「いまこそ、勇気ある撤退(決断)を」―。新花巻図書館の設計の見直しにかかる市民説明会が19日、立地が予定されているJR花巻駅前のなはんプラザで開かれた。大迫と東和の両会場を合わせた参加者が6人だったのに対し、この日は立ち見が出るほどの50人以上が参集。関心の高さをうかがわせた。質疑応答は2時間を超え、10数人がこれまでの経過や今後の展開などをただした。こんな中、「質問したい人はたくさんいる。一人で時間を独占しないでほしい」などとヤジが飛び交うほどの熱気に包まれた。
「概算事業費が当初の40億円に比べて、15億円も増えた。途方もない数字だ。財源はどこから引っ張り出すのか。市民の負担増につながらないか」「そもそも、(花巻)病院跡地への立地を口にしたのは、市側ではなかったのか。その後、駅前立地に変更した理由をきちんと説明すべきではないか」「(宮沢)賢治の専用コーナーを設置するというのが謳い文句だったはずだ。今回の説明資料のどこを見ても賢治さんの顔が見えてこない」「駅橋上化との相乗効果をどう考えているのか」「この際、原点に立ち返り、病院跡地への立地という勇気ある撤退というか決断をすべきではないか」…
これに対し、市側は「今後、国庫補助(15億円を想定)の減額も予想されるが、あらゆる財源を精査し、市民の皆さんにご迷惑をかけないよう努力したい。賢治コーナーについてはその多面性を考慮し、どの世代の人たちにも『賢治』を感じることができるように配慮したい。カフェと飲食コーナーを望む声が多いのは確かだが、市営ではできないので、やってくれる人がいれば…」―などなどあらゆる局面で後退姿勢が目立った。
「15億円の事業費増と300㎡に及ぶ床板面積の縮小、30万冊の蔵書減はいずれも図書館建設の心臓部に当たる。今回の見直しは基本・実施計画を受注した設計グループと市側との間で締結された業務委託契約を大きく逸脱する内容で、法律(民法)的には契約不履行の相当するのではないか。契約を変更すべきだと思うが、どうか」―。私がこうただしたのに対し、高橋信一郎生涯学習課長(新図書館整備室長)は以下のように答えた。
「お話しにあったような事業費増など3点が法律に抵触するかどうか、現在、弁護士と協議中である。もし、その必要がある場合は業務委託契約の変更はあり得る。ただ、契約の元となった『新花巻図書館整備基本計画』は議会や教育委員会議の議決を経たものなどで、変更はあり得ない」―。法律上の問題が浮上しつつあるように感じると同時に、一連の「市民説明会」なるものが“駅前図書館”を既成事実化するという市側の意図がますます、鮮明になってきた。
(写真は50人以上の参加者であふれた会場(10月19日午後、花巻市大通りのなはんプラザで)



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