”駅前図書館”の前途に暗雲…補助金の減額ショックに物価高騰や資材不足などが追い打ち!!??

  • ”駅前図書館”の前途に暗雲…補助金の減額ショックに物価高騰や資材不足などが追い打ち!!??

 

 「中東情勢などの影響もあって、工事費や人件費などがものすごく高騰しており、着工時の概算総事業費は現在に比べて、10%から最大で20%前後はね上がる可能性も否定できない」―。15日開催の花巻市議会一般質問で、羽山るみ子議員(はなまき市民クラブ)が新花巻図書館に関してただしたのに対し、松田英基・副市長は初めて、概算総事業費の大幅増額は避けられないという見解を示した。

 

 羽山議員は新図書館の駅前立地について「39・9億円という概算総事業費の算定時点からすでに1年半以上が経過した。この数値に変わりはないか」と問うた。この内訳は国庫補助金15億円、合併特例債による交付税措置額(キックバック)16・5億円、市の実質負担額8・4億円で、うち今年度分の国庫補助金の内示額は要望額約4・4億円を大幅に下回る約1・6億円に止まった。「減額分の穴埋めはどうするのか。今後も減額が続いて場合の対応は」と羽山議員が迫ったのに対し、蛭田健次・建設部長は「見通しは厳しいが、想定上の回答は控えたい。各方面への要望活動を粘り強く進めたい」と突っぱねた。

 

 「先の答弁に補足したい」と質疑応答の閉め切間際、松田副市長がふたたび手を挙げた。「39・9億円という数字は実は床面積4,500平方メートルを想定した全国平均の単価。今後、既定の事業費に見合う形で計画を遂行する場合は当然、床面積の縮小や蔵書数など計画の見直しが迫られることになる」と苦しい胸の内を明かした。上田東一・前市長は10年前、「全国で3番目」と口癖のように自慢した「花巻市立地適正化計画」を策定。当時は潤沢に国からの補助金が入ってきた。しかし、補助対象になる当該計画の策定自治体はいまでは685に上っている。パイの奪い合いになるのは目に見えている。例えば、以下のような例もある。

 

 静岡県は東静岡駅南口県有地に全館移転整備を計画している新県立中央図書館について、令和10年度の完成に向けて、令和4年3月に設計委託契約を締結。令和7年3月末まで基本・実施・修正設計を進めてきたが、国土交通省から「要望に全額応えることが困難である」との連絡があったため、財源不足を理由に整備計画の見直しに追い込まれた(令和8年5月19日付の同県HPより)。当市もすでに公募プロポーザルによって基本・実施設計の業者が選定され、業務が進められているが、肝心の資金不足から静岡県と同じ轍(てつ)を踏まないとは限らない。

 

 市側は今後も予想される国庫補助金の減額内示については「あらゆる選択肢を動員して、財源確保に努めたい」とし、小原勝・市長も「駅前立地はあらゆる手順を踏んで、正式に決まった経緯がある。その通り進めたい」とこの日の質疑の中で、既定路線を貫くことを強調した。財源不安を補うための優先順位は当然、還元率が有利な合併特例債に頼ることになる。令和9年度以降の発行残高は約68億円。本来、合併に伴う「新市建設計画」に充当すべき事業の先送りや見直しなども懸念される。そもそも、国の財政状況に左右されがちな「国庫補助」を前提とした計画自体が間違いではなかったか。補助金頼みのこれまでの行政運営をそろそろ、見直すべき時期ではないか。

 

 久しぶりに図書館が立地される予定の花巻駅周辺をぶらついてみた。線路に隣接した建設予定地(2階建ての元スポーツ店=上掲写真)の背後には8階建てのホテルがおおいかぶさるようの屹立(きつりつ)していた。「ここに図書館を…」という発想は逆立ちしてもわいてこなかった。ちなみに、6千人以上の市民が望んだ「病院跡地」に立地した場合の概算総事業費は36・3億円。うち、合併特例債の交付税措置分14・1億円、市側の実質負担分7・2億円で「駅前立地」に比べて総額で、3・6億円も少なくなっている。

 

 

 

 

 

(写真は草が伸び放題の駅周辺。左側の見えるのは橋上化が進むJR花巻駅。ここが最適な図書館の立地環境だと思う人は果たしているだろうか=花巻市大通りで)

 

 

 

2026.09.15:masuko:[ヒカリノミチ通信について]

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