生活に取り入れたり、仕事で生かすなどしていただけると本望です。
◎幸福な王子
有名な児童文学の一つに、19世紀のアイルランドの作家、オスカー・ワイルドが記した『幸福な王子』があります。
ある国に「幸福な王子」と呼ばれる美しい王子がいましたが、彼は早くに亡くなりました。その死を惜しんだ人々は、町の中心に王子の銅像を建てたのでした。
やがて、その王子像は自我をもつようになり、町で暮らす人々の様子をつぶさに観察するようになりました。
そこで困っている人々に自分が身に着けているサファイア、ルビー、金箔などの装飾品を届けるようツバメにお願いしたのでした。
時は経ち、冬が訪れた頃、王子像は装飾品がすべて無くなり、みすぼらしい姿になっていました。ツバメも徐々に衰えて、王子像の脇で力尽きたのでした。
この二つの尊い存在は永遠の命をさずかり、楽園で幸せに暮らすようになったのでした。
困っている人がいたら、手を差し伸べることができる自分になりたいものです。
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<コメント>
アンパンマンは、自分の顔をちぎって、お腹をすかせた子供達にパンを分け与え、世の中の「ひもじい」を無くすことを使命とした格好悪い(格好にこだわらない)正義の味方。
この幸福な王子とかぶりますね。
「人の喜びが我が喜び」という姿勢で物事に取り組む時、周りに認められるかどうかは別として、その人はヒーローそのものと言えるでしょう。
「アンパンマンはキミさ♪」という歌詞がそのことを伝えてくれていますね。
コラムでは限られた文字数のために、カットされていますが、王子は存命中、城壁の内側で暮らしていたため、町の貧しい人の苦しさに気づくことができませんでした。
何事も気づいた時、感じた時が“始まり“ですね。相田みつを氏の言葉(書)、「感動とは 感じて 動く と書くんだなあ」 が好きです。
何をどう感じてどう動くか。一生磨き続ける分野です。
◎個性を知る
9月29日は国民的キャラクター「ドラえもん」の声を36年間務めた、声優の大山のぶ代さんの一周忌です。
「どこでもドア」や「タケコプター」といった道具を四次元ポケットから取り出す姿を見て、夢を膨らませた人もいるでしょう。
その独特な声で、中学生の時は友達に笑われたりしました。そのため、大山さんは声を発することをためらい、次第に消極的になっていきました。
そんな娘の様子を見て、大山さんの母親は「明日から声を出すクラブに入りなさい」と背中を押したのです。
その後、放送研究所に入部し、連続放送劇を行なったことが評判となり、大山さんも自信を得ていきました。
どんな人でも、欠点や苦手なものはあるはずです。それらが原因で本来の力が発揮できないとすれば、もったいないことです。
大山さんは、自分の声を「個性」として捉え、声優という職に就くことができました。
欠点や苦手なものに背を向けずに、正面から立ち向かい、挑んでいくことも時には必要ではないでしょうか。
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<コメント>
お母様の的確な判断・アドバイス、お見事でしたね。同類のケースは世の中にごまんとあり、言葉一つの違いで、結果が雲泥の差となることが容易に想像できます。
もちろんその後のご本人の努力が実を結んでいったのは間違いありませんが。
自分は子供達にどんなアドバイスやきっかけを与えることができたのだろう? 過去を悔いてもしかたありません。長い目で見守っていきたいです。
ChatGPTに名伯楽(人の才能を見抜いて、その才能を成長させる力がある人物)を尋ねると、ビジネス界では、稲盛和夫、松下幸之助、渋沢栄一、スポーツ界では、野村克也、山下泰裕、原辰徳、芸術文化界では、黒澤明、北野武、蜷川幸雄、だそうです(敬称略)。