしく、今まで口にできなかった。
それが、数週間前に思いがけず知人からいただいて、思わずカンゲキ。
そして昨日、これもひょんなことから行者ニンニクを入手して…。
3点のうち2点がそろえばもうこれはやるっきゃない、というか
やってもらうっきゃない、とばかりにシブる家人をなだめ・すかし・
おだてながら、ようやっとありついた。
うんまいなあ〜。
でも、われながら望みが小さすぎるかなあ〜。
食べ物より大事なことがあんだろっ!
人はパンのみに生きるにあらず!
中年よ、もっと大志をいだけ!
と、自らを叱咤して…、あとは満足して寝たっ。
(なんだこりゃ)
File No.239
『わが人生の歌がたり』五木寛之(角川文庫 590円)
オススメ度★☆☆☆☆
なんで★ひとつの本なんか紹介すんのよ?と思われそうだが、
これは決して中身が面白くないから、というわけではない。
この本には、昭和初期から終戦直後ぐらいまでの歌謡曲を中心にした
50曲の歌(歌詞)が収録されていて、その時々の時代の雰囲気や
著者の想いを重ね合わせている。
みんなも憶えがあるでしょ。
あの時、あんな歌が流れていたなあ〜と。
おれもいくつかある。
亡父が忘年会で披露するために毎晩お風呂で歌っていた「星影のワルツ」。
中学生の時、友人宅で初めて聴いてブッとんだビートルズの
「マジカル・ミステリー・ツアー」。
山陰の寂しい街の商店街で流れていた「秋止符」。
初めてのコンサートで肌が粟立った「銀の指輪」。
雨にけぶる柴又で流れていた「矢切りの渡し」。
何となく寂しいという気持ちがわかったような「愛の休日」。
行ったこともない南国に憧れた「ブルーハワイ」。
試合の前の日に何度も聞かされた「柔」と「王将」。
田舎者がいっぱしの都会気分に浸った「愛はきらめきの中に」。
カラオケなるもので初めて聴いた熟女の「抱擁」。
などなど…。
その時々の思い出とともに甦ってきて懐かしい、というか気恥ずかしい。
しかし…、
この本に収録されている曲、ほとんど知らないのよオレ。
数曲は聴いたことがあるけど、フルラインは歌えない。
つまり時代が違うんだね。
だって、五木寛之はオレの親世代ぐらいだから、トーゼンと言えば
当然のことなのだが。
これが、同世代ぐらいだったら、もっともっと感情移入できたかも。
でも、さすがは五木寛之、いいこと言ってる。
「流行歌というのは、悲しみの中で生きてきた人たちの鎮魂歌の
役割も果たしている…みんなが軽く捉えがちな流行歌だが、万感の
思いを託して歌ってきた、日本の庶民の歴史もある。流行り歌は
ばかにはできない」と。
また、
「流行歌は優れた表現であると肩肘張って言う気はないが、実際に
さまざまな苦境の中で、歌を口ずさみながら生き抜いてきた人間に
とっては、音楽的にレベルが低いかどうかは無意味なこと。
片片たる歌にさえ人間は支えられるものだという実感がある」
そう、そのとおり。
カラオケもウマいヘタじゃなくて、ココロなんだ。
(言い訳じみてるが)
でもね、半強制的に人の歌を聴かされるのも少々苦痛だね。
半強制的に歌わされるのもイヤだけど。
自然がいちばん、ってこと。
歌いたくなったら歌えばいいじゃない、ということかな。
それこそがソウル!
2011.06.13:
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汗が止まらない
オレは無類の大汗かき。
体型見ればわかるって?
いやいや、体重60kgの若きころからそういう体質。
社会人1年目の夏、「金一封」のボーナスではエアコン
なんか夢のまた夢。
ビール飲んでも涼しく感じるのは一瞬だけ。
あとは滝のような大汗まみれ。
そこで一計を講じて、上下タオルケットに挟まれて寝ることにした。
もちろんスッポンポンで。
これが快適「タオルケット・サンド」作戦。
中の具はロースカツ!?
だからっ、昔からロースカツじゃなかったんだって!
File No.238
『オノ・ヨーコ 安田財閥の血と芸術の血』
石井妙子(文芸春秋2011年6月号 860円)
オススメ度★★★☆☆
オノ・ヨーコというと、元ビートルズの中心メンバーだった
ジョン・レノンの未亡人であることは広く知られている。
が、それ以上のことを知っている人はあまり多くはないだろう。
オレもそう。
ジョンには興味があるが、オノ・ヨーコはなんだか得体が知れないし、
関心も殆どなかった。
ところが、ついこの間、大震災直後に彼女が祖国日本に発した
メッセージを聞いて「おっ」って思った。
そしてこの本(月刊誌の連載「現代の家系」シリーズ第3回)を
読んで、「へえ〜、彼女ってそういう人なのか」って初めて知った。
彼女は前衛芸術家にして平和運動家。
日本名は小野洋子。
齢78歳というから、オレたちの母親ぐらいの世代である。
彼女の祖父は安田財閥の始祖である安田善次郎。
そして、その係累には、財界人はもとより、芸術家も多い。
表題にもあるように、財閥の血と芸術家の血をひいているのが
オノ・ヨーコなのである。
もちろん彼女は裕福なお嬢様育ち。
その彼女が、どんな遍歴を経てジョンと結ばれ、自身の芸術活動や
平和運動に取り組んでいったかが、この本の粋であり、読みどころ
でもある。
一つだけ。
彼女の曾祖母小野嘉輿(かよ)は、戊辰戦争の時、血の海が広がる
二本松城で弟と二人だけ生き残った。
母方の祖父安田善次郎はテロリストに刺され息絶えた。
そして最愛の夫ジョンは凶弾に倒れた。
ミッション(使命)に生きるゆえの悲劇が付き纏っている…。
蛇足ながら、「文芸春秋」2011年6月号は、他にも、「震災・津波・
被曝の証言」や「放射能30問30答」などなど好企画が多く、
オススメの一冊である。
(もう本屋さんには7月号が並んでるかも知れないが)
2011.06.12:
ycci
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