ぶっくぶくの部屋
ぶっくぶくの部屋
ログイン
メモ
絶不調の正月
年明け早々から絶不調に陥っている。
最大の原因は「禁煙」。
今年こそと思い立ち、除夜の鐘を境に完全禁煙に踏み切ったオレ。
1日の日中ぐらいまではなんともなかったが、夜になって
間断のない目眩におそわれてクラクラ。
あまり熟睡できないままに今日に至っている。
その上に襲われたPCの故障。
あるファイルが損傷したとか何とかでWindowsが開かない。
T君、早々のメンテ頼むよ〜。
「禁煙」は、「減煙」から始めることにして…。
とりあえずは、歩み出さなきゃなあ。
File No.204
『グラミン銀行を知っていますか』坪井ひろみ(東洋経済新報社 1800円)
オススメ度★★★☆☆
年末年始に読む本の候補が10冊もあるのに、知人の方々から
5冊ほどの貸与を受けた。
ひえ〜、こんなに読めない。
ましてや、体調・環境とも絶不調。
案の定、予定の3分の1も読めず、正月休みも明日で最終日。
もちろん、長編にチャレンジする予定もパー。
まあまあ、気を取り直して一冊ずつ。
マイクロクレジットという話題は聞いたことはあるが、その
代表的事例とされる「グラミン銀行」の仕組みは初めて知った。
場所は、世界でも貧困の部類に入るバングラデシュ。
大学教授だったムハマド・ユヌス博士が、貧困にあえぐ人々の
実態を目の当たりにして、机上の経済理論よりも、生きた経済政策
をとの思いで立ち上げたのがグラミン銀行。
その概要は、貧しい人々(とくに女性)に対し、少額の融資を
無担保・無保証で行い、自立支援(貧困からの脱出)をしていく
というもの。
女性の社会進出が極端に遅れ、その立場も低い同国にあっては、
この制度は画期的で、徐々に効果をあらわし始めたようだ。
この本は、バングラデシュの女性の生活紹介としても読めると
書いているように、国が違えば様相も全く違うということを
つくづく感じる。
そのひとつが「児童婚」。
この国の女性の平均初婚年齢は、20世紀中頃で15歳前後。
10歳未満で結婚を強制される事例もあったとか。
結婚しても女性の生活は殆ど男性に依存しているものだった
ようだが、働く意欲そのものがなかったワケではない。
事実、この制度のお陰で、女性が望む「なれること」「できること」
が現実的になってきているレポートも多く報告されている。
一口に無担保無保証と言っても、そんなに単純な仕組みではない。
初期の頃は、数人のグループ制をしいて、連帯責任・連座制を
とったり、週1回の集会への出席を義務付け、金融に関する
啓蒙・教育を行ったりと、これはひとつの融資制度というより、
脱貧困の社会福祉制度といった方が良いかもしれない。
確かに素晴らしいシステムなのだが、問題点や陰の部分もあるハズ。
そこへの取材・言及が殆どないというのが、そんぴん者のオレ
としては物足りない。
物事は功罪・陰陽を描いて、はじめて立体的に見えるのでは
ないだろうか…。
2011.01.02:
ycci
:
コメント(0)
:[
メモ
/
コンテンツ
]
腑に落ちない
前回は、映画『最後の忠臣蔵』を褒めちぎったオレ。
しかし、実は腑に落ちないことがあって…。
それは、全編を通じて随所に織り込まれている人形浄瑠璃。
たぶん近松の「曽根崎心中」で、いわゆる道行きと言われる作品。
禁断の恋情と死を表現しようとしたのかも知れないが、
いまいちシックリこない。
というより、製作者には悪いが、オレは違和感しか感じなかった。
人形浄瑠璃ぬきに淡々と表現した方が、より好もしかった
のになあ。
だいぶ以前になるけど、宇崎竜童と梶芽衣子が共演した
『曽根崎心中』はなかなか良かった。
感性とか、センスとかは人それぞれだから何とも言えんけど。
File No.203
『江の生涯』福田千鶴(中公新書 800円)
オススメ度★★☆☆☆
来年のNHK大河ドラマは『江』(ごう)。
1年を通じてまたカブリツキで観るであろう家人に、博学なところを
みせ、少しでも尊敬の眼差しを向けさせようという、きわめて
姑息な動機でこの本を買い求めた。
(だいたい聞いてなどいないようだが…)
本当は原作を買う予定だったのが、上・中・下の三分冊になって
いたので、とりあえず手頃な新書にしてしまった。
今から思えば、小説を読んだ方が良かったかもしれない。
この新書、確かに手頃なボリュームではあるが、中身は純然たる
歴史学者による史料を元にした入門的歴史書である。
一般人であるオレには、かなり読みづらかった。
史料の原文引用が多く出てくるのと、人間(婚姻・姻戚)関係が
複雑でよくわからないところがあり、何度か中途で投げ出そうか
とまで思った。
でも、ひとつひとつ完璧に理解しながらでなくても、「江」の
人間像がつかめれば、という思いで最後まで何とか読み通した。
正直言って、「江」という女性の存在は知っていたが、どんな
生涯を送ったのかは、殆ど知らなかった。
「江」は、戦国大名の浅井長政と、織田信長の妹・市の三女として
生まれた。長女は、後に秀吉の室となり、子の秀頼とともに
大阪城で自害する茶々である。
父・浅井長政は信長に攻められ、小谷城で自害。母・市は柴田勝家
に再嫁した後、秀吉に攻められ、越前北の庄で自害。
「江」自身も、三度目の結婚で二代将軍となる徳川秀忠に嫁し、
三代将軍家光の生母となる。
が、しかし…。
著者は、様々な史料を検討しながら、家光の生母は「江」では
なかったことを解き明かしていく。
この本の読みどころのひとつである。
自分の腹を痛めた実子(いわゆる嫡子)・忠長は家光より後に生まれた
ため、将軍継嗣になれず、父母の死後、「凶暴」との理由で自害させ
られてしまう。
父・母・姉・実子がいずれも自害という苛酷な運命を受容しながら、
一大転換期の荒波の中を生き抜き、ついには、武士統治時代の
トップレデイーとも言うべき「将軍御台所」「大御台所」にまで
上り詰める。
大河ドラマには格好の素材だろう。
しかし、著者も書いているように、「江」に関する史料は極端に
少なく、その実像に迫るには、さらなる新史料の発掘に待たねば
ならないという。
ドラマ自体も、あまり現代風な脚色を付けすぎないことを望みたい。
たぶんオレは観ないと思うけど…。
蛇足ながら、中学生以来「紅白」も観ていない。
まあ、フトンかぶって落語でも聞くとするか。
今年もあと残り5時間ほど。
ともに回生の祈りを込めて、日本人らしく粛とした心持ちで
新年を迎えたい。
2010.12.31:
ycci
:
コメント(0)
:[
メモ
/
コンテンツ
]
今年も貢献したかな?
今年もいよいよ残り一日となった。
当然のことながらカレンダーや手帳も代わる。
過去の手帳なんて余り見返すこともないのだが、
手元にたまたまあったので、パラパラと繰ってみた。
いつものことながら飲み会が多いなあ。
いったい一年で何回あったんだろうと、
ざっと数えてみたらまあ200日前後というところ…。
ということは、一週間に4日のペースかあ。
自ら進んで飲むほど強くも好きでもないオレにしてこの頻度。
今年も、少しは地元のお店に貢献できたかな?
File No.202
『最後の忠臣蔵』池宮彰一郎(角川文庫 590円)
オススメ度★★★★☆
昨晩、レイトショーで『最後の忠臣蔵』を観てきた。
面白かったあ!
『十三人の刺客』、『ヤマト』と、オレにとってはやや食い足りない
映画が続いたせいか、今回はとくに良く感じた。
これぞ武士!
『たそがれ清兵衛』も良かったけど、それを凌ぐかも知れない。
オレはあんまり泣かない方なんだけど、滂沱と溢れる涙を
拭いながらの観賞となった。
で、さっそく買い置きしていた池宮の原作を読み始めた。
これもなかなかいい。
原作は、忠臣蔵を主題にした連作四篇を収録している。
いずれも主人公は寺坂吉右衛門。
足軽身分の寺坂は、吉良邸討ち入りの四十七士の一人でありながら、
大石内蔵助の命により、一人だけ自首から逃れ、後世への正確な
伝聞と、遺された家族たちのケアを託される。
生き延びた卑怯者との悪評を浴びながら、また、公儀や刺客の影に
怯えながらも、命に忠実に従い、武士としての本分を尽くそうとする
姿は感動的である。
連作の三作目『命なりけり』では、赤穂藩ゆかりの者たちが深慮遠謀
をめぐらし、寺坂を自首させている。
旧赤穂藩士たちと公儀の闘いは、将軍側用人として権勢をふるった
柳沢吉保をめぐる政争の様相にまで発展し、ついには、大赦令に
よって終結する。
旅から旅へと諸国行脚をしてきた寺坂が終の棲家にしようとした
女は…。切ない結末が待っている。
そして圧巻は、連作最終編の『最後の忠臣蔵』。
映画の原作となった物語である。
映画と原作は若干の相違はあるものの、最終盤には切なくも感動的な
ラストシーンが待っている。
映画も原作も、この年末年始のいちおし!
『忠臣蔵』というと、ここ米沢では忌み嫌う人もいると聞くが、
原作中、上杉武士は武勇を誇る者たちとして描かれており、
山吉新八郎も忠義の士として登場してくるので、少しばかり
溜飲を下げるだろう。
2010.12.30:
ycci
:
コメント(0)
:[
メモ
/
コンテンツ
]
迷っているうちに
いよいよ今年の大詰め。
年末年始はいつも読書三昧。
数年前から、ふだんは余り読めない長編にも挑戦している。
今回は何読もうかなあと、候補を並べてみたら10数冊も
あった。
全部はとっても無理だけど、何から読もうかなあ〜、
と考えているうちに数日経ってしまって…。
でも、読む本を選ぶのもまた楽しいことなのよ、オレにとっては。
File No.201
『畸人巡礼 怪人礼讚』佐野眞一(毎日新聞社 1500円)
オススメ度★★★★☆
何を隠そう、エコポイントで買った本の一冊がこれ。
以前読んだ『新忘れられた日本人』のパート�兇砲覆辰討い襦�
取り上げられている人物の数およそ40人ほど。
思わずホントかよ〜、という人ばかり。
まさに、畸人・怪人にふさわしい顔ぶれだ。
「村西とおる」って懐かしいなあ。
覚えがある人もいると思うけど、一世を風靡したAVの帝王。
高級クラブのような豪華な家に、人気AV女優たちとハーレム
のような生活を送っていた奇妙奇天烈な人物。
村西はもともと貧家の出身で、金持ちになりたいという願いと
天性の商才が、彼をスターダム?に押し上げた。
その前半生の履歴は凄まじい。
今はナニしてるのかなあ。
「谷口雅男」もとびっきりの奇人だ。
広島県三原市に、40万冊もの文庫本を商っている「ふるほん
文庫やさん」のオーナーである。
谷口の高校卒業後の人生も凄まじい。
転居50回、転職30回、結婚・離婚各2回を40歳前に経験
している。
そのあとに一大転機が訪れる。
文庫本を1日1冊という乱読。
そして、日本一の品揃えと言われる八重洲ブックセンターの
文庫本10万冊を抜いて、11万冊で開業。
オレも本に囲まれた生活ってキライじゃないけど、これほどに
なると、もはや常軌を逸している。
「鈴木惣太郎」は、「真の日本プロ野球の父」として紹介されている。
これを読むまで、オレは正力松太郎が一番の功労者だと思っていた。
が、違うんだなあホントは。
記録には残らずひっそりと消えていった人々の中に、実は偉大な
仕事を成し遂げた人がいる。
そういうのって、こういう本を読まないとわからない。
もっと言えば、そういう人を追いかけ、丹念に調べて陽を
あてる人がいないと、埋もれたままになる。
驚きと、呆れ、面白み、哀歓…、様々な思いを与えてくれる好著
でもある。
2010.12.26:
ycci
:
コメント(0)
:[
メモ
/
コンテンツ
]
祝・200回記念五つ★披露!
今日でぶっくぶくがちょうど200回目。
100回目が昨年12月20日のことだから、
1年で100冊、およそ3〜4日に1冊というペース
になる。
多いんだか少ないんだかよくわからないが、以前から
比べれば確実にペースダウンしている。
そして、難しそうな本にチャレンジしなくなり、
「面白さ」に重点を置いた選定になっている。
社会人になって10数年間は小説なんてほとんど読まなかった
のが、ある時から突然推理小説にハマり、松本清張全集を購入。
次いで時代小説・歴史小説とマイブームは移っていき、
ついに60数巻に及ぶ司馬遼太郎全集を買うという、
自分自身の経済力からすれば暴挙としか言えないような
投資もしてしまった。
読んでない本もまだまだあるし、これから自分の興味関心が
どこに向かうのかも楽しみだし、読書の妙味は一生続いて
いくのだろう。
このぶっくぶくも一生は無理だが、まあ、自分で飽きない
うちは続けたい。
でも、飽きっぽいからなあ、オレ…。
File No.200
『隠された十字架 -法隆寺論-』梅原 猛(新潮社 1300円)
オススメ度★★★★★
言ってみれば、マイベストブック10にランクインする一冊。
これを初めて読んだのはいつ頃だったのだろうかと、本の奥付
を見てみたら、「昭和53年8月30日35刷」とあった。
ん〜、新品で買った憶えがあるから、たぶん学生の頃だろう。
それから5、6回引越しをしていて、その度に本を処分して
きたのだが、この本はずうっと我が家の本棚で生き延びている。
そして、この本を読んでから、法隆寺にいく度か足を運ぶように
なり、あの荘厳で端然とした独特な空間に魅せられていった。
この本をおそらくオレは徹夜で一気に読んだ憶えがあるが、
今見ると、字が小さくびっしりで、とてもとても…。
読みきるのに4、5日かかるんじゃないかとおもわせるほどだ。
一気に読んだというのは、もちろん、すっごく面白くて
止められなかったからに他ならない。
寝食をも忘れる面白さとはこのことか、と初めて体感した
憶えもある。
著者の梅原猛は有名な哲学者。歴史学者ではない。
だからこそ、法隆寺のナゾ解明に独特のアプローチを試みる
ことができたのだろう。
この本は、数ある法隆寺のナゾに、史料の再検討や哲学的洞察
などを通じて迫る、いわば学術的歴史推理物といった趣がある。
いや、フツーの推理小説よりは、格段に深く、面白い。
数あるナゾの中でも、極めつけは中門の柱。
法隆寺に入る中門は、5本の柱で構築されている。
奇数の5本ということは、人が出入りする真ん中に柱が
立っているということ。
他にはあまり見られないこの様式には、思わずのけぞるような
著者の答えが待っている。
今、その部分を読んでみても、背筋がゾクゾクしてきてしまう。
答えはあえて書かないが、ヒントは祭りにある。
例えば、京都の祇園祭り。
そのクライマックスは、天高く鉾をあげた山鉾巡行。
ナゼ、山鉾を天にあげるのか。
それは、天にいる疫病神を突き落とすことが始まりと言われている。
昔の人は、非業の死にたおれた人の怨念を恐れ、鎮魂ということを
大事に考えていたのだろう。
法隆寺中門の5本柱のキーワードも鎮魂である。
誰が誰をどんな理由で…、というのが、この本のクライマックス。
著者の新説が史学界でどんな評価をされているのかは知らない。
学者でもないし、そんなことは余り関係ない。
大事なことは、これまで常識と思われていたことを無条件に
受け入れず、先入観を持たずに物事を見つめていかなければ
創造なんてできない、ということ。
時代を切り拓き、新しい創造主となるような人は、かくあらねば
ならぬ、ということなのか。
オレも多分、この本を読んだ頃は、そういう青雲の志に燃えて
いたのだろうが、自分の能力のタカがわかってくるにつれ、
「分相応の」とか「身の丈にあった」、「常識的に」などという
考えが占めるようになってきた。
それが大人になる、ということだったら、少し寂しいなあ…。
2010.12.19:
ycci
:
コメント(0)
:[
メモ
/
コンテンツ
]
乗り切れるか?
この時期はとくにそうだが、連夜の酒席登板が続く。
週末ともなると、週初めに誰とどこで飲んだのか
忘れてしまうことがある。ちょっとヤバイかも。
そして最近は忘れ物や紛失がやたら多い。
少し前に携帯と手帳失くしてかなりアオかった。
今週はコート。
前夜の飲み屋さんで忘れたとばっかり思ってて、次の日
行ったら、
「なに言ってるんだか。着せてあげたじゃない」と言われ
思わず「へっ?」。
家に帰ったら確かにちゃんとある。
大丈夫かオレ?
こんなんで年末乗り切れんのかあ!
File No.199
『かたみ歌』朱川湊人(新潮文庫 438円)
オススメ度★★★★☆
この本も売れてるらしい。
全部で7編が収録されているが、いずれも舞台設定は同じ。
都電沿線の下町。
空襲で焼け残った古い家屋や店が建ち並ぶ街。
古色蒼然たるアーケードの「アカシア商店街」。
いつも「アカシアの雨がやむとき」が流れているレコード店。
いかめしい老店主がいる古本屋「幸子書房」。
あの世とつながっていると言われている「覚智寺」。
そういう舞台設定で、少し不思議で切ない物語が繰り広げ
られていく。
目の覚めるような感動はないが、何だかほんのりとした雰囲気に
つつまれながら、固い核心を常に意識させるような魅力を
感じてしまう。
著者の力量が相当なものであることの証かもしれない。
世の中には、決して見えないものや、不思議なわからないことが
あるんだということを知るだけで、心が深くなるような気がする。
早稲田の斎藤投手(ハンカチ王子)の名文句
「何か持ってる」がウケるのも、きっと同じゆえんなのかもしれない。
あえてストーリーは書かない。
年末年始に楽しむ本としては、オススメの1冊だと思う。
さてさて、いよいよ次回は200回記念。
マイベストぶっくぶくの1冊をご紹介するので、乞うご期待。
2010.12.17:
ycci
:
コメント(0)
:[
メモ
/
コンテンツ
]
熱しやすい人は要注意
身辺の整理・清掃にも疲れて、飽きてきたので、
映画を観て気分転換することにした。
何観ようかなあ、と考えていたら、先日のことを
想い出した。
知人某氏から電話をいただいて、
「ヤマト観てきたけどサイコーだった!」と少し興奮気味。
それじゃあ、ということで「ヤマト」を観ることにした。
さぞや満員と思いきや、休日にもかかわらず観客は
20人足らず…。
観終わったら、ん〜、確かにCGはスゴイし、キャストも
そうそうたる顔ぶれなんだが、50代以上のペアで観るには???
そう言えば、電話をいただいた某氏は熱しやすいタイプ。
こよなく愛すべき人であり、尊敬すべき人なんだけど、
映画評だけは割り引いて受け止めた方がいいかもなあ。
File No.198
『国家の命運』薮中三十二(新潮新書 680円)
オススメ度★★★★☆
この本売れているらしい。
このところ、国家間の確執や思惑などが顕在化するような出来事が
頻発しているせいだろうか。
そして、この著者の顔、北朝鮮による拉致問題がピークの頃、
よくテレビで観たよなあ。
それもそのはず、この著者は元外務省でアジア大洋州局長から
事務次官まで上り詰めた方。
組織を辞めた人が、世間に知られていないような内実や内輪の
醜聞などを吐露する暴露本がいつのころからかジャンルのひとつ
になってしまい、外務省もその対象外ではなくなっている。
しかし、この本は暴露本のような類ではなく、自身が経験した
外交交渉の実例を出しながら、日本はどのような外交政策を
持つべきなのかを率直に書いている。
まさに『国家の命運』というタイトルにふさわしい、元外務事務次官
によるきわめてまっとうな外交論になっている。
たとえば、湾岸戦争終結時の「Thank You広告」の一件。
オレも寡聞にして知らなかったが、クェート政府がイラクの侵攻から
救ってくれたお礼広告をニューヨークタイムズに出したのだが、
お礼先の50余りの国々の中に日本が入ってなかったというのだ。
日本円にして1兆5千億円もの戦費を負担したにもかかわらず
である。
言うまでもなく、それはわれわれ国民の血税からまかなわれたもの。
命をかけない「チェック(小切手)」外交と揶揄される始末で
散々だった。
これは、外交の失敗だったと著者は振り返っている。
もうひとつ興味深い指摘は、産業貿易について。
最近よく「ガラパゴス現象」という言葉を耳にするが、
日本における携帯電話がまさにガラパゴス現象を象徴している。
つまり、国内での普及のみに力を入れる余り、世界標準に
完全に乗り遅れてしまった。
国内にはこれほど携帯電話を作ってる会社があるのに、
世界シェアではソニー・エリクソンが4.5%で何とか5位に
入っているだけ。
これからの日本は、
「システムを世界に売り込まなければ生き残れない。そのために
世界標準をめぐる勝負が生死を分ける」と指摘する。
外交の現場で世界各国と丁々発止してきた著者ならではの国家観や
外交論が展開されている好著である。
2010.12.12:
ycci
:
コメント(0)
:[
メモ
/
コンテンツ
]
生来のものぐさ
年末になると憂鬱なことがひとつある。
それは大掃除。
元来がものぐさな性格なもんだから、身辺乱雑なこと
極まりない。
それを一気に片付けなければならない大掃除の時期を
迎えると憂鬱になるのである。
でもそれは、はじめるまでのことで、やりはじめたら
必要以上に「整理」してしまう。
後に残るのは、ほんのひと時の爽快感と、大事なものまで
捨ててしまった後悔。
そして、1月半ば過ぎには、また元の木阿弥。
こんなこと何年繰り返しているのやら…。
File No.197
『つるおか おうち御膳』鶴岡市他編(1,000円)
オススメ度★★★☆☆
料理の本なんて殆ど興味はないのだが、ある方にこの本の入手
を依頼されて、鶴岡在住の方に頼んだら、瞬く間に品切れで、
増刷分も売り切れているほどの人気だと聞き、そんぴん者としては、
俄然欲しくなった。
依頼してから1カ月ほど何の連絡もないまま、半ばあきらめかけて
た頃に送られてきた。
中味は、庄内・鶴岡地区の郷土料理が、写真とレシピで紹介されて
いるもので、ナルホド、これだったら売れるわな、と思わせる
ものだった。
ページを繰っていると、どれもが美味しそうで、思わず生唾を
飲み込んでしまう。
ここ米沢と共通しているものもあれば、まったく違うものもある。
決定的な違いは、当然のことながら海産物の有無だ。
なかでもオドロキは、「とうもろこしの味噌汁」と「枝豆の味噌汁」。
何分割かに切ったとうもろこしがそのまま味噌汁の具になっている!
枝豆がさやごと味噌汁の具になっている!
写真で初めて見て「えっー!」ってカンジ。
内陸地方で生まれ育ったオレとしては、さながらケンミンショーを
見ているような感覚でもあった。
でも、たぶん美味しいんだろう。
前にも感じたことがあるが、新しい食へのチャレンジとか、全く
異なる食文化の理解・受け入れというのは、人間の知性のなせる技
であると思う。
自分の許容範囲が狭い人は、決して受け付けない食物が多い。
つまり、好き嫌いが多い。
オレが良く知っている○○さんは、イナゴの佃煮を決して食べない。
それどころか、美味しそうに食べてる人を、まるで未開人を見るような
目付きでさげすむ。
食べてみれば美味しいのに。
食えるものなら何でも食べてみる、少しでも関心のある事は何でも
やってみる、評判の悪い人とも飲んだり話したりしてみる、何事も
まずは先入観を持たずに臨んでみることが、自分自身の世界を
広くすることなんだと思う。
な〜んて、エラそうなことを書くと、いかにもオレがそうしているよう
に見えるが、ものぐさな性格が禍してか、さほどチャレンジングな
行動をしているわけではない。
ん?話がかなり脱線したかな。
ともかく、郷土料理や家庭料理に興味のある方は、ぜひ一度ながめて
みると面白いかも知れない。
置賜・米沢版が出れば、きっと鶴岡と同じように売れるだろうなあ。
パンフや小冊子はいくつかあるようなのだが、こうした一般家庭に
普及できる現代版の総覧は見たことがない。
(学術的な労作はあるが…)
口で言うほどたやすい仕事ではないが、ヒラメキやヤッツケばかり
でなく、こうした「後世にも残る」ど真ん中直球のような仕事が
必要なんだなあ。
2010.12.11:
ycci
:
コメント(0)
:[
メモ
/
コンテンツ
]
オヨヨの深夜
久しぶりの休みと思いきや、
「働かざるもの食うべからず、寝るべからず」とばかりに
朝も早よから「休日家庭労働」に追い立てられた。
と言っても、消雪道路の点検作業と雪囲いだけだが。
雪囲いも、拙宅には庭木らしい立派なものは殆どなく、
バラやナントカという小木に支柱を立て、ナワで縛る
だけの簡単なもの。
でも、全くと言っていいほど家のことを何もしない(できない)
オレにとっては、たいそうな労働なのよ、コレが。
やっとの思いで仕上げて、満足気に一服していたら、家人が
「あらまあ、何かのオブジェみたい」
と言いやがった!
クソっ、言うに事欠いてオブジェとは。
当然オレは憤然と(フテて)…、部屋に引き篭ってやった。
夜も知人宅でヘベレケに飲んできて、フトンかぶって寝てしもうた。
いつまでもオトナになれない…。
File No.196
『猛女とよばれた淑女 −祖母・齋藤輝子の生き方−』
斎藤由香(新潮文庫 438円)
オススメ度★★★☆☆
週刊新潮に連載されていた「トホホの朝、ウフフな夜」(逆だった
かな)というエッセイをご存知だろうか。
もっとも、今は、「窓際OLのすってんころりん日記」という
タイトルに変わったようだが。
その著者が、この本も書いている斎藤由香。
斎藤茂吉の孫にして、北杜夫の娘。
この斎藤由香本人が、数年前に米沢に来た。
機知に富んだ話を聞きながら、しばし飲んで談笑した覚えがある。
さてこの本は、斎藤茂吉の妻にして、斎藤茂太や北杜夫の母、
つまり著者自身の祖母である斎藤輝子というスーパーレディの
一代記でもある。
何とこのおばあちゃま、老齢の域に入ってから世界中を旅して
回り、訪問した国の数は108カ国にのぼった。
きわめつけは、79歳で南極に行き、80歳でエベレスト・
トレッキングをしたという猛老女ぶり。
物に動じず、クヨクヨせず、言い訳もせず、弱音を吐かず、
ひたすら自分の好奇心や関心のおもむくままに行動したこの猛女を
著者はこよなく愛していたことがよくわかる。
また、父である北杜夫の私生活にも触れているが、この第三の
新人と称された作家の躁鬱病は本当だったんだと驚かせられた。
大躁状態の時には、ぬれタオルを鉢巻にして、すってんてんに
なるまで株の売買に興じたり、テレビとラジオを大音量にして
ナイターに熱中したりと、超のつく奇行ぶりだったらしい。
転じて、ウツの時には寝てばかりで、夜7時のニュースの時に
起きてくるのがやっとだったとのこと。
この躁鬱病のお陰で、北家はいつもてんやわんやだったらしい。
北杜夫のエッセイに書いてることは本当だったんだ。
先週はヘベレケの日が多くて、この本は夜中に起きて読んだのだが、
まさにオドロキで、斎藤由香風に言えば「オヨヨの深夜」だった。
北杜夫と言えば、青山脳病院でのことを中心に描いた『楡家の人びと』
が代表作であるが、娘のこの本は、さながら『楡家の人びと』の
『番外編』『その後』と言った趣がある。
でも、残念ながら、「趣」にとどまっているような気がする。
トーマス・マンを師と仰ぎ、父でもある歌人斎藤茂吉を心底から尊敬し、
戦時下の青春時代のセンチメンタリズムを持ち合わせながら、
懊悩の果てに、物語を紡ぎだしてきた父、北杜夫とは、比べるべくも
ない。
一昨年のことだったか…。
長野県松本市にある旧制松本高校の校舎を訪れた。
北杜夫が青春時代を過ごした街・学校である。
バンカラな学生生活の泣き笑いの中で、明日を見つめていた
斎藤宗吉(北杜夫の本名)青年の高ゲタにマント姿が
ヒマラヤ杉のなかに現れてくるようだった。
2010.12.06:
ycci
:
コメント(0)
:[
メモ
/
コンテンツ
]
不覚にも
今週、バスで相馬に行く機会があって。
二つの峠を越えて行く道は、もう幾度も通っている。
車内でおいしい弁当をいただいて、一つ目の峠を越えた
までは何ともなかったのだが、二つ目の峠に入った
あたりから、何だか軽いめまいと嘔吐感に襲われた。
峠の途中でたまらず半強制的に「トイレ休憩」で
バスから降り一目散。
ん?これってもしかしたら「乗り物酔い」っていうヤツ?
生まれてこの方、乗り物酔いした覚えなどあまりないのだが、
この歳になって不覚にも…。
その夜は懇親会もあったのだが、食べ物には何も手を付けられず、
水割りを2、3杯飲んだだけ。
帰りのバスでは、嘔吐の恐怖から遁れるように酒を飲み、
陽気な談笑に興じていたら…、なんともなかった。ヘッ。
要は、気分の問題なのかもなあ。
File No.195
『のぼうの城』上・下 和田 竜(小学館文庫 各457円)
オススメ度★★★★☆
少し前に、ある知人が「すごく面白かった」と言ってしきりに
勧めてくれたのが、この本。
うむ〜、確かに面白かった。さすが「本屋大賞」第2位の本だ。
時は戦国時代、豊臣秀吉の小田原攻めの一環として、石田三成らが
武州の忍城を攻めた。
石田三成を総大将とする秀吉方約2万の大軍に対し、忍城で迎え
討つのはわずかに5百。
守勢側の総大将が、この本の主人公である成田長親、通称「のぼう様」。
なんで、「のぼう様」なのかというと、「でくのぼう」の略称
というから、いかに愚鈍そうな御仁かがわかる。
しかし、この「のぼう様」がただ者ではないところが、この物語の
面白いところなのだ。
勝ち目のない戦を目前にして、主家である北条を見限り、忍城を
開け渡し、秀吉方に降ろうと軍議が決しようとした時、ただの
でくのぼうだと誰もが思ってた長親が敢然と言い放つ。
「武ある者が武なき者を足蹴にし、才ある者が才なき者の鼻面を
いいように引き回す。これが人の世か。ならばわしはいやじゃ。
……それが世の習いと申すなら、このわしは許さん」と。
そして、成田軍はたったの5百人で敵に悲壮に立ち向かう。
下巻になってくると、徐々にこの男の底知れぬ魅力・能力が
現れ始めてくる。
「…名将とは、人に対する度外れた甘さを持ち、それに起因する
巨大な人気を得、それでいながら人智の及ばぬ悪謀を秘めた者の
ことをいうのではなかったか」
と「のぼう様」の真髄に迫ってくる。
やはり、「有能なるも敵には無能を示せ」という兵法の初歩は
古今東西に共通していることらしい。
ストーリーは、あえてこれ以上は書かない。
師走に入り、年末年始何しようかなと考え始めているアナタ、
この本で半日はエンターテインメントの世界に浸れるゾ。
2010.12.01:
ycci
:
コメント(0)
:[
メモ
/
コンテンツ
]
行く秋や
昨日は天気が良かった。
もしかして、今年これが最後かもと思うと
矢も盾もたまらなくなって、いろいろと用事は山積してたのだが、
2時間ほど無理矢理時間を作って輪行に出た。
今年新調した愛車ビーグルブルー�兇呂垢任傍挂欧気擦討い襪里如�
愛着あるビーグルブルー�気如�
昼とは言え、さすがに晩秋の風は冷たいが、ほどなく爽快感に
かわってきた。
晩秋の米沢盆地の風景をながめながら、「行く秋や…」の感慨
にふけりつつ…。
(まあ、カッコよく言えばだけど)
File No.194
『永訣の朝 樺太に散った九人の逓信乙女』
川嶋康男(河出文庫 720円)
オススメ度★★★☆☆
前回に続き、戦争時の話。
オレの読む本はどうしても戦争にまつわるものが多い。
なるべく広い分野のものをと心がけているのだが、自分自身の
問題意識のひとつが太平洋戦争とは何だったのか、ということなので
知らず知らず多くなる傾向にあるようだ。
そういう性向を知っている知人某氏が貸してくれたのがこの本。
時は太平洋戦争終戦直後、ソ連軍が日本領だった樺太(サハリン)に
攻め入ってきて、身の危険を感じた逓信局(今で言うNTTか)の
女性交換手九名が次々と青酸カリ服毒自殺を遂げた。
彼女たちの今生の最後の言葉
「みなさん、これが最後です。さようなら、さようなら」
は、今でも北海道の稚内公園の石碑に刻み込まれている。
この悲惨な史実を、当時の関係者や記録をたどりながら描き出そう
としたのがこの本。
堅牢な局舎にとどまっていれば死ぬことはなかったのに。
男性が一人でも居たら支えられたものを。
なぜ連鎖的に発作的に自殺をはかってしまったのか。
局の責任者はどうしてたのか。戦後の回想にウソはないのか。
樺太に残った者と引き上げた者の運命の差は。
などなど、余すことなく書き連ねられていて興味が尽きない。
彼女たちが自ら命を絶つシーンを読んだ時には、思わず
頭を垂れて瞑目してしまった。
眼前に迫り来るソ連の軍艦と兵隊たち、そして絶え間ない機関銃の
銃声を聞かされては、年若い乙女たちが恐怖のパニックに陥る
のも無理はない。
彼女たちの戦慄と悲壮な決意を思うと万感胸に迫る。
著者は、なぜ彼女たちは死ななければならなかったのかを
中心テーマに書いているが、残念ながら核心へのアプローチは
いまひとつ物足りなくオレは感じた。
記述や構成も、オレ的にはいまいちだったかなあ。
「歴史叙述は情緒的でなければならない」と言った歴史家故林屋
辰三郎博士の言葉を想い出す。
2010.11.28:
ycci
:
コメント(0)
:[
メモ
/
コンテンツ
]
熊がコワい
結局、今秋は山に行けなかった。
以前ほどではないが、毎年春秋それぞれ2、3回ほど
山に行くのが恒例になっていた。
もちろん、春は山菜採り、秋はキノコ狩りである。
今シーズンも何人かに誘われたが、なかなか都合が合わず、
沙汰止みになってしまった。
秋は何かと忙しかったし、自転車も乗りたいし…。
でも、山に行かなかった最大の理由は、
熊がコワい!
File No.193
『ながい旅』大岡昇平(筑摩書房 大岡昇平全集10)
オススメ度★★★★☆
戦史に関するいろいろな本の中に「岡田 資」という名前が
出てくる。以前から、この人となりを書いた本を読んでみたいと
思っていたところ、ひょんなところでこの著作の存在を知り、
本屋を探してみた。が、ない。
図書館に行って検索してみたが見当たらず、大岡昇平全集の
目次をずっと追ってったら、あった、あった。
やっぱ、こういう時に図書館って便利だよなあ。
さっそく借りてきて読み始めたら、決して読みやすい内容では
ないにもかかわらず、約200頁を一気に読んでしまった。
とくに最後のところは胸が熱くなった。
岡田資とは、第二次世界大戦のとき、東海軍司令官を務めた
旧陸軍中将。
なぜ後世でもその名が語り継がれているかと言うと、日本国内に
降下してしまったアメリカの爆撃機B29の搭乗員39名を
処刑し、その後の連合国軍軍事裁判で責任を一身にかぶって
絞首台の露と消えてしまったという事跡による。
この本は、横浜での軍事裁判記録と岡田の遺稿集を克明に
追いながら、岡田資の毅然たる生き様を描いている。
岡田資の主張は、捉えられたB29の搭乗員は捕虜ではなく、
国際法上禁じられている無差別爆撃を行なった犯罪者であるから
極刑にて断罪し、その責任は司令官たる自分が一身に負うという
もので、終始ぶれることはなかった。
戦争末期にアメリカが行なった無差別爆撃で、どれほどの無辜の
民が犠牲になったことか。広島・長崎への原爆投下なんて、
その最たるものである。
もはや敗戦が決定的な時期でもあったが、岡田資は毅然たる措置を
とった。
そして、軍事裁判でも「一切の責任は司令官たる自分にある」という
ことを貫き通し、多くの同輩や部下を極刑から救った。
責任を上司や部下に転嫁して自分だけ延命しようとした輩が続出した
中にあって、岡田はまさに真の武人である。
こうした岡田資の姿勢にアメリカ側の将兵も尊敬の念を抱いたらしい。
横浜裁判で岡田資の弁護人を務めたフェザーストンは、
「検察側は搭乗員が裁判なしに処刑された一本槍で、降下搭乗員は
ジュネーヴ条約の捕虜だったと言う。……彼らはそうではない。
彼らは当時の国際条約を冒しています。従って捕虜ではなく、
戦犯容疑者として扱われたのです」
と、この裁判における岡田資の主張の核心を論じている。
フェザーストンは終始日本のため、岡田のために、全身全霊で
論陣を張ってくれた。
そうした努力にもかかわらず、岡田に遂に絞首刑の判決が下る。
多くの人たちが岡田の助命減刑運動を行ない、裁判の検事や裁判
委員でさえも嘆願書に署名したほど。
しかし、皮肉にも、それが岡田の刑執行を早めてしまうことになった。
余りにも多くの人心が岡田に集まりすぎることをGHQがかえって
警戒してしまったらしい。
著者は、あまり脚色・演出をしないで岡田の最期も書いているが、
淡々としているだけに胸を打つものがある。
こういうものを読むと、日本人であることの誇りや勇気が少し
湧いてくる。
2010.11.28:
ycci
:
コメント(0)
:[
メモ
/
コンテンツ
]
地デジにしたけれど
テレビをあまり観なくなって久しい。
観るのは朝のニュース、大河ドラマ(たまに)、ドキュメント
もの(たまに)、「世界街あるき」(なるべく毎回)ぐらい。
今年、家族の強硬意見と職場某氏の強いおススメで、わが家も
ようやく地デジの液晶テレビにした。
が、ほとんどオレへの恩恵はない。
せいぜいエコポイントをほとんど全部図書カードにして
ガメったぐらい。
テレビをあまり観ない理由は、観る時間がない、茶の間に
居たくない(小言を言われたくない)などなどあるが、
いちばんは「面白くない」のである。
File No.192
『テレビの大罪』和田秀樹(新潮新書 700円)
オススメ度★★★★☆
これは痛快で面白かった!
最近のテレビがもたらす害悪について、様々な具体例を引きながら
一刀両断にしていくような観がある。
その第1章が「ウエスト58cm幻想の大罪」。
これは、テレビに出演している女性タレントのほとんどが、
「公称ウエスト58cm」と言ってることへの疑問と、それを
多くの女子中高生が真に受けて不健康なダイエットに盲信的に
のめり込んでいく「罪」を喝破しているもの。
精神科医でもある著者によると、太め(BMI25〜30)の人が
日本では一番長生きなんだってよっ(思わず力が入る)。
ちなみに、BMIというのは、体重(kg)を身長(m)の二乗で
割った肥満指数で、オレはこの一番長生きの部類にスッポリと
入るのである!
あ〜、少し自信ついた(?)。
しかしこの著者、優しそうな顔をしてるのに、言うことはかなり
手厳しい。
「テレビというメディアの最も罪深いところは、知的レベルの
高い人たちが、自分より知的レベルの低い人たちをだまくらかして、
社会を悪くしていることでしょう」
ときたもんだ。ひょお〜。
論理的にも、テレビの罪にグイグイ切り込んでいる。
東京一極集中の害悪、若者重視・高齢者軽視の愚、認知的複雑性の
欠如などなど、共感する点も多い。
認知的複雑性とは、物事を白か黒かという二分割思考ではなく、
その間にグレーがあり、そのグレーにもいろいろあるという考え方を
身につけることで、健全な精神発達上、欠かせないことなんだそうだ。
それをテレビは大きく阻害しているということ。
最後に、唯一ナットクできなかったことがあって。
「笑いのレベルが低すぎる」という内容の中で、老若男女に受け入れ
られる橋田壽賀子ドラマを激賞している。
なんで?
面白く観てる人にケチつける気は毛頭ないが、オレは絶対観ない。
そこだけ価値観の違いがあったので★四つにとどまった。
でも、オレとしては、今年の新書ベスト3に入るかも。
2010.11.27:
ycci
:
コメント(0)
:[
メモ
/
コンテンツ
]
やっぱウマイ
先週、米沢牛のセリを見学した影響かどうか、
牛肉を、それも「米沢牛」を無性に食いたくなって…。
そしたら、ちょうど良いタイミングで、土曜日に
市内某肉屋さんでの飲み会があった。
飲み会自体は一人が泥酔してハチャメチャだったが、
オレは委細かまわず肉へ集中。
久しぶりのシャブシャブ、やっぱ米沢牛はウマイ。
家人に「油モノ」や「肉類」「炭水化物」の摂取を厳しく
制限されているのだが、肝心の現場には殆ど「監視人」はいない
のだから全く意に介さず、へのカッパ。
油を摂るなって言われても、肉はアブラがウマイのよおぅ。
ふわっははは〜だ。
File No.191
『悪名の棺 笹川良一伝』工藤美代子(幻冬舎 1700円)
オススメ度★★★☆☆
エコポイントのお陰で最近はリッチにハードカバーの単行本を
買って読んでいる。
実は、家族にナイショでエコポイントの殆どを図書カードに
換えた。幸いなことに今もって気付かれていない。
ハードカバーは立派でいいんだが、少々機動性に欠ける。
オレみたいに色んなところで読むタイプには、ちょいと不便
かも知れないなあ。
まあ、そんなことはどうでもいいけど、肝心のこの本について。
「笹川良一」という名前は、多くの人が聞き覚えがあるのでは。
そしてその人物イメージは、著者も書いているように、
「ファシスト」「日本の黒幕」「ギャンブルの胴元」「日本のドン」
「戦後のフィクサー」などなど、いわゆる「悪名」が多いのでは
ないだろうか。
かく言うオレも、この本を読むまではそういうイメージを持っていた。
著者は、そういう「悪名の棺」を再び開いて、本当に悪名なのか
どうか、笹川の人間実像を風聞に捉われず描き出そうとしている。
笹川は確かに戦前戦中は国粋主義者の旗色を鮮明にしていたが、
戦後は、巣鴨拘置所(戦犯を収容)での死刑囚やその遺族援助を
はじめ、戦争犠牲者とその留守家族への支援活動、さらには
ハンセン病患者の救済と撲滅運動に自らの身命を賭して取り組んで
いる。
その原資は、株や商品取引で儲けたポケットマネーや、モーター
ボート競走開催によって得た交付金だった。
この本で残念に思ったのは、株や商品取引で儲けた金、としか
言及していないこと。
笹川は戦前にすでに巨万の富を築いているが、いかなる方法に
拠ったのか、具体的な言及はあまりない。
ノンフィクションとして飽き足らなさを感じる。
興味深いのは、笹川が艶福家であり、家の中ではたいへんな吝嗇家
だったこと。
艶福家ということは広く知れ渡っていることだが、東京の妻、
西の正妻、唯一子どもを産んだ女性、そして晩年の山科の女と
女性遍歴は枚挙に暇がない。
一説によると、関係した女性の名が短冊で掲げてあって、その
数が70に達したという。もちろん、その道の「プロ」は除いて。
笹川の圧倒的なパワーの源泉のひとつは「女」だった。
別にいやらしくもなんともない。
事を成す男はそれぐらいの雄々しさがなけりゃあ。
風呂の水は必ず半分までしか入れない、という吝嗇ぶりも
リアルで悪くない。
家の中では極端に吝嗇な男が、外では福祉事業や救済事業に
巨万の金を惜しげもなく遣うというのは、やはりケタはずれの
男である。
しかし、数いた女性の中で、唯一、笹川の子ども三人を産んで
育てた喜代子とその子どもたちに対する冷たさというか、無関心
さというか、突き放し方には首をひねってしまう。
いくら大事を成さねばならぬ男とは言え、あんまりだなあ。
オレが今の時代に生きてるからそう感じるのかなあ。
この本は笹川の悪名を多少なりとも注ぐ意図が感じられるが、
それは充分に果たされているだろうか。
少しばかり笹川へのシンパシーに振れているような気がする
のだが…。
2010.11.21:
ycci
:
コメント(0)
:[
メモ
/
コンテンツ
]
Yの危機
このところ、女性の力強さや社会での台頭を改めて
つくづくと感じさせられる。
この秋、仕事上で、小中学生の絵画・作文コンクールの3つ
ほどに関係する機会があった。
それらのコンクールの(上位)入賞者は圧倒的に女子が多かった。
中には、絵画・作文の上位入賞者数名がすべて女子という
コンクールもあった。
並み居る大人たちを前にした発表も実に堂々たるもの。
ことほど左様に、女性が男性をリードしているような場面が
いろんなところで、ごくフツーに見られるようになってきた。
職場の管理職をはじめ、企業経営者や首長、国会議員、大臣、
はては国家元首に至るまで、女性の台頭は目覚しい。
これはこれでたいへん結構なことだと思う。
が、しかし…。
女性の力強さや台頭と相対的に男性が衰弱しているのでは
ないかと、少々気になる。
「人間の基本仕様は女性。男性であることを決定付ける
たったひとつのY染色体はメッセンジャーである以外の
重要な使命を持たず、しかもキズを修復出来ずに複写を
繰り返し、もはやボロボロ…」といった『できそこないの
男たち』(福岡伸一)のフレーズがよみがえる。
Yの危機、なのか?
File No.190
『渋沢栄一 日本を創った実業人』
東京商工会議所編(講談社+α文庫 819円)
オススメ度★★★☆☆
某氏の机に置かれていたこの本が気になって、お願いして
借りてきて読んでみた。
ふむ〜、渋沢栄一は力強き「Y」だなあ。
渋沢に限らず、幕末から明治初期、いわゆる近代日本の
黎明期に活躍した人たちには、すべからく力強い「Y」を
感じる。
この本は、渋沢栄一の偉大なる足跡をたどりながら、商工
会議所の淵源と、日本産業界の近代化の道のりをエポック的に
まとめている。
たぶん、一般の人たちが読むと、少々カタかったり、タイクツ
に感じたりするかもしれない。
でも、この本に記載されている業界に関係する場の片隅に
棲息している身としては、一応ルーツは知っておきたい。
オレたちが受け継いでいるDNAとは何か、ということを。
はじめに、東京商法会議所(東京商工会議所の前身)発足の
動機となったものは何か。
そのひとつは、殖産興業。
ふたつめは、商工業者の世論形成。幕末に欧米列強と結んだ
不平等条約改正のため、国内世論の形成が不可欠だった。
国内どこの商工会議所も、商工業者の健全なる発展のために、
新たな社会システムづくりや規制緩和(撤廃)、社会インフラ
整備などの「要望・陳情」を事業活動の柱の一つに掲げて
いる。
それらは、商工会議所設立当初から受け継がれてきたDNA
なのだ。
この本では、日本の近代化への道におけるエポックになった
事象をいくつか取り上げている。
「横浜生糸貿易紛争」や「実業団の渡米」、「明治神宮奉建
運動」などがそれ。
なかでも、明治42年の8月から3カ月に亘った実業団の
渡米記録は、今読んでみてもなかなか興味深い。
渋沢栄一を団長とする一行は、全米53都市を精力的に
巡るわけだが、その移動手段はなんと、特別仕立ての寝台列車。
つまり、寝ている間に移動し、朝、寝台列車から降りて、
その都市の工場視察、午餐会、晩餐会、夜会などに参加し、
深夜に列車に帰ってきて、また次の都市へ、という、
今では到底考えられないような強行軍だったようだ。
それにも増して感心させられたのは、ホスト側のボスである
太平洋沿岸連合商業会議所のローマン会頭が、3カ月の
行程に最初から最後まで同行したということ。
これはすごいことだよなあ〜。
マネして出来ることではない。
さらには、ローマン夫人は同じ列車に乗せず、通常の便を
乗り継いで追いかけさせ、途中からはお客様にそれを気遣わ
せないように実家に帰したとか。
レディファーストの国でありながら、サムライのような心を
持って接待を尽くしたことがうかがわれる。
全編を通じて、渋沢栄一個人というよりは、渋沢や東京商法
会議所などを中心にした日本産業界近代史のような趣だ。
最終章に渋沢栄一個人に焦点を絞った記載があるが、その
全人格的魅力に言及しているとは言い難い。
渋沢栄一の人間くさい魅力を知りたい向きには、別の本が
良いかも知れない。
2010.11.14:
ycci
:
コメント(0)
:[
メモ
/
コンテンツ
]
<<前のページ
次のページ>>
コンテンツ
ケータイサイト
プロフィール
問い合わせ
ALL
メモ
メール
Q&A
暦
リンク
地図
ウィキ
特集
プラン
ログイン
All Rights Reserved by ycci
Powered by
samidare
ケータイサイト
問い合わせ
プロフィール
Powered by
Communications noteβ