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本番に強くなる~緊張を集中に変えるプレッシャー克服法 その2~
さっそく本題です。
本番で緊張している人に対して、3流コーチ(先生、先輩、上司、父親・・・)は「肩の力を抜け、リラックスしろ!」と言うだけ。
「どうやって?」と聞かれたら、「そっ、そんなこと自分で考えろ」という答えしか返ってきません。
そんな経験はありませんか?
先月号(弊社HPにバックナンバーあり)では、白石豊先生の著書から、本番の緊張に対する対処の仕方を抜粋させていただきました。
今回は、学生の面接指導を数多く行っている斉藤幸江先生のお話。斉藤先生は就職面接に臨む学生に対して、次のように指導しているそうです。
「緊張するっていうのは、意識が自分自身に向いている、ということ。相手(面接官)のことに思いを集中しなさい」と。
「えっ、どういうことですか?」
「ドアをノックする前に、まずその部屋の中にいる面接官のことをあれこれと想像するのよ。いったい何人いるのかな? カッコいい人かな? 奥さんはどんな人かな? 今朝何を食べてきたのかな?
っていう具合。あくまで好奇心でね」
「『意識』は一度に一つのことしか考えることができない」という原則があるそうです。
相手のことを強く思うことにより、自分のドキドキなどは遠ざかってしまう、というワケ。実に的を得た指導法ですね。
さらに斉藤先生は「相手のことを好意的に思いなさい」とも指導しています。その気持ちは表情に表れ、伝わり、印象がよくなることが多いからです。
この作戦がうまくいった場合、どうなるか?
面接官も人の子です。大抵の場合、好印象の相手には興味が湧くものです。
緊張して受け答えがシドロモドロになってしまった面接者に対し、面接官が興味がなければそこでおしまい。THE END。でも、興味があるのなら…?
面接者のことをもっと知りたいと思うので、質問を変えたり、時には面接官のほうからリラックスさせるように配慮してくれたり!
これはすぐにでも実行できそうですね。
さて次に、準備期間がある場合、本番の緊張状態に臨むことを想定して、どんな準備をすればいいか、について、白石先生の講演からまとめてみました。
次の図が端的に必要なことを表しています。
本番で力を発揮するためには、当然のことながらまず目的・目標を明確にするところからはじめることは言うまでもありません。
その上で、自信をつけること、セルフイメージを高めることに注意を払う、というわけです。
そもそも『練習をする』ことの本当の意味は「大丈夫、やれる!」という『信念をつけること』であるとも言われています。
白石先生曰く「自信は、試合や試験の後にではなく、先に持つべきもの」。
そりゃそうですよね。やって少しは自信がついた、ということはよく聞きますが、本当はその前についてないと本番で十分な力を発揮できないのですもの。
人は18歳までに平均15万回くらい否定の言葉を浴び続けると言われています。それにめげずにセルフイメージを上げるには、目標を紙に書いて、声を出して何度も読むことが一番だそうです。
得点王を取りながらも、ここ一番という試合に力を発揮できず、ガラスのエースなどと揶揄(やゆ)された女子バスケットボールの萩原美樹子選手。
白石先生の指導のもと、セルフイメージの改善に真剣に取り組んだそうです。シドニーオリンピックを前に行っていた彼女の「自己指示の確認書」なるものの全文を弊社HPに掲載しています。
これを5枚作成し、あちこちに貼って1日20回~30回も声に出して読み、イメージし、真のエースと称えられるようになったのです。
ちなみにその書き方のコツは以下の3点です。
1.すべて肯定文で書く
2.主語はすべて「私」
3.目標は「私は~である、~をやり遂げている」
のように現在形、または現在完了形で書く