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ものごとのとらえ方・言葉の使い方・ 体の使い方 その4
ものは考えよう、という言葉がありますね。ものごとのとらえ方を変えることによって、気持ちを切り替えることができるっていうわけです。別な表現では、「焦点のあて方」を変えることによって、意識的に感情をコントロールできる、となります。
今回は、前回に引き続き、モヤット感情の中の「怒り」についてその対処法を「焦点のあて方」をとおして考えてみたいと思います。
例えば、自分は一生懸命やっているのに、周りの人がふざけてサボっている、という状況で怒りがこみ上げてきたとしましょう。状況しだいでは、怒りをストレートにぶつけることが最善ということもあるかもしれません。しかし、それでは自分の感情を吐き出しただけで、状況はさっぱり良くならないというときもあるでしょう。
合気道の大家藤平光一氏によれば、そもそも「怒ることは精神病である」というのです。これほど見事にバッサリ言い切られると、「なるほどそれもそうだな」と思いませんか? 「焦点のあて方」を『怒り=精神病』とし、精神病になりたくなかったらコントロールせよ、ということですね。自分の中に軸として持っておきたい考え方です。
パフォーマンス学の日本における第一人者佐藤綾子氏(日大芸術学部教授)によれば、「怒り」の対処法は以下の4つだそうです。「迎合」 「引きこもり」 「攻撃」 「バランス型」「迎合」とは相手に合わせること。妥協と言い換えてもいいですね。「引きこもり」は相手を避けて自分の内に入ること。波風は立ちませんが、自分の人間関係が広がりにくくなります。「攻撃」は、自分の目的を達成することはできますが、人間関係が壊れることも少なくありません。そして「バランス型」は、怒りの原因を冷静に分析してうまく自己主張する人です。 怒りを溜め込んで家に帰ったら、ぜひもう一度その場面を思い出して、これらを4つの方法で対処したらどうなるか、イメージしてみてください。
そして、今後似たような状況に出合ったとき、どのように対処するかをもイメージしてみましょう。
そもそも自分はどういう人でありたいのか、というスタンスがはっきりしていると、突発的な怒りに対しても冷静に対処できると思います。
ハモコミ通信2007年8月号
2007.08.01:壱岐産業:[事務局ノート]