チャトニー考2

”チャトニー”これは日本では「チャツネ」と
呼ばれている物である。このチャツネというものは、
カレーの中に料理の過程で素材として加え、カレーの
味がより複雑になって本格的なぞと、カレー料理本
<カレー粉 料理の本>に登場してくるが、しかし、
インド料理のカリーでは、チャトニーがカリーの中に
調理過程で加えられるとは私の知る限りない。

日本で、インド人がつくった日本のカレーなどという
カレースパイスを販売しているインド人はチャツネを
カレー調理過程で加えると言っているが、
この人のことは論外しておく。

昨日の冒頭の詩のごとく、チャトニーは
料理に添えてその料理と一緒に響される。

そのメーン料理は
肉料理、魚料理、パン類、ご飯類、野菜料理等。
あらゆる料理が可能であり、チャトニー自体も
その料理と相性の良い物が添えられ、相手を
引き立たせるだけではなく、相乗作用を
おこすものである。

チャトニーを大別すると、
1.フレッシュなチャトニー
2.日持ちの良いチャトニー
に分けられる。

1.にはコリアンダーやミント等の
ハーブ類や生姜、レーズン、唐辛子などの
チャトニーがあり、これは出来てすぐ
食するものであり、2~3時間経過しただけで
渇変し、色がきたなくなる。

2.のチャトニーには、バナナ、オレンジ、
パイナップル、レモン、りんご、ぶどう等の
フルーツや、人参、ルバーブ、にんにく、トマト
等の野菜、それにレーズン、デーツ、マンゴー、
ピスタチオ、カシューナッツ等のドライフルーツを
材料にしたものがある。

このチャトニーは火を通し、砂糖を加える。さらに
酸味は酢、アームチュール(マンゴーパウダー)
イムリ(タマリンド)コーカム等が使われる。
砂糖と酸味、そして加熱される事によって保存が
きくのである。

インド料理は出来たてを食べるというのが原則であるが、
2.んもチャトニーと”野菜の油漬けの乳酸発酵させて
つくるアチャール”だけが日を経て食べる例外的な
食べ物といえよう。

この2のチャトニーとママレードやジャムとの関連性
については解明されてはいないが、大塚滋氏によれば
ヨーロッパへインドより砂糖が紀元前300年頃もたされ、
ジャムに試みられ、王侯貴族が貴重品として食した
とのことである。それ以前は蜂蜜を使っていたらしい。

尚、冒頭の詩は、当時、イギリスに”グレイ少佐”という
ラベルのチャトニーがあり、それが好評だったことから
生まれた詩である。

21年前から、はぐれもんだった私が書いた文章らしい
ところがみられ、
本人だけが王道を往ってるつもりは今も変わらず・・・
2011.12.04::[インド料理のあれこれ]