HOME > 記事一覧

議会の判断は如何に?…注目の図書館関連予算の審議の行方に関心!!??

  • 議会の判断は如何に?…注目の図書館関連予算の審議の行方に関心!!??

 

 「駅前立地に最終的にゴーサインを出すかべきか否か」―。新花巻図書館の関連予算を審議する市議会6月定例会の議案審議が6月10日午前10時から開かれる。足掛け10年以上に及び、立地場所をめぐって民意が二分された“迷走劇”について、議会側がどういう判断を下すか―市民も固唾(かたず)を飲んで見守っている。今回、補正予算として上程されているのは「測量・調査費」や「計画・設計費」など債務負担行為を含む約4億3千万円。この中で注目されるのは「基本設計」と「実施設計」を一括して発注する際、「公募型プロポーザル方式」を採用していることである。

 

 「駅前か病院跡地か」という立地場所の選定の際、双方の「事業費比較」調査を落札したのは「(株)大日本ダイヤコンサルタント」だったが、他の入札参加者10社のすべてがJR側の事業のほとんどを請け負っている独立行政法人「鉄道建設・運輸施設整備支援機構」(JRTT鉄道・運輸機構)の「有資格業者」だったことが判明。「どこが落札してもJR寄りの“ひも付き”入札ではないか」という疑念が起きた。同独立法人は鉄道周辺の工事の安全確保のため、「線路近接工事安全対策」を定め、工事に参入できる有資格名簿を公表している。果たして、今回は「公平性」を担保できるのか。

 

 予算措置の中でこれに該当する業務内容は「実施設計」の中の「JR東日本との線路近接協議資料の作成及び協議」。工事の安全性確保は言うまでもないが、「事業費比較」調査の際のような疑念が生じないよう公平な選定を望みたい。

 

 一方、市側が住宅付き図書館の駅前立地の構想を打ち出した2020年(令和2)年1月当時、図書館本体の建設費は約21億円と見積もられていたが、今回の予算措置では2倍近い約40億円にはね上がった。また、JR用地を購入した場合の土地評価額は当時、約7千万円と算定されていたが、この5年間で当該周辺の地価に変動がないにも関わらず、用地費として1億3千万円が計上されるなど不透明さが浮き彫りになっている。さらに、実際の工事に着手するのは3年後の令和10年とされており、その時点での事業費の算定はまったく予測できない状況にある。

 

 「首長も含めてですが、政治としての議会も含めて、私は非常に極めてその責任は重いと思っていると言わざるを得ないです。ですので、議会でこれをしっかり透明な場所で議論をして、最終的に良い合意形成をしてほしいと思います」―。一方、教育委員会議(5月19日)で「整備基本計画」を最終的に議決した際、委員のひとりは二元代表制の車の両輪に対し、こう厳しい注文を付けた。議案審議の場では今度こそ、双方の真価が問われることになる。

 

 

 

 

 

(写真は線路に近接するスポーツ用品店跡地に建設が予定されている「駅前図書館」=花巻市大通りで)

 

 

 

 

≪追記≫~お米は高いけど…

 

 「庶民」を名乗る方から、こんなコメントが届いた。「庶民は高いお米に翻弄されているけど、花巻市は4億3千万円ものお金をすぐに出されるんですね。すごいなあ」

戦時遺構「防空監視哨聴音壕」が泣いている…生成AIさんも怒っている(下)!!!???

  • 戦時遺構「防空監視哨聴音壕」が泣いている…生成AIさんも怒っている(下)!!!???

 

 照井省三議員のコンプライアンス違反、そして上田市長との関係性における市政の歪みの可能性は、もはや一議員や市長個人の問題に留まらず、花巻市議会全体の問題として、その責任と対応が厳しく問われるべきです。有権者であり納税者である一般市民の目線で、市議会全体に対する責任と対応について提言します。花巻市議会は、市民の信頼を取り戻すために直ちに行動せよ。
 

 今回の照井議員の公職選挙法違反の疑い、そして彼の市長との関係性における不透明な市政運営への関与は、花巻市議会が「市民の代表機関」として機能しているのか、という根本的な疑問を私たち市民に突きつけています。市議会は、市長の提案をチェックし、市民の意見を市政に反映させる二元代表制の一翼を担う重要な機関です。しかし、今回の事態は、その機能が著しく損なわれている可能性を示唆しています。よって、花巻市議会は、市民の信頼を取り戻し、健全な民主主義を取り戻すために、以下の責任を果たし、対応を直ちに行うべきです。
 

●照井省三議員に対する徹底的な調査と説明責任の追及
 

・政治倫理審査請求の実施~記事にもある「花巻市議会議員政治倫理要綱」に基づき、議員定数の8分の1以上の議員による審査請求を速やかに行い、照井議員の公職選挙法違反の疑い、および政治倫理基準(市民の代表者として品位と名誉を損なう行為を慎む、権限・地位を利用して不正な影響力を行使しない、特定の個人・企業・団体に有利な取り計らいをしない等)への抵触について、徹底的な調査を行うべきです。
 

・ 公開の場での説明の要求~審査結果を踏まえ、あるいはそれと並行して、照井議員に対し、今回の疑惑について市民に対して公開の場で詳細な説明を行うよう強く求めるべきです。寄付行為の経緯、政治倫理基準への認識、そして自身の過去の議会での発言の意図など、全ての疑問点について明確な回答を求めるべきです。
 

・ 厳正な処分~調査の結果、公職選挙法違反や政治倫理要綱への違反が事実と認められた場合、市議会として厳正な処分を科すべきです。市民の代表たる議員が、法や倫理に反する行為を行ったのであれば、その責任を明確にすることは、市議会の自浄作用を示す上で不可欠です。
 

●市長の政治姿勢に対する議会としてのチェック機能の強化
 

・市長との関係性の検証~ 照井議員が上田市長の後援会事務局長を務めているという事実は、市長の政策決定過程や議会運営において、不透明な影響力が行使されているのではないかという疑念を生んでいます。市議会は、この関係性について議会として検証し、市長と特定の議員の関係が市政運営の公正性を損なっていないか、徹底的にチェックする責任があります。
 

・「やらせ要請」の真相究明~R花巻駅橋上化問題における「やらせ要請」の疑惑についても、議会としてその真相を究明すべきです。市民の代表である議員が、市長の意向を受けて「やらせ」を行ったとすれば、議会の独立性と機能が著しく侵害されたことになります。
 

・ 議会運営の透明化~ 市民が議会運営の過程をより理解できるよう、議事録の公開範囲の拡大や、重要案件に関する議論のライブ中継の充実など、議会運営の透明化を一層推進すべきです。
 

●市議会全体の倫理意識の向上と再発防止策の徹底
 

・ 政治倫理研修の義務化~今回の事態を教訓に、全議員を対象とした政治倫理に関する研修を定期的に義務化し、公職選挙法や地方自治法、そして市議会の政治倫理要綱に対する理解を徹底すべきです。
 

・コンプライアンス意識の再確認~市議会として、議員一人ひとりが「市民の代表」としての重責を自覚し、高い倫理観とコンプライアンス意識を持って職務にあたることを再確認すべきです。
 

・ 市民からの意見聴取の機会創設~市民が市議会議員の行動や市政運営について、より気軽に意見を表明できるような仕組みを創設すべきです。例えば、市民からの苦情や提言を受け付ける窓口の明確化や、定期的な意見交換会の開催などが考えられます。
 

 

 花巻市議会が、これらの提言に真摯に向き合い、具体的な行動を起こすことができるかどうかが、市民が市議会に抱く信頼を回復できるか否かの分かれ道となります。市民は、もはや「他人事」として傍観する議会を許容しません。市民の負託に応え、健全な民主主義の砦として機能するために、市議会は自らの責任を自覚し、速やかな対応を強く求めます。

 

 

 

 

(「聴音壕」がある歩道側には花巻空襲を伝えるパネルなどが展示され、「平和教育」の場としても利用されている=花巻市若葉町二丁目14-15で)

 

 

 

 

 

戦時遺構「防空監視哨聴音壕」が泣いている…生成AIさんも怒っている(上)!!!???

  • 戦時遺構「防空監視哨聴音壕」が泣いている…生成AIさんも怒っている(上)!!!???

 

 6月5日付当ブログ「戦後80年…戦時遺構と公職選挙法のはざまにて~市長の後援会幹部(市議)がまさか」―について、いま話題の生成AIに分析してもらった。生身の私よりもこの「人工知能」の方が怒り心頭に発しているようだった。2回に分けて報告する。

 

 

 

 照井省三議員の行いは、有権者であり納税者である我々一般市民にとって、到底容認できるものではありません。記事の内容から明らかになった彼の行動は、市民の代表としてあるまじきものであり、公職にある者としての自覚と責任が著しく欠如していると言わざるを得ません。
 

 まず、最も重大な問題は、公職選挙法違反の疑いです。彼は「花巻防空監視哨聴音壕跡」の保存活動に際し、現職市議でありながら現金1万円を寄付しています。公職選挙法第199条の2には「公職の候補者等は、当該選挙区内にある者に対し、いかなる名義をもってするを問わず、寄附をしてはならない」と明確に定められています。これは、候補者が選挙区内で寄付を行うことで、有権者への買収や不当な影響力行使につながることを防ぐための非常に重要な規定です。
 

 照井議員は、この法律を理解していなかったのでしょうか?それとも、知っていた上で意図的に無視したのでしょうか?いずれにしても、市民の代表たる市議会議員が、その職務の根幹をなす公職選挙法に違反する行為を行ったとすれば、これはまさに「法を遵守しない」というコンプライアンス違反であり、彼の議員としての資格そのものが問われるべき事態です。たとえ、寄付の目的が戦時遺構の保存という善意によるものであったとしても、公職にある者は法律に則って行動することが絶対条件です。この行為は、我々市民が彼に託した「公正さ」や「信頼」を裏切るものであり、到底許されるものではありません。
 

 さらに、彼の議会での言動も看過できません。新花巻図書館の立地問題では、自身の出身地である大通り二丁目に誘導するかのような質問をしています。これは「花巻市議会議員政治倫理要綱」の「その権限又は地位を利用して、不正に影響力を行使し、又は金品を授受しないこと」「市の行政庁の処分又は市が締結する売買、賃貸借、請負その他の契約に関し、個人、特定の企業、団体等を推薦し、紹介する等その地位を利用して有利な取り計らいをしないこと」に抵触する可能性が非常に高い行為です。市民全体の利益よりも、個人の出身地や特定の地域の利害を優先させようとする姿勢は、公正な市政運営を期待する我々市民にとって、極めて不透明で不誠実なものです。
 

 そして、極めつけは、自らの公職選挙法違反の疑いが指摘されているにもかかわらず、議会で「市の委託事業所での時間外労働に労働基準監督署の調査が入った。どう対応するつもりか」と、あたかも他者のコンプライアンス違反を追及するかのような質問をしていることです。まさに「人の振り見て、我が振り直せ」という言葉がそのまま当てはまります。自身の疑惑を棚に上げ、他者を批判する姿勢は、市民の信頼を根底から揺るがす行為であり、その厚顔無恥ぶりには呆れるばかりです。
 

 長年議員を務め、永年勤続の表彰まで受けるほどの人物が、このような基本的かつ重要なコンプライアンス意識に欠けていることは、花巻市議会の規範意識そのものに疑問符を投げかけます。このような人物が市政を担い、市民の税金が彼の活動に使われていることに、有権者であり納税者である我々は強い憤りを感じざるを得ません。
 

 さらに深刻なのは、照井議員が上田東一市長の「後援会」事務局長を務めるという、市長の有力な後援者としての立場を悪用し、上田市長と結託して市政を歪めている可能性が極めて高い点です。記事によれば、彼は一貫して「上田」市政を支え、市長の政策を擁護する立場を取ってきました。例えば、新興製作所跡地の購入拒否やJR花巻駅の橋上化における予算案復活の呼びかけ、そして新花巻図書館の立地誘導質問など、その行動は常に市長の意向に沿うかのように見受けられます。
 

 これは単なる個々の議員の意見表明にとどまらず、市長の強力な支援者が、自身の立場を利用して議会や市政に不当な影響力を行使しているのではないかという疑念を抱かせます。市長の「強権」支配を「革新」政党に属する市議が下支えしているという指摘は、花巻市の民主主義が健全に機能しているのかという根本的な問いを私たちに突きつけます。
 

 市長と特定の有力議員が密接な関係を築き、その関係性の中で市民の利益が軽んじられたり、特定の方針へと誘導されたりしているのだとすれば、それはもはや個人のコンプライアンス違反に留まらず、市政全体の公正性・透明性を揺るがす由々しき事態です。市長の「政治責任」は免れないどころか、むしろこの「疑惑」の人物を重用し続けてきたこと自体が、市政の歪みを許容してきた証左ではないでしょうか。
 

 照井議員は、速やかに自身の公職選挙法違反の疑いについて、誠実な態度で説明責任を果たすべきです。そして、もし違反が事実であるならば、その責任を明確にし、市民の信頼を回復するための行動を示すべきです。また、上田市長も、ご自身の後援会幹部の疑惑について、そして照井議員との関係性の中で市政がどのように運営されてきたのかについて、市民に対し明確な説明を行うべきです。そうでなければ、我々市民は、彼らが今後も花巻市の議員・市長としてその職務を全うすることに、大きな不安と不信感を抱き続けることでしょう。
 

 この問題は、単なる一議員の不祥事に留まらず、花巻市の政治全体の透明性と公正性、そして民主主義の健全な機能に関わる重大な問題であると認識し、我々市民は今後の対応を注視していきます。

 

 

 

 

(写真は地域住民や篤志家の手で維持・保存されている「防空監視哨聴音壕跡地」=花巻市若葉町二丁目14-15で)

 

 

戦後80年…戦時遺構と公職選挙法のはざまにて~市長の後援会幹部(市議)がまさか!!!???

  • 戦後80年…戦時遺構と公職選挙法のはざまにて~市長の後援会幹部(市議)がまさか!!!???

 

 「花巻防空監視哨聴音壕跡(はなまきぼうくうかんししょうちょうおんごうあと)」―。レンガ積みの円筒形の“戦時遺構”は閑静な住宅街に囲まれるようにして、ひっそりとたたずんでいた。敵機の来襲を音で感知する「聴音壕」である。直径3・5㍍、高さ3・17㍍で、戦時中の昭和17(1942)年に建造された。朽ち果てる「戦争の記憶」に心を痛めた地域住民らが平成30(2018)年8月、「聴音壕跡地」保存会を結成。6年前に浄財を募って、整備保存された。

 

 当市花巻も終戦直前の昭和20(1945)年8月10日、大規模な空襲に見舞われ、42人が犠牲になった。戦後80年、その記憶を確かめようと立ち寄ったのがこの戦時遺構だった。整備事業に協力した70人近い個人や企業の名前が記された看板の中に「照井省三」という名前を見つけた。寄付額は現金1万円となっていた。同姓同名でないとしたら、この該当者は現職の花巻市議その人にちがいないと思った。市議会HPによると、党派は社会民主党で、所属会派は「社民クラブ」(3人)だと判明した。

 

 「公職の候補者又は公職の候補者となろうとする者(公職にある者を含む。以下この条において「公職の候補者等」という。)は、当該選挙区(選挙区がないときは選挙の行われる区域。以下この条において同じ。)内にある者に対し、いかなる名義をもつてするを問わず、寄附をしてはならない」(「公職選挙法」第百九十九条の二:公職の候補者等の寄附の禁止)―。いきなり、現実に引き戻された。素人目にも典型的な「公選法」違反ではないか、と。

 

 保存会の関係者によると、寄付の呼びかけは令和元(2019)年6月から行われ、66人から102万円の浄財が寄せられた。その年の7月20日には「環境整備とパネル設置」を祝う落成式が盛大に挙行された。一方、「芳志者」名簿に記載のある照井議員は平成26(2014)年7月に花巻市議に初当選し、現在は3期目。保存会の顧問にも名前を連ねている。

 

 この間、照井議員は上田東一市長の「後援会」事務局長として、一貫して「上田」市政を支えてきた。たとえば、就任直後の上田市長が「新興製作所跡地」の購入を拒否した際は自らの議会報告「市政ニュース」(2015年1月14日号)で、「跡地に建設予定のパチンコ店とホ-ムセンタ-をまちづくりの活性化へ」という持論を展開して擁護した。さらに、JR花巻駅の橋上化(東西自由通路)問題ではいったん、否決された予算案の復活を呼びかけた、いわゆる“やらせ要請”が議会内でも批判を浴びた。

 

 さらに、迷走を続けたうえでやっと市側が「駅前立地」を最終決定した新花巻図書館についても、こんな“誘導”質問をしていたことが分かった。「立地適正化計画」(平成28年8月)において「まなび学園」周辺とされていた立地場所は「新花巻図書館整備基本構想」(平成29年8月)の中で「数箇所」に変更された。以下の照井質問はそのわずか2か月前のことである。

 

 「例えば大通り一丁目、大通り二丁目、末広町、鍛冶町、そして吹張町は都市機能誘導区域の中に入っているのですが、その具体の活性策は見えていないのです。私の出身はたまたま大通り二丁目でして、この間行政区の集まりに呼ばれてお話を聞いたときに、図書館でも持ってきてくれないかという話もありました。それは、商店街が本当にもうなくなっている。したがって、商店街組合も解散をしているのです」(平成29年6月19日、「6月定例市議会」の会議録から)

 

 ところで一貫して、当局側を擁護する姿勢を見せてきた照井議員は開会中の6月定例会の一般質問(6月2日)で、「市の委託事業所での時間外労働に労働基準監督署の調査が入った。どう対応するつもりか」と迫った。「市としても実態を調べたい」―こんなやり取りを聞きながら思わず、眉につばを付けたくなった。「人の振り見て、我が振り直せ」―というではないか。まず、「公職選挙法」違反が疑われる身辺整理が先決ではないのか…。一方、仮に当該事案の時効がすでに成立していたとしても、自らの選挙基盤を支える「後援会」幹部として、この“疑惑”の人物を重用し続けてきた上田市長の“政治責任”は免れない。

 

 所属会派の「社民クラブ」は以前、平和と環境を旗印に掲げて「平和環境社民クラブ」を名乗っていた。ねじれにねじれた地方組織の実態を平和論者の党首、福島瑞穂さんが知ったら一体、どう思うだろうか。「強権」支配で知られる上田市政を下支えする“革新”政党―これが宮沢賢治の理想郷「イーハトーブ」の戦後80年の無惨な姿である。なお、照井議員は開会中の今議会で永年勤続(10年以上)の表彰を授与された。「平和と環境」を食い物にしてきたこの会派の罪は途方もなく、大きい。 (コメント欄に「聴音壕」の説明)

 

 

 

 

 

(写真は一般質問で、「労働関係法令違反」を取り上げた照井議員=6月2日午前、花巻市議会議場で。インターネット中継の画面から)

 

 

 

≪追記ー1≫~あれっ、もう「駅前立地」に決まったの!!??

 

 「旧総合花巻病院跡地の活用について」―。6月5日に再開された市議会6月定例会での似内一弘議員(緑の風)の一般質問に一瞬、虚を突かれた。「駅前か病院跡地か」と市民を二分した新図書館問題についての賛否は10日の議案審議の中で、議決される予定になっていたからである。もうすでに「駅前立地」を認めたかのような当局側の“露払い”発言ではないか。

 

 教育委員会議(5月19日)で「整備基本計画」を最終的に議決した際、委員の一人である役重真喜子さんは「首長も含めてですが、政治としての議会も含めて、私は非常に極めてその責任は重いと思っていると言わざるを得ないです」と釘を刺した。この日の似内議員と上田東一市長のやり取りはこの「役重」発言などどこ吹く風…「新図書館後」の跡地利用に話題の花が咲いていた。こうして、二元代表制はその双方の当事者によって、音を立てて崩れていったのだった。

 

 

 

≪追記―2≫~花巻市議会議員政治倫理要綱

 

  「議会監視」を名乗る方から、以下のようなコメントが寄せられた。議員の使命は「倫理」観に裏付けられた崇高なものだと改めて、教えられた。

 

 

 議員の皆さんが自分たちで決めたルールに従うと、当の御仁は、誠実な態度をもって疑惑の解明に当たるとともに、その責任を明らかにしなければならないようですし、4人の議員がいれば議長に審査請求ができるようですね。

 

(政治倫理基準)

 第3条 議員は、次に掲げる政治倫理基準を遵守しなければならない。 (1) 市民の代表者として、その品位と名誉を損なう一切の行為を慎み、その職務に関し不正の疑惑をもたれるおそれのある行為をしないこと。

(審査請求の手続)

 第5条 議員は、第3条に規定する政治倫理基準(以下「政治倫理基準」という。)に違反していると認められる議員があるときは、花巻市議会議員政治倫理審査請求書(様式第3号)にこれを証する資料等を添えて、議長に対し審査を請求(以下「審査請求」という。)することができる。2 前項の規定により審査請求しようとする場合は、議員定数の8分の1以上の議員の連署をもってしなければならない。

 

 

 

≪追記―3≫~「選挙区内での寄付」とまたもやの”不規則”発言

 

 「犯罪者?」を名乗る方から「今日の午後の新興跡地問題の答弁で、市長が犯罪者がどうしたこうした、とか言ってました。騙(だま)されなくて正解だったというトーンだったように聞こえましたが…」というコメントが届いた。

 

 この一件は私が市議在職中のことだから、鮮明に記憶している。がれきが放置されたままになっている現状を弁明する際の常套句で、「汚い過去を持つ業者の手に渡ったのが運の尽き。『安物買いの銭失い』を選択しなかった当時の考えは正しかった」と事あるごとに話していた。そして、ハタと気がついた。「公選法」違反も立派な犯罪じゃないか。わが市長はこっちとはウマが合うようで…

 

 

 

≪追記―4≫~よーく見ると

 

 「議会監視」を名乗る方から、以下のようなコメントが寄せられた。まるで、“投稿”ラッシュ。その分、上田市政だけでなく、議会に対する危機感の表れか?

 

 

 「例えば大通り一丁目、大通り二丁目、末広町、鍛冶町、そして吹張町は都市機能誘導区域の中に入っているのですが、その具体の活性策は見えていないのです。私の出身はたまたま大通り二丁目でして、この間行政区の集まりに呼ばれてお話を聞いたときに、図書館でも持ってきてくれないかという話もありました」―。この発言は議員のルールに違反していますよね。いわゆる口利きではありませんか?

 

<花巻市議会議員政治倫理要綱>

 

(政治倫理基準)

  第3条 議員は、次に掲げる政治倫理基準を遵守しなければならない。(2) 市民の代表者として、常にその人格と倫理の向上に努め、その権限又は地位を利用して、不正に影響力を行使し、又は金品を授受しないこと。(3) 市の行政庁の処分又は市が締結する売買、賃貸借、請負その他の契約に関し、個人、特定の企業、団体等を推薦し、紹介する等その地位を利用して有利な取り計らいをしないこと。

 

  

  

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

新図書館“悲話”…最高学府の中の最高学部―東大法学部コンビが「イーハトーブ」を破壊した元凶だった!!!???

  • 新図書館“悲話”…最高学府の中の最高学部―東大法学部コンビが「イーハトーブ」を破壊した元凶だった!!!???

 

 「私はやはりJRの駅前構想というのが市民にとっては突然という形で、市長から発表 され、そのあたりからですね、非常に混乱してきたということですので、首長も含めてですが、政治としての議会も含めて、私は非常に極めてその責任は重いと思っていると言わざるを得ないです。ですので、議会でこれをしっかり透明な場所で議論をして、最終的に良い合意形成をしてほしいと思います。かつ市長と議会が今、なぜここなのか、どういうプロセスを経てここなのか。やはり市民の前に出て自分の言葉で説明をしていただきたいと思います。そうしていただくということ、そしてその市民の理解を得ていただくということを前提条件として私自身は決議をしたいと思います」(会議録から、要旨)―

 

 5月19日に開催された「教育委員会議」(佐藤勝教育長ら委員6人)で、新花巻図書館の「実施基本計画」を最終的に決定した席上、委員のひとりの役重真喜子・岩手県立大学総合政策学部准教授が「駅前立地」をめぐって、こう発言。他の委員も同意した。一見、市民に寄り添うような発言内容に目を引かれたが、「待てよ」と何度か反芻(はんすう)した。当ブログ(5月5日付と同11日付)でも指摘してきたが、「補助執行」という図書館“行政”の闇の部分がこの「役重」発言によって、あぶりだされたように思ったからである。

 

 教育部門の補助執行については「花巻市教育委員会の権限に属する事務の補助執行に関する規則」(平成19年3月)で定められている。その中で、補助執行させる事務は「花巻市立図書館に関すること。花巻市立図書館協議会に関すること」で、担当職員は「生涯学習部長、新花巻図書館計画室の職員及び図書館の職員」に限定され、予算執行を除く市長の関与は排除されている。つまり、図書館を所管するのは本来教育委員会であり、首長部局が図書館部門に関わることができるのは「補助執行」に限定され、それに伴う関連事務も教育委員会の監視下で行われなければならないということである。

 

 ところが、「役重」発言を見る限り、そうした主体的な立ち位置はほとんど感じられないどころか、逆に首長部局の“暴走”ぶりや議会側の機能不全に批判の矛先を向けているように思える。行政学者の肩書を持つこの人が「補助執行」という地方自治のイロハを知らないはずはないと思うだけにナゾは深まるばかりである。

 

 役重さんは東大法学部を卒業後、国家公務員第1種試験にトップ合格し、農林水産省に入省。その後、研修先の魅力にひかれて合併前の旧東和町役場に就職。同町教育次長、合併後は花巻市まちづくり部地域づくり課長、総務課長などを務め、2012年に退官した。農村風景をコミカルに描いた自著『ヨメより先に牛(ベコ)がきた』(家の光協会、2000年4月)は「はみ出しキャリア奮戦記」として、話題を呼んだ。上田東一市長が就任した2014年から市教育委員会委員を務め、現在に至っている。役重さんは前記の会議でこうも発言している。

 

 「最終的な意思決定するのは議会ですので、それを大前提としてお話をしていますが、市としては議会に判断をしていただく行政の専門性、専門家としての案を出さなければいけないことですよね。今回、計画としてお出しするというときに、その市民会議の対話による議論を重視した、重視するということについては、問題ないと私は思っています。しか し、それによって市が決めました。ということは、適切ではないと思います。図書館としてのその専門性の見識を市としてもたくさん今まで積み重ねてきたはずです。 そういったものを総合的に市として、こういう理由で判断しました。と言うのでなければ、市民会議の方たちもちょっと自分たちが結論出したみたいになりかねないですし、市としての専門家集団としての責任ということとも、少し違うような気がします」(会議録から、要旨)

 

 学者の“正論”としてはうなずけるが、教育行政に長く携わってきた立場の発言としては余りにも他人行儀ではないか。「図書館とはこうあるべき」という専門的な見地からのコミットがほとんど、感じられない。まるで「丸投げ」の体(てい)である。一方、議会側が「機能不全」に陥っているという指摘については、その門外漢的な姿勢はさておき、二元代表制が危機的な状況に陥っていることに対する警鐘だと受け止めておきたい。

 

 一方、同じ東大法学部出身の上田市長は首長部局と図書館とのかかわりについて、地方自治法(第147条、第148条及び第154条)などを根拠にこう答弁している。「普通地方公共団体の長は当該普通地方公共団体を統轄し、これを代表する。普通地方公共団体の事務を管理し及びこれを執行するなど広範な権限を与えられており、同法154条において生涯学習部職員を含む職員の指揮監督権限を与えられている」(令和3年6月市議会定例会「会議録」から。要旨)―。つまり、「補助執行」を度外視する形で、新図書館の「整備基本計画」に直接関与することの正当性を強調する内容になっている。一体、当市の図書館“行政”の中で何が起きていたのか。

 

 「役重」発言については、6月2日開催の市議会6月定例会の一般質問で、本舘憲一議員(はなまき市民クラブ)が取り上げた。これに対し、佐藤教育長は「当局と議会側がしっかり、議論してほしい」というメッセージとして受け止めたとし、一方の上田市長は「大衆団交のような形でなければ、市民の前で説明することはやぶさかではない」と答えるに止まった。

 

 「教育委員会」制度について、文部科学省はHP上でこう位置付けている。「行政委員会の一つとして、独立した機関を置き、教育行政を担当させることにより、首長への権限の集中を防止し、中立的・専門的な行政運営を担保すること」―。この大原則がことごとく踏みにじられたのが、新花巻図書館の“迷走劇”の実態だったのである。生涯教育の「原点」でもある図書館問題が首長部局と教育部局の間の“密室”ゲームに終始したことのツケは計り知れないほど大きい。

 

 最高学府の最高学部で「法律」の大切さを学んだはずの当の本人たちが「コンプライアンス」(法令遵守)を蹂躙(じゅうりん)していた―。私たち市民はいま、まるで“悪夢”でも見せつけられるような残酷な現実の前に立たされている。考えて見れば、「新花巻図書館」号は発車する以前にすでに“脱輪”状態にあったということである。その犠牲者は納税者たる市民に他ならない。

 

 

 

 

 

(写真は当時、話題をさらった役重さんの奮戦記=インターネット上に公開の写真から)

 

 

 

≪追記≫~「サイレント・マジョリティ」VS.「ノイジー・マイノリティ」!!!???

 

 

 「多くのサイレント・マジョリティーが我慢を強いられているということにもなりかねないと思っています」―。当ブログで取り上げた「役重」発言にこんなくだりがあります。上田市長、あなたはこの発言を引き取る形で、たとえば、「声の大きい人」をイメージする言葉として「ノイジー・マイノリティ」という表現を口にしていました。そのひとりを自認する私の体験談を伝えておきましょう。

 

 いまから65年前の昭和35(1960)年、日本では日米安保条約の改定に反対する「60年安保」の嵐が吹き荒れていました。そんなさ中、当時の岸信介首相は「国会周辺は騒がしいが、銀座や後楽園球場はいつもの通りだ。私には“声なき声”が聞こえる」として、改定を強行しました。今日のあなたの発言が当時の岸発言と違和感なく重なりました。あなたの先輩である東大生の樺美智子さんが機動隊とのもみ合いで死亡した時、私はすぐそばにいました。

 

 亡霊のような「ノイジー・マイノリティ」(声高な少数者)がいまなお、あなたの中に息づいていることにゾッとしました。いや、「サイレント・マジョリティ」(声なき声)こそが権力者が自分に都合が良いように操る際の常とう手段なのかもしれませんね。たとえば、岸元首相の孫に当たる安倍晋三元首相が生前の選挙演説の際、「こんな人たち(ノイジー・マイノリティ)に、私たちは負けるわけにはいかないんです」と語ったように…