先週の続きでボルネオ島でのスズメバチ実験の話。
年中30℃以上、降水量も豊富、実に豊かな自然に恵まれたボルネオ島。
しかし、いくら自然豊かとは言っても、パッと行ってスズメバチの巣がパッと見つかる
わけではありません。事前に現地の人に見つけておいてもらう必要があります。
同行したスズメバチ先生の中村雅雄さんは、これまで9回もボルネオでスズメバチの調査
をされていた方。
中村さんがいつも頼りにしていたのは、村に顔が利くRustinさんというガイドです。
Rustinさんは、実は9年前にガイドを辞めていたため、連絡を取るのに苦労しました。
あれこれ細いツテをたどり、WhatsAppというSNSと翻訳アプリに助けられ、
何とか協力してくれることになりました。
そして契約が成立してまもなく2つの巣を見つけた、という朗報、そして出発間際に
あと2つ見つかった、と。
その後の経過はさておき、幸運にも、Rustinさんが村人に声をかけてくれて見つけて
スズメバチの巣は、ボルネオ島に生息する5種類のうち4種類でした。
YouTube動画にアップしたのは、ツマグロスズメバチという種類。
8㎝~10㎝と小さい巣だったので、女王バチ1匹で巣づくりしている段階かな? と
思いきや…。
何と、この狭い空間の中で、女王バチ2匹と働きバチ4匹がいたのです!
熱帯のスズメバチの特徴として、最初女王バチ2匹で巣づくりを始め、1匹が途中で半分の
働きバチを連れて分胞する(別の巣をつくる)ということが多くあるというのです。
それにしても、女王バチというのは、初期段階では餌を見つけては巣づくりに励み、
同時に子供を産み、というのを繰り返し、やがて働きバチが一定の数を越えたら、
子づくりに専念。特に初期段階の巣づくりには苦労が予想されます。
何しろ熱帯地方のスコールは半端ない強さです。せっかく作った巣が雨に流されてしまう
ことだってあるでしょう。いくら働きバチに比べて体が大きいとはいえ、小さい体で
コツコツと巣をつくっていくだけで尊敬に値するなぁ、と今回のボルネオ実験ツアーで
しみじみ感じました。
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