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新花巻図書館をめぐる“利権の構図”(下)…イ-ハト-ブに巣食う「ステ-クホルダ-」~利権に群がる人脈図!!??

  • 新花巻図書館をめぐる“利権の構図”(下)…イ-ハト-ブに巣食う「ステ-クホルダ-」~利権に群がる人脈図!!??

 

 「もし可能なのであればスポ—ツ用品店敷地を市有地にして、図書館を建てるというのが駅前案の中でも最も望ましい方向だということを私は主張させていただいている。…あの場所に図書館を建てて橋上化と一緒に西口の利用も皆さん交渉してもらったプランを反映させてつくりあげて行くというのが 一番良いんじゃないかなと」(会議録から原文のまま)―。この発言は昨年9月20日に開催された「新花巻図書館整備基本計画試案検討会議」(座長・市川清志生涯学習部長)で、有識者委員のひとりである公益財団法人花巻国際交流協会の佐々木史昭理事長が「駅前立地」を主張した際の内容である。佐々木理事長は同じ会議で次のような発言も口にしている。

 

 「商工会議所の一員としてコメントさせていただくと、地方経済というのは、やっぱりどうしても安心を求めたり名前を求めたりして大手、大手というように行きがちなんですけれども…岩手県内でも立派な仕事をしている建設会社はありますし、花巻市内の会社でもあるので、ぜひそういう皆さんにおかれましても、できれば地域のしっかりした会社ができるのであれば地域の会社にやってもらって、そこに皆さんもコンタクトしていただいてつくり上げていくというマインドを大事にしていただきたいというように思います」(会議録から原文のまま)―

 

 「ステ-クホルダ-」という業界用語ある。“利害関係人”という意味で、端的に言えば「委託―受託」関係がそれにあたる。ところで、花巻国際交流協会の佐々木理事長は一方で花巻商工会議所副会頭の肩書を持ち、同時に鉄道事業などに実績がある「(株)中央コ-ポレ—ション」(花巻市内)の代表取締役社長の地位にもある。上記の二つの発言はこうした立場の違いが言わせしめた内容で、正直と言えば全くその通りである。

 

 主として、JR側の鉄道事業などを請け負う独立行政法人「JRTT鉄道・運輸機構」(前身は日本鉄道建設公団)は鉄道周辺の工事の安全確保のため、「線路近接工事安全対策」を定め、工事に参入できる有資格名簿を公表している。花巻市内で工事資格を有する企業は全部で11社でこのほか、コンサルタントなどの役務資格のある企業が2社となっている。この中の1社が「(株)中央コ-ポレ-ション」で、図書館の駅前立地が実現した場合、優先的に工事を請け負うことができる立場にある1社である。さらに、同社は駅自由通路や橋梁工事にも実績があり、上田東一市長が強力に進める「JR花巻駅橋上化(東西自由通路)と図書館の駅前立地」がワンセットで実現すれば、この二つの巨大プロジェクを同時に受注できるという仕組みにもなっている。

 

 また、有資格企業13社の中には前・元副市長が役職者として名を連ねる2社が含まれているほか、ほとんどが市側と深い請負関係にある。ちなみに今回、文書開示請求をして入手した「JR交渉」の回答書(8月17日付当ブログ)にも立地場所に予定されているスポ-ツ用品店の撤去に当たっては「線路近接に係る施工方法について、当社と確認を行う」―との条件が課せられている。

 

 市当局がなぜ、これほどまでに「駅前立地」にこだわるのか―。その謎を解くカギのひとつが本件の“利害関係人”であるJR東日本と花巻市、事業参入の資格を有する企業の三者の「利害」関係である。分かりやすく言えば、「自社所有地をなるべく高値で売却したい」(JR側)―「駅橋上化と図書館のワンセット効果で駅前活性化(賑わい創出)を実現したい」(市側)―「(駅橋上化と図書館を合わせた)総事業費がざっと80億円にのぼる巨大プロジェクトを受注したい」(有資格企業)…この三者の利害が一致する場所は「JR花巻駅前」しかないというわけである。

 

 新図書館問題が迷走を繰り返すきっかけになったのは3年以上前の「住宅付き図書館」の駅前立地(2020年1月29日)という“青天の霹靂”のような突然の計画発表だった。立地場所に50年間の定期借地権を設定し、上階に住宅を併設するという手法に議会や市民から反対の声が上がり、結局は住宅と定期借地権の部分は撤回された。その直後から突然、高校生たちが駅前立地を望んでいるという、確たる根拠もないままの“若者待望論”が市側から盛んに喧(けん)伝されるようになった。いま考えれば、若者たちも結局は利権行政の“人質”(政治利用)だったということが言える。

 

 「駅前を希望する意見が多かった」―。上田市長が最終的に図書館の駅前立地を決断したのは冒頭の検討会議の意向を受けてのことだった。その方向性を主導したのが「国際交流協会理事長兼商工会議所副会頭」の肩書を持つ人物だったことがHP上などで公表されている公の事実から明らかになった。仮にもうひとつの候補地である病院跡地に立地する場合、制限なしの「一般競争入札」に付さなければならない。その分、入札機会もオ-プンになり、透明性のある競争原理が期待できる。これに対し「駅前立地」の場合、最初から建設業者や設計業者が限定されるといういびつな構造になっていることが今回、浮き彫りになった。

 

 背後にもっと複雑は事情があると思いきや、実際は「図書館はどうあるべきか」という本質論をそっちのけにした、利害関係者による“利権争い”だったということが白日の下にさらされた格好である。文化の殿堂ともいわれる「図書館」を食い物にした“利権人脈”はその経緯を市民(納税者)に明らかにすべきであろう。

 

 

 

 

(写真は「風の鳴る林」など宮沢賢治をイメージしたメルヘンチックな駅前は“利権争い”の舞台になっていた=花巻市大通りで)

 

 

 

《追記ー1》~「もう、タオルを投げたくなった」!!??

 

 花巻市議会9月定例会の一般質問が4日から始まり、伊藤盛幸議員(はなまき市民クラブ)が懸案の新花巻図書館問題について、「JR交渉のその後の動きはどうなっているか。駅前立地に伴うまちづくりの展望をどう描いているか」などとただした。これに対し、市川清志生涯学習部長が「花巻の玄関口として、集客効果が期待でき…」と例の“耳だこ”答弁を繰り返すと、伊藤議員は「その内容は以前にも聞いている。質問に答えていない」と食い下がった。でも、“百万遍念仏”を聞かされているようで、どっちもどっちもだなとため息がもれた。私を含めた市民が一番知りたいのは、市側がなぜこれほどまでに駅前立地にこだわり続けるのか。誰もが納得できるその合理的な理由は何なのかーということなんですよ。

 

 

《追記―2》~ホテルも活性化にひと役!!??

 

 「銀河ル-ム」や「山猫ル-ム」それに賢治ゆかりの品々を集めた「宮澤賢治探検本部」…。JR花巻駅前の目と鼻の先に位置するホテル「グランシェ-ル花巻」が今年3月、賢治を模したメルヘンチックな雰囲気に姿を変えてリニュ-アルオ-プンした。同ホテルは30年前、国土交通省(当時建設省)の駅前開発事業「レインボ-プロジェクト」を導入し、花巻商工会議所会頭などを歴任した故宮澤啓祐氏が起業した。

 

 その後、老朽化やコロナ禍の中で営業不振に陥っていたが、「駅前活性化に寄与したい」というホテル業界大手の「(株)リオ・ホ-ルディングス」の意向を受け、花巻市当局が全面支援する形で国の「高付加価値化事業」補助金などを運用して再建にこぎつけた。「駅前活性化」という観点では図書館の駅前立地の位置づけと軌を一にしている。「新図書館×駅橋上化×新装ホテル」―この“三位一体”のまちづくり構想を背後で支えているのが実は「利権の構図」であることがここからも見て取れる。

 

 

 

 

 

 

 

 

岩手県知事選の“狂気の沙汰”(下)…からの脱出~“人間選択“選挙で達増氏が5選へ

  • 岩手県知事選の“狂気の沙汰”(下)…からの脱出~“人間選択“選挙で達増氏が5選へ

 

 岩手県知事選挙の投開票が3日行われ、報道各社は投票締め切り直後の午後8時すぎ、一斉に達増拓也氏(59)の「開票前」当確を打った。無所属現職の達増氏と無所属新顔で前県議の千葉絢子氏(45)の事実上の与野党対決となった今回の知事選は東日本大震災やコロナ禍をくぐりぬけて来た達増氏に5選目の県政を託した。「これまでは学歴(東大法学部や米国の大学)や経歴(外務省職員や衆議院議員)を表に出すことは控えてきたが、今回は人間“達増”を知っていただきたいと思い、素顔を正直にさらすことにした。まるで、初めての選挙みたいな初々しい気持ちだった」―。達増氏のこの謙虚な言葉の中に勝因があると思った。一方で、対立候補のまるで真逆な印象がそれだけ際立った選挙戦だった。

 

 イーハトーブ(岩手花巻)はすんでのところで、“狂気の沙汰”から脱出することができた。明日(4日)には知事選の熱気が残る中、花巻市議会9月定例会の一般質問がスタ-トする。さぁ、「イ—ハト—ブ“図書館戦争”」の休戦明けはどんな結末に…

 

 

【確定得票数】(投票率56・63%)

 

・達増拓也~336,502票

・千葉絢子~232,115票

 

 

 

(写真は花束を受け取るた達増氏=NHKテレビから)

 

岩手県知事選の”狂気の沙汰“(中)…「健常者優位主義」を公然と口にする候補者とは!!??~今宵は願いごとが叶うス-パ-ム-ン、そして「100年後と100年前と」…

  • 岩手県知事選の”狂気の沙汰“(中)…「健常者優位主義」を公然と口にする候補者とは!!??~今宵は願いごとが叶うス-パ-ム-ン、そして「100年後と100年前と」…

 

 「子どもを産むとき、ただ五体満足であればいい。ただそれだけを思って、子どもを産みました。けれども成長していくと、やっぱり勉強ができてほしい。できれば経済やさまざまの産業のリ-ダ-として、岩手県に貢献できる人材になってほしい…」―。今次知事選に自民・公明両党の全面支援を受けて立候補している千葉絢子氏(45)のある集会でのこの発言にギョッとした。憚(はばか)りもなく「健常者優位」発言(優性思想)を口にする、その心性に言い知れない“恐怖”を抱いたのである。

 

 こう言ってのける千葉候補にはおそらく、今年度上半期の芥川賞受賞作『ハンチバック』(市川沙央著)などは眼中にないだろう。自らが重度障害者である市川さんは「せむし(ハンチバック)の怪物」と公言する主人公の口を通じて、社会の「健常者優位主義」に鋭い皮肉の目を向ける。読み終わった瞬間、その代表格のひとりがいままさに知事選を戦っているこの人だと思った。市川さんは受賞会見で「重度障害者の受賞がどうして“初”なのか考えてもらいたい」と話した。この発言の重さも到底、千葉候補の耳には届かないであろう。

 

 「重度障害者が社会との軋轢(あつれき)のなかでルサンチマン(恨みや嫉妬などの憎悪感情)を抱えても、それを知らずに生きていける健常者たちには伝わらない」(28日付「朝日新聞」)―。二松学舎大学の荒井裕樹准教授(障害者文化論)はこう述べている。障害者差別を口にしてなお、恬(てん)として恥じない人物を知事候補に持つという我が身の不幸に慄然(りつぜん)たる気持ちになった。

 

 こんな殺伐とした選挙戦さ中の27日、市内の社会福祉法人「花巻ふれあいの里福祉会」(こぶし苑)で福祉まつりが開催された。コロナ禍で中止になっていたため、4年ぶりの開催となった。私は市議になる前の6年ほどの間、知的障害者が通うこの施設の園長を務めた。園庭では同じくらいに年を重ねた利用者たちが全身汗だくになりながら、3B体操の演技を披露していた。てる君やのぶ君、みきちゃん、きくよちゃん…。みんなが「園長、園長」と叫びながら、かけ寄ってきた。涙が汗と一緒に頬を伝った。在職中、私は宮沢賢治の作品『マグノリアの木』から借用して、「銀の鳩」―「天の鳩」と名づけたパン工房と産直施設を建てた。いまも健在なその姿に胸が詰まった。

 

 「本日の開催、まことにおめでとうございます」―。祝辞を述べる上田東一市長の妙に上ずった声が耳に飛び込んできた。表向きは”中立”を装いつつ、裏ではコソコソと千葉候補の支援に回る姑息(こそく)な振る舞いに反吐(へど)が出そうになった。「こんな見え透いた茶番で障害者とその家族の歓心(かんしん)を買うような卑劣な行為は止めてほしい」と心底、そう思った。

 

 

 

(写真は炎天の中、精いっぱいの演技を披露する利用者たち=8月27日、花巻市湯口のこぶし苑で)

 

 

 

●《知事選特集》

 

 ~千葉候補の発言「全記録」のリンク先を以下に掲載します。政治家の命は「言葉」です。アナウンサーを生業にしてきた千葉候補の口からどんな言葉たちが語られているのか。本当の言葉には魂が宿るー“言霊“(ことだま)と言ったのは作家の故石牟礼道子さんでした。

 

 

https://x.com/meguken0714/status/1694859872406536685?s=51&t=5UVcDeGXHwLdDdpIyRS7mg


https://x.com/meguken0714/status/1694992378606616769?s=51&t=5UVcDeGXHwLdDdpIyRS7mg


https://x.com/meguken0714/status/1694977179279646986?s=51&t=5UVcDeGXHwLdDdpIyRS7mg


https://x.com/meguken0714/status/1694710900354322461?s=51&t=5UVcDeGXHwLdDdpIyRS7mg

 

https://t.co/ciRPiu3aDT https://x.com/makimakiia/status/1693641660914081858?s=51&t=5UVcDeGXHwLdDdpIyRS7mg

 

・ https://t.co/ciRPiu3aDT

 

 

 

 

《9月3日投開票の岩手県知事選まで固定掲載》~知事選両陣営に公開質問状

 

 花巻市内で花巻市内でフェアトレ-ド商品などの販売を手がける「おいものせなか」(新田文子代表)は次期知事選に立候補を表明している達増拓也・千葉絢子両陣営に対し、各分野にわたる公開質問状を提出した。新田さんら有志は昨年1月の花巻市長選以降「暮らしと政治の勉強会」を主宰し、「おまかせ民主主義」からの脱却を訴え続けている。質問状への回答やその他のアクセス先は以下の通り。

 

岩手県知事選候補者に公開質問状と回答8頁(pdf)

・候補者早わかり版チラシhttps://oimonosenaka.com/wp-content/uploads/hayawakari-rotated.jpg

 

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 選挙とは言葉の戦いでもある。その言の葉の中に心を揺さぶる“言魂”(ことだま)が宿っているかどうか―。今次の知事選でとくに目を引くのはその言葉の貧困である。そんな時にふと、吸い寄せられるのが哲学者の鷲田清一さんが朝日新聞一面に長期連載する「折々のことば」である。投票日まであと4日。人間観察の目を養うため、8月29日と30日付に掲載された珠玉の2編を引用させていただく。

 

●たち悪くなれとの事が今の世に生きよと云ふ事に似てゐる(違星〈いぼし〉北斗)

 

~和人(シャモ)による差別に抗(あらが)い、アイヌの民族復興に身を捧げる中で早逝(そうせい)した歌人は、侮蔑され、簒奪(さんだつ)され、見世物にされてきたアイヌの怒りと、その抵抗の中で味わう底なしの哀(かな)しみとをこう詠む。全文字にふられた傍点が、荒(すさ)んで今にも絶叫しそうなおのれの心を必死で抑え込んでいるかに見える。百年近く前の歌なのに現在を詠(うた)っているよう。『違星北斗歌集』から=29日付

 

●神様が私達を創造下さった時、私達の心はきれいなものであったそうです(中里篤治〈凸天〉)

 

~“アイヌの啄木”と呼ばれた違星(いぼし)北斗とともにその民族復興に尽くした中里。いくら頑張っても「斥(しりぞ)けられ、のけ者にされ、けむたがられ」るアイヌの一員として、荒(すさ)んだ復讐の念を滾(たぎ)らせる一方、深い寂しさゆえに不遇の人たちを慰めうるという、その引き裂かれた思いを綴(つづ)った。「コタン」創刊号(1927年)に載せた文章「偽らぬ心」(『違星北斗歌集』所収)から=30日付

 

 

 

《追記ー1》~まちがいのない選択を!?

 

 月が一年中で最も地球に近づく「スーパームーン」を迎えたこの日(8月31日)、イーハトーブ(岩手花巻)の未来を占う県知事選の投票日もあと3日後に迫った。「みんな、まちがいのない選択を…」。東北地方は”月光浴”に最適な天気に恵まれた。幾分、秋の気配が感じられる中天の満月を仰ぎながら、実に13年ぶりのお目見えに、こんな願いごとを唱えた(コメント欄に写真掲載)

 

 

《追記ー2》~100年後と100年前と(関東大震災から100年)

 

 

 「100年先も岩手で家族を育み、一生にわたって安心して暮らしていける岩手」―。3日投開票の岩手県知事選に立候補している千葉絢子氏(自民・公明両党支援)の選挙公報を読みながら、私はちょうど100年前に起きた凄惨な事件を思い起こしていた。

 

 1923(大正12年)9月1日、関東大震災が勃発。「朝鮮人が井戸に毒を入れた」というデマがあっという間に広がり、自警団や憲兵隊によって、多く朝鮮人の命が奪われた。あれから100年を経たこの日、「福田村事件」(森達也監督)というタイトルの映画が公開された。震災の5日後、首都圏から約30キロ離れた千葉県福田村(現野田市)で、香川県からやって来た薬売りの行商人9人が「朝鮮人」と疑われ、虐殺された。映画の中で群集心理の恐ろしさを描いた森監督は「集団に埋没しないためには、一人称で自分を語ることが大事だ」と話していた。

 

 「100年後」を語る千葉候補はそれでは「100年前」の”負の遺産”とどう向き合って生きてきたのだろうか。障害者差別を平然と口にするこの人に対し、そんな“歴史感覚”を期待する方がそもそもないものねだりかも知れないが…。タモリがいう「新しい戦前」の足音がヒタヒタと近づいているような気がする。

 

 

《追記―3》~あれっ、例の“布教”演説と瓜二つ!!??

 

 「鈴木財務大臣とは、国道4号の県内他地域を含めた拡幅工事の進捗状況や、当市における防災対策の現状および国の支援を活用したコンパクト・プラス・ネットワークのまちづくりについてお話いたしたところであり…大臣からは必要な予算はしっかり確保するとの発言があり、お忙しい中、真摯にご対応いただいたことに感謝申し上げる次第であります」ー

 

 1日に開会した花巻市議会9月定例会の行政報告で、上田東一市長は胸を張ってこう述べた。あれ、どこかで聞いたような名調子だなと思って、ハタと心づいた。自民党や公明党の全面的な支援を受けて今次知事選に立候補している千葉絢子氏が8月24日、当地花巻で開いた総決起大会で口にした内容と余りにも似通っていたからである(8月26日付当ブログ「岩手県知事選の“狂気の沙汰”(上)」参照)。

 

 千葉氏はその時、祝辞を述べた上田市長の前でこう力説した。「皆さま方にはリ-ダ-を変えて、しっかりと月に4度でも5度でも財務大臣、総務省さまざまなところにお願いに行けるリ-ダ-を選んでいただかなくては岩手県の皆さまの幸せにつながらない。私は今日、布教するために参りました」―。「どうりでな」と妙に得心した。それにしても、これって神聖な議場を利用した巧妙な“選挙応援”じゃないのかなぁ…

 

 

 

 

 

 

 

岩手県知事選の“狂気の沙汰”(上)…まるで、独裁者のアジテ-ション!?~賢治と清衡の嘆き節が聞こえてくる!!??~「千葉」語録の録画公開へ、

  • 岩手県知事選の“狂気の沙汰”(上)…まるで、独裁者のアジテ-ション!?~賢治と清衡の嘆き節が聞こえてくる!!??~「千葉」語録の録画公開へ、

 

 「岩手県の財政力は非常に厳しい。国に忖度(そんたく)しないで、基盤整備できますか」、「(国に対し)お願いに行けるリ-ダ-を選んでいただかなくては、岩手県の皆様の幸せにつながらないということを私は今日、布教するために参りました」―。今次の岩手県知事選は立憲民主党など野党が押す現職の達増拓也氏と自民党の全面的な支援を受けた前県議の千葉絢子氏の与野党対決となっているが、冒頭は24日当地花巻で開かれた千葉氏の総決起大会おける本人の発言要旨である。いまや、口にするのも憚(はばか)られる“忖度”とか“布教”という言葉が何のためらいもなく、しかも確信めいた口調でポンポンと飛び出す…そのことに私は心底、怖気(おじけ)づいてしまった。

 

 宮沢賢治は岩手県を「イ-ハト-ブ」と名づけ、こう書いている。「実にこれは著者の心象中にこのような状景をもって実在したドリ-ムランドとしての日本岩手県である」(『注文の多い料理店』広告チラシ)。まさか、“夢の国”のど真ん中でこんな時代がかった、上から目線の言葉を聞くとは思っていなかった。さらに、この候補は「仏国土」―平泉の出身だという。「この鐘の一音が及ぶ所は、世界のあらゆる所に響き渡り、苦しみを抜き、楽を与え、生きるものすべてのものにあまねく平等に響くのです…」(中尊寺建立供養願文=口語訳)―。初代藤原清衡はこの願文に“万物平等”の浄土思想を託した。一体、この人はこうした風土や歴史が培ってきた過去のレガシー(遺産としての記憶)をどう体に刻みこんできたのだろうか。

 

 そいう言えば、イ-ハト-ブの盟主を自認する花巻市の上田東一市長は口先では「中立」を装いながら、千葉候補と二人三脚の蜜月ぶりである。補助金行政にどっぷりと浸かったその手法を是とする二人はきっと、ウマが合うのだろう。そんな中、千葉候補の地元・平泉町長が達増支持を明言したというニュ-スが耳目を集めている。「来年(2023年)はどんな年になるか」と黒柳徹子から問われたタモリはこう答えている。「新しい戦前になるんじゃないですか」

 

 いま全国から注目されている岩手県知事選―。賢治や清衡の「平和思想」を継承する戦いになるのか、あるいはまた「新しい戦前」…あのファシズムの世界へ後戻りするのか。原発の汚染水の放出にはそっぽを向き、五体満足な子どもを産み育てたと自慢気に語るその言葉がそのまま、「障がい者」の心を傷つけていることに気が付かない無自覚性…。この種の人物に対しては「政策」より先に、まずその「資質」こそが問われるべきであろう。将来の国運さえも占いかねない重大な選挙戦の様相を見せつつある。今回の選挙は真の意味で、「夢の理想郷」(イーハトーブ花巻)と「仏国土」(平泉)の真価が試される戦いでもある。

 

 

 

(写真は千葉候補の選挙風景=インタ-ネット上に公開の写真から)

 

 

 

●《知事選特集》

 

 ~千葉候補の発言「全記録」のリンク先を以下に掲載します。政治家の命は「言葉」です。アナウンサーを生業にしてきた千葉候補の口からどんな言葉たちが語られているのか。本当の言葉には魂が宿るー“言霊“(ことだま)と言ったのは作家の故石牟礼道子さんでした。

 

https://x.com/meguken0714/status/1694859872406536685?s=51&t=5UVcDeGXHwLdDdpIyRS7mg


https://x.com/meguken0714/status/1694992378606616769?s=51&t=5UVcDeGXHwLdDdpIyRS7mg


https://x.com/meguken0714/status/1694977179279646986?s=51&t=5UVcDeGXHwLdDdpIyRS7mg


https://x.com/meguken0714/status/1694710900354322461?s=51&t=5UVcDeGXHwLdDdpIyRS7mg

 

https://t.co/ciRPiu3aDT https://x.com/makimakiia/status/1693641660914081858?s=51&t=5UVcDeGXHwLdDdpIyRS7mg

 

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《9月3日投開票の岩手県知事選まで固定掲載》~知事選両陣営に公開質問状

 

 花巻市内で花巻市内でフェアトレ-ド商品などの販売を手がける「おいものせなか」(新田文子代表)は次期知事選に立候補を表明している達増拓也・千葉絢子両陣営に対し、各分野にわたる公開質問状を提出した。新田さんら有志は昨年1月の花巻市長選以降「暮らしと政治の勉強会」を主宰し、「おまかせ民主主義」からの脱却を訴え続けている。質問状への回答やその他のアクセス先は以下の通り。

 

岩手県知事選候補者に公開質問状と回答8頁(pdf)

・候補者早わかり版チラシhttps://oimonosenaka.com/wp-content/uploads/hayawakari-rotated.jpg

 

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《追記ー1》~現職の達増氏が一歩リード。岩手県知事選

 

 

 共同通信社は26、27両日、任期満了に伴う岩手県知事選(9月3日投開票)の電話調査を実施し、取材結果を加味して情勢を探った。5選を目指す現職達増拓也氏(59)が幅広い支持を得てリードし、元県議の新人千葉絢子氏(45)が追う展開となっている。回答者の1割強は投票先を決めておらず、情勢は変わる可能性がある。  

 

 両氏とも無所属で、立憲民主など野党が達増氏を支援し、自民、公明両党は千葉氏を推す事実上の与野党対決。政党別では、立民、共産、社民を支持すると答えた人のそれぞれ8割を達増氏が固め、千葉氏は自民支持層の6割に浸透した。「支持する政党はない」とした無党派層からの支持は達増氏が6割弱で、千葉氏は2割台にとどまった。男女別で見ると、達増氏は男女それぞれ5割台の支持を得たのに対し、千葉氏は男性3割台、女性2割台だった。電話調査は、岩手県の有権者と答えた人を対象に実施。固定電話で723人、携帯電話で314人の有効回答を得た(27日付共同通信「電子版」)

 

 

 

《追記―2》~シモ-ヌ、フランスに最も愛された政治家

 

 「仙台から」という奇妙な差出名の以下のようなコメントが寄せられた。時節柄から吸い寄せられるような気持で一気に読んだ。早く、映画を観てみたいと思った。

 

<シモ-ヌ フランスに最も愛された政治家>

 

 今仙台市内ではシモ-ヌ・ヴェイユ(1927‐2017)というアウシュビッツを経験し、女性初の欧州議会議長を務めたフランス人の生涯の描く映画が上映されています。ナチスの独裁政治によってもたらされた最悪の状況と戦い、戦後はその悲惨な現実の記憶に苛まれながら、世間から見捨てられていた人々の人権を本来あるべき姿に戻す様子が描写されています。

 

 今、岩手県内で行われている政治活動は、独裁主義と民主主義、中央集権と地方自治との違いを明らかにするものです。岩手県での結果が今後の日本における民主主義とそれを裏打ちする地方自治の将来を決定する可能性があります。どうか候補者の主張に耳を傾け、ふさわしい人を選ぶことに繋がりますよう隣県から切に祈っています。

 

https://simonemoviejp.com/index.html

 

 

 

 

 

新花巻図書館をめぐる“利権の構図”(中)…えっ、立地場所が鉄道用地内という“怪”!?、そして、利権の“人質”になった若者待望論の虚実!!??

  • 新花巻図書館をめぐる“利権の構図”(中)…えっ、立地場所が鉄道用地内という“怪”!?、そして、利権の“人質”になった若者待望論の虚実!!??

 

 「騒音や振動の心配はないのか。万が一の事故でも起きたら…」―。上田東一市長が新花巻図書館の駅前立地を初めて公表した際のある市民のこの言葉をノドに刺さった小骨のように引きずってきた。環境面から懸念を表明した意見だったが、駅前立地への異常なこだわりを目の当たりにしているうちに「何か裏があるな」という“嗅覚”が働いた。念のため、立地場所とされる「スポ-ツ用品店」の土地登記簿を取り寄せてみた。地目は「鉄道用地」で、建物ともにJR東日本の所有になっていた。地目変更をしない限り、鉄道用地内に図書館が出現するという“真夏の世の夢”!!??少しずつ、そのからくりが見えてきた。

 

 「鉄道又は軌道の用に供する土地(以下「鉄軌道用地」という)の価額は、その鉄軌道用地に沿接する土地の価額の3分の1に相当する金額によって評価する」―。国税庁通達(「雑種地及び雑種地上に有する権利」)は「鉄軌道用地の評価」について、このようなル-ルを定めている。電車による振動や騒音被害は全国で相次いでおり、国税「不服審判所」での裁決事例でも土地評価額の減額を妥当とする判断が定着している。たとえば、東京国税不服審判所(平成15年9月5日)の裁決はこう述べている。「鉄道から20㍍の範囲内の部分について、10%減額するのが相当である」

 

 一方、今回のように土地と建物の所有者が同一(JR東日本)の場合、国土交通省の「不動産鑑定評価基準」によれば、建物の解体費用などは所有者が負担すべきとした「建付減価」方式が通例の土地取り引きとされている。ところが、6月13日付でJR側から提示された回答書(8月17日付当ブログ)では「建物付き譲渡と市側による解体、その際の施工方法のJR側への確認」など前例を無視したJR側の高飛車な姿勢が目立っている。「駅前に図書館を建てないなら、まず当方の条件を呑むべきだ」という態度がミエミエである。

 

 「当該用地が現在当社にとって、継続的な収益を生みだしていることや、安全な鉄道事業運営に必要な用地である」(JR回答)―。この発言の中に買い手の市側の足元を見透かした“恫喝”まがいの交渉術が透けて見えてくる。そもそも、鉄道の安全運営に欠かせない土地(鉄道用地)を公共用地(図書館)として譲渡しようとする意図は一体、どこにあるのか。他方、市側はなぜこれほどまで頑(かたく)なに駅前立地にこだわるのか―。ちなみに、鉄道用地については固定資産税が3分の1に減額される特例も設けられているが、地目変更をしないまま現在も「商業施設」(スポ-ツ用品店)が営業を続けていること自体に法的な疑義を覚えざるを得ない。ことほど左様に新図書館の駅前立地というからくりの全体像は以前、“闇”の中に隠されたままである。

 

 こうした“不都合な真実”は黒塗りされた3項目の中に目隠しされているはずだが、開示された部分にも例えば、対等な土地取り引きでは想定されない「土地収用法(今回は譲渡益の課税繰り延べが理由)」の適用や譲渡した土地・建物の第三者への譲渡禁止など通常では考えられない留保条件が付されている。これを裏返せば、買う側(市側)の「利権」の実態も相対的に浮かび上がってくるという構図である。双方の思惑がこんな形で一致する時に「利権の構図」が成立することを私は肌で知っている。私事で恐縮だが、現役記者時代にハマコ-こと故浜田幸一代議士の“金権”問題を追及したことがある。買い取った土地を翌日には転売(土地ころがし)して“利ザヤ”を稼ぐ手法は日常茶飯事だった。以来、土地取り引きの背後には「利権」が付きものだという職業意識を持つようになった。

 

 ハマコ-の時代だけではない。当地でも旧新興製作所跡地をめぐって、土地を取得した不動産会社が翌日にその一部をパチンコ店に転売するという出来事があった。この会社はその後倒産に追い込まれたため、“うま味”にあずかることはできなかったが、由緒ある城跡が土地ころがしの舞台となった前代未聞の不祥事だった。旧新興跡地や旧料亭「まん福」跡地、旧花巻病院跡地、加えていま渦中の「スポ-ツ用品店」跡地問題…。法外な要求を突きつけようとするJR側とズルズルと後退を余儀なくされる市側と―。上田市政が今後どんな、手法を繰り出すのか。そこにいかなる「利権」がからんでいるのか、あるいはいないのか―じっくりと観察させていただこうと思う。

 

 いま思うに、高校生たちが駅前立地を望んでいるという”若者待望論”も結局は利権行政の”人質”ー若者の政治利用を目論んだ”フェイクニュース”だったのではないかという虚しさだけが澱(おり)のように沈殿している。これって、ある意味で悪質な”犯罪行為”ではないのか…

 

 

 

(写真は「鉄道用地」の中に建っているスポ-ツ用品店。新図書館の「駅前立地」とは厳密には「“駅中”立地」のことだった。右側の高層ビルはホテル=花巻市大通りのJR東北本線側から)

 

 

 

《9月3日投開票の岩手県知事選まで固定掲載》~知事選両陣営に公開質問状

 

 花巻市内で花巻市内でフェアトレ-ド商品などの販売を手がける「おいものせなか」(新田史実子代表)は次期知事選に立候補を表明している達増拓也・千葉詢子両陣営に対し、各分野にわたる公開質問状を提出した。新田さんら有志は昨年1月の花巻市長選以降「暮らしと政治の勉強会」を主宰し、「おまかせ民主主義」からの脱却を訴え続けている。質問状への回答やその他のアクセス先は以下の通り。おいものブログにはひと目でわかるダイジェスト版も。

 

岩手県知事選候補者に公開質問状と回答 修正版8頁(pdf)

おいものせなか | Organic, Ecology and Fair Trade (oimonosenaka.com)

おいものブログ:SSブログ (ss-blog.jp)

 

 

 

《追記ー1》~慶応が107年ぶりに優勝、歴史を塗り替える快挙!!??

 

 全国高校野球大会の決勝戦が23日に行われ、慶応義塾高校(神奈川)が昨年の覇者・仙台育英高校(宮城)を破り、107年ぶりに優勝した。思えば、世紀を超えるこの快挙の前史を知る人はほとんど存命していないわけであり、歴史に新しいページを印した高校球児に心からの感謝を伝えたい。陰湿な「イーハトーブ”図書館戦争”」が続く中、すがすがしい風を送ってくれた”陸の王者”よ、ありがとう。

 

 

《追記ー2》~「理解不能」(通りすがりの市民を名乗る方からのコメント)

 

 「当該用地が現在当社にとって、継続的な収益を生みだしていることや、安全な鉄道事業運営に必要な用地である」(JR回答)

 

~ 「安全な鉄道事業運営に必要な用地」なのに、なぜ「当該用地が現在当社にとって、経常的な収益を生みだ」すような使われ方がなされているのでしょうか?スポーツ用品店とその駐車場場が「安全な鉄道事業運営」に資するものなのでしょうか?意味不明なJR東日本の回答ですが、交渉している市の人は理解しているのでしょうか?市の職員と違って頭の悪い私には理解不能です。

 

 

《追記ー3》~あれっ、やっぱり”中立”じゃなかったんだ!!??

 

 県知事選への意向調査(17日付当ブロブ「あれっ、”中立”だっけ」参照)で、「中立」の立場を表明していた花巻市の上田東一市長が24日、当地で開かれた千葉絢子候補の総決起大会に出席していたことがSNS上で分かった。「国に忖度しないで、基盤整備できますか」ー。自民党の全面支援を受ける千葉候補はこう言ってのけ、この日の原発汚染水の放出にも結局、触れずじまい。先輩格の”忖度”市長はきっと、感涙(かんるい)にむせんだにちがいない。さ~て、上田市長が対立候補のこの種のイベントに顔を見せるかどうかが、その「中立度」を測定するカギになりそう。舌が一枚か2枚か…当分、この人の一挙手一投足から目を離すことはできそうにない。