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新花巻図書館をめぐる“利権の構図”(上)…上田流「ダブルスタンダ-ド」~JR交渉は”全面降伏”か!?税金の使途が闇の中に!!??

  • 新花巻図書館をめぐる“利権の構図”(上)…上田流「ダブルスタンダ-ド」~JR交渉は”全面降伏”か!?税金の使途が闇の中に!!??

 

 「安物買いの銭失いをしないことが私の行政運営の鉄則」―。花巻市の上田東一市長が誇らしげに掲げてきた“錦の御旗”が新花巻図書館の駅前立地をめぐるJR交渉で一挙に後退を余儀なくされつつある。開示請求して入手した文書には「(この件に関し)議会で答弁される際は情報を前もっていただきたい」と記されるなど舞台裏での生々しい駆け引きの様子がうかがわれる。難航を続けるJR用地の土地交渉について、市側は6月市議会で「交渉に応じるとの前向きの回答があった」と報告。対象面積は立地場所のスポ-ツ用品店敷地を含めた約3,664平方㍍に上ることを明らかにした。

 

 「当該用地が現在、当社にとって継続的な収益を生み出していることや、安全な鉄道事業運営に必要な用地であることも考慮いただき…」とするJR側の回答書(6月13日付)には用地譲渡の条件として、8項目が列挙されているが、うち5~7項は黒く塗りつぶされたおなじみの“ノリ弁”状態。ということは、この非開示の部分こそが双方にとって、それを公にすることが”不都合な真実“であるということを如実に暗示していると言える。

 

 そんな中、この譲渡条件でとくに目を引くのは「建物(スポ-ツ用品店)付きで花巻市に譲渡する」、「建物の撤去については、花巻市にて施行する」―という項目。つまり、「是非ともほしいのであれば、建物ごと買い取ってもらい、店舗補償や更地化もそちらで…」とまるで“足元”を見透かすような交渉術である。市側が駅前立地の合理的な理由を示さないまま、仮に“全面降伏”に追い込まれたとなれば、「なぜ」という市民の疑惑はさらに深まるのは必須である。

 

 市中心部にいまも無残な姿をさらけ出す旧新興製作所跡地(旧花巻城址)の譲渡交渉をめぐって、上田市長は就任直後の8年前「利用目的がはっきりしない土地の購入に税金を投入するわけにはいかない」と跡地の取得を断念した。当時の譲渡価格はわずか100万円だったが、建物の撤去費用に数億円を要することが断念の理由で、議員の大半もこれに同調した。その後、当該跡地は不動産会社の手に移ったが、建物を撤去した段階で倒産に追い込まれた。がれきの荒野と化してすでに5年以上。「いちばん問題だったアスベストやPCB(ポリ塩化ビフェニル)などの有毒物質が撤去されたのは良かった」と当時、上田市長はこんな屁理屈を並べ立てて平然としていた。そこには、いまも景観を損ね続けていることへの行政責任のひとかけらもない。

 

 いま新図書館の立地場所として、駅前とともに有力視されている旧総合花巻病院跡地―。当時の協定書(平成29年3月)によれば、「新病院の開業後、現在の病院敷地内の建物・施設はすべて解体撤去し、土壌汚染対策法上の処置をしたうえで譲渡する」と明記されており、すでに一連の作業は終わり、正式な市有地化の契約手続きを待つばかりとなっている。

 

 上田市長はこの間の経緯について「旧新興跡地の教訓を旧病院跡地の取得条件に生かすことができた」と鼻高々だが、その伝(でん)で言うなら、駅前用地の所有者であるJR側に対しても、建物の撤去や更地化を求めるのが本来の「上田」流儀ではないのか。ところがどうも「安物買いの銭失い」というあの時の勢いが感じられない。それどころか、あえて”高物買い”に手を出そうとする愚(ぐ)に戦慄さえ覚えてしまう。何が何でも駅前でなくてはならないという“裏の事情”があるのではないか―。市民の間にこんな行政不信が高まるのはある意味、当然であろう。

 

 駅前に立地する場合、図書館本体を除く駐車場建設の整備費用などとして10億円以上が見込まれ、この中にはスポ-ツ用品店の建物解体や営業中止に伴う補償など約6千万円が含まれている。「新興のケ-スをまるで“成功事例”みたいに言い募るが、旧病院跡地が市有地になることが決まっているのに、駅前用地を新たに取得するのはそれこそ税金のむだ遣いではないのか」―。当分、上田流「ダブルスタンダ-ド」の成り行きから目を離すことができない。「JR側はスポ-ツ店の営業継続もほのめかしている…」―。担当現場からはこんな恨み節も聞こえてくる。上田市長の”二枚舌”…「パンドラ」の箱には一体、何が隠されているのかー

 

 

 

 

(写真はふたたび肝心の部分が隠されたJR回答書)

 

 

 

 

《追記ー1》~知事選両陣営に公開質問状

 

 花巻市内でフェアトレ-ド商品などの販売を手がける「おいものせなか」(新田史実子代表)は次期知事選に立候補を表明している達増拓也・千葉詢子両陣営に対し、各分野にわたる公開質問状を提出。このほど、その回答を得た。新田さんら有志は昨年1月の花巻市長選以降「暮らしと政治の勉強会」を主宰し、「おまかせ民主主義」からの脱却を訴え続けている。質問状への回答やその他のアクセス先は以下の通り。

 

岩手県知事選候補者に公開質問状と回答 修正版8頁(pdf)

おいものせなか | Organic, Ecology and Fair Trade (oimonosenaka.com)

おいものブログ:SSブログ (ss-blog.jp)

 

 

《追記―2》~花巻東が準々決勝へ進出、大谷選手も祝砲!!??

 

 花巻東高校が17日、強豪の智弁学園(奈良)を5:2で破り、準々決勝への進出を決めた。19日、昨年初めて全国制覇を果たした仙台育英(宮城)との初の“みちのく”対決が実現する。失点の危機を救った広内駿汰・外野手のスーパーキャッチにSNS上では「広内君の守備範囲、広ない?」などの賛辞の言葉が飛び交った。一方、海の向うでは同校の先輩である大谷翔平選手がこの日(日本時間17日)、リーグトップとなる42号ホームランを放った。

 

 ところで、”エッフェル”騒動の渦中にある広瀬めぐみ・参院議員は弁護士の資格も持っているらしい。どうも、人を弁護する際の基本中の基本である「コンプライアンス」(法令遵守)や「ガバナンス」(内部統制)のあり方が分かっていないらしいこの人にはこの際、堂々の勝利行進を続ける東高校ナインにその精神を学んでほしいものである。いや、大雨に伴う「災害警戒本部」(7月21日付当ブログ参照)が開設されていたにもかかわらず、県議選候補者の選挙応援にノコノコ出かけた上田市長にもぜひ…

 

 

《追記ー3》~祝健闘、花巻東ナイン!!??

 

 花巻東高校は19日、昨年の覇者仙台育英(宮城)と4強を目指して対戦したが、9:4で惜しくも敗れた。しかし、この間のガンバリは閉塞感が漂うイーハトーブ(賢治の理想郷)にさわやかな風を送り続けた。さらに同校出身の大谷翔平選手はこの日、43号となるグランドスラムを放ち、雨天下で行われた花火大会に花を添えた。

 

 

《追記―4》~上田流「危機管理」のチグハグさ、ここにあり!!??

 

 「今後強い雨による急な増水や土砂災害が発生するおそれが高いため、河川や用水路、山や崖など急な斜面には近づかないようにしてください」―。花巻市は19日午後4時22分、大雨警報(土砂災害)と洪水警報の発表に伴い、災害警戒本部を設置した。一方で、警戒本部がまだ解除されない午後6時30分、北上川河川敷を会場とした花火大会(2023花火ファンタジ-)の実施をHP上で告知した。「観覧席や駐車場は、雨の影響により地面がぬかるんでいる箇所や水溜まりがございますので、ご注意ください」という呼びかけが振るっているではないか。

 

 「川に近づかないように呼びかける一方で、その河川敷での花火大会を強行する」―。「危機管理」の難しさがここに浮き彫りにされているが、私が危惧するのは当ブログで再三、触れて来た上田東一市長のその判断のチグハグさである。雨天による延期日として、8月26日(土)が設定されていたが、打ち上げ時間の午後7時半前後に雨が上がったため、予定通りに豪華な花火が夜空を彩った。ホットする気持ちと同時に雨天によって1時間半以上も試合が中断した花巻東高校のあの壮絶な試合を思い出した。政治とは実に「有事の際の決断」と言っても過言ではない。上田市長に果たして、その覚悟はあるや否や?なお、警戒本部が廃止されたのは深夜(午後11時15分)になってからだった。

 

 

《追記ー5》~あれっ、”中立”だっけ!!??

 

 岩手日報(21日付)が県内32市町村(盛岡市を除く)の首長を対象に次期知事選に対する動向調査を行った結果、「中立」を表明したのは25人。当花巻市の上田東一市長もその一人で、理由についても「コメントしない」と回答した。いゃぁ、これって”虚偽”回答じゃないの。大雨による「災害警戒本部」が開設されていたさ中、ある自民党県議の選挙応援に出かけたのは誰だっけ?(7月21日当ブログ参照)。今回、自民党の全面支援を受けた知事候補、いまや”エッフェル女王”の名をほしいままにする自民党所属の参院議員…。彼女らと席を同じくしていたのはたしか、貴殿だったはず。もはや「リスク」感覚の欠如だけではなく、「政治決断」の度量さえも消え失せってしまったみたい…。あぁ、「悲しき口笛」

 

 

 

 

 

 

危機管理ゼロ人間が全員集合…自民党女性局とイ-ハト-ブの懲りない面々~お盆の“悪夢”が再来!?花巻東ナインの「雨ニモマケズ」精神に学べ!!??”エッフェル”騒動が知事選に思わぬ波紋!!!???

  • 危機管理ゼロ人間が全員集合…自民党女性局とイ-ハト-ブの懲りない面々~お盆の“悪夢”が再来!?花巻東ナインの「雨ニモマケズ」精神に学べ!!??”エッフェル”騒動が知事選に思わぬ波紋!!!???

 

 自民党女性局のパリ“観光旅行”が全国民的な批判を浴びているが、その中のひとり地元岩手選出の広瀬めぐみ参議院議員(当選1回)のもうひとつの「危機管理」のなさぶりが新たな”火種”になりつつある。まるで、美食ツア-並みの今回の大名旅行が行われた10日ほど前の7月20日、広瀬議員は花巻市内で開かれた地元県議の総決起集会に来賓として、出席していた。当日は同市内に大雨による洪水や土砂災害への警戒を呼びかける「市災害警戒本部」が開設されていたが、集会はその真っただ中で強行された。

 

 まずは7月21日付の当ブログ「『危機管理』なんて、クソくらえ」の写真の面々をとくと見てほしい。危機管理のトップに立たなけれなならない首長や議員が全員集合という記念碑的な写真である。広瀬議員のほか、個人名はあえて控えるが、その肩書はこの秋の知事・県議選(9月3日投開票)の立候補予定者、それに地元・イ-ハト-ブ花巻の市長と市議会議長などなど。ベルサイユ宮殿などの観光地をめぐった後、よだれが出そうな美味を味わったらしい広瀬議員に限らず、この写真のご仁たちにとってはそもそも「市民の安心・安全」などは口先だけのことらしい。

 

 こんな”低俗”議員を国会に押し上げた責任の一端はむしろ、選んだ側にある。そう、旧統一教会がらみのあの選挙である。そして、まだ1年生のこのひよっこ議員の驕慢(きょうまん)ぶりの中に政治の腐敗のすべてが凝縮されている。あの時の余韻を引きずるようにして、またぞろ選挙の季節が近づいてきた。今度こそ、オメオメ騙(だま)されないように…。以下に戦前の著名な映画監督、伊丹万作の「戦争責任者の問題」(昭和21年8月)の一節を引いておく。

 

 「つまりだますものだけでは戦争は起らない。だますものとだまされるものとがそろわなければ戦争は起らないということになると、戦争の責任もまた(たとえ軽重の差はあるにしても)当然両方にあるものと考えるほかはないのである。そしてだまされたものの罪は、ただ単にだまされたという事実そのものの中にあるのではなく、あんなにも造作なくだまされるほど批判力を失い、思考力を失い、信念を失い、家畜的な盲従に自己の一切をゆだねるようになつてしまつていた国民全体の文化的無気力、無自覚、無反省、無責任などが悪の本体なのである。『だまされていた』といつて平気でいられる国民なら、おそらく今後も何度でもだまされるだろう。いや、現在でもすでに別のうそによつてだまされ始めているにちがいないのである」―

 

 

 

 

(写真は豪華なフルーツの盛り合わせ。広瀬議員のツイッタ-に一時掲載されたが、今回の騒動の後に削除された=インターネット上に公開されていた写真から)

 

 

 

《追記ー1》~あぁ、あの“事件”は2年前のお盆の入りの日ー本日「8月13日」のことだった!!??

 

 そういえば、同上総決起大会に選対総括責任者として名を連ねていたのは2年前、岩手県がコロナ緊急事態宣言を発出した盆入りの8月13日、親族らと飲食を共にしていた当時の副市長(その後、辞職)だった。因果はめぐる。いまこの人物、あの時の飲食先の焼き肉店が入居する道の駅の社長の座にちゃっかり、納まっている。ミソもクソも一緒くた。これがイ—ハト-ブ花巻(賢治の理想郷)の実態であることを改めて肝に銘じておきたい。

 

 

《追記―2》~雨ニモマケズ…花巻東高校が接戦を制し、3回戦へ

 

 ”悪夢”の盆入りの13日、花巻東高校が雨による1時間34分の中断をはさんだ末、郷土の詩人、宮沢賢治の「雨ニモマケズ」精神を見事に発揮。北北海道代表のクラーク記念国際高校を2対1の接戦で制した。応援に駆けつけた上田東一市長ら上記の「危機管理ゼロ」集団の面々にはこの高校球児の「爪の垢」のひと匙でも煎じて飲んで欲しいものである。その純粋なこころの中には「リスク」回避の要諦がいっぱい、詰まっているはずである。菊池雄星や大谷翔平ら同校卒業生の海の向こうでの活躍ぶりがそのことを見事なまでに証明している。大谷選手はこの日(日本時間14日)、9試合ぶりとなる41号ホームランを放ち、母校の勝利に花を添えた。

 

 

《追記ー3》~自民党”エッフェル騒動”余話

 

 自民党女性局の浮世離れしたフランス旅行が17日に告示される岩手県知事選に思わぬ波紋を起こしている、と15日付の日刊ゲンダイが伝えた。次期知事選には現職で5選を目指す達増拓也知事(59)と元県議の千葉詢子氏(45)がすでに出馬表明。野党各党が達増知事を支持する一方、自民党県連は千葉氏を全面支援、与野党による一騎打ちの構図となっている。

 

 千葉氏と二人三脚の形で動いてきたのが、渦中の広瀬めぐみ・参院議員。「自民党”エッフェル騒動”が岩手知事選を直撃」という大見出しの記事は、広瀬議員がSNSをストップし、”雲隠れ”していると報じている。さ~て、告示日にこの人は姿を見せるのか…選挙の関心を別の方向から高めてくれたという点ではある意味、貢献者と言えなくもない(その二人三脚ぶりは7月21日付当ブログをとくと、ご覧じあれ。右の人物にも注目)

 

 

《追記―4》~知事選両陣営に公開質問状

 

 花巻市内でフェアトレ-ド商品などの販売を手がける「おいものせなか」(新田史実子代表)は次期知事選に立候補を表明している達増拓也・千葉詢子両陣営に対し、各分野にわたる公開質問状を提出。このほど、その回答を得た。新田さんら有志は昨年1月の花巻市長選以降「暮らしと政治の勉強会」を主宰し、「おまかせ民主主義」からの脱却を訴え続けている。質問状への回答やその他のアクセス先は以下の通り。

 

・岩手県知事選候補者に公開質問状と回答①原文9頁(pdf)

https://oimonosenaka.com/wp-content/uploads/20230816-1.pdf

おいものせなか | Organic, Ecology and Fair Trade (oimonosenaka.com)

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『男やもめの七転び八起き』…コロナ禍の放浪の日々、そして「記憶と祈り」の8月

  • 『男やもめの七転び八起き』…コロナ禍の放浪の日々、そして「記憶と祈り」の8月

 

 妻との死別、コロナパンデミックの直撃、老人施設への緊急避難と脱出、そして市議選での惨敗…。この5年間、地べたをのたうち回った老いぼれの足跡(そくせき)を『男やもめの七転び八起き―イ-ハト-ブ敗残記』(論創社)というタイトルでまとめた。第1部「男やもめの“七転び”―妻の死とコロナパンデミック」、第2部「男やもめの“八起き”―叛逆老人は死なず」―の2部構成で、発行日は妻の没後5年の月命日に当たる「7月29日」。定価は1800円(税別)で、8月11日以降、全国の書店で随時店頭販売されるほか、Amazonなどのショッピングアプリで電子書籍も購入できる。

 

 正直、こんな惨めな姿をさらけ出すことにはためらいもあった。しかし、未知なるウイルスに翻弄(ほんろう)されたひとりの人間の”カルテ”として残すことにはそれなりの意味があるのではないかと考え直した。足元のイ-ハト-ブでは海の向こうの独裁者顔負けの強権政治がまかり通っている。余命が許してくれるなら「イ-ハト-ブ“図書館戦争”」(従軍記)なるタイトルで、稿を改めたいと思う。「思考停止」というもうひとつのウイルスが蔓延中である。これにどこまで抗うことができるのか、人生最後の勝負どころだと考えている。

 

 

 

<縁(えにし)の不思議―その1>

 

 拙著が発行された翌日の7月30日、畏友のノンフィクション作家、鎌田慧さん(85)の『叛逆老人 怒りのコラム222』が同じ出版社から刊行される運びになった。実は第2部の執筆を促したのは鎌田さんの前作『叛逆老人は死なず』(岩波書店、2019年12月刊)だった。「戦争に傾斜するグロテスクな時代を招くにいたったのは、われわれ老人が、平和の恩恵のなかに安閑と暮らしてきたからだ」―。この過激な檄文にそそのかされて市議選出馬を決断したことをこの場で白状しておきたいと思う。

 

<縁の不思議―その2>

 

 朝日新聞のオピニオン欄「耕論」(7月25日付)に「『帰れ』という言葉」と題する特集が掲載された。その地の国籍を持たない人や在留資格のない人に向けられる排外主義的な言葉の背景を論じた論考で、私はとっさに東日本大震災の際、当地花巻に避難していた被災者に向けられた「さっさと帰れ」発言を思い出した。被災者支援を審議する議会のさ中、ある議員が傍聴席を埋めた被災者に向かって「帰れ」と暴言を浴びせるという信じられない出来事が起きた。「着のみ着のままで投げ出された私たちには、帰る場所はないんです」という悲痛なうめきがまだ、頭の奥深くでこだましている。

 

 今回の特集で、北米先住民研究者で亜細亜大学教授の鎌田遵さん(50)はこう語っていた。「しばしば白人から『Go home(家に帰れ)』という言葉を投げつけられました。私には帰る国がありましたが、帰れない事情を抱える人が大半でした」。市議1年生の時に目の当たりにした「暴言」事件と構図は同じだと思った。

 

 鎌田さんは学生時代、カリフォルニア大学バ-クレ-校に留学していた。米国を訪れた際、同大学ネイティブ・アメリカン学科の図書館の案内をお願いした。『コタンに生きる』(岩波書店、1993年11月)という懐かしい本を先住民コ-ナ-の片隅に見つけた。現役記者時代、仲間とチ-ムを組みアイヌ民族を生きざまを追った渾身のルポだった。「おじさん、僕がネイティブ・アメリカンなど先住民の研究に入るきっかけは実はこの本と遭遇したからですよ」とその時、遵君は言った。実は鎌田慧さんとは親子の関係である。

 

 私が遵君の父親に背中を押される形で市議選に挑戦したかと思えば、遵君は私たち取材班が手がけた一冊の本がきっかけでその道の研究者へ。まこと、「縁は異なもの味なもの」―である。

 

 

 

 

(写真は時を同じくして出版された“叛逆”シリ-ズ)

 

 

 

《追記》~「記憶と祈り」の8月…拙著『男やもめの七転び八起き―イ-ハト-ブ敗残記』より

 

 「6日(広島原爆)・9日(長崎原爆)・15日(敗戦)…また、『記憶と祈り』の8月がめぐってきた。コロナ禍の中での“五輪狂騒曲”の陰にかすんで、その輪郭はまるで漂白されたかのように定かではない。…戦前、知性派の映画監督として知られた伊丹万作のあの有名な檄(げき)『戦争責任者の問題』(昭和21年8月)の一節が耳の奥ではげしくこだました」(2021年8月8日付、210ページ)

「危機管理」なんて、クソくらえ…上田市長が災害警戒本部の開設中に選挙応援!!??

  • 「危機管理」なんて、クソくらえ…上田市長が災害警戒本部の開設中に選挙応援!!??

 

 今月15日から断続的に続いていた大雨による洪水や土砂災害に対する対応のあり方について「過剰反応」ではないかという批判が起きる中、今度は市災害警戒本部(本部長、地域振興部長)が開設中にもかかわらず、花巻市の上田東一市長が20日午後、地元選出の県議の選挙応援に出席していたことが県議当事者のフェイスブック(FB)から明らかになった。「危機管理の甘さどころか、市民の安心・安全を本気で考えているのか」という政治不信の声が市民の間から噴出している。

 

 問題の事案は20日午後6時から、花巻市内で開催された川村伸浩県議(自民党)の総決起大会。川村県議は9月に予定されている県議選への出馬を表明しており、この日は後援会などの支援者約300人が詰めかけた。来賓のひとりとして出席した上田市長も腕を振り上げて「ガンバロ-3唱」を唱和した。一方でこの日午後零時8分に開設された市災害警戒本部が廃止されたのは夜の10時50分になってから。上田市長がその開設中に選挙応援に出向いたことについて、「一体、市長の口癖の危機管理はどこに行ったのか。ワンランク上の災害対策本部(本部長は市長)が発令されていないという言い逃れは市民感覚としてはとても通用しない」という怒りの声がもれた。

 

 「2万8773世帯6万9151人」―。15日に発令された「高齢者等避難」(警戒レベル3)の際、実際に避難したのは3世帯7人だったが、この時は「備えあれば、憂いなし」と上田市長の判断を評価する声もまだあった。その後も断続的に自主避難などが呼びかけられたが、避難者はゼロに止まり、次第に「呼びかけと実際の避難行動」との”ミスマッチ“への批判が高まりつつあった。その矢先に起きたのが今回の「選挙応援」事件。「道義的な責任はもちろんのこと、市政全般にわたる“政治責任”さえ問われかねない」と語気を強めた市民が電話をかけてきた。

 

 そういえば2年前、コロナ禍に伴う「岩手緊急事態」宣言が出された際、親族と飲食を共にして処分された藤原忠雅副市長(当時)が今回、川村県議の選対本部の総括責任者に名を連ねていることがわかった。この時の上田市長の処分の甘さにも市民の批判が相次いだ。「同じ穴のムジナ」―とはまさにこのこと、合点した。

 

 

 

(写真は災害警戒本部が開設中にもかかわらず、選挙応援に駆けつけた上田市長=右から2人目、檀上は川村県議。花巻市野田で。川村県議のFBから)

問われる“危機管理”のあり方…避難発令の先のもうひとつの「リスク」~実際の避難者は3世帯7人!!??

  • 問われる“危機管理”のあり方…避難発令の先のもうひとつの「リスク」~実際の避難者は3世帯7人!!??

 

 「2万8773世帯6万9151人」―。テレビ画面に連続して流されるテロップを見ながら、これはもしかしたら、もうひとつの「リスク」をもたらしかねない過剰反応ではないかと思った。花巻市は今回の大雨災害に際し、15日付で高齢者や体の不自由な人に対して避難を呼びかける「高齢者等避難」(警戒レベル3)を発令。旧花巻市内と旧石鳥谷町内に13か所の指定緊急避難所を開設し、避難を呼びかけた。

 

 「備えあれば、憂いなし」という危機管理の大原則を承知しつつも、私はこのけた外れの避難の呼びかけに一瞬、腰が引けた。同日付の「広報はなまき」によると、6月30日付の同市の人口は3万8825世帯9万1601人。今回の対象者は全人口の実に75%にも及んでいた。そもそも避難者全員を受け入るキャパはあるのか、備蓄は間に合うのか…。こんな素朴な疑問が頭をよぎった。「もうひとつのリスク」への懸念である。石鳥谷町内に住む知人はリハビリを兼ねたウォ-キング中に避難を呼びかける消防自動車と遭遇した。「なにかチグハグな感じがした」。旧花巻市内に住む市民も近くの避難所をのぞいてみたが「職員がぽつねんとしているだけで、避難者の姿は見えなかった」…

 

 「ゼロリスク症候群」という言葉がある。「リスク(危機的状況)はゼロでなければならない」という強迫権念や呪縛(じゅばく)を指す際によく使われ、“過剰反応”を引き起こす要因のひとつとも指摘される。今回はこれに該当するのではないかと思った。ちなみに、県内の他市で避難の呼びかけをしたのは当市だけだった。陣頭指揮を執る上田東一市長は今月初めに開かれた市政懇談会の席上、質問をしようとする市民を制して、こう述べた。「職員も夕飯を食べ、風呂にも入らなければならない」―

 

 「危機管理」の難しさは少しでも判断を間違えれば、一方であらぬ不安をあおりかねないという“両刃の剣”にある。実際、私の元にも遠方の肉親や知人などから安否を気遣う電話が相次いだ。だからこそ、トップリ-ダ-には確たる信念に基づいた「政治決断」が求められるのである。避難所で待機する職員の姿を思い浮かべながら、「ちゃんと、やりましたよ」という“アリバイ市政“に陥ることのないよう切に祈りたい気持ちになった。これではゆっくり、風呂にも入れない現場の職員が余りにも哀れではないか。大雨のピ-クが過ぎたことを受け、同市は16日午後3時13分、避難の呼びかけを解除し避難所も閉鎖した。

 

 本日付(7月15日)の岩手日報によると、実際に避難した人はわずか3世帯7人だった。ある市民は「こんな空手形みたいな避難発令を連発していると、いざ有事の際に正常性バイアス(まだ、安心だとか誤報だと判断ミスをすること)を引き起こしかねない」と懸念している。東日本大震災の教訓がまるで、生かされていないのではないか。仮におのれに火の粉(政治責任)が降りかかることを避けるための保身のパフォーマンスだったとすれば、それはもはや政治家失脚を意味する。そういえば、コロナ対応の際もこの人にはオーバーアクションが目立っていた。それにしてもである。避難を呼びかけた6万9151人のうち、それに応じたのがたったの7人だったとは…。「危機管理」というよりはむしろ、「市政運営」そのものの根幹が問われているとしか言いようがない。”政治不信”とはこんな時にこそ、ひょいと顔を見せることが多い。

 

 目の前に、裸の王様はたまた「経立」(ふったち)に変化(へんげ)したオオカミ少年を見る思いがする。

 

 

(写真はテレビ画面に流れるテロップ=15日午後8時すぎ、NHKテレビの「ブラタモリ」の画面から)

 

 

 

《追記》~自主避難の呼びかけ

 

 花巻市は大雨警報の発令に伴い、18日午前11時26分に災害対策本部を設置。東和地区の浮田、谷内、田瀬の各振興センタ-に指定緊急避難所を開設し、自主避難を呼びかけた。今回は対象者を特定した「高齢者等避難」などの発令ではなく、各人の判断に基づく呼びかけになった。一方、大迫町内川目地区には別に「高齢者等避難」を発令したが、19日午後現在上記4か所に避難した住民は確認されていない。今回のような避難の呼びかけと実際の避難行動とのミスマッチがなぜ、生じたのか―行政側は原点に立ち返ってきちんと、検証すべきであろう。