たったの10分間の「市長との対話」における、市民無視の顛末(てんまつ)については16日付当ブログで詳しく、触れた。とくに、新花巻図書館の「駅前立地」に至る経緯についてはほとんど言及がなかった。また、「病院跡地」への立地を求める署名活動についてはその妥当性に疑義をはさむなど“対話”どころか、話し合いは完全に平行線をたどった。
一方、冒頭の写真は平成29(2017)年7月10日付で市当局からJR側に提出されたイメージ図で、新図書館(当時は3階建て)と橋上化(東西自由通路)されたJR花巻駅とが2階部分で繋がっているのが見て取れる。立地適正化計画の中で「まなび学園」周辺への立地が公表されたわずか1年後には駅橋上化と一体となった、いわゆる「駅前立地」構想(ワンセット)が秘密裏に進んでいたことがうかがわれる。「駅前か病院跡地か」―という“立地”論争の背後にはこうした闇の部分、つまり「既成事実化」が付いて回り、現在に至っている。迷走に迷走を重ねた経緯について、その説明責任が行政トップの首長にあることは言をまたない。以下に4月20日付で発信したメールの全文を掲載する。
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新花巻図書館の「駅前立地」に至る経緯とそれを裏付ける「民意」の認識について、質問します。なお、事態が急テンポで動いている現状から、4月末日までに文書による回答をお願いします。
1)前市政は「花巻市立地適正化計画」(平成28年6月策定)の中で、新図書館の移転先として「生涯学園都市会館(まなび学園)周辺への図書館(複合)の移転・整備事業」と明記した。
2)前市政は上記の方針を急きょ転換し、令和2年1月29日付で「新花巻図書館複合施設整備事業構想」を公表した。JR花巻駅前のJR所有地に50年間の定期借地権を設定し、賃貸住宅を併設した図書館を建設するという内容で、市民参画の手続きを抜きにしたこの構想は同年11月12日に白紙撤回に追い込まれた。
3)前市政はその後も「駅前立地」にこだわり続け、法的な議決権を有する花巻市教育委員会議定例会(令和7年5月19日開催)で、駅前立地を盛り込んだ「新花巻図書館整備基本計画」が正式に議決・承認された。その後、令和8年1月7日付で設計業務に当たる業者との間で「業務委託契約書」が結ばれ、現在、“駅前図書館”を前提とした業務が先行している。
4)上記の市教育委員会議定例会の席上、役重真喜子委員(当時)は市長や議会側の責任を鋭く追及した(別添資料を参考)。後継の小原(勝)市政下でもその「説明責任」は依然として、果されていない。これは行政側のある種の“不作為”と言わざるを得ない。「駅前立地」へ至る経緯の背景には一体、何があったのか。その立地を正当化する合理的な理由を示してほしい。また、6,000筆を超える立地希望があった「病院跡地」についてはどのような検討がなされたのか―詳(つまび)らかにしてほしい。市民“不在”の行政運営はあってはならない。市民へのきちんとした説明とその理解が得られるまで、設計業務は一時中断すべきである。
なお、上記「市長へのメール」への回答は市民の知る権利を考慮し、何らかの方法で一般公開することを付記する。
〈「役重」発言〉~(会議録から、要旨〉
「私はやはりJRの駅前構想というのが市民にとっては突然という形で、市長から発表され、そのあたりからですね、非常に混乱してきたということですので、首長も含めてですが、政治としての議会も含めて、私は非常に極めてその責任は重いと思っていると言わざるを得ないです。ですので、議会でこれをしっかり透明な場所で議論をして、最終的に良い合意形成をしてほしいと思います。かつ市長と議会が今、なぜここなのか、どういうプロセスを経てここなのか。やはり市民の前に出て自分の言葉で説明をしていただきたいと思います。そうしていただくということ、そしてその市民の理解を得ていただくということを前提条件として私自身は決議をしたいと思います」(再掲)
(写真は駅と一体化した図書館のイメージ図。市当局はこの種の話し合いが行われたことは認めたが、その理由については口を閉ざし続けた=文書開示請求によって、入手した資料から)
