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我が家のグレーゾーン劇場
我が家は5人家族です。ハイエナ親分を差し置いて、3人の子ハイエナ達が暗躍しています。
その食い意地に裏付けられた心の動きをしばしともに味わってください。
ケース① 6個入のお菓子をいただいたとします。これ、よくあるケースです。当然、皆、最低1個は食べられると考えます。さて残りの1個を誰が食べるか?ハイエナ親分が、我こそは一番体が大きいので2個食べれるかと期待して箱を開けると…、ん? 無い! どういうことだ!
ケース② 8個入のお菓子の場合の実話です。こういうときは、親分夫妻が遠慮して1個ずつだから、子ハイエナ達は、2個ずつということになります。ところがここでも異変が起きます。冷蔵庫のお菓子箱を開けると・・・、無い!! なぜだ!! ありえない!!
私はハイエナ親分でもあるが、心理学を愛するものとして、冷静にこの事態を分析したい。
子どもたちはもう寝ているので、夫婦でこの顛末(てんまつ)を想像し話し合います。犯人は誰か…。
ケース①の場合、最初に遠慮深い末っ子が1個食べます。次に妻が1個。ほどなく食い気にはやる長女がやってきてまず1個。やがてきた長男は思ったことでしょう。「3個残りか。6個入りってことは、自分は2つ食べれるはずだ。」 で、パクリ。少し間をおいて長女が再びやってきた。「あっ、まだ1個残っている。みんな1個ずつ食べて余ったんだわ・・・。」そしてパクリ。きっとこんな展開だったんではないか?
昔は「遠慮のかたまり」という言葉があって、最後の1個は誰も手をつけない、っていうなつかしい美徳があったはず。残念ながら我が家にはそれはないようで、白とも黒とも言えないグレーな判断が横行しているのです。
ケース②は、普通ありえないですよね。どう考えても私ハイエナ親分は最低1個は食べれるはず。
こんな展開が想像できます。妻と末娘がそれぞれ1個食べます。長男長女は当然のようにさっさと2個ずつ食べます。残りは2個。末娘がもう1個食べ、残りは1個。ここで長女は考えたのでしょう。
「きっと妹はあんまり好きじゃないから1個でやめたんだわ」で、パクリ。 当らずとも遠からず、ってところでしょうか。
さて、我が家のハイエナたちの心理の動きはどうでもいいのですが、マーケティングはまさにお客様の心の動きを段階ごとに想像し、そこにアプローチすることの連続です。お客さまとの間にハーモニーのある場をつくり、お互いが信頼できて安心できて「いい気分」の中でビジネスをやりたいですね。
ハモコミ通信2007年11月号
ハモコミ通信2007年10月号
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ものごとのとらえ方・言葉の使い方・ 体の使い方 その6
今回は、ベストセラー「名言セラピー」という本の内容を引用しながら、表題にある言葉の使い方について、考えてみたいと思います。少し感情のコントロールという側面から外れるように思われるかもしれませんが、少し深読みしていただければと思います。まず最初に、この本、もしまだお読みでなければ、おススメ度120%です。あっという間に3冊読めちゃいますから。
さて、今回ご紹介したいのは、タマゴボーロで有名な竹田製菓の経営者竹田和平さんの言葉。
竹田さんは戦後の創業期から、タマゴボーロをつくるのに有精卵にこだわり続けました。お菓子になれば味は変わらないのに、有精卵の価格は3倍。当然ライバル会社は無精卵を選びます。結果はいかに ? 知らないうちにお客さんがついて昭和40年に市場のシェア60%を超えたそうです。
その竹田さんの戦略というのが素敵です。その戦略とは・・・。工場でお菓子に「ありがとう」と言っているのです。怒ったときに吐き出す息を袋に入れて、中に蚊を入れると、その蚊は数分で死んでしまうそうです。逆にニコニコしているときの息では、長生きするそうです。「素材にこだわるその先には、つくっている人のニコニコ度にもこだわる時代が来る。つくっている人たちの波動がモノに移るから。」と竹田さん。
「1日3000回『ありがとう』と言ってみなさい。人生変わるから。」自然にニコニコしてきて、何より運がよくなってくるそうです。40分で言えるそうです。いかがでしょうか ?
竹田製菓では、24時間ありがとうテープが流れているそうです。
ハモコミ通信2007年9月号
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ものごとのとらえ方・言葉の使い方・ 体の使い方 その5
今回は、表題にある3つの感情コントロール手段のうち、前回に引き続き、ものごとのとらえ方について、ベストセラー「名言セラピー」という本の内容を引用しながら考えてみたいと思います。
まず最初に、この本、もしまだお読みでなければ、おススメ度120%です。あっという間に3冊読めちゃいます。
筆者の基本姿勢は、「ものごとのとらえ方を変えるだけで、3秒で人生は変わる」です。正確に言うと、言葉を使ってものごとのとらえ方を変える、というものですし、体の使い方も紹介されていますので、表題の3つ丸ごと含んだ本だということに気づきました。
しあわせは、「なるもの」ではなく、「気づくもの」。それを豊富な事例とともに伝えてくれます。筆者の独自体験や独自の考え方というよりは、筆者が聞いた読んだりしたものを、「名言セラピー」というタイトルの元に大集合させたのです。ですから、この本を引用することは、情報の2次利用となってしまいますが、いいものはいい、のでご勘弁を。
今日という日・・・。「あなたがくだらないと思っている今日は、昨日亡くなった人が、なんとかしてきたかった、なんとしてでも生きたかった今日なんです」 どうです? いきなり重かった?
次はエジソンの話。彼は、ランプを発明するのに5000回も失敗したそうですが、その5000回の失敗で、「この組み合わせはうまくいかないということを発見した」と語っています。つまり、経験には2種類しかないってことです。成功の経験と、学びの経験。「失敗」という経験はないのです。
最後は妻と、或いは主人と価値観の違いで悩んでいる方に対して、心理学者が語ったひと言。「両親の価値観の違い。それは子どもにとっては選択肢が増えたことを意味します」 つまり、両親の価値観が違うと、子どもは2つの価値観から自分に合うものを選べるのです。そうか!! 両親とも同じ価値観で、それしか親が認めないとしたら、その考えに子どもが同意できなかった場合、家庭に逃げ場がなくなります。もちろん、価値観が同じだとよくない、ということではありません。 いかがですか?
ハモコミ通信2007年8月号
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ものごとのとらえ方・言葉の使い方・ 体の使い方 その4
ものは考えよう、という言葉がありますね。ものごとのとらえ方を変えることによって、気持ちを切り替えることができるっていうわけです。別な表現では、「焦点のあて方」を変えることによって、意識的に感情をコントロールできる、となります。
今回は、前回に引き続き、モヤット感情の中の「怒り」についてその対処法を「焦点のあて方」をとおして考えてみたいと思います。
例えば、自分は一生懸命やっているのに、周りの人がふざけてサボっている、という状況で怒りがこみ上げてきたとしましょう。状況しだいでは、怒りをストレートにぶつけることが最善ということもあるかもしれません。しかし、それでは自分の感情を吐き出しただけで、状況はさっぱり良くならないというときもあるでしょう。
合気道の大家藤平光一氏によれば、そもそも「怒ることは精神病である」というのです。これほど見事にバッサリ言い切られると、「なるほどそれもそうだな」と思いませんか? 「焦点のあて方」を『怒り=精神病』とし、精神病になりたくなかったらコントロールせよ、ということですね。自分の中に軸として持っておきたい考え方です。
パフォーマンス学の日本における第一人者佐藤綾子氏(日大芸術学部教授)によれば、「怒り」の対処法は以下の4つだそうです。「迎合」 「引きこもり」 「攻撃」 「バランス型」「迎合」とは相手に合わせること。妥協と言い換えてもいいですね。「引きこもり」は相手を避けて自分の内に入ること。波風は立ちませんが、自分の人間関係が広がりにくくなります。「攻撃」は、自分の目的を達成することはできますが、人間関係が壊れることも少なくありません。そして「バランス型」は、怒りの原因を冷静に分析してうまく自己主張する人です。 怒りを溜め込んで家に帰ったら、ぜひもう一度その場面を思い出して、これらを4つの方法で対処したらどうなるか、イメージしてみてください。
そして、今後似たような状況に出合ったとき、どのように対処するかをもイメージしてみましょう。
そもそも自分はどういう人でありたいのか、というスタンスがはっきりしていると、突発的な怒りに対しても冷静に対処できると思います。
ハモコミ通信2007年7月号
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ものごとのとらえ方・言葉の使い方・ 体の使い方 その3
さてさて今回は「体の使い方」を変えることによって、意識的に自分の気持ちをコントロールするっていうテーマの深堀です。このテーマで約300名のメーリングリストにアンケート依頼をして、18名の方から回答をいただきました。みなさん共通の関心事なんだなぁ、とあらためて実感しました。
一番多かったのは、呼吸に関するものです。体を叩くっていうのも多かったです。番外編では、落ち込んだとき、無理に明るくしようとせず、落ち込んだままにまかせる、っていうのもありました。
おもしろいものがたくさんあるので、ぜひご覧ください。
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http://www.iki-sangyo.co.jp/
一口に気持ちのコントロールといっても、その気持ちの内容が「怒り」なのか、「悲しみ」なのか、「あせり」なのか、「不満」なのか、によってそれぞれ違った方法があるわけです。
これもアンケートの中で教えていただいたことですが、東京学芸大学相川教授が提唱している「怒りのコントロール法」というものがあるそうです。「怒り」を「突発的なもの」と「持続的なもの」にわけて、それぞれの対処法が整理されています。そのほとんどがタイトルにある3つの視点にあてはまることがわかったので、ご紹介します。
突発的なものに対しては、①口を閉じて10まで数える(体と言葉)②深呼吸する(体)③自分に「落ち着け」「リラックスしろ」などと言い聞かせる(言葉)④相手の表情をよく見る(焦点) ⑤相手から見た自分をイメージする(焦点)。
持続的なものに対しては、 ①自分を相手に置き換えてみる(焦点)②相手の言動に関して別の原因を考える(焦点)③相手の長所を見つける(焦点)④相手に援助を申し出る(焦点と言葉)。
突発的な怒りには、主に体や言葉を使って対処し、その後は焦点を変えることによって怒りを別の方向に持っていく、というような感じですね。
図中の「モヤット」感情の中では、怒りとあせり以外は、どちらかというと持続的なものですが、体の使い方で対処できることもありそうです。
次号でもう少し深めてみましょう。
ハモコミ通信2007年6月号
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ものごとのとらえ方・言葉の使い方・ 体の使い方 その2
自分の「気持ち」。切り替えが上手な人と、そうでない人がいますね。上手な人はどういう方法でやっているのでしょうか? きっと100万通りもの方法があるのでしょうが、大きく分類すると、下の図のように大別できそうです。
この中で、一番簡単で、誰でもできて、すぐに効果があるのが、「体の使い方」だと思います。「体の動き」と「気持ち」は密接に関係があるからです。
原稿の締切に追われた作家が、立ち上がって歩き出した途端にいい案が浮かんだ、なんてことがあるようです。体の使い方が変わり、気持ちが変わったからだ、と説明をしている人がいます。遊園地が楽しいのも、いろいろな体の動きをすることが気持ちの変化を感じさせてくれるから、であり、禁煙がむずかしいのも、タバコを吸うときに使う一連の動作と吸ったときの気持ちよさが結びついているからだ、というのです(もちろんそれだけじゃないでしょうけど)。
モヤットしてきたなぁ、と思ったら、まずは体の使い方を変える! これがオススメです。そして、すこしでも早くスッキリさわやかでいきましょう!
私の特技に「フグ」というのがあります。名刺にも書き込んでいるので、 「フグを上手にさばけるっていうことでか?」などとまじめに質問されたりします。これも実は一瞬で気持ちを変える体操の一種です。二日酔いの朝やお昼を食べ過ぎて、眠くなってきた午後などに最適です。
こぶしを握り締め、両腕を思いっきり天に向けて突き上げながら、「フッ、グ~」と叫んでください。特に「グ」に力を込めて。以上。
これで体のコリもとれるし、気持ちもスッキリ! ぜひお試しください。
次号でもう少し体の使い方を取り上げたいと思います。
ハモコミ通信2007年5月号
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ものごとのとらえ方・言葉の使い方・ 体の使い方
自分の「気持ち」。ありもしないことをあれこれ想像できるというのは、人間だけに与えられたすばらしい贈りものです。でも、もてあましてしまうこともしばしばしますね。普段の生活をよ~く分析してみると、すべての活動が気持ちのコントロールのため、と言えなくもありません。
マーケティングの世界でよく引き合いに出される話。「人は電気ドリルをなんのために買うか?」「それは、きれいな『穴』を買うのです」、というのが一般的な答えです。でも穴はなんのために必要でしょうか? 例えば格好いい「取っ手」を取りつけて、奥様やお子様から、「パパすごいね」ってほめられたい、のかもしれません。あるいはそのときのなんとも言えない清々しい気持ちを味わいたいから、かもしれません。いずれにしても電気ドリルは自分の気持ちを高めてくれる道具なのです。
電気ドリルの作業のように、仕事をとおして相手から感謝される、あるいは自分自身達成感を味わうっていうのは、気持ちの上で一番いいパターンです。しかし、これには時間がかかったり、人によって場合によって、できることとできないことがあると思います。いつでもどんなときでもすぐにできる気持ちのコントロール法はないか? 意識してやっているかどうかは別として、人それぞれに無数の方法で実践しているわけです。それらを私なりにグループ分けしたのが以下の図です。
大きく分けて、副作用のない方法と、ほどほどにしないと副作用がでてしまう方法があるということに気づきました。
実際にはこれら6グループを適宜組み合わせてやっていらっしゃるとおもいますが、どちらかというと、副作用なしのグループの方法について、あまり意識していない人も多いのではないでしょうか?
そんな思いから、前回は体の使い方について、とりあげたというわけです。
次号でもう少しこの点についてお話させていただきますね。
ハモコミ通信2007年4月号
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「上を向いて歩こう」の本当の意味!?
坂本九さんの名曲「上を向いて歩こう」が誕生したのは、私が生まれた年と同じ1961年です。
だから、というわけではありませんが、私はよく上を向いて歩いています。通勤の行き帰りには空を見上げるのが日課です。♪幸せは、雲の上に♪ と歌われているように、空を見上げていると、なぜか感謝したくなるような、心配ごとなど吹き飛んでしまうような雰囲気が感じられるのです。つまり、上を向いて歩いているだけで、感謝という気持ちで朝をスタートし、大らかな気持ちで家に帰れるのです。
「うつ」を治す一番いい方法は、上を向かせる、ということを聞いたことがあります。上を向くということは、空気の流れもよくなるので、新鮮な酸素が体に入ってくる、という意味合いもあるようです。
さて、「気持ち」というのはブレやすいものですよね。うまくコントロールできているときもあれば、ちょっともてあましてしまうようなときもあるのではないでしょうか? それをコントロールする3つのよい方法というのがあるそうで、その一つが「体の使い方」に関係したものだそうです。
例えば、いつもよりちょっと早歩きをしただけで、なんとなく積極的な気分になりますよね? 鏡の前で、無理にでも笑ってみることによって、自分を励ますことができたりもします。胸を張って背筋を伸ばすと、ピリッとした感じになりますし、緊張してアガッテイル人の肩は、まさに上がってますから、肩を下げてやると落ち着きます。
つまり、感情が体に現れているのですから、体の使い方を変えてやれば感情も変わる、っていう理屈ですね。上を向いて歩く、っていうのは、その中でも一番いい方法かな、って勝手に思っています。
3つのよい方法というと、あとの2つは何? ですよね。それは来月号のお楽しみです(^。^)。
ハモコミ通信2007年3月号
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「聞き出す」技術 その3
ビジネスコミュニケーションの中で、非常に重要な位置を占める「聞き出す」技術。
今月もこのテーマを深掘りしてみましょう。「できない」と言われてからの展開についてです。
「この仕事、週末までやってもらえますか?」
「時間がありません。無理です。」
「それじゃ、来週の月曜日までは?」
「う~ん、難しいですね。」
「もういいよ、他の人に頼むから。」
よくありがちな会話じゃないでしょうか? こんなとき、「なぜ出来ないんだ」「無理すれば出来るだろう」などと問い詰めると、相手は意固地になって、ますます拒絶されてしまいますね。
そもそも口癖のように「無理」「難しい」という言葉を簡単に使う人は、その言葉が行動を止めてしまっていたり、先延ばしにしていることに気がついていないことが多いものです。やったことがない仕事で不安だ、という心理が見え隠れする場合もあるでしょう。
では、どうすればいいでしょうか?
例えば、「出来たとしたらどうなりますか?」という質問で、可能性の結果を先に描いてもらう、という方法があるようです。その結果が、本人にとって心地いいものだったりすると、では他のことを後回しにしてやってみようか、とか、なんとか集中してやってみようか、という前向きな思考パターンに入る可能性がありますね。
もう一つ、「出来るとすれば、時間のほかに何が必要ですか?」という質問もあるでしょう。この部分は外注に回して、この部分はだれそれに手伝ってもらって、という具体的な対策がでてきそうですね。
ハモコミ通信2007年2月号
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「聞き出す」技術 その2
ビジネスコミュニケーションの中で、非常に重要な位置を占める「聞き出す」技術。
しばらくはこのテーマに絞ってみたいと思います。
数あるその技術の中で、一番大切なのは「ラポール」(お互いに信頼関係が築かれている状態)です。これについては、2005年5月号、6月号でも特集しましたのでご覧ください。
「相手の状況をしっかり理解した上で、より良い提案をしたい」、と思っても、相手もこちらを信頼してくれないと深いところまでは教えてくれません。信頼は小手先で培えるものではありませんが、コミュニケーション技術がお互いの距離を縮める役割を果たすことに異論はないでしょう。
今回は、「オウム返し」または「バックトラッキング」と呼ばれているものについてです。
「先週釣りに行ってね、結構大物釣れたんだよ」「へぇ、大物が釣れたんですね。すごいですね」
よくある会話ですね。このあと、「何cmくらいあったんですか?」とか「かなり重かったですか?」などと続いていくのでしょう。実はこのさりげないやり取りの中にちょっとした技術が入っていたんですよ。お気づきでしたか? 単に「へぇ、すごいですね」ではなく、「大物が釣れた」という相手の言葉を繰り返しています。
このように、相手が発した言葉の一部を繰り返す効果は2つあると言われています。
1つ目は、しっかり聞いてもらっているな、という安心感です。
2つ目は、言葉には表れない「YES」が相手に蓄積していく効果です。わかりますか?
「大物が釣れたんですね」と言われた瞬間、「YES」が宿るのです。自分が言ったことが繰り返されているのですから、「NO」になるはずがありません。
これは相手がコチラを批判しているときにも使えます。例えば「ずいぶん高いねぇ」に対して、「そんなことはありません」は、相手に「NO」を言っていることになります。一旦「高いと感じていらっしゃるのですね?」といえば、相手の無言の反応は「YES」です。そのあとで「実は・・・」と反論していけば相手も聞く耳を持ってくれるでしょう。
バックトラッキング技術には、①相手の話した事実を繰り返す ②相手の気持ちを繰り返す③相手の話した内容を要約して返す の3通りがあります。これらを適度に織りまぜていけば、会話は心地よくなり、短時間で相手とのラポールを築けることでしょう。