生活に取り入れたり、仕事で生かすなどしていただけると本望です。
◎接客の力
A氏は結婚20周年のお祝いに妻と日本料理店を訪れました。その店では料理の味だけでなく、雰囲気の良さやスタッフの丁寧な接客が印象に残りました。
自らが経営するスポーツクラブでもそうした良い部分を取り入れたいと思ったA氏は、「トレーニングのアドバイスだけでなく、仕事場の整理整頓や気持ちの良い挨拶の習慣を大切にしていこう」とスタッフに伝えました。
しかし、反応はいまひとつで、定期的にその話をしても意識を向上させることにはつながりませんでした。
そこで、A氏はスタッフ数名を連れて、妻と訪れた日本料理店に行きました。
実際にその店で時を過ごし、心地の良い接客を受けることで、お客様の満足度をさらに高めるために必要なことを感じてほしかったのです。
翌朝、同席したスタッフが率先して整理整頓に取り組む姿が見られ、挨拶も活発に交わされるようになり、職場に活気が生まれました。
実務以外でも大切にすべきことがあることを忘れないようにしたいものです。
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<コメント>
組織のリーダーは勉強熱心ですから、いろいろなところにアンテナを張り、そこで得た学びを組織に活かしていきたいという思いがあるものですよね。
しかし、その熱は本人が思っているようには伝わらない、ということも、多くの方が経験済みでしょう。
理想は全員で学ぶ(体験する)こと。全員が無理な場合でも、なるべく複数のインフルエンサー的な人と一緒に学ぶことで、リーダーだけの思いではなくなり、うまくことが運んでいきますね。
組織は、多種多様な人達の技術的・人間的要素の組み合わせの妙で発展していくわけで、そこに新しい風を吹き込みたいときの順番があると言われています。
真っ先に動かすべきは、「何でもまずはやってみよう精神」に溢れた人たち。次にはいろいろなことに従順なタイプ。最後に分析的な人。
分析的な人の批判精神は、脇を固める上でとても貴重ですし、勝手な思い込みで暴走するのを防ぐ力にもなります。
しかし、最初からそこを強調されると先に進んでいけません。順番とハーモニーが大切ですね。
◎ヤドカリに学ぶ
夏本番を迎えると、砂浜や磯場は多くの人で賑わいます。
砂浜には様々な生き物が生息しており、美しい貝や珍しい貝を見ることができます。その中で生活しているのがヤドカリです。
ヤドカリは巻貝の貝殻に体を収めて生活します。成長するたびに適当なサイズの貝殻を選んで住処を変える姿が「宿を借りる」にたとえられ、和名では「ヤドカリ」と呼ばれています。
ヤドカリは甲殻類に分類されるカニの一種ですが、腹部がとても柔らかく、硬い甲羅で身を守ることができません。そのため、貝殻に自分の体を収めて生活しているのです。
また、ヤドカリは巻貝だけでなく、二枚貝を宿とするものや、サンゴに空いたゴカイの古巣、さらには木片やプラスチックゴミを住処とするものもいます。
人間も様々なタイプが存在します。人生という大海を生き抜くためには、自分の課題を克服しつつ、状況に甘んじることなく成長することが大切です。
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<コメント>
ヤドカリに学ぶところは確かにありそうですね。
限定した箇所のみを硬くて丈夫にし、他の部分は柔らかいままにして、外部資源を活用して防御を図るという発想!相手が見つからない時は、ChatGPTと対話するという手もあります(笑)。