佐藤錦の収穫が終盤を迎える頃、園地の中で受粉樹として植えてある「ナポレオン」がようやく色付き始めます。
毎年、この「ナポレオン」を指名で注文下さるお客様が沢山いらっしゃいます。 私が小学生だった五十年前頃は、サクランボと言えば「ナポレオン」という時代でした。 雨よけテントなどがまだほとんど無く、雨が降り出しそうな日は実割れを恐れて、一家総出で収穫していたのを思い出します。 ほとんどが加工向けの出荷で、まだ色づき始める直前の食べては酸味の強い、パリパリと固い食感の「ナポレオン」は、子供の口には「なんでこんな物を収穫して出荷するのだろう」と不思議な思いが残りました。 色付いて熟した物は佐藤錦に比べると少し酸味が強くて、大人の味のサクランボ、「桜桃」という漢字の名前よく似合うものだ、などと考えたことを思い出します。 ...もっと詳しく |
サクランボ狩り、という言葉が定着してからどのくらい経ったのか定かではありませんが、私はあまり好ましい言葉には受け止められません。
紅葉狩り、という同じような言葉がありますが、その意味合いはだいぶ違うように思うからです。 初めて私の園地にいらっしゃったお客様が、入り口のドアを開放した瞬間に感嘆の声をあげられるのを聞くたびに、これは「サクランボ狩り」という言葉はそぐわないな、などと思うのです。 本当は、私が最高に美しいと思う、今頃の時期の早朝に、眺めていただくような、そんな状況を表す言葉があれば良いのに、とふっと思った朝です。 |
毎日、3時半には起きて四カ所の園地を約一時間かけて一巡します。
今朝の朝焼けは久しぶりに鮮やかなオレンジ色でした。一部色づいた佐藤錦の朱と同じ色合いです。 今日から摘葉の作業を10人で始めます。摘葉は、なるべく残したい葉を最小限取って、実に光が当たりやすくする作業ですが、これがなかなか難しいのです。取りすぎれば葉が無くなり、光がいくら当たっても鮮紅色には仕上がりませんし、取り残せば色付きが不完全なままです。 仕事自体は単純な軽作業なのですが、ある種のセンスが求められます。毎年、新しく作業をしてくれる人たちに説明するのが難しいしごとだ、と毎年思います。 |
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さくらんぼの樹にとっては暑すぎて悪い影響が出そうです。
なんといっても、この時期は来年の花芽形成時期ですから、暑さにやられて花芽が上手く形成されない可能性があります。一番の心配は双子果の発生多発です。それを少しでも防ごうと、連日の灌水は欠かせません。
朝早くに、さくらんぼの樹を見て回り灌水のバルブを開きますが、樹の熱中症予防対策をしているな、などと一人で考えていました。
早い秋の訪れを期待して、暑い夕方に、西山の方向に向かって手を合わせたいような景色が広がりました。
さくらんぼの樹が、暑さにめげず、耐えてくれていることを祈る夕方です。